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(情報掲載日:2016年7月11日)

人材マネジメントライブラリ

ビジネス法則に学ぶ@ 組織マネジメント編

VOL.54


ビジネスの世界には経験の集積により、さまざまな法則が存在しています。法則を知ることはすなわち人や物事の傾向やしくみを知ることであり、それによってより効率的に、失敗なく企業組織を動かすことができます。「ビジネス法則に学ぶ」の2回シリーズ、第1回は「組織マネジメント編」をお送りします。

ビジネス法則とは何か

●ビジネス法則とは

ビジネスには「○○すれば△△になる」「○○になってくると△△になりやすい」といった傾向があります。ビジネス法則とは、ビジネスの現場における人々の行動や経験から生まれた法則です。そこには人や集団における心理や行動特性が反映されています。当然、常に法則通りになるわけではなく例外もありますが、法則を知らなかったとしても、「言われれば確かに」と思えることが多いものです。

●ビジネス法則を活用するメリット

ビジネス法則はその効果からMBAでも学習されており、ビジネスに必須の知識となりつつあります。法則を知っていることで、知らない人に対して有利な立場を取ることもできるでしょう。活用するメリットには以下のようなものがあります。

ビジネス法則活用のメリット
ビジネス法則活用のメリット

組織マネジメントに使えるビジネス法則

ビジネス法則の中には、組織での活動による経験則が数多く存在します。その中で組織マネジメントに活かせるビジネス法則についてご紹介します。

●パーキンソンの法則

・概要

英国の歴史家パーキンソンは、自国の官僚制度に関する研究を行い、官僚制度が持っている問題点を観察し、それを教訓として発表しています。法則で組織が間違いを生む過程やそのような体質に至るポイントを指摘しており、現代の企業組織に通じる部分が多く、広く注目されています。

「仕事量が満たされるまで官僚の数は増え続ける」
「仕事量が満たされるまで官僚の数は増え続ける」

「パーキンソンの法則」の内容
「パーキンソンの法則」の内容

・法則が使える場面
企業における間接部門の人員について考えるとき、複数の問題が重なったとき、組織におけるムダについて考えるときなど

・活用のポイント
官僚組織は、組織が集権化され、職務は明確な規則や手続きに則って運営されるため、「組織」としての特徴が出やすい集団となっています。企業の組織マネジメントにおいても参考になる部分が多くあります。特に企業が大きくなっていく過程では、間接部門の人員をどの程度の規模にするか、部署間での役割の割り振り、個人の担当量など細かくチェックしていく必要があり、自らを見つめるときにこの法則は活用できます。また、大企業になるほど間接部門が発言権を持つ傾向があり、そのパワーバランスの確認においても役立つ法則です。

●ピーターの法則

・概要
米国の教育学者ローレンス・J・ピーターが提唱した社会学の法則で、主に職の階級制の中で働く人の実態から生まれたものです。組織では上にいくに従い、これまでの職能的なスキルではなく、マネジメント能力やリーダーシップといった新たなスキルが要求されます。このような要求内容の違いが人の無能化を招きます。

「人は無能になるまで出世する。組織は無能な人で埋め尽くされる」
「人は無能になるまで出世する。組織は無能な人で埋め尽くされる」

「ピーターの法則」の内容
「ピーターの法則」の内容

・法則が使える場面

組織における昇進・昇格の基準が的確なのかを考えるとき、管理職に必要な能力を付けさせる教育が行われているかを見るとき、管理職が必要なスキルや能力を持っているかを見るとき、など

・活用のポイント

無能な管理職を増やさない方法としては、管理職としての仕事をこなせる技術や仕事のやり方を身につけるまで昇進を控える方法が考えられます。その中では、部署のメンバーに管理職に必要なスキルとは何かを考えさせることも有効です。「ピーターの法則」の発展形の「ディルバートの法則」に「企業は、事業への損害を最小限にとどめるために、無能な者から管理職に昇進させる」とありますが、この法則から逃れるためにも、管理職に求められるものについて明確にしておくことが重要です。


●ゆでガエルの法則

・概要
カエルは、熱湯に入れると驚いて飛び出してしまいますが、常温の水から徐々に熱すると温度が上がり生命の危機が近づいていることに気づかないまま茹であがってしまいます。同様に、企業もゆっくりした環境変化だと危機に気付くことができず、気付いたときには壊滅的な状況に陥っているという法則です。米国の文化人類学者のグレゴリー・ベイトソンが提唱したと言われています。

「変化に気付いたときには、取り返しがつかないことになっている」
「変化に気付いたときには、取り返しがつかないことになっている」

・法則が使える場面

自社のビジネス環境が今どのような環境にあるのかを考えるとき、環境の変化を念頭に置いて自社の強みについて考えるとき、など

・活用のポイント

企業は自己満足に陥ると世の流れに乗り遅れてしまいます。常に環境変化に敏感でなければなりません。自社の製品やサービスの弱点に目をつぶっていないか、周囲からの注意やアドバイスの声を排除していないかなどを、自らチェックする姿勢が求められます。変化に対応するには、周囲の変化に合わせて自らを変えられるといった柔軟な企業文化を醸成することも必要です。


●2-6-2の法則

・概要
2-6-2の法則は、「集団をつくると、上位2割がよく働く人、中ほどの6割は普通に働く人、下位2割はあまり働かない人のグループに分かれる」というもので、「働きアリの法則」とも呼ばれます。イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートが提唱した「パレートの法則」、「市場の80%の出来事には、20%の要因が影響している」の発展形です。興味深いのはここから特定の層を取り出したとしても、その後はまた2-6-2に分かれてしまうことです。組織マネジメントで参考にされることが多い法則です。

「グループができると、優劣で2:6:2に分かれる」
「グループができると、優劣で2:6:2に分かれる」

・法則が使える場面

人員の配置が的確に行われているかを確認するとき、人材のボトムアップを育成面から考えるとき、効果的な人材育成について考えるとき、など

・活用のポイント

一般的には、割合の多い中間層の6割をいかに上の層に上げるかを考えるケースが多いでしょう。中間層は企業への忠誠心も高く、組織としての風土をつくる人たちといえます。彼らに関心を持って、短期的・長期的な目標や役割を適切に与えることが求められます。


●グレシャムの法則

・概要

英国の財政家トーマス・グレシャムが唱えた「悪貨は良貨を駆逐する」という法則が、近年では「悪い習慣がはびこると、良い習慣が消えてしまう」といった組織の法則として応用されています。米国の経済学者ハーバート・サイモンは「計画のグレシャムの法則」として「ルーチンは創造性を駆逐する」と言っています。日々の中では戦略的な活動は先送りされやすく、緊急度の高い仕事やルーチンワークで埋め尽くされることを指しています。

「ルーチンは創造性を駆逐する」(計画のグレシャムの法則)
「グループができると、優劣で2:6:2に分かれる」

・法則が使える場面

日常業務に追われて新しい提案が生まれないとき、社内で悪影響を及ぼす出来事が起きていないか確認するとき、など

・活用のポイント

社内によくない習慣が生まれていたり、企業の活動が停滞しているようなときに、この法則について考えてみる必要があります。社内の異変を発見するには、どのような状態が理想的なのかを会議の場などで話し、イメージを社内で共有することも大切です。職場のリーダーは問題のある動きを常に監視し、早い段階で対策を打つように心がけます。

ビジネス法則に学ぶ組織にするには

●組織における変化に敏感になる

ビジネス法則における気付きのポイントは「変化」です。組織のムダ(時間、人員、経費など)やバランス(人数、配置、能力など)に着目することで、変化はより見えやすくなります。目が届いていない場所はないか、頻発しているトラブルや失敗はないか、最近成功した例や伸びた人材はいないかといった視点もポイントです。また、人材をグルーピングする軸(例:実力、技量、志向、姿勢、リーダーシップ、進取性など)を変えてみると、これまで見えなかった変化に気づくことがあります。

●法則を知識として共有し、心構えをつくる

組織マネジメントにおいて困難なことは、先々の状況を予測して、それに対する的確な備えを行うことです。ビジネス法則によって、起こるであろう組織の変化を予測し、事前に対策を用意しておけば、変化に対応できます。ビジネス法則を一つの知識として社内で共有し、変化への心構えをつくっておくことは有効な備えとなります。

ビジネスに変化は付き物です。それを引き起すのは人であり、そこにはメカニズムがあります。ビジネス法則を知らずに企業間競争を戦うことは、不利な立場からの戦いになるともいえるでしょう。組織に変化が起こることを前提とし、いかに予測するか。ビジネス法則を学んで、「変化の定型」への対応を身に付けましょう。

次回のVol.55「人材マネジメントライブラリ」では「ビジネス法則に学ぶA:人間心理編」をお送りします。

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