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人材派遣とは?仕組みや料金、活用時の留意点を解説
公開日:2025.05.28
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人材派遣とは、必要な期間だけ派遣社員を受け入れられるサービスです。
「繁忙期だけ増員したい」「専門スキルがある人材を受け入れたい」といった理由から人材派遣の活用を検討しているものの、「どのようなシーンで人材派遣を活用すればよいのかわからない」という方も多いのではないでしょうか。
本記事では、人材派遣の仕組みや種類をはじめ、人材派遣を活用するメリット、アウトソーシングや人材紹介など他のサービスとの違い、人材派遣の料金体系などについて分かりやすく解説します。また、留意点や人材派遣会社を選ぶポイント、活用の流れも解説しますので、人手不足の課題を解決したい方はぜひ参考にしてください。
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人材派遣は必要なときに必要な人材を活用できるサービスのこと
人材派遣とは、厚生労働大臣に認可された派遣事業を行う事業者が、雇用している派遣社員を派遣する仕組みで、必要なスキルを持った人材を必要なタイミング・必要な期間に受け入れられます。
人材派遣の契約は、下記の図のように派遣元である人材派遣会社と派遣社員が雇用契約を結ぶ形態です。派遣社員を受け入れる派遣先企業と人材派遣会社が結ぶのは労働者派遣契約です。

労働者派遣契約の締結によって、派遣先企業は派遣社員を受け入れることができ、業務指示が出せるようになります。派遣社員は、派遣が禁止されている適用除外業務(港湾運送業務など)と士業以外のほぼすべての職種の業務に従事可能です。なお、人材派遣のサービスは労働者派遣法で定められています。
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人材派遣の種類
人材派遣は、人材派遣会社と派遣社員の間で交わされる契約によって2種類に分けられます。人材派遣の主な種類は以下の通りです。
有期雇用派遣
有期雇用派遣とは、人材派遣会社と派遣社員が一定の期間を決めて雇用契約を結ぶ人材派遣です。
有期雇用派遣では、同じ派遣先で同一の派遣社員を受け入れられる最長期間は3年となっています。派遣先企業と人材派遣会社の間での派遣契約が終了したタイミングで、人材派遣会社と派遣社員の雇用契約も終了となります。
一般的に「派遣」と呼ばれる形態が、有期雇用派遣を指していることが多いです。
有期雇用派遣についてはこちらで詳しく記載しています。ご参照ください。
>>有期雇用派遣とは?無期雇用派遣との違いを分かりやすく解説
無期雇用派遣
無期雇用派遣とは、人材派遣会社と派遣社員の間で期間が定められていない雇用契約を結ぶ人材派遣です。
無期雇用派遣では、同じ派遣先で同一の派遣社員を受け入れる期間に制限がありません。そのため、有期雇用派遣よりも長期間にわたって派遣社員を受け入れられます。
また、派遣先企業と人材派遣会社間の派遣契約が終了しても、人材派遣会社と派遣社員の間の雇用契約が継続することも、無期雇用派遣の特徴です。
無期雇用派遣についてはこちらで詳しく記載しています。ご参照ください。
>>無期雇用派遣とは?活用するメリットや留意点についてご紹介
人材派遣を活用するメリット
人材派遣を活用するメリットには以下の3つがあります。
- 必要な時に、必要なスキルを持つ人材を活用できる
- 人材確保のコストや工数を軽減
- 労務管理の負担が軽減する
それぞれのメリットについて解説します。
必要な時に、必要なスキルを持つ人材を活用できる
人材派遣の最大のメリットは、期間や業務内容など、必要に応じて柔軟に派遣社員を受け入れられる点です。
例えば、繁閑期の業務量の差が大きい場合、繁忙期の短期間だけ派遣社員を受け入れることが可能です。さらに、短時間勤務や週3日などの時短勤務、社員の育児休業や介護休業などの一時的な欠員の補充のために活用するなど、自社の状況に合わせて柔軟に人員追加できます。
また、人材派遣会社にはさまざまな経験やスキルを持つスタッフが登録しています。そのため、自社が必要とするスキルを持った即戦力人材の受け入れが可能です。
このように人材派遣を活用すれば、必要な時に必要な人材の確保ができるので人材不足の解消に効果的です。
人材確保のコストや工数を軽減
人材派遣を利用する場合、人材確保にかかるコストや工数が軽減できます。自社で社員を採用する場合、募集から書類選考、面接などの採用業務や、採用した社員のスキルに合わせた教育業務が必要です。
自社で社員を採用する場合の流れ

自社で採用を行う場合の懸念点として「募集をしても求めている人材の応募がない」「採用した社員が定着するかどうか」などが挙げられます。
なかなか採用ができない場合は欠員期間が長くなってしまい、社員の負荷が大きくなってしまいます。また、採用した社員が早期退職してしまった場合は、採用や教育を再度しなければならなくなります。
しかし人材派遣を利用する場合は、人材派遣会社が自社の要望にあった人材を提案するため、上記のようなリスクが少なく、人材を確保することができます。
労務管理の負担が軽減する
派遣社員の労務(給与計算や支払い)、社会保険(健康保険、介護保険、雇用保険、労災保険)の加入手続きなどは派遣元である人材派遣会社が対応します。そのため派遣先である自社がこれらの業務に対応する必要がありません。
ただし、人材派遣を利用する場合、派遣社員に対して自社でも以下のような管理は必要となります。
- 労働時間の管理
- 業務で利用する機械や薬品など、危険防止の措置
- 適切な就業環境の整備
人材派遣と他の方法との違い|メリット・注意点
人材派遣と比較されるのが、「アウトソーシング」「人材紹介」「紹介予定派遣」です。
ここでは、それぞれのメリットと注意点について、人材派遣との違いを解説します。
メリット | 注意点 | |
---|---|---|
人材派遣 |
|
|
アウトソーシング |
|
|
人材紹介 |
|
|
紹介予定派遣 |
|
|
アウトソーシングとの違い
アウトソーシングとは、自社の業務の一部を外部の企業に委託することです。アウトソーシングを活用すると、業務工数の大幅な削減が期待できます。また、受託会社のノウハウを活用できるため、専門性の高い業務を依頼しやすいこともアウトソーシングの特徴です。
人材派遣とアウトソーシングの主な違いは、派遣社員の受け入れの有無や業務指示の可否です。アウトソーシングでは社内で派遣社員の受け入れが発生せず、業務指示を直接行うこともできません。そのため、定型化できない業務はアウトソーシングに適さない場合があります。
人材紹介との違い
人材紹介とは、人材紹介会社が自社の求める人材と求職者をマッチングするサービスのことです。採用業務の効率化や負荷軽減などを目的に活用されます。
人材派遣と人材紹介の主な違いは、雇用の有無です。人材紹介は企業の採用活動を支援するためのサービスであり、あらたな社員を雇用したい企業が活用します。一方、人材派遣では派遣先企業と派遣社員の間に雇用関係は発生しません。
人材派遣と人材紹介の違いは、こちらの記事で詳しく紹介しています。
>>人材派遣と人材紹介の違い|特徴とメリット、利用シーンを分かりやすく解説
紹介予定派遣との違い
紹介予定派遣とは、直接雇用を前提に派遣社員として人材を受け入れる方法です。
人材派遣と紹介予定派遣の違いとして、派遣可能期間の長さや、雇用関係の有無があげられます。紹介予定派遣の派遣可能期間は最長6ヶ月で、自社と派遣社員の希望が合致した場合、採用決定となります。一方、人材派遣の有期雇用派遣で受け入れられる最長期間は3年です。また、有期雇用派遣・無期雇用派遣ともに、派遣先企業での雇用は行いません。
なお、紹介予定派遣は、採用のミスマッチを防ぎたい場合に適しています。
紹介予定派遣については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
>>紹介予定派遣とは?仕組みやメリット、通常の派遣との違いまで解説
人材派遣と他の方法との違い|契約・法律・雇用関係など
人材派遣とアウトソーシング、人材紹介、紹介予定派遣の契約や法律に関する違いは以下の通りです。それぞれサービス内容や契約形態、料金が異なります。
人材派遣 | アウトソーシング | 人材紹介 | 紹介予定派遣 | |
---|---|---|---|---|
サービス内容 | 必要な人材の派遣 | 委託業務の遂行・納品 | 採用支援 | 採用支援 |
契約形態 | 労働者派遣契約 | 業務委託契約 | 有料職業紹介契約 | 労働者派遣契約 |
雇用元 | 人材派遣会社 | 外部企業 | 自社 | 派遣期間:人材派遣会社 切替時:自社 |
人材の選考 | 不可 | ― | 可 | 可 |
派遣期間 | 最長3年 | ― | ― | 最長6ヶ月 |
料金体系 | 派遣料金(実働時間数×時間単価)※ | 固定額、従量単価など | 紹介手数料(採用決定の場合) | 派遣期間:派遣料金 紹介手数料(採用決定の場合) |
※契約によっては必要な費用を別途精算する場合があります。
アウトソーシングとの違い
アウトソーシングでは、委託業務の遂行・納品が主なサービス内容です。サービスを活用する企業とアウトソーシングの受託先企業の間では、業務委託契約が結ばれます。料金はサービス内容に応じた固定額や、業務量に応じた従量単価制で決まることが一般的です。
人材紹介との違い
人材紹介のサービスは企業の採用を支援することで、企業と人材紹介会社の間では有料職業紹介契約が結ばれます。
人材紹介では、採用にあたって人材の選考が可能です。一方、人材派遣では受け入れる派遣社員を選考することはできません。
人材紹介では、採用決定の場合に紹介手数料が発生します。
紹介予定派遣との違い
紹介予定派遣のサービス内容は採用支援です。派遣期間中は人材派遣会社が雇用元となり、切替時には自社が雇用元となります。
紹介予定派遣では、人材派遣と異なり人材の選考が可能です。料金については、派遣期間中は派遣料金、採用決定の場合は紹介手数料がかかります。
人材派遣の適した活用シーン
人材派遣を活用するシーンとして次の3つの例を解説します。
- 専門スキルの活用
- 繁忙期の人員補充
- 急な退職や育児休業などの代替
専門スキルの活用
派遣社員は高い専門性をもった人材が多くいるため、専門スキルを持った人材を活用したい場合に適しています。
例えば、法務関連の知識や経験がある派遣社員を受け入れ、契約書の確認や見積書の作成サポート、契約台帳の作成などを担当してもらうことにより、自社社員の負担を軽減できます。
上記のように派遣社員は、該当業務の知識や実務経験が豊富な人材が多いため、基本的な業務内容について教える必要がなくすぐに専門スキルを持った人材の活用ができます。
繁忙期の人員補充
人材派遣は必要なときに必要な期間だけ受け入れることができるため、繁忙期の一時的な人員補充にも向いています。
例えば、年度末や月末月初などに発生する業務負荷の軽減に活用されます。適切なタイミングで人材派遣を活用すれば、自社の社員の残業を削減し、時間外労働の賃金負担の軽減や、労働環境の健全化も期待できます。
急な退職や育児休業などの代替
人材派遣は、社員の急な退職や育児休業などの代替としても活用できます。
自社で社員を採用する場合、すぐに即戦力となる人材を見つけることは難しく、業務未経験者しか採用できなかった場合は、教育に時間を要します。また直接雇用の場合は、雇用期間が長期になりやすく、短期間での採用が難しいでしょう。
一方、人材派遣は必要なタイミングで必要な期間に派遣社員を受け入れることができます。
人材派遣の料金体系
人材派遣会社に支払う料金は、「派遣社員の実働時間数×時間単価」となり、派遣社員を受け入れている期間発生します。時間単価は、派遣社員の業務内容や期間、地域などの諸条件をもとに、異なります。
人材派遣会社へのお問い合わせから、派遣社員の決定、労働者派遣法締結までに、費用や手数料が発生することは基本的にありません。すでに就業している派遣社員が契約更新できなくなり、別の派遣社員をあらたに紹介してもらう際の紹介料や手数料も不要です。
派遣の料金には、派遣社員に支払う賃金のほか、派遣社員の社会保険料や有給休暇を取得した場合の賃金、福利厚生費、人材派遣会社の運営経費が含まれています。
人材派遣の料金の詳細は、以下の記事をご覧ください。
>>【分かりやすく解説】人材派遣の料金や内訳、マージン率について
人材派遣の時給推移の詳細は、以下のデータをご覧ください
>>テンプトレンドデータ
人材派遣を利用する際に気をつけたい点
人材派遣を活用する際、主に以下の6つに注意が必要です。
- 業務指示を直接行う必要がある
- 派遣社員の選考や特定する行為は不可
- 対応できない業務がある
- 受け入れ期間に制限がある
- 契約書に記載されていない業務は任せられない
- 二重派遣にならないように気を付ける
それぞれの注意点について詳しく解説します。
業務指示を直接行う必要がある
派遣社員は、自社(派遣先企業)の社員から直接業務指示を受けながら社内で業務を行います。
派遣社員が自ら業務内容を判断することが難しいため、派遣先企業で派遣社員に何を依頼するかを判断・管理する必要があります。
派遣社員の選考や派遣社員を特定する行為は不可
派遣社員は派遣元である人材派遣会社と雇用契約を結んでおり、派遣先企業と人材派遣会社は労働力の提供を目的とする労働者派遣契約を結びます。自社と派遣社員は雇用関係がないため、自社が誰を派遣社員として受け入れるかを選ぶことはできません(労働者派遣法第26条第6項)。
派遣先企業は依頼したい業務にそった人材のリクエストをすることはできますが、その内容から誰を派遣するかは人材派遣会社が判断します。そのため、派遣先企業は派遣社員を選考することを目的とした面接もできません。
受け入れ前に行われる職場見学は、あくまでも派遣社員が希望した場合に派遣先企業を訪問し、派遣社員が業務内容や就業環境などを確認することを目的として実施します。
対応できない業務がある
労働者派遣法第4条と労働者派遣法施行令第2条によって、派遣社員ができる業務に制限があります。
禁止されている業務は以下の通りです。
- 港湾運送業
- 建設業務
- 警備業務
- 医療関係業務
- いわゆる「士」の業務(弁護士、司法書士、土地家屋調査士、公認会計士など)
- 人事労務管理関係のうち、派遣先において団体交渉又は労働基準法に規定する協定の締結などのための労使協議の際に使用者側の直接当事者として行う業務
派遣禁止業務の詳細については、以下の記事をご覧ください。
>>派遣禁止業務とは?3つの禁止理由や罰則、例外業務について解説
受け入れ期間に制限がある
人材派遣では、派遣社員を受け入れられる期間が事業所単位と個人単位で次の通り定められています(労働者派遣法第40条の2)。
事業所単位の期間制限は原則3年まで、個人単位の場合も3年までです。事業所単位の場合は、派遣可能な期間を延長することが可能ですが、個人単位の場合は同一の派遣社員の受け入れの延長はありません(期間制限の例外に該当する場合を除く)。
【事業所単位】

【個人単位】

人材派遣の受け入れ期間の詳細は、こちらをご覧ください。
>>派遣の抵触日とは?事業所単位と個人単位の抵触日など図解で解説
契約書に記載されていない業務は任せられない
派遣元である人材派遣会社と自社の契約では、派遣社員の業務内容が取り決められており、契約書にない業務に派遣社員を従事させることはできません。
もし、契約外の業務を派遣社員に依頼した場合には派遣法26条の違反による行政指導の対象となる可能性があります。
そのため、依頼したい業務、もしくは今後発生するかもしれない業務については、契約書に記載しておく必要があります。また契約当初は想定していなかった業務が発生した場合には、人材派遣会社へすぐに相談しましょう。
二重派遣にならないように気を付ける
二重派遣とは、人材派遣会社から派遣社員の紹介を受けて、契約した派遣先企業ではなく、異なる企業で働かせることです。二重派遣をすると、派遣社員の給料が不当に減ってしまう可能性があります。
二重派遣は中間搾取につながりかねないため、労働者保護の観点から認められていません(労働基準法第6条、職業安定法44条)。
二重派遣の詳細は、こちらの記事をご覧ください。
>>二重派遣とは?違法行為?禁止されている背景を解説
人材派遣会社を選ぶ際のポイント
人材派遣会社を選ぶ際の基準は、主に以下の2つがあります。
- 「労働者派遣事業許可証」が交付されているか
- 自社が依頼したい業務やエリアに対応しているか
それぞれの基準を解説します。
「労働者派遣事業許可証」が交付されているか
労働者派遣事業を行うには、厚生労働大臣に対して申請を行い、その許可を受ける必要があります。適切な雇用管理、資産要件などさまざまな基準をすべて満たしていると認められた場合に許可番号が付与され、「労働者派遣事業許可証」が交付されます。
「労働者派遣事業許可証」が交付されていない無許可事業主から派遣労働者を受け入れることは、労働者派遣法によって禁止されているため、「労働者派遣事業許可証」の有無を必ず確認しましょう(労働者派遣法24条の2)。
自社が依頼したい業務やエリアに対応しているか
人材派遣を活用する際、対応可能業種や業務、エリアの確認を行いましょう。
人材派遣会社によって得意とする業界や業種、業務内容が異なります。また地域によっては対応できない、対応できる派遣社員が少ない場合があります。
人材派遣会社を選ぶ際は必ず対応可能業種や業務、エリアが自社の要望に合うか確認しましょう。
パーソルテンプスタッフの対応エリアの詳細は、こちらをご覧ください。
>>パーソルテンプスタッフの拠点一覧
人材派遣を活用する流れ
ここからは、人材派遣の活用を検討されている方に向けて、お問い合わせから派遣社員を受け入れるまでの流れを解説します。スムーズに派遣社員の受け入れをできるように、依頼前に必要なスキルや依頼したい業務内容などを整理しておくとよいでしょう。

STEP1 人材派遣会社に依頼
依頼をするにあたり、下記のような内容が必要となります。
- 業務内容
- 派遣期間
- 就業開始希望日
- 求めるスキル
- 必要な人数
自社の要望に合った人材を選定してもらうために、上記の項目の他にも業務内容の詳細や、職場環境、就業条件などを人材派遣会社とすり合わせします。
また、受け入れる事業所の事業所名称や抵触日、比較対象労働者の待遇に関する情報を人材派遣会社に提供します。
人材派遣の依頼方法の詳細は、こちらの記事をご覧ください。
>>人材派遣を依頼する方法とは?流れやポイントをご紹介
STEP2 派遣契約締結、派遣社員の決定
STEP1のすり合わせ内容に基づいて、人材派遣会社から自社の要望に合った派遣社員の提案を受けます。派遣社員の希望があれば、職場環境を確認するために職場見学を実施する場合があります。
また、派遣社員の雇用元である人材派遣会社から、はじめて派遣社員を受け入れる場合は、まず「労働者派遣基本契約」を締結しましょう。労働者派遣基本契約とは、派遣料金の支払条件、守秘義務、損害賠償など、すべての個別契約(労働者派遣契約)に共通する契約条件を定める契約です。
労働者派遣基本契約を締結後、「労働者派遣契約」を締結します。労働者派遣契約は「個別契約」とも呼ばれ、受け入れる派遣社員の業務内容、就業場所、指揮命令者、派遣期間などが定められています。
人材派遣の契約の詳細は、以下の記事をご覧ください。
>>派遣契約の流れを3つのステップに分けて徹底解説
STEP3 派遣社員の就業開始
諸手続きが完了次第、派遣社員の受け入れが可能となります。スムーズに仕事ができるように、以下のような受け入れの準備が必要です。
- 派遣社員を受け入れる旨を社内に周知する
- 入館証やIDカードを発行しておく
- 使用する備品の準備とセットアップ(パソコン、デスクなど)
- 社内ネットワークなどの活用手続き
- 引継ぎ書やマニュアルの準備
- 担当業務の指令命令系統の明確化
また、就業初日は関係者への紹介や社内設備の案内、社内ルールなどを説明すると派遣社員が安心して就業できます。
派遣社員の受け入れの詳細については、こちらの記事をご覧ください。
>>派遣スタッフの受け入れとは?初日に必要な準備や留意点について
STEP4 契約更新の有無を人材派遣会社に明示
一般的に、契約満了の1ヶ月前までに、人材派遣会社から契約更新の有無の確認があります。人材派遣は自動更新ではないため、契約更新の有無を自社と人材派遣会社で取り決めなければなりません。派遣社員への契約更新の意思確認は、人材派遣会社が行います。
契約更新の意思確認以外にも、就業上の課題解決を行い、安定した就業をサポートする目的で、人材派遣会社の営業担当者から定期的なフォローが入ります。何か気になることがある場合は、相談するとよいでしょう。
人材派遣についてよくあるご質問
ここでは、人材派遣の活用にあたってよくあるご質問と、その回答をご紹介します。
派遣社員に契約時の内容と異なる業務は依頼できる?
人材派遣では、派遣社員に契約時の内容と異なる業務を依頼することはできません。依頼する業務を変更したい場合は、人材派遣会社との契約内容を変更する必要があります。
派遣社員に残業や休日出勤の依頼はできる?
人材派遣会社が定めている時間外・休日労働に関する協定の範囲内であれば、派遣社員に残業や休日出勤の依頼が可能です。
派遣社員への残業指示などの詳細は、以下の記事をご覧ください。
>>派遣スタッフへの残業指示は可能?36協定を理解する
派遣社員に在宅勤務を依頼することは可能?
派遣契約書や就業条件明示書に、就業場所として派遣社員の自宅などの項目が含まれていれば、在宅勤務を依頼できます。
派遣先責任者とは?
派遣先責任者とは、派遣社員に関する雇用管理上の責任を負う人のことです。労働者派遣法に基づき、原則として派遣社員の人数が100人あたりにつき1人以上の派遣先責任者が必要となります。
派遣先責任者の詳細は、以下の記事をご覧ください。
>>派遣先責任者とは?選任方法やよくあるご質問について解説
派遣先管理台帳とは?
派遣先管理台帳とは、派遣社員の労働日数や労働時間を記録するための資料です。派遣先企業から人材派遣会社に対して1ヶ月に1回以上の通知義務があります。
派遣先管理台帳の詳細は、以下の記事をご覧ください。
>>派遣先管理台帳とは?記載内容や保管方法を分かりやすく解説
派遣契約は途中で解除できる?
派遣契約は、契約期間中に解除することは原則としてできません。
ただし、やむを得ない事情がある場合に限り、人材派遣会社の合意を得たり、派遣社員へのあらたな就業機会を用意したりするなどの条件を満たした上で中途解約できるケースがあります。
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人材派遣の活用で人材不足などの課題を解決しよう
人材派遣とは、必要なときに必要な期間、専門スキルを持った人材を受け入れられるサービスです。人材派遣を活用すると、人材確保のコストや工数の軽減や、労務管理の負担の軽減といったメリットが期待できます。
人材派遣を活用する場合は、注意点や人材派遣会社を選ぶ基準を把握した上で、導入することが大切です。本記事を参考に、人材派遣の特徴や他のサービスとの違いなどの理解や、人材に関する課題解消にお役立てください。
監修者

パーソルテンプスタッフ株式会社
法人マーケティング第一室 室長
河内 諒子
パーソルテンプスタッフに入社後、都内にて派遣サービスの法人営業を7年担当。その後、営業企画部門で法人向けのコンテンツ制作および法改正時の対応、グループ統合対応などに従事。2022年より現職、法人マーケティング第一室の責任者として、記事やセミナー、メールなどのコンテンツを通して情報発信を行う。
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