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(情報掲載日:2016年2月10日)

いまを勝ち抜く人間力

弱み・弱点を「能力化」する方法

VOL.49

人は誰もが〈強み〉〈弱み〉の両面を持っています。一般的には、「自分が持っている〈強み〉を伸ばそう」という教育法やトレーニングは重視される傾向にありますが、〈弱み〉に注目することで、自身の能力を高めることも可能です。自分の〈弱み〉をしまい込まずに、しっかり向き合ってみると、じつは新たな自己発見や自己向上につながるのです。

〈強み〉と〈弱み〉の重要な関係

●〈強み〉〈弱み〉はあいまい

適性診断や自己分析によって、読解力・分析力・企画力・社交性・適応性など、さまざまな能力における自分の〈強み〉〈弱み〉を知る機会があります。自分の〈強み〉を知ってそれを強化していく方が、〈弱み〉を改善しようと努力するよりも、より大きな成長が遂げられるという考え方があります。「個人の持つ〈強み〉を活かす」「長所をもっと伸ばす」というテーマによる研修やスキルアップ法はそれをベースとしたものです。では、ここで言う〈強み〉とは何に基づいた分類なのでしょうか。
〈強み〉〈弱み〉というものは、他人と比較してのもの、自分の能力の中で比較してみてのものですから、あいまいな分類だと言えます。言い換えるなら、〈強み〉と〈弱み〉は絶対的ではありません。ですから、自分の〈弱み〉に劣等感を抱く必要はありません。自分の個性の一つとして正面から受け入れるスタンスが大切です。

●〈強み〉〈弱み〉は変化していく

〈強み〉〈弱み〉は環境や時代によっても変化していきます。例えば、大量生産・大量消費型の時代には正確さや速さが重視されますが、多品種少量生産・個性的消費型の時代では創造性や発想力の方が重視されることからも、それは伺えます。昨今のような社会的にも国際的にも変化のめまぐるしい時代、いつまでも〈強み〉が〈強み〉のまま、〈弱み〉が〈弱み〉のままであり続ける保証はどこにもありません。
特に、人は自分の持つ〈強み〉に安心、安住しがちです。優れたコミュニケーション能力という〈強み〉があったとしても、英会話力に乏しいという〈弱み〉があれば、海外では〈強み〉の発揮が難しくなってしまいます。〈強み〉と〈弱み〉は、環境や時代の影響を受けるのです。

●〈弱み〉に注目したい理由

〈弱み〉は、〈強み〉に転じる可能性もあります。例えば、自己主張の弱い人は人の意見をはねつけないため、たくさんの人の意見を受け入れるところからバランス感覚が育まれたり、聞き上手になることも考えられます。従って、自分の中にある〈弱み〉に向き合って理解を深めておくことは、自分の能力を開花させて〈強み〉に転じさせる大きなきっかけになります。〈弱み〉の中には伸びしろの要素が秘められていると考えましょう。また、自分の〈弱み〉を知っている人は、相手の〈弱み〉にも敏感になります。それは、相手に対するやさしさや共感を持つ力が高い、という能力が備わっていると言えるでしょう。〈弱み〉が既に〈強み〉として働いているわけです。
では、〈弱み〉を〈強み〉に転じる可能性を高めるために、〈弱み〉にどう向き合えばいいのか、〈弱み〉をどう捉えればいいのか、ヒントをご紹介します。


〈弱み〉にどう向き合うべきか

●隠さずオープンにする

競争社会の中では自分の〈弱み〉は見せるべきではないと考えがちです。しかし、〈弱み〉を見せると生じるメリットもあります。
例えば、企画書や資料をまとめる構想力に〈弱み〉があるため、周囲に見えないところで一生懸命勉強しながら作成することもあって、まとめるのに時間がかかってしまう方がいるとします。この〈弱み〉を周囲にオープンにするとどうなるでしょう。それを認識した周囲の人が、アドバイスをしてくれたり、フォローをしてくれたり、というサポートが得られるはずです。周囲の人はその人を日頃から知っているだけに、サポートも適確であり、本だけで勉強するより得るものが多いと言えます。〈弱み〉を乗り越えやすく、また、次第に〈弱み〉が〈弱み〉ではなくなることさえ考えられます。
さらに、お互いに〈弱み〉をサポートし合うという空気ができれば、チーム力強化にもつながっていきます。〈弱み〉を見せることに抵抗があるかもしれまませんが、〈弱み〉は隠さないほうが賢明だと言えるでしょう。

●克服しようと考えない

自分を成長させるためには、〈弱み〉を完璧に克服しようと考える必要はありません。徐々に克服していこうとすれば、精神的にも無理がなくなります。努力をすれば中には完璧に克服できるケースもありますが、そもそも人間は誰もが完璧ではないと気楽に構えるスタンスで構えていた方が、かえって順調に克服できるものです。
自分の〈弱み〉は完璧に克服すべきものと思い詰めずに、自分の持っている多様性の一つとして寛大に受容しながら、向かい合う気持ちが大事です。

●前進するヒントが隠されている

自分の中にある〈弱み〉を忘れようとしたりあきらめて放置しないで、敢えて意識をすることは前進につながります。
例えば、世の中の流れを読むセンスや先見性に〈弱み〉がある人が、仕事として新商品やサービスの企画を求められている状況に置かれたとします。この人が〈弱み〉をしっかり意識していれば、自分のセンスや先見性に頼った企画を成功に導くことが簡単ではないと心得ることができます。すると次に、別のアプローチから企画する方法を選択する、という舵取りができます。それによってデータを徹底的に検証して数字に基づいて企画をするといったアプローチを選択し、力を発揮し成果を挙げることができるかもしれません。
すなわち、〈弱み〉を意識することで、それを代替する何らかの対処方法を考え探り出そうという行動を取るため、自分の持つ他の力を活性化させ伸ばす道が生まれるのです。


〈弱み〉が持つ大きなポテンシャル

●〈弱み〉を客観視して味方にする

マーケティングの手法として知られているSWOT分析を使って〈弱み〉を見てみると、客観的に自分を見つめ直すことができます。SWOT分析とは、内部の強み(Strength)、内部の弱み(Weakness)、外部の機会(Opportunity)、外部の脅威(Threat)の4つの要素に現状を分類して、分析を試みる手法です。
この「内部」を「自分」、「外部」を「会社」や「プロジェクト」に置き換えて、該当するものをそれぞれいくつか書き込んでみます。すると、自分と会社やプロジェクトの関係の中で、どこにポイントを置いて自分の〈強み〉〈弱み〉をどう活用したり注意したりすればよいのかが、把握しやすくなります。会社やプロジェクトといった外部環境次第では、時に〈弱み〉が活用できるチャンスとなるケースも生じるはずです。

SWOTに分類(例)

SWOTにより分析(例)

●〈弱み〉を捉え直して強みにする

〈弱み〉に、リフレーミングという考え方を取り入れてみると、新たな観点を得ることもできます。リフレーミングとは主に心理学の分野で用いられている概念で、物事の枠組み(フレーム)を変えて捉えてみることによって、受け止め方や考え方を再構築する方法です。枠組みを変えてみると、〈弱み〉の意味も変化します。
例えば、〈弱み〉だと思っていた「消極性」は、トライアンドエラーを繰り返す中でリフレーミングしてみると、「堅実さ」や「慎重さ」という〈強み〉と受け止めることができます。同じ性質や物事であっても、枠組みの置き方一つで価値や意義は変わります。視点を転換することで、自分の〈弱み〉の中に見過ごしていたような可能性が発掘でき、新たな意味に気付けば、一歩踏み出す力にもなります。

●〈弱み〉は新たなバネになる

このようにして〈弱み〉というものに向き合ってみると、〈弱み〉は自分自身の貴重な武器にもなり得る、能力の一つだということが言えます。ある有名な経営者も、一般的には短所と考えられている身体の弱さや学歴の低さというものが、逆に自分のバネとなって成功につながったということを言っています。実社会を眺めてみても、実感できる事柄は多々あります。鮮度の落ちやすい魚が市場にあまり出回らないことを逆手にとり、希少なブランドと位置付けて販売したところ人気を呼んだり、フットワークが軽いとはいえない営業職の人がきめ細かな手紙やメールによってお客さまから高い信頼を得るようになったり、球速のない投手が球種の数とコントロールに磨きをかけてプロの世界で大成したり。〈弱み〉は、むしろ活かすべきものだと言えそうです。

〈弱み〉は、自分自身のステップアップのきっかけにもなる重要な個性の一つです。自分の成長のためにも、見つめ直してみてはいかがでしょうか。

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