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(情報掲載日:2016年4月11日)

人材マネジメントライブラリ

フレームワークを学ぶ@問題解決力を身に付ける

VOL.50


マーケットの変化が激しい現代において、ビジネスの場面ではスピーディーな判断を求められることが多いでしょう。そのような場面で役に立つのが、戦略の構築や業務改善、問題解決などに使える「思考の枠組み」であるフレームワークです。2回に分けてお送りする「フレームワークを学ぶ」では、1回目として問題解決力が身に付くフレームワークについてご紹介します。

フレームワークとは何か

●フレームワークとは

ビジネスの場面では限られた情報や時間の中で考え、課題を解決していかなければなりません。そのような場面ではフレームワークを使うことがよくあります。フレームワークとは、自分なりの概念や考え方をつくり出すために、情報を考えやすく、わかりやすく整理できる「思考の枠組み」です。情報を整理できるだけでなく、そこから意味合いや解釈、方向性を引き出すツールになります。

●活用するメリット

情報から新たな考えを生むには、ただ情報を眺めるのではなく、視点を変えて情報に潜む新たな方向性や価値を見つけることが必要です。人は忙しいと、視野が狭くなりがちです。そのような中で情報を「型」に沿って整理でき、そこから視点が得られるフレームワークは思考ツールとして有効であり、多くのコンサルティングファームで活用されています。

フレームワークのメリット
フレームワークのメリット

全体像をつかむフレームワーク

いかに効率的に問題を解決するか。そのためには、情報を考えやすく、わかりやすく整理できるフレームワークの活用が有効です。そのような場面で使えるフレームワークについて説明します。始めは、問題解決に向け、物事の全体像がつかみやすくなるフレームワークについてご紹介します。

●MECE

  • 概要

MECE(ミーシー)はMutually Exclusive and Collectively Exhaustiveの略で、「モレなく、ダブりなく」という意味です。物事を整理するときにモレやダブりをなくし、状況の全体像を正しく把握し、課題を見逃さないようにするために用いられます。
例えば、女性向け商品のターゲットについて考えるときでいえば、以下の左図は対象に重なりがなく、漏れもないので「MECEである」といえます。しかし、右図は「会社員として働く主婦」にダブりがあり、また「学生」「自営業」などが含まれず「MECEではない」となります。MECEは論理的に考えるロジカルシンキングで基本となるフレームワークです。他のロジカルシンキングの手法でも、MECE的に要素を揃えることが求められる場面もあります。

MECEの例

  • 使える場面

全体の構造を大まかにつかみたいとき。あらゆる対象に向けて施策を打ちたいとき。新しいアイデアを出したいとき。現状で欠けている視点を見つけたいときなど。

  • 留意点

施策をモレなく議論しているつもりでも、長年の経験がジャマをして自分の視点が固定化され、モレに気付かないことがあります。MECEになっているかを常に意識することが重要です。またMECEに向けて強引に区分けしても、実際には使えない区分けでは意味がありません。区分けすることの意味を常に考えておくべきです。

●空・雨・傘理論

  • 概要

正しい事実を認識し(空)、それに基づいて解釈を行い(雨)、最終的な行動を決定する(傘)という3段階の思考パターンです。これは問題解決における定型ともいえる考え方です。この要素のうち、一つでも抜けると正しい判断にはなりません。このステップは自ら物事を考えるときの基本であり、何度も繰り返し考えることで論理的な思考が身に付きます。


  • 使える場面

説得力のあるメッセージを発信したいとき(空・雨・傘が明示されることで納得性が増す)。研究発表や新規提案の場面など。

  • 留意点

事実の解釈の方向性を固定化してしまうと、考えが広がらず、的確な判断ができなくなります。偏らずに柔軟な見方を身に付ける必要があります。また事実の把握に関しては、できる限り人に頼らず、自らが観察して情報を集め、判断する姿勢が大切です。

●ロジックツリー

  • 概要

問題をツリー状に分解して、本質的な原因や解決策を探る手法です。メリットは、問題の全体把握が容易になること。そして議論のズレを修正できる点です。要素の階層が違うことに気付けると考えを修正しやすくなります。ロジックツリーの代表的なものに「なぜ」を繰り返して深掘りする「Whyツリー」、どのようにして行うのかを掘り下げる「Howツリー」があります。「Whyツリー」は原因や要因を探る場面で、「Howツリー」は次の行動を具体化する場面などで使います。


  • 使える場面

網羅的に物事の要因を考えたいとき。物事を具体化して考えたいときなど。

  • 留意点

最初の階層はできるだけ上位概念で分けるようにしましょう。枝分かれではMECEを心がけると見落としが防げます。思いつく要因をとりあえず挙げて、似たものをまとめていく方法が効率的です。また、「Whyツリー」は使い方を間違うと、同じ要因が繰り返し出てくるようになり、答えが見えにくくなるときがあります。
「Whyツリー」と「Howツリー」の2つを組み合わせて使うと効果的です。例えば 、「Whyツリー」で「なぜそうなったのか」について考え、その原因を基に「Howツリー」で「どのように克服するか」について考えます。

発想を広げるフレームワーク

発想が広がると物事の見方も変わります。次は問題解決に向けて、発想を広げるフレームワークについて紹介します。

●水平思考の6つの帽子

  • 概要

水平思考の提唱者であるエドワード・デ・ボーノ博士が開発した思考法です。白:事実(客観的)、赤:感情(直感的)、黒:批判(否定的)、黄:楽観(肯定的)、緑:創造(創造的)、青:冷静(俯瞰的)の6種類の帽子をかぶるイメージで思考することで、各々の視点からの考えを導きます。
基本的なやり方は、皆が同じ色の帽子をかぶって意見を出し、順番に色を変えていく方法です。同じ視点から意見を出すため、賛成・反対といった極端な意見交換に終始することなく、冷静で幅広い議論が可能になります。6色をローテーションしながら内容を深めていきます。他には、会議の最初と最後に青をかぶってロジカルな方向性にまとめる手法もあります。また、他の手法と同様に、一人で考える場合にも使え、深い考察が可能になります。

  • 使える場面

会議の方向性が固定化されがちな議題のとき。さまざまな方向性の話が出る議題のとき。一人で多方面の考察を行いたいときなど。

  • 留意点

メリットを挙げる場面とデメリットを挙げる場面を分けたほうが効率よく話ができます。途中では他の色の意見が出ないように注意が必要です。


●KJ法

  • 概要

大学教授の川喜田 二郎氏が考案した手法で、イニシャルからKJ法と呼ばれています。アイデアや意見をカードに書き出して、関連するものをグループにしながら整理し、方向性を見つけていきます。参加者全員で作業し、カードを見ながら意見を交換することで、チームとしての意見の集約が可能になります。


  • 使える場面

集団でアイデアを出し合うブレーンストーミング全般。新規事業を考えるような社内研修など。

  • 留意点

書き出すときは1枚のカードに一つの情報を書くこと。また、メンバーが考える情報だけでなく、周辺情報や外部の客観的情報もカードに盛り込むと、幅広い意見交換ができます。


●オズボーンのチェックリスト

  • 概要

ブレーンストーミングの考案者であるA・F・オズボーン氏が考案した手法です。「転用」「応用」「変更」「拡大」「縮小」「代用」「置換」「逆転」「結合」の9つの視点による質問から、思考を広げていきます。短時間で効率的に物事を分析できるメリットがあり、自動的にアイデアを発想する手法として効果があります。単体の質問で考えるだけでなく、「小さくして、逆にしたらどうか」など複数の質問を掛け合わせて考えることで、より多くのアイデアが出せます。


オズボーンのチェックリスト

  • 使える場面

製品開発やブレーンストーミング全般。仕事のやり方を見直すとき。サービスや商品の問題点を見つけるとき。イノベーションを生み出したいときなど。

  • 留意点

課題の内容に合わせて、チェックリストの内容(「変更」であれば、意味、色、働き、音、匂い、様式、型など)から的確なものを選ぶことが大事です。また、自分でオリジナルの質問を加えるなど部分的にカスタマイズすると、より使いやすくなります。

フレームワークは決して難しいものではありません。その考え方はシンプルで理解しやすいものであり、どれにおいても一つひとつの作業の積み重ねが物事の全体像をつかむことにつながります。実践で何度も使ってみることで、その意味をより深く学ぶことができます。

次回のVol.52「人材マネジメントライブラリ」では「フレームワークを学ぶA:人を活かす力を身に付ける」をお送りします。

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