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グローバル人材の採用時のポイントとは?|メリットや課題、必要な受け入れ体制を解説
公開日:2025.07.11
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ビジネス環境が激しく変化し、人材の確保が課題となる今、企業の持続的な成長戦略としてグローバル人材の採用が注目されています。
多様な視点をもつグローバル人材は、イノベーションを加速させ、あらたな市場を開拓する大きなきっかけともなり得ます。グローバル人材のポテンシャルを最大限に引き出すためには、戦略的な取り組みが欠かせません。一方で、在留資格の手続きや文化・言語の違いといった特有の課題も存在します。
本記事では、グローバル人材採用におけるメリットと課題、具体的な採用手法、定着を促す受け入れ体制、そして法的要件など、押さえておきたいポイントを詳しく解説していきます。
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なぜ今、多くの企業がグローバル人材の採用に注目するのか?
日本では少子高齢化による労働力人口の減少が進む一方、グローバル市場での競争力強化や、多様化する顧客ニーズへの対応が急務となっています。
こうした背景から、あらたな視点や専門性を持つグローバル人材の獲得に関心を寄せる企業が増えています。その主な理由を見ていきましょう。
労働力不足と国内市場の限界
日本の生産年齢人口(15~64歳)は1995年をピークに減少を続けており、多くの産業で人材不足が常態化しています。また、人口減少に伴い国内市場が縮小傾向にあるため、海外にあらたな成長機会を求める企業も少なくありません。
このような状況下で、国内外から優秀なグローバル人材を確保し、事業基盤を強化しようとする企業の動きが活発になっています。
引用:内閣府|令和6年版高齢社会白書
イノベーション創出と組織のダイバーシティ推進
変化の激しい市場環境で競争優位性を保つには、従来の発想にとらわれない斬新なアイデアが不可欠です。
異なる文化や価値観、経験を持つグローバル人材が集うことで、多様な意見が活発に交わされ、組織全体の創造性が高まることが期待されます。さらに、ダイバーシティを重視する姿勢は、企業の社会的評価を高め、投資家や顧客からの信頼獲得にもつながります。
組織内部の活性化や課題解決への期待
「社内の同質性が高く、あたらしい発想が生まれにくい」または「海外プロジェクトが思うように進まない」といった課題を抱える企業にとって、グローバル人材は組織にあたらしい風を吹き込む存在として期待されています。
グローバル人材の持つ専門知識や異なる視点、チャレンジ精神は既存社員へのよい刺激となるでしょう。特にチャレンジ精神は、文部科学省がグローバル人材に求められる要素の1つとして挙げているほど重視されており、欠かせない資質です。
こうした姿勢は、組織内のスキルアップや意識改革を促すだけでなく、従来の枠にとらわれない柔軟な発想や変革への推進力にもつながります。結果として、企業の変革を後押しする力となる可能性があります。
引用:内閣官房|グローバル人材育成戦略の概要
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「グローバル人材」とは、具体的にどのような人材か?
「グローバル人材」という言葉は広く使われますが、その定義はさまざまです。この記事では、単なる語学力や海外経験にとどまらず、より本質的な国際的な能力を持つ人材として捉えます。
具体的には、「国籍や文化背景を問わず、多様な価値観を理解・尊重し、高度な語学力やコミュニケーション能力、専門性を活かして、国際的なビジネス環境で主体的に課題解決に取り組み、企業の持続的な成長とあらたな価値創造に貢献できる人材」をグローバル人材と定義します。
グローバル人材には、異文化間で信頼を築く高度なコミュニケーション力はもちろん、未知の状況で自ら考え行動する主体性、変化を恐れず前進するチャレンジ精神、そして基盤となる高い倫理観が求められます。
これらの資質は、特定の経歴に依存するものではなく、多様な経験を通じて後天的に磨かれるものです。そのため企業には、採用時にポテンシャルを見極め、入社後の育成や環境整備によってその力を引き出していく企業の姿勢が重要となります。
グローバル人材の採用で得られるメリット
グローバル人材の採用は、単なる人材不足の解消策にとどまらず、企業の持続的な成長を加速させる重要な戦略です。
具体的にどのようなメリットが期待できるのか、主要な3つの側面から説明します。
組織強化
多様なバックグラウンドを持つ人材は、あたらしい知識やスキル、異なる視点を組織にもたらします。
これまで社内になかった専門性や海外経験に基づくノウハウが共有され、全体の学習能力が高まることに加え、異なる価値観に触れることで固定観念や「当たり前」の業務プロセスを見直すきっかけも生まれます。
グローバル人材が組織に加わることで、周囲の社員もコミュニケーションの質が向上し、より普遍的で生産性の高いはたらき方につながります。結果的に、組織全体の活性化が期待できるでしょう。
事業成長
グローバル人材の持つ言語能力、異文化理解力、海外ネットワーク、そして現地市場や顧客に対する深い知見は、特に海外市場への展開や新規事業開発において大きな力となります。机上の調査では得られないリアルな情報が戦略の精度を高め、リスクを低減させるでしょう。
さらに、多様な視点や発想が融合することでイノベーションを促進し、従来の発想を超えたあたらしいアイデアやビジネスモデルが生まれる可能性を高めます。
ブランドイメージ向上
グローバル人材を積極的に受け入れ、多様な人材が活躍できるインクルーシブな職場環境は、企業の社会的評価を高める上で不可欠です。
ESG経営※1やダイバーシティ&インクルージョン※2への関心が高まる中、こうした姿勢は投資家や顧客からの信頼を得やすくなり、「多様性を尊重する先進的な企業」というブランドイメージを確立できます。
また、グローバルな環境や多様性を重視する優秀な人材にとっても魅力的な職場となり、国内外からの人材獲得における競争力強化に直結するでしょう。
- ※1 ESG経営…環境・社会・企業統治を重視する経営
- ※2 ダイバーシティ&インクルージョン…人材の多様性を受け入れ、活かす取り組み
外国人材を採用する際の具体的なメリットや注意点、導入手順について知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
>>【採用担当者必見!】外国人材の採用のメリットと注意点、手順を解説
グローバル人材の受け入れで把握しておくべき課題とは?
グローバル人材の採用は多くのメリットをもたらす一方で、国内人材の採用とは異なる特有の課題も存在します。これらの課題を事前に理解し、適切な対策を講じることが、採用成功と入社後の定着のポイントとなるでしょう。
文化・言語の壁
最も大きな課題となるのは、文化や言語の違いによるコミュニケーションの壁です。
ビジネス特有の表現や議論の速度に対応しきれず指示の誤解が生じることや、背景にある価値観・ビジネス慣習の違いが原因で、相互理解が不足し誤解や対立を招くリスクもあります。例えば、暗黙知を重視する度合いや意思決定プロセスの違いなどが挙げられます。
この課題を解決するには、意識的なコミュニケーション努力や相互理解を深める取り組みが欠かせません。
採用・受け入れ・育成にかかるコスト
海外から直接採用する場合、求人関連費、候補者や家族の渡航費、ビザ申請費用、住居探しのサポートなど、国内採用に比べて初期コストが高くなる傾向があります。
入社後も、日本語教育プログラムの提供や、日本のビジネス文化・社内ルールに慣れるための研修、通常以上の時間を要するOJTなど、育成面でのコスト(時間・労力・費用)がかかる場合も。事前に費用対効果を慎重に検討することが重要です。
複雑な手続きとコンプライアンス遵守
外国籍の人材を雇用する際は、入管法や労働関連法規の正確な理解と遵守が欠かせません。特に重要なのが、従事する業務内容に合致した「在留資格」の確認と適切な管理です。許可された範囲外の業務を依頼すると、違法となる場合があります。
また、在留資格の申請や更新手続きは煩雑であり、雇用契約の締結や社会保険への加入なども適切に行わなければなりません。これらの法的要件を軽視すると、法的リスクや企業の信用失墜につながる可能性があるため、十分な注意が必要です。
グローバル人材採用の進め方
グローバル人材の採用を成功させるには、場当たり的な対応ではなく、戦略的かつ計画的なアプローチが不可欠です。ここでは、採用活動を始める前に踏むべき重要な5つのステップを解説します。
ステップ1.採用目的とゴールの明確化
まずは、「なぜグローバル人材を採用するのか?」という問いに明確な答えを出すことが重要です。採用目的が曖昧では、採用活動の方向性が定まらず、関係部署の協力も得にくくなります。
そこで、企業の経営目標や事業戦略との整合性を図りながら、成果の測定が可能な形で採用の目的・ゴールを設定します。
【具体例|東南アジア営業マネージャーの場合】
経営目標 | 3年後に東南アジア市場での売上比率を現在の5%から15%に引き上げる |
---|---|
採用目的・ゴール | 上記達成のため、現地市場に精通し、新規販路を開拓できる営業マネージャーを1名採用する |
目的とゴールが明確になれば、「どのような人材が必要なのか」や「採用後にどのような役割を担ってもらうか」がはっきりし、採用基準の策定や社内での合意形成がスムーズに進みます。
ステップ2.ターゲット人材像の具体化
採用目的とゴールが定まったら、それを達成できる具体的な人物像を定義します。「海外経験がある人」といった漠然としたものではなく、詳細なペルソナを描くことが重要です。
【具体例|東南アジア営業マネージャーの場合のターゲット人材像】
項目 | 定義すべき内容・具体例 |
---|---|
専門知識・スキル |
|
実務経験 |
|
語学力 |
|
学歴・資格 |
|
ソフトスキル・資質 |
|
価値観・カルチャーフィット |
|
これらの要件を詳細に定義することで、求人票の内容が具体的になり、候補者に魅力が伝わりやすくなります。また、選考基準が明確になれば、面接での質問が的確になるため、候補者の能力や適性を深く見極められるようになります。
ステップ3.採用方針(手法・KPI)の決定
ターゲット人材像が明確になったら、その人材に効果的にアプローチするための採用方針を策定します。具体的には、採用チャネル(手法)を選定し、活動成果を測るKPI(重要業績評価指標)を設定します。
【具体例|東南アジア営業マネージャーの採用方針】
採用チャネル案の例 |
|
---|---|
採用で特に重視するKPI例 |
|
KPIの設定後は、定期的にモニタリングし、目標との差異を分析します。必要に応じて採用チャネルの見直しやスカウト文面の改善といった対応、あるいは選考プロセス自体の修正を検討することが重要です。
採用方針の策定において欠かせないKPIの設定と活用方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
>>採用KPI設定の5ステップ|人事担当者が知っておくべき指標と活用法
ステップ4.関係部署との連携体制の構築
グローバル人材の採用は、現場の事業部門や総務、労務、経理、法務など、多くの部署との緊密な連携が欠かせません。採用活動開始前に、関係者全員で役割分担や情報共有方法を明確にしておきます。
【具体例|東南アジア営業マネージャーの場合の連携体制】
項目 | 内容 |
---|---|
プロジェクトチーム編成 | 人事・東南アジア事業担当役員・営業部長・総務(ビザ担当)などで構成 週次で進捗・課題共有ミーティングを実施 |
求人票作成・採用チャネル選定 | 人事・東南アジア事業担当 | 書類選考 | 人事・東南アジア事業担当 |
一次面接(オンライン) | 人事・営業部長 |
二次面接(オンラインor対面) | 東南アジア事業担当役員・営業部長 |
最終面接 | 経営層 |
在留資格申請サポート | 総務(ビザ担当) |
処遇決定・オファー面談 | 人事・東南アジア事業担当役員 |
スムーズな連携体制は、採用プロセスの遅延を防ぎ、部門間の認識齟齬によるトラブルを回避するために不可欠です。
ステップ5.採用計画と予算の策定
最後に、これまでのステップに基づき、具体的な採用活動のスケジュール(採用計画)と必要な予算を策定し、社内承認を得ます。
【具体例|東南アジア営業マネージャーの場合のスケジュール目安(約5~7ヶ月)】
- 求人開始~応募締め切り:1ヶ月
- 選考(書類~最終面接):1.5ヶ月
- 内定~オファー承諾:0.5ヶ月
- COE申請~交付:1~3ヶ月(※変動要素)
- ビザ取得・渡航準備・入社:1ヶ月
【具体例|東南アジア営業マネージャーの場合に特に考慮すべき予算項目】
- 人材紹介エージェントへの成功報酬
- 候補者が海外在住の場合の面接渡航費(オンラインで完結しない場合)
- 内定者の本人および帯同家族の渡航費、赴任一時金、引っ越し費用
- 住居探しのサポート費用、契約初期費用補助
- (必要に応じて)入社後のビジネス日本語研修費用
策定した採用計画と予算について、経営層や関係部署から正式な承認を得て、採用活動を本格的にスタートさせます。
グローバル人材の採用手法
グローバル人材を獲得するための最適な採用手法は、求める人材の具体的な人物像や用意できる採用予算、そして採用の緊急性といったさまざまな要因によって変わってきます。
国内の人材採用と共通する手法もありますが、グローバル特有の留意点も存在します。以下は、代表的なグローバル人材の採用手法の一覧とその留意点です。
採用手法 | 概要 | 留意点 |
---|---|---|
人材紹介 | エージェントが候補者を紹介 |
|
求人広告 | 求人媒体に情報を掲載 |
|
ダイレクトリクルーティング | 企業が候補者を直接探しアプローチ |
|
リファラル採用 | 社員からの紹介で採用 |
|
大学連携・キャリアフォーラム | 大学や就職イベントと連携 |
|
オウンドメディアリクルーティング | 自社媒体で情報を発信 |
|
SNS活用 | 一般的なSNSで情報を発信 |
|
これらの手法の特性を理解し、自社の採用目標・ターゲット人材・予算・期間などを考慮して、最適な組み合わせを選択・実行することが、グローバル人材採用の成功確率を高めます。
グローバル人材受け入れ体制のポイント
優秀なグローバル人材を採用できたとしても、それはゴールではなく、スタートラインに立ったに過ぎません。彼らが本来持つ能力を最大限に発揮し、組織に貢献し、そして定着してもらうためには、入社後の受け入れ体制を戦略的に構築・整備することが極めて重要です。
ここでは、グローバル人材を受け入れる際の重要なポイントを解説します。
オンボーディングプログラムの設計・実行
オンボーディングとは、あたらしく加わった社員、特に文化や言語が異なるグローバル人材が、早く組織に慣れて活躍できるようサポートする計画的な取り組みです。入社当日だけでなく、数ヶ月にわたる継続的な支援が重要になります。
【ステップ例】
- 入社前の準備:来日前の不安を減らすため、ビザや住居の手配もサポートする。
- 入社直後の基礎:会社の基本情報を伝え、メンバーとの交流を促す。
- 仕事に慣れる期間:OJTで実際の業務を教えながら、目標設定やフィードバックを定期的に行う。
- 定着と成長の促進:定期的な面談(1on1)で継続的にサポートする。
このように段階を踏んで丁寧にサポートすることにより、グローバル人材は安心して仕事に取り組め、組織の一員として力を発揮しやすくなります。
言語・文化の壁を乗り越えるコミュニケーション施策
言語や文化の違いは、グローバル人材受け入れにおける大きな障壁となりますが、適切な施策によって乗り越えることが可能です。
施策例 | ポイント |
---|---|
情報の多言語化 |
|
翻訳ツールの活用 |
|
やさしい日本語の使用 |
|
異文化理解研修 |
|
社内イベント・交流機会の提供 |
|
組織全体での受け入れ姿勢 |
|
これらの施策は、一方的に外国籍社員に日本語や日本文化への適応を求めるのではなく、組織全体として多様なコミュニケーションスタイルを受け入れる姿勢を示すことが重要です。
安心してはたらける相談窓口と生活サポート
グローバル人材が日本で安心して生活し、仕事に集中するためには、業務以外のサポートも欠かせません。社員が安心してはたらける環境を提供することで、定着率の向上につながります。
具体的に対応するべき内容は、以下の通りです。
専門相談窓口の設置
ビザや税金、社会保険、生活トラブル(病気・事故など)の相談を、母国語や英語で受け付けられる窓口を設けましょう。人事部内に設置する場合でも、外部委託でも構いませんが、プライバシーに配慮し、気軽に相談できる環境を整備することが重要です。
生活立ち上げサポート
来日直後の住居探しや契約支援(保証人問題など)、銀行口座の開設、役所手続きなどをサポートする仕組みを用意します。提携業者(不動産など)の紹介も有効です。
家族へのサポート
帯同家族がいる場合は、配偶者の仕事探しや子どもの学校情報、地域や医療関連の情報提供など、サポート範囲を広げましょう。家族全体の満足度が本人の定着に大きく影響します。
日本文化体験の機会
文化紹介イベントや地域のお祭りへの参加などを推奨し、日本への適応を促進するとともに孤立感を和らげます。グローバル人材への手厚いサポートは、「社員を大切にする企業」というイメージを高め、エンゲージメント向上にも寄与します。
公平な人事評価と多様性に配慮した環境整備
グローバル人材が能力を発揮し、意欲的にはたらき続けるためには、公平な評価制度と多様性を受け入れるインクルーシブな環境が不可欠です。
項目 | 主なポイント |
---|---|
公平な人事評価制度 |
|
明確なキャリアパスの提示 |
|
宗教・文化への配慮 |
|
ハラスメント防止 |
|
制度だけでなく、経営層から全社員まで、多様性を尊重し互いの違いを活かすという意識(インクルーシブなマインドセット)を持つことが大切です。
外国籍人材採用における法的手続きの留意点

グローバル人材を採用する際には、出入国管理及び難民認定法(入管法)や労働関連法規をはじめとする、さまざまな法的要件を正しく理解し、適切に対応することが不可欠です。
これらの法的要件を遵守しない場合、罰金や行政処分を受けるだけでなく、企業の社会的信用を損なうことにもなりかねません。
1.在留資格(就労ビザ)の種類と要件の理解
外国籍の人材が日本で適法に就労するためには、従事する業務内容に合致した在留資格(一般に「就労ビザ」と呼ばれます)を取得している必要があります。代表的なものに「技術・人文知識・国際業務」や「特定技能」などがありますが、それぞれ取得するための要件や、日本国内で認められる活動の範囲が大きく異なります。
そのため、採用予定の職務がどの在留資格に該当するのかを事前に特定し、候補者が必要な学歴や職歴などの要件を満たしているかを確認することが重要です。
2.主要な手続き(COE申請~ビザ更新)の流れを把握
海外にいる人材をあらたに日本へ呼び寄せる場合、一般的にはまず、日本の地方出入国在留管理局に対して在留資格認定証明書(COE)の交付申請を行います。この証明書が交付された後、候補者本人が自国の日本大使館または総領事館でビザ(査証)の発給を受けるという流れになります。
来日後は、在留カードの受領や市区町村役場での住民登録といった手続きが段階的に必要となります。また、在留資格には期限があり、更新手続きを怠ると不法残留となってしまうため、企業としても在留期限の管理を徹底することが求められます。
3.雇用契約書作成時の必須事項確認
日本の労働基準法では、企業が労働者と雇用契約を結ぶ際、契約期間や業務内容、就業場所、賃金といった主要な労働条件を記載した書面を交付することが義務付けられています。
特に外国籍社員に対しては、契約内容を正確に理解してもらえるよう、英語や母国語の翻訳を併記したり、通訳を介して説明したりといった配慮が望ましいでしょう。契約内容に関する認識のズレは後々のトラブルにつながりやすいため、丁寧な説明を心がけることが大切です。
4.社会保険・労働保険の加入手続き実行
原則として、外国籍社員であっても、日本国内で雇用する以上は健康保険や厚生年金保険、雇用保険、労災保険への加入が必要です。
ただし、日本と社会保障協定を結んでいる国から来た人材など、一部例外的に加入が免除されるケースも存在します。該当する可能性がある場合は、事前に詳細を確認するようにしましょう。
5.関連法令(入管法・労働法)の遵守とリスク回避
企業が、在留資格で許可された範囲を超える活動(資格外活動)をさせたり、不法就労を認識しながら雇用したりすることは、重大な法令違反となります。
採用時には必ず在留カードで就労の可否や在留資格の種類を確認し、従事する業務内容が許可された範囲内であることを常に管理しなければなりません。
また、労働時間や休日、賃金などにおいては、日本人社員と同様に、労働基準法や最低賃金法といった労働関係法令を遵守した雇用管理を行う必要があります。
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グローバル人材の採用を通じて企業の持続的成長を実現しよう
グローバル人材の採用は、適切な採用手法の選択や法的手続きの遵守、オンボーディング体制の整備、インクルーシブな環境の構築など、さまざまな戦略的アプローチが求められます。このプロセスを成功させるには、専門的な知見を持つパートナーが心強い味方になります。
パーソルテンプスタッフ(PTS)では、外国人材のご紹介が可能です。業界トップクラスの充実した人材データベースと、長年の採用経験から培ったノウハウを活かし、複雑な採用プロセスでも安心してお任せいただける体制を整えています。
グローバル人材の採用をご検討の際は、ぜひパーソルテンプスタッフにご相談ください。
▼外国人の人材派遣サービス

外国人の人材派遣ならパーソルテンプスタッフ|紹介予定派遣・人材紹介にも対応
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監修者
HRナレッジライン編集部
HRナレッジライン編集部は、2022年に発足したパーソルテンプスタッフの編集チームです。人材派遣や労働関連の法律、企業の人事課題に関する記事の企画・執筆・監修を通じて、法人のお客さまに向け、現場目線で分かりやすく正確な情報を発信しています。
編集部には、法人のお客さまへ人材活用のご提案を行う営業や、派遣社員へお仕事をご紹介するコーディネーターなど経験した、人材ビジネスに精通したメンバーが在籍しています。また、キャリア支援の実務経験・専門資格を持つメンバーもおり、多様な視点から人と組織に関する課題に向き合っています。
法務監修や社内確認体制のもと、正確な情報を分かりやすくお伝えすることを大切にしながら、多くの読者に支持される存在を目指し発信を続けてまいります。
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