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(情報掲載日:2017年1月10日)

人材マネジメントライブラリ

目標管理制度を整備する

vol.60


多くの企業で個人の目標を管理する手段として導入された目標管理制度ですが、近年は個人の評価において結果が重視される風潮があります。目標管理制度運用のし方を誤ると、社員のモチベーションの低下を招くことにもつながります。適正な制度運用を行うにはどうすべきか、運用方法や注意点について解説します。

目標管理制度とは何か

●目標管理制度とは

目標管理制度とは、1950年代に米国の経営学者のピーター・ドラッカーが提唱した制度で、本来の意味は「MBO(Management By Objectives)=目標による管理」であり、自主性や自己統制に基づいて目標を達成する管理手法です。現在は多くの企業で人事考課と連動した形で導入されています。ドラッカーの提唱を受けて、米国の心理学者ダグラス・マクレガーは著書『企業の人間的側面』で、人間に対する二つの対立的な考え方を指摘し、「X-Y理論」と名付けて目標管理を説明しています。人の心には誰しも以下の表のようなX理論とY理論の考え方が存在しています。

人間に対する二つの対立的な考え方
人間に対する二つの対立的な考え方
(城戸崎雅崇『目標管理の上手なやり方が面白いほどわかる本』中経出版より)

目標の管理にX理論を採用すると強制や圧力をかける管理方法がとられ、Y理論を採用すると自主性や自己統制を重んじる管理方法がとられます。マクレガーは人を成長させ、より高い目標を達成するためにはY理論を前提とすることが必要だと唱えています。この考えが目標による管理の有効性を後押しすることになり、1960年代中ごろから多くの企業で目標管理制度が取り入れられました。


●近年における目標管理制度の現状

近年は成果主義が急速に広まったことで、目標=結果(数字)の比重が増し、個人が自主的に目標に向かって自分をコントロールするといった視点が失われるケースが見受けられます。また、管理職と部下、人事それぞれで、以下のような目標管理制度に対する懸念が生まれています。


目標管理制度に対する懸念
目標管理制度に対する懸念

その背景にあるのは、目標管理制度を徹底することの難しさ、三者間のコミュニケーション不足、時間的な余裕のなさなどです。また、目標管理制度の導入で失敗する例としては、目標が不適切、同じ目標の繰り返し、結果に対するフィードバックがない、などが挙げられます。


目標設定の進め方

●チームでの個人目標の設定手順

目標管理制度に対して、管理職、部下、人事それぞれが懸念を持ちながら運用を続けるといった状況を避けるには、目標設定からその実行に至る間で、互いに十分な情報交換が必要です。個人目標はチームの目標を受けて決められるものであり、単独で決まるものではありません。互いに必要な情報が揃っているのか、それが正しいものなのかを確認する作業が必要です。

個人目標の設定は、まずチームとして中期的に事業に貢献するための「チーム使命」について熟考し、次に一定期間でチームが達成すべき「チーム目標」が決められます。その中でチームでの個々の「役割関係」を形成したうえで、個人目標が設定されます。そして最後に、詳細な活動計画である「実行計画」を考えます。


チームでの個人目標の設定手順


●個人目標の設定から評価まで

社員の個人目標は、あくまでも個人の成長が企業の業績につながるものであることが大前提です。個人と企業の目標の方向性を合わせながら、部下が「やらされている」と感じることがないよう、前向きに仕事に取り組める環境をつくることが大切です。


目標設定から結果の評価までに行うべきポイント
目標設定から結果の評価までに行うべきポイント


適正な目標管理制度を定着させるには

●人事が管理職の目標管理制度の運用チェックを行う

目標管理制度は運用を現場に任せることが一般的で、その結果、忙しい管理職(評価者)では散漫な運営となるケースが少なくありません。それを防ぐ手段としては、人事が管理職やその部下(被評価者)に対し、正しく目標管理制度が運用されているかを直接チェックする方法があります。以下のようなチェック表などを用いて、管理職または部下にヒアリングを行い、問題があれば修正を促します。複数の課題があるような場合には直ちに対策を講じます。


目標管理制度のチェック項目
目標管理制度のチェック項目


●目標達成を施策でサポート

目標管理制度を自発的な個人の成長につなげるためにも、万全な制度運営や周囲の支援が必要となります。目標達成ができない事態にならないように、可能な限りの準備を行い、ノウハウの共有や柔軟な配慮を行いながら、管理職や人事が部下をサポートすることが求められます。


目標達成を支援する施策例
目標達成を支援する施策例

目標管理制度は、個人を成長させる目安を示す制度であると同時に、個人が最大限チームに貢献する姿を示す制度でもあります。適正な運用を行うには、管理職、部下、人事で情報を共有し、互いにその目標が的確なものであると納得できることが求められます。そのうえで、各々が部下の成長する姿を描きながら、継続的な成長を実現していくことが大切です。

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