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(情報掲載日:2019年7月10日)


モチベーション向上、組織活性化、生産性向上に役立つことから、表彰・提案制度への注目度が増しています。その内容も、環境やエコといった対外的な分野が対象になったり、褒め合う文化やイノベーションの醸成、人材確保が目的になるなど多岐にわたっています。表彰・提案制度のメリットや新たな傾向、よりよい制度をつくる方法などについて解説します。

●なぜ今、活用の場が広がっているのか

働き方改革やダイバーシティの推進など、社員個々の働き方や生き方の違いを尊重する動きが加速し、組織としての一体感や人間関係のつながりをいかに生み出すかが企業の課題のひとつとなっています。そのような中で近年注目されるのは、企業に対する愛着度や思い入れの度合であり、社員と会社の関係性の強さを示すエンゲージメントです。このレベルが高いとモチベーションが向上して自ら考えて仕事に取り組む人が増え、組織も活性化し、それが生産性向上や人材の定着につながると考えられています。

このエンゲージメントを高める有効な施策が表彰・提案制度です。表彰制度とは、企業が社員の頑張りや功績を評価し、その事実を社内に広く認知させる制度。提案制度とは、企業に対して社員が業務改善や新規事業などについてアイデアや意見を提案する制度です。エンゲージメントが高まる理由は人が持つ承認欲求です。行動科学マネジメントには「4対1の法則」があり、1つ叱る前には4つ褒めることがよいとされています。「褒める」以外にも「認める」「言葉をかける」という行為でも同様の効果があります。1つの叱りの前に、その4倍褒めなければ釣り合わないわけで、それほどに褒める行為は重要です。表彰・提案制度はそういった褒める行為を組織で行う貴重な制度といえます。

●「人と人のつながり」を感じられる点が大きなメリット

表彰・提案制度には次のようなメリットがあります。中でももっとも大きなメリットは、組織としての一体感や方向性を感じられる点ではないでしょうか。制度によって企業へのエンゲージメントが高まれば、人材の定着や、人材採用においてのアピールポイントにつながることも期待できます。

表彰制度のメリット

・自信を持たせ、モチベーションアップにつながる
・愛社精神が生まれ、社内の結びつきが強化される
・普段気付かないような行いや工夫などに注目が集まり、企業の集合知の形成に役立つ
・功績が目立ちにくい部署や職種も評価できる
・繰り返しになりがちな日々の業務への刺激になる


提案制度のメリット

・企業の業績や生産性向上への貢献が期待できる
・社員の参画意識の向上や一体感の醸成に役立つ
・社員の問題解決への意識や解決能力の向上につながる
・人材育成につながる
・イノベーションのきっかけとなる


●「いつ、どこを、どのように」褒めるのか

表彰・提案制度を行う際、「いつ、どの部分を、どのように」褒めるのかを考えることが大切です。褒める部分を見つける作業は、そこで働く人のことを考えることにつながり、ひいては職場や企業が「何を大切にするか」を考える指標となります。

人を褒めるときのポイント


●「褒める・認める」ことが新たな価値を生む

表彰・提案制度が新たな役割や目的を持って運営される例があります。表彰・提案制度で「褒める・認める」実例を示すことは、変化が激しい現代において、これから企業が目指そうとする姿を伝えることになるためです。褒めることをイベント化してインパクトを持って伝え、具体例を用いてわかりやすく企業の方向性が示せる点は大きなメリットといえます。

・社内に褒め合う文化を醸成する

A社では、自分以外のメンバーの行動や成果から、その人の新しい一面として気づいた点や、皆に知ってほしいと思った点などをボックスに投稿させ、定期的に表彰する制度を運営しています。この制度を始めて褒めることが風土となり、社内の雰囲気がよくなって、各自が賞賛したい行いも可視化されていきました。結果、マネジメントにもよい影響がもたらされて人材は定着。生産性も向上し、企業の業績も伸びています。

B社では、イントラネット上で同僚を褒めるコメントを投稿すると、褒めた相手と褒めた側にポイントが付与され、ポイントが貯まると表彰される制度があり、モチベーションアップに役立っています。こうして褒める風土の中で人が成長すれば、その人がマネジャーになったときも褒めるリーダーになる可能性が高まります。こうした環境づくりが褒め合う文化を長期的に醸成することにつながるのです。

・アルバイト人材をトレーナー認定、MVP表彰で盛り上げ人材確保へ

C社ではアルバイトの人材育成に力を入れており、社内MBAの制度を設けてアルバイトの認定者はトレーナーとして同僚の教育を担当。毎年3月には社内で卒業を迎える学生アルバイト全員を対象に、頑張ったと推薦のあった学生がスピーチを行い、MVPを決めるイベントを開催しています。ホテルに会場を借り、大掛かりなイベントを催すことで憧れの先輩像を印象付け、口コミによるアルバイト人材の獲得や育成に役立っています。また、学生アルバイトの中で同社に就職する人材も現れており人材確保につながっています。褒め合う文化、認め合う文化のある企業は、外部から見ても魅力的な職場となっています。

・環境・エコなど新たな分野で表彰

D社ではSDGs(持続可能な開発目標)達成に向けて優れた取り組みをした本社グループの個人・団体に贈る社内表彰制度を創設。選考ではSDGs の理念である「誰も取り残さない」につながる点が評価され、闘病する子どもたちがVRの動物園・水族館を体験できるプロジェクトが大賞に選ばれています。E社では、グループ各社で行われた環境活動を対象とした表彰制度を設けています。CO2削減や低電力化など環境にやさしい活動を推奨。環境・エコといった新たな分野での活動を表彰することで推進しています。

・本気の事業提案でイノベーション

F社では、役員と社員でチームをつくってエントリーする新規事業コンテストが行われています。誰が行うのかといった人事案までセットで提案しないと決議されないため、許可されれば参加した役員や社員が実際に関わるという提案となっています。これまで20社を超える企業が生まれ、イノベーションにつながっています。

●「公平性とわかりやすさ」を心掛ける

表彰・提案制度の肝となるのは「公平性とわかりやすさ」です。誰でもエントリーでき、公平に評価され、そのプロセスがきちんと広報されなければなりません。そのうえで組織の集合知として共有され、業務に活用されることが望まれます。

表彰・提案制度を成功させるコツ

前述の「4対1の法則」からもわかるように、人は褒められることが大きなモチベーションとなります。しかし、仕事が忙しいと人を褒めたり認めたりするやり取りが少なくなりがちです。それでも皆の心の中に、人に対して感謝したり認めたいと思う気持ちがなくなっているわけではありません。こうした思いを共有する風土づくりの契機となることを、表彰・提案制度の運営では期待されています。

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