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営業事務アウトソーシングのメリットと代行先選定ポイントをご紹介

公開日:2023.07.06

更新日:2024.04.26

人事ナレッジ

営業事務は、利益に直結する「営業」を支える重要な仕事です。事務作業だけでなく窓口業務や電話対応、クレーム対応を行う必要があり、一人ひとりの負担や業務の属人化などで悩んでいらっしゃる企業は多いでしょう。人材不足により営業担当者自身が、営業事務を担うケースも少なくありません。

こうした課題を解決する際に役立つ手段が、営業事務のアウトソーシングです。外注することで業務の効率化が図れます。

この記事では、営業事務のアウトソーシングについてご紹介すると共に、代行するメリットや代行先を選ぶポイント、活用例などを解説します。アウトソーシングする際の注意点もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

目次

営業事務をアウトソーシングすることで営業はコア業務に専念できる

営業事務とは、外回りの多い営業職がスムーズに業務をこなせるようにサポートする仕事です。営業職では事務作業や出張の手続きなどバックオフィス業務も兼任することがあり、強化したい業務に手が回らなくなるケースも少なくありません。こうした兼任業務の課題を解決する上で役立つのがアウトソーシングです。

アウトソーシングについては、こちらの記事で詳しくご説明しています。
>>【わかりやすく解説】アウトソーシングとは?活用方法と派遣との違い

営業事務とは

企業において利益に直結する仕事の一つに、取引先や顧客と商談する営業職があります。顧客に近い立場である営業ですが、その業務を支える存在として大切な仕事が営業事務です。

営業事務は、営業職がより多くの商品やサービスを販売できるように、営業にまつわる事務業務を担当します。企業によっては「営業サポート」「営業アシスタント」と呼ばれることもあり、縁の下の力持ちとして重宝される存在です。

営業事務では、見積書・請求書などの書類作成やデータ入力、社内会議で使用する資料作成の他、来客や電話の応対など、幅広い業務を担当します。


一般事務との違い

営業事務と同様に社内で行う仕事の一つに、一般事務があります。営業事務は営業職のサポートに特化した業務ですが、一般事務は部門を問わずさまざまな業務を担う点が特徴です。

基本的に営業事務では営業職から任される業務を担当し、一般事務は社内で発生するその他の事務作業や配属部署で必要なサポート業務を行います。


営業事務のアウトソーシングとは

営業事務は業務範囲が広く煩雑になりやすい仕事です。人材が豊富な企業であれば、営業事務を専任するスタッフを配置できるでしょう。一方、人材不足に悩まされている状況では、事務作業に手を取られてしまい、強化したい業務が疎かになるケースも少なくありません。

こうした問題を回避する上で役立つのが、営業事務のアウトソーシングです。営業事務を業務委託すると、取引に必要な書類の作成やデータ入力など定型化できる業務だけでなく、クレーム対応のような適応力や判断力が求められる業務も任せることができます。


営業事務アウトソーシングで依頼できる業務

営業事務アウトソーシングで依頼できる業務は以下の通りです。

社外向け業務 社内向け業務
・電話・メール対応
・来客応対
・クレーム対応
・納品確認対応
・見積書・請求書作成
・書類作成
・受発注管理
・契約書管理
・営業担当のスケジュール管理
・リスト作成
・サンプル管理・手配

それぞれのポイントについて、以下で詳しくご紹介します。

社外向け業務

営業事務の仕事は、社内対応と社外対応に分類されます。このうち、取引先や顧客に対して行う業務が社外向け業務です。


電話・メール対応

営業部門は、企業の中でも顧客からの電話やメールが多い部署です。営業職が社外に出ている場合、電話やメールの対応は営業事務が担います。営業職が社内にいたとしても、営業事務が処理できる内容であれば対応するケースもあるでしょう。


来客応対

取引先や既存顧客、見込み客などが来社した際に対応する業務が来客応対です。応接室や会議室などに案内した上で、来客の旨を営業担当者に連絡します。顧客と直接接する業務であり、基本的なビジネスマナーが問われる業務です。


クレーム対応

電話対応や来客応対と合わせて、クレーム対応も営業事務の大切な仕事です。例えば商品やサービスに不備があると、営業部門にクレームが届きます。基本的には営業担当者が対応しますが、外出中や商談中の場合、営業事務が対応することも少なくありません。顧客が抱える不安や不満を解消するために、迅速で的確な対応が求められる業務です。


納品確認対応

商品を販売する企業では、営業事務が納品管理を担うケースが多くあります。正しい商品が納期通りに納品されたかどうかを確認する他、在庫や入出荷状況を管理することもあるでしょう。


社内向け業務

営業事務は、顧客と直接かかわる業務ばかりではありません。社内で行う業務も多く、いずれも営業職がスムーズに業務を進める上で重要です。


見積書・請求書作成

営業事務の重要な仕事の一つが、見積書や請求書の作成です。取引に必要な書類であり、これらの書類がなければ商品やサービスを販売できません。取引の証拠としても大切になるため、迅速かつ正確な作成が求められます。


書類作成

営業担当者が社内会議や取引先に提示するプレゼン資料の作成を、営業事務が担当することもあります。営業担当者の指示通りに作成するだけでなく、意図が伝わりやすくするためのスキルも必要です。


受発注管理

在庫管理や納品確認と合わせて、受発注管理を任せられるケースもあります。取引先からの注文に応じて、出荷や配送を手配する仕事です。中には急ぎの注文やイレギュラーな依頼が入ることもあるため、正確かつ臨機応変に対応する必要があります。


契約書管理

営業では契約を交わして業務にあたることもあります。このとき必要となる契約書の管理も、営業事務の仕事です。契約書は取引をスムーズに進める上で重要な書類であり、万が一トラブルが発生した際に取引におけるルールや条件を明示した証拠としても役立ちます。契約書管理では、セキュリティに配慮した適切な管理が求められます。


営業担当のスケジュール管理

営業事務は営業担当者の秘書的な役割も担います。特に重要となるのが営業担当のスケジュール管理です。多忙な営業職をサポートするため、現状のスケジュールと照らし合わせながら、随時スケジュールを更新する必要があります。スケジュールに誤りがあれば、営業担当者だけでなく取引先にも迷惑がかかるため、高い管理スキルが求められます。


リスト作成

営業をスムーズに行うためには、顧客や商品などのリストアップも重要です。営業事務では、リスト作成を任せられることもあります。あらたな情報が随時入ってくるため、営業が活用しやすいようデータを的確にまとめることが大切です。


サンプル管理・手配

業界によっては、顧客にサンプルを送ることもあります。営業担当者が配布するサンプルの管理や手配も、営業事務が担う仕事の一つです。


営業事務のアウトソーシングを検討するタイミング

営業事務は自社で担うこともできますが、状況によってはアウトソーシングも選択肢とするのもひとつです。営業事務のアウトソーシングを検討するタイミングを詳しく解説します。

営業担当にコア業務へ専念してほしいとき

企業によっては、営業職が営業事務の業務も並行して行うことがあります。営業事務の仕事は多岐にわたり、手間や時間がかかるため、事務作業に追われてしまうと営業活動が疎かになりがちです。

このように、営業担当が強化したい業務に力を注げていないと感じたときは、営業事務をアウトソーシングするタイミングといえるでしょう。


営業事務が属人化して継続性が担保できないとき

営業事務を設けて営業活動と切り離されている場合、業務が属人化しているケースがあります。現在はスキルの高い自社社員が営業事務を担っていたとしても、当該社員が退職する際は引継ぎが困難です。また、自社社員ではなく派遣スタッフが業務を担当している場合は、スタッフの入れ替えや契約期間満了、契約解除の際に継続性が担保しづらいでしょう。

特定の個人に依存することなく継続的に業務を遂行するためにも、営業事務をアウトソーシングすることは有意義といえます。


営業事務処理コストを圧縮したいとき

営業事務が属人化するとルールやフローが標準化されず、作業の進め方が社員一人ひとりのスキルや知見に左右されます。特定の個人、もしくは事業所ごとに業務の手順がバラバラな場合、無駄な工数が発生している可能性が高いです。

アウトソーシングを通して手順を標準化・効率的することで、営業事務にかかるコストの削減が期待できます。営業事務処理コストが気になる場合は、代行を依頼するタイミングといえるでしょう。


顧客へのアフターフォローができていないとき

営業活動において、顧客へのアフターフォローはリピートにつながる大切な業務です。しかし、営業が事務処理も並行しているとリソースが足りず、十分なアフターフォローができません。

顧客へのアフターフォローが疎かになっているときの対応策としても、営業事務のアウトソーシングがあるでしょう。


営業事務をアウトソーシングする4つのメリット

営業事務をアウトソーシングする4つのメリット

営業事務をアウトソーシングには大きく4つのメリットがあります。アウトソーシングを検討する判断材料としてご確認ください。

営業担当がコア業務に集中できる

営業担当者が事務作業まで担っていると、コア業務に手が回らなくなる可能性があります。アウトソーシングの活用メリットは、営業が事務作業から解放されることで、取引先への訪問やアフターフォローに集中できる点です。時間にゆとりが生まれるため、営業活動の下準備に時間を割けるようになります。


属人化を解消して標準化できる

営業事務は業務の幅が広く煩雑なため、属人化してしまうことが多々あります。属人化されたまま退職や異動で担当者が変わってしまった場合、業務の進め方や成果物の品質に差が出るでしょう。

営業事務をアウトソーシングすると、効率的な業務体制を構築でき、属人化も解消されます。業務が標準化されると品質も一定になります。


営業事務処理コストを圧縮できる

営業事務は煩雑な業務が多いため、無駄が発生しやすく余分なコストがかかっているケースも少なくありません。アウトソーシングを活用すると、現状の業務フローを確認した上で、より効率的に業務に取り組むことが可能です。その結果、これまでに発生していた無駄な工数が削減され、コストの圧縮にもつながります。


作業の質を向上できる

営業事務のアウトソーシングでは、専門知識がありスキルの高い人材に業務を任せられます。事務作業はもちろん、社外向け業務も細やかな配慮が行き届くようになり、取引先からの評価も上がるでしょう。効率的な体制を整えた上で業務にあたるため、作業の質を向上できる点も大きなメリットです。


営業事務をアウトソーシングする際の4つの注意点

営業事務のアウトソーシングを効果的に活用するためには、次に挙げる4つの注意点を押さえることが大切です。それぞれの注意点について詳しく解説します。

営業からの理解を得る必要がある

営業担当者ごとに、担当の営業事務のスタッフがアサインされているケースが多々あります。取引先とのやり取りも電話や口頭、メールなど担当者ごとにさまざまです。そのため、営業事務のアウトソーシングを活用するにあたって、ルールやフローを標準化することに反発が起こることも考えられるでしょう。

営業事務をアウトソーシングする際は、効率化による事業全体のメリットや継続性を担保しつつ、営業活動の停滞を防ぐ必要があることなどを、営業担当者に細かく説明することが大切です。状況によっては、アウトソーシングを段階的に活用し、トラブルの発生を抑える必要があるでしょう。


社内にノウハウが蓄積されづらい

営業事務全般をアウトソーシングすると、業務を遂行できる人材が育たず、ノウハウが蓄積されにくくなります。特に営業事務の業務は煩雑であり、自社が把握できない状態になれば、いざ内製化することになった場合に速やかな対応ができません。

ノウハウが蓄積されていないと、外注する業務と自社で担う業務の選別もうまく進まないでしょう。アウトソーシングを活用する際は、定期的に受託会社にノウハウをフィードバックしてもらい、状況を正しく把握しておくことが大切です。


受託会社と情報管理の取り決めが必要になる

営業事務では、取引先や顧客の情報、自社の売上、経費など重要なデータを取り扱います。アウトソーシングする場合、受託会社にこれらの情報を提供する必要があるため、情報漏えいのリスクが考えられるでしょう。ひとたび事故が発生すると悪影響は回避できないことから、事前に情報管理に関する取り決めや検証などを受託会社と確認することが大切です。

代行先を選定する際は、セキュリティ対策の姿勢やプライバシーマークの取得について確認し、慎重に検討する必要があります。


詳細や進捗を社内で把握しづらい

営業事務のアウトソーシングを活用し、すべての業務を任せきりにしてしまうと、進捗状況や業務の詳細を社内で把握しづらくなります。受託会社のみが把握している状況だと、万が一トラブルが発生した際に自社で適切な対応ができません。過程の把握が遅れた結果、不正につながる危険性もあるため、定期的に報告を受けることが大切です。


営業事務の代行先を選ぶポイント

営業事務の代行先を選ぶ際は、以下の3つのポイントを押さえることが大切です。それぞれのポイントについて詳しく解説します。

セキュリティ体制

営業事務では、取引先の重要な情報を取り扱います。万が一、情報漏えいが起これば訴訟問題に発展する恐れがあるだけでなく、自社の信頼を失うことにもなるでしょう。

営業事務をアウトソーシングする際は、セキュリティ体制が整った代行先を選ぶ必要があります。プライバシーマークの取得やセキュリティ対策を確認してから依頼するとよいでしょう。契約時にセキュリティに関して細かく取り決めておくことも大切です。


実績

代行先の実績も事前に確認することがポイントです。営業事務の実績があったとしても、自社と同じ業種に対応した実績がなければ、ノウハウが備わっていない可能性があります。営業事務だけでなく他の事務も依頼する場合、対応可能かどうかあらかじめ確認するとよいでしょう。

アウトソーシングを通して自社の課題を解決するためには、依頼したい業務をまとめた上で関連する実績がある代行先を選ぶことが大切です。


費用対効果

コスト削減を狙って営業事務のアウトソーシングを活用しても、プランによっては反対にコストがかかってしまうケースがあります。例えば依頼したい業務が基本料金に含まれていなかった場合、オプション料金が発生する可能性があるでしょう。

代行先を選ぶ際は料金体系を確認し、細かく見積もりを取ることが大切です。その上で、費用対効果を踏まえて検討するとよいでしょう。


大手企業における営業事務アウトソーシングの活用例

部署や事業所が複数ある大手企業の場合、営業事務のアウトソーシングによって、さらなる効率化が期待できます。

大手企業におけるアウトソーシングの活用例として、社員1,000人が在籍する製造会社では、商材ごとに営業組織を組んでおり、多くの業務が重複していました。業務が整理されていなかったことから、公正に運営するための適切な管理ができていない状態でした。アウトソーシングを通して横断的な組織が立ち上げられたことで、営業事務に関する業務の集約が図られ、コンプライアンスの遵守が徹底されるようになりました。

その他、全国20ヶ所以上に営業所を配置する大手メーカーでは、ローカルルールが多いことから各営業所で独自のルールを設けており、属人化が進んでいたことが大きな課題でした。そこで、アウトソーシングを活用し、業務ルールやプロセスの標準化を図りました。その結果、業務の属人化が解消され、地域に特化した社員だけでなく、契約社員や派遣スタッフでも対応可能な体制が整えられました。さらに、受発注センターを設置し、全国に分かれていた窓口を集約化したことで、営業社員の負担軽減にもつながっています。

このように、営業事務をアウトソーシングして集約化すると、これまで発生していた工数のかかる業務の効率化・最適化が実現します。特にBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)を活用すれば、専門性の高い外部企業に業務プロセスを一貫して任せられるため、より一層の業務効率化が可能です。


営業事務のアウトソーシングならパーソルテンプスタッフへ

営業事務は、利益に直結する営業を支える重要な役割です。直接顧客と接する機会も多く、事務的なスキルだけでなく対応力も求められます。企業によっては営業職が営業事務も担うケースが多く、コア業務に手が回らなくなっていることも少なくありません。

営業事務をアウトソーシングすると、煩雑な業務をプロに任せられるため、強化したい部署や業務に専念できます。属人化しやすい業務の標準化を図ることも可能です。営業事務に関する無駄なコストの削減にも役立つでしょう。なお、営業事務は顧客情報や企業の売上、経費などの重要なデータを取り扱う業務でもあります。そのため、外注先は慎重に選ぶことが大切です。セキュリティ体制に加えて、自社の課題解決につなげてくれる外注先を選ぶとよいでしょう。

パーソルテンプスタッフのBPOサービスでは、営業事務に関する業務のサポートも行っており、多くのお客さまにご選択いただいています。その理由としてメーカーや建設業、医療、ITなど幅広い業界で実績がある点や、状況に合わせた最適な体制を構築できる点などが挙げられます。

また、属人化しやすい営業事務業務を全体の工数データを踏まえて、人軸・作業軸で分析することが可能です。その上で本来必要な工数や、人材育成にかかる標準的な時間を算出します。作業の難易度に合わせて必要なスキルを把握できるため、人材が入れ替わっても品質の低下を防ぐことが可能です。

加えて取り組み事項や課題、品質に関するレポートをまとめて、月次報告会を実施いたします。報告会では担当部署や担当者さまが抱えているお悩みもお聞きしながら、課題解決に向けて随時ご提案いたします。営業事務に関してお困のことやご相談がありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

当社BPOサービスを導入いただいた各社様の事例記事もございますので、併せてご覧くださいませ。

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