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(情報掲載日:2019年12月11日)


OKRとは、企業全体・部門・個人など企業内の階層ごとに目標を設定し、主要な成果を目標にリンクさせて、企業と個人の方向性および役割を明確にしていく目標管理手法です。攻めの目標管理とも言われ、近年、注目度が高まっています。OKRの考え方やメリット、実践方法について解説します。

●企業と社員が一つになり、より高い目標に挑める手法


OKRとは「Objective and Key Results(目標と主な結果)」の略で、企業全体・部門・個人など企業内の階層ごとに目標(Objective)を設け、それに対する成果指標(Key Results)を設定し、目標達成までのプロセスを管理していく手法です。これまでの目標管理と異なるのは、一見達成できそうもないような野心的な高いレベルの目標を設定し、それに挑むことで社員が高いモチベーションや創造性を生み出す点です。成果で人を管理する側面よりもモチベーションを高めてパフォーマンスを向上させる側面が強く、攻めの目標管理とも言われます。階層ごとのOKRは企業内、部門・チームで共有され、集団を一つの方向にまとめる効果を生み出します。

企業におけるOKRのイメージ図



企業におけるOKR設定の例



●過去の人材管理の枠を超えた成果が期待できるOKR

OKRの最大のメリットは、企業として野心的な目標を掲げることで、個人の仕事の枠を広げ、これまでの人材管理手法では実現しなかった成果を生み出せる点にあります。OKRでは個々が挑戦することを推奨し、ある程度の失敗は折り込み済みで、一般に目標の達成率は60〜70%程度とされています。また、1つの目標に対し2〜3つ程度の成果指標が望ましいとされ、一般的な目標管理制度に比べると指標数を絞り込んでいます。その理由は個人が上位の目標を達成するためにやるべきことを明確にし、仕事の優先順位を明らかにして達成意欲を高めるためです。これにより社員はより重要な仕事にフォーカスできるようになり、個々の力がバランスよくまとまっていくことで大きな成果が得られます。

●OKRとMBO、KPIとの違いは何か

現在広く使われているMBO(目標管理制度)、KPI(重要業績評価指標)は、どちらかといえば仕事の実績を測るための仕組みと言えますが、OKRは組織全体をいかに動かすかを考える仕組みと言えます。また、OKRは評価期間が四半期であることが多く、MBOやKPIと比べると短期間で評価を行います。そのため、目標が高過ぎたり、成果指標が間違っていたりした場合でも早い段階で方向を修正して再スタートさせることができます。

OKRとKPI、MBOの違い



●短期で目標・指標の見直しを行える点に強み

OKRは「企業→部門・チーム→個人」の順に決定し、その都度、企業目標であれば全社員、部門・チーム目標であれば各メンバー、個人目標であればその個人からフィードバックを受けて、目指す目標としてふさわしいかどうかを確認し調整します。決定したOKRは公開して全社員で共有。定期的に進捗をチェックし、問題があればすぐに見直しを行います。この見直しが前提になっている点がMBOやKPIとの大きな違いであり、IT企業やベンチャー企業など変化のスピードが速い業界から評価を受けている理由の一つです。

OKRの導入ステップ

@OKRの考え方を全社員に周知させ、企業のOKR を決める
A企業のOKRについての部門・チームからのフィードバックを集め、内容を調整する
B部門・チームのOKR を決め、部門・チーム内で共有して調整する
C個人のOKR を決定し、部門・チーム内で共有して調整する
D決定した部門・チームおよび個人のOKRを公開して共有する
E上司・部下で定期的にミーティングを行い、OKRの進捗をチェック。達成の見込みや方向性、課題・障害を確認し、必要に応じてOKR を見直す
F部門・チームおよび企業全体で、週・月・四半期ごとなどにミーティングを行い、すべてのOKRの進捗を共有する

●成果指標(KR)はSMARTで設定

成果指標(KR)とは、定めた目標(O)が達成されたときに実現されるであろう状態を具体的な指標で表したものといえ、その目標に向け個人が取るべき具体的なアクションです。目標は定性的な内容でも構いませんが、成果指標はどれだけ目標を達成できたかを測るために定量的な内容であることがOKRのルールとなります。成果指標は目標と関連しながらも野心的で、内容は具体的で測定可能、加えて期限を設ける必要があります。そこで成果指標の設定時に使える手法がSMARTというフレームワークです。やる気が出て、目標に対し自身の貢献が見えるようなKRが理想です。ただし、思うような成果につながらないときは早期に指標を修正し、よりよいものにするフレキシブルさが求められます。


成果指標(KR)を設定するときのSMARTの内容

(天野勝『最短最速で目標を達成するOKRマネジメント入門』かんき出版を参考に作成)

●OKRを効果的に運用し、個人のモチベーションを維持するには

OKRと人事評価との連動は、企業によって運用方法が分かれています。『成長企業は、なぜOKRを使うのか?』(ソシム社)の著書があり、組織開発に詳しい経営者のピョートル・フェリクス・グジバチ氏は「仕事の成果が定量化しやすければ評価に関連させやすいが、定量化が難しければ関連させる必要はない。重要なのは働く人から見て、明瞭で納得感があることだ」と述べています。特に導入初期では成果指標が定まらないことがあり、試行錯誤の状態になりがちです。そのような中でOKRを浸透させるには短期間で部下と上司のミーティングを繰り返す1on1が有効です。「自分がどのように成長したいか」「企業にどんな貢献ができるか」といった観点から、OKRが適切か、自身に合っているかを日々確認します。そのうえで企業は、OKRの導入で「社内はイノベーティブになっているか」「社員のモチベーションは上がっているか」といった観点で、OKRを導入した目的を常に振り返りながら運用することが望ましいと言えるでしょう。

●OKRを軸に企業文化をつくる

OKRの導入に成功した企業の共通点は、OKRの優先順位を高く設定している点です。目標・指標を頻繁に確認、見直す姿勢が積極性を高め、それが企業文化の育成へとつながっています。個人の意欲や姿勢をいかにスムーズに企業の目標とリンクさせるかがOKRを成功に導く鍵となります。

OKRで成功した企業事例


OKRは攻めの目標管理制度と言われています。この制度のもとでは、個々の社員は企業や部門の目標に対して自身がどう貢献できるかを考えて成果指標を設定し、その達成に向けて積極的に行動することが求められます。そして、OKRを効果的に運用し、継続させるには、企業は高い頻度で社員とミーティングの機会を持ち、OKRの進捗確認、見直しを行う必要があります。OKRの導入においては、企業がどれだけ攻めの姿勢でOKRに臨んだかが問われるのです。

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