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(情報掲載日:2020年8月17日)


2020年、新型コロナウイルス感染症の流行で、多くの企業がテレワークを導入。初めて遠隔での業務を経験した人も多く、いくつものテレワークの問題点が浮かび上がってきています。今後、テレワークの定着も予想される中、企業のテレワーク環境の整備は急務といえます。どうすればよりよいテレワークが行えるのか、そのポイントについて学びましょう。

●テレワークの定義

「テレワーク」とは、情報通信技術(ICT)を活用した時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方(※1)のことです。近い意味で使われる「リモートワーク」は一般的には、企業のオフィス以外の場所で仕事に携わる働き方を指します。また、「在宅勤務」は、所属する勤務先から離れて、自宅を就業場所とする働き方(※1)とされています。この記事では、時間や場所を有効に活用する働き方全般について考えるという主旨から「テレワーク」を使います。

※1:厚生労働省 テレワーク総合ポータルサイトより
https://telework.mhlw.go.jp/telework/about/新しいウィンドウが開きます

●テレワークを経験した人が感じた課題や不安

テレワークの実態について、内閣府が「新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」(2020年6月)(※2)を行っています。就業者のうち今回の感染症の影響下で「テレワークを経験した」と回答した人は全国で34.6%、東京23区55.5%でした。今回、日本中で実に多くの人がテレワークを経験したといえます。

感染症の影響下で「テレワークを経験した」と回答した人の比率(一部経験も含む)

※地方圏:三大都市圏以外の36の県および北海道
(内閣府「新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」より ※2)

また、パーソル総合研究所が2020年3月と4月に、企業に勤める従業員を対象に「新型コロナウイルス対策によるテレワークへの影響に関する緊急調査」(※3)を行っています。緊急事態宣言が出された後、 4 月 10〜12 日時点でテレワークの実施率は正社員全体で27.9%。そのうち、初めてテレワークを実施した人は68.7%でした。

この調査でテレワーク時の課題(複数回答)を聞いたところ、上位には、物理的な不便さ(「プリンターなどの必要機器がない」「仕事に適した机や椅子がない」)、仕事のやり方への不満(「テレワークでできない仕事がある」「業務上の指示ややりとりに支障がある」)、健康面の心配(「運動不足を感じる」「腰痛・肩こりが悪化した」)、精神面の心配(「仕事に集中できない」「会話が減ってさびしさを感じる」)が挙げられています。結果をみると、今回は半数以上が初めてのテレワーク実施というタイミングでもあり、課題の内容が幅広く多岐にわたっていることがうかがえます。

テレワーク時の課題(複数回答)

(パーソル総合研究所「新型コロナウイルス対策によるテレワークへの影響に関する緊急調査」より ※3)

また、同じ質問で上司層のみの回答をみると、「部下の仕事の様子がわからなくなった」34.9%、「部下の労働時間の管理が難しくなった」26.9%、「部下の評価が難しくなった」19.4%となっており、遠隔での業務におけるマネジメントの難しさがうかがえます。

次に、テレワーク業務時の不安についての質問では、上位は「非対面のやりとりは、相手の気持ちがわかりにくく不安」「上司や同僚から仕事をさぼっていると思われていないか不安」「出社する同僚の業務負担が増えていないか不安」となっています。やはり直接会わないことが不安の大きな原因となっていることがうかがえます。全般的に、今回のテレワーク導入は急な決定となった企業が多く、十分な準備ができないままに実施に至ったことで「課題」や「不安」が生まれているといえるでしょう。

テレワーク業務時の不安(複数回答)

(パーソル総合研究所「新型コロナウイルス対策によるテレワークへの影響に関する緊急調査」より ※3)

※2:内閣府「新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」(2020年6月)
https://www5.cao.go.jp/keizai2/manzoku/pdf/shiryo2.pdf新しいウィンドウが開きます
※3:パーソル総合研究所「新型コロナウイルス対策によるテレワークへの影響に関する緊急調査」(2020年4月)
https://rc.persol-group.co.jp/research/activity/files/telework.pdf新しいウィンドウが開きます

●テレワークにおける企業と従業員のメリット・デメリット

テレワークにおける企業および従業員のメリットとデメリットをまとめると、次のようになります。運用がうまくいけば双方に効率面からのさまざまなメリットが得られますが、「企業と従業員」「従業員間」においてうまくコミュニケーションが取れないと、互いに不信感を抱き、業務効率を落としてしまう危険性があります。

テレワークでの企業・従業員のメリット・デメリット


●企業がすぐに手を付けるべきは「コミュニケーションの改善」

内閣府調査(※2)で、従業員に「職場においてテレワークの利用拡大が進むために必要と思うもの」を聞いたところ、上位は「社内の打ち合わせや意思決定の仕方の改善」「書類のやり取りを電子化、ペーパーレス化」「社内システムへのアクセス改善」「顧客や取引先との打ち合わせや交渉の仕方の改善」でした。「書類のやり取り」および「社内システムへのアクセス」は物理的な要望であり、すぐにでも改善に手を付ける必要があります。「社内の打ち合わせや意思決定の仕方」「顧客や取引先との打ち合わせや交渉の仕方」はコミュニケーションに関する要望であり、従業員にどこに問題があるのかをヒアリングしながら、早期に改善する必要があります。特にオンライン会議やメール(またはチャット)のやり取りでは、細かな点についての確認や、共通認識を持つために互いに意識を合わせるコミュニケーションの不足を訴える声も聞かれています。そのため、現状よりも細やかなやり取りをいかに実現していくがコミュニケーション改善のカギとなるでしょう。

職場においてテレワークの利用拡大が進むために必要と思うもの(複数回答)

(内閣府「新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」より ※2)



●オンライン会議をスムーズに行うコツ

今回のテレワークで初めてオンライン会議を経験した人も多かったと思います。実際に経験した人からは「表情がわかりにくくて、リアクションがしにくい」「発言するタイミングが難しい」「言葉のニュアンスを伝えにくい」「オンライン会議疲れをしてしまう」といった困惑の声が聞かれています。オンライン会議のコツは、態度を声で示すことです。相づちも声で示します。また、発言の対象者がいれば、相手の名前を呼んでから発言するなど、誤解を生まないようにする配慮が必要です。

オンライン会議のコツ

・前日までに議題を決めて共有。進行役、記録者を決めておく
・会議の終了時間を決めておく
・顔の表情がわかるように照明を工夫する
・事前に接続テストをしておき、5分前には着席する
・語尾を明瞭にし、はっきりした口調で話す
・同意するときはうなずくだけでなく、相手の名を呼んで声で相づちを打つ
・わからないことがあれば、その場で質問してはっきりさせる
・会議中はメールチェックなど他のことはしない など


●よりよいテレワークにするための施策

企業が行っている施策には次のようなものがあります。中でも多い施策は、テレワークは一人で仕事をするため、いかに孤独を感じないようにするかという問題への対処です。従業員の意見も聞きながら、よりよいタイミングでコミュニケーションを取るようにしましょう。

よりよいテレワークにするための企業の実践例

・各自で仕事がはかどるゴールデンタイムを意識したスケジュールを組む
・決まった時間に雑談タイムを設ける
・決まった時間にストレッチの合図を流し、皆でストレッチを行う
・ベテラン社員がオンラインで相談に応える問い合わせ可能な時間帯を設ける
・2週間に一度、上司が部下全員とオンラインで15分ずつ話をする。内容は仕事だけでなく、家族の状況などプライベートを含めて悩みを聞く
・オンラインでコーチングを行い、上司以外の人に悩みを聞いてもらう機会を設ける
・オンラインで従業員を褒める会を実施


●従業員に求められる「セルフマネジメント力」「ケアの心」「文章力」

今後テレワークで従業員に求められるスキルには、「セルフマネジメント力」「ケアの心」「文章力を中心としたコミュニケーション力」などが挙げられます。一人でいるからこそ自分を律し、一人でいる同僚のことも思いやる。そして、相手に誤解を生まないようにするためにも、文章での正確なコミュニケーションが求められます。

今後テレワークで従業員に求められるスキル

テレワークという働き方は、顔を突き合わせての「あ・うん」の呼吸を好む日本人からすれば、苦手な働き方といえるかもしれません。しかし、相手が見えなくても相手のことを想像することはできます。テレワークで大事になるのは職場のメンバーを思いやる心です。互いを思いやる心がチームワークとなって生産性の高い仕事を生み出します。よりよいテレワークをよいチームづくりのきっかけにしていきましょう。

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