(情報掲載日:2018年4月10日)


業務の改善手法として広く知られるPDCAですが、いざ実践してみるとなかなか成果が上がらないということがあります。その要因として考えられるのは「的確な計画がつくれない」「正しい状況把握ができていない」「通常業務に加えて負荷がかかり過ぎる」などでしょう。どのようにすれば効果的なPDCAが実践できるのかについて解説します。

●PDCAに対する6つの誤解

PDCAとはPDCAサイクルのことであり、「Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)」の過程を繰り返すことで業務の効率化を図っていく手法を指します。製造業の品質管理のために考案された手法ですが、その後は企業において業務を改善したり、業績向上を図る手段として広く使われるようになりました。

PDCAという言葉は広く知られていますが、実際に行ってみても失敗したり、効果が出ないといったことも少なくありません。なぜうまく活用できないのか。『鬼速PDCA』の著者であるコンサルタントの冨田和成氏は、PDCAへの6つの誤解が活用の障害となっていると指摘します。その誤解とは、PDCAを簡単なものと考えたり、用いる際には何か特別な条件があると考えたり、適用できる範囲を限定してしまっているといったことです。


PDCAに対する6つの誤解


(冨田和成『鬼速PDCA』クロスメディア・パブリッシングを参考に作成)

●働き方改革で活用が期待されるPDCA

働き方改革では長時間労働が大きな課題となっていますが、単純に労働時間を短くするだけでは業績も下がってしまいます。そこで求められるのは生産性の向上です。効率の悪い作業を改善したり、成果につながる作業を増やしたりするときにはPDCAの活用が効果的です。PDCAの工程を利用することで、何が作業効率を下げているのか、何が成果につながる作業なのかを一つひとつ調べることができます。また、PDCAを用いて課題を明らかにする工程では数値化による判断が必要であり、これにより業務プロセスの見える化にもつながります。

●計画づくりで失敗する理由

PDCAがうまく回らないときによく見られるのが「P=計画」の失敗です。失敗してしまう理由には「慎重になり過ぎ、受け身になっている」「ゴール(目的)を見失っている」「現場の視点が活かされていない」「安易な分析で進めようとしている」などがあります。常に「何のためにPDCAを行っているのか」を意識して作業を進めなければなりません。また、PDCAは業務の改善や効率化を目指す手法ですから、通常の業務を行う中で実施することになります。PDCAの負荷でパンクすることなく、必ず実行できる計画であることが最低条件になります。

●計画策定のステップを見直す

計画を策定するうえでもっとも大切なことは、正しい情報をもとに状況を判断し、実行する価値がある計画をつくることです。ここで重要になるのは現場の観察です。正しい観察ができなければ正しい事実が拾えません。そのうえで目標達成に向けたイメージが持てるように計画を策定することが求められます。例として職場の課題解決に向けた計画策定のステップを示すと次のようになります。

「職場の課題解決」に向けた計画策定のステップ

(川原慎也『これだけ!PDCA』すばる舎を参考に作成)

●PDCAを高速で回し、試行を増やす

PDCAの精度を上げるには、サイクルを一周で終わらせず、高速で何度も回すことが求められます。その時点ごとの課題を見つけてサイクルを回すことで、業務をより完成度の高いものへと進化させることができます。高速で何度も回すことによって、モチベーションが維持され、生産性が高まるなど、いくつものメリットが得られます。

PDCAを高速で何度も回すことのメリット

・限られた時間で生産性を高められる
・より確度の高い施策が見つかる
・PDCAの経験値が上がり、完成度が増す
・前進を実感でき、モチベーションが維持できる


●高速でPDCAを回し続けるためのステップ

どのようにしてPDCAを高速で回すのか。大きな目標とは別に1日の目標を設定して日々成果をチェックし、手段を取捨選択しながら改善していく作業が必要になります。最良の手段をいかに早く見つけられるかがポイントです。そのステップは次のようになります。

高速でPDCAを回す8つのステップ
(三木雄信『孫社長のむちゃぶりをすべて解決してきたすごいPDCA』ダイヤモンド社を参考に作成)

PDCAはあくまでも「実行→評価」が基本であり、それをいかに効率よく繰り返せるかが問われることになります。ここで確度の高い施策を行うためには、前段階である現場の観察が重要です。観察は手段の評価においても必要になります。常に観察を怠らない冷静な姿勢こそが、効果的にPDCAを回すことにつながるのです。

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