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(情報掲載日:2016年3月10日)

人材マネジメントライブラリ

チームを活性化するファシリテーション

VOL.50


組織においてスピーディな結論が求められる近年、ファシリテーションのスキルが注目されています。ファシリテーションとは、人々の活動が容易にできるよう支援し、うまくことが運ぶように舵取りすることです。その力は会議だけでなく、チームや組織の運営、人間関係構築にも活かすことができます。今回はファシリテーションを活用したチーム運営について解説します。

今求められるファシリテーション

●2000年ごろから注目され始めた「ファシリテーション」

ファシリテート(facilitate)という言葉には「促進する」「物事を楽にする・容易にする」という意味があり、ファシリテーション(facilitation)は、会議を始めとする集団活動がスムーズに進むように支援することをいいます。ファシリテーター(facilitator)は、会議など複数の人が集う場の議事進行を務める人を指します。

ファシリテーションはチーム運営や人間関係の構築に深く関わるスキルであり、チームにおいてリーダーがリーダーシップを発揮するときの行動を具体化したスキルの一つといえます。話し合いから最適な答えを出したいときに期待されるスキルであり、現代のリーダーにとっては必須のスキルです。2000年ごろから書籍などでこの言葉が多く見られるようになり、注目を集めています。

●なぜ今求められているのか

日本企業の会議には、「時間が長い」「意見がなかなか出ない」「話が脱線する」「結論が出ない」等、結果、何を話し合ったのか共通認識がもてないといったケースもあります。変化の激しい現代においては、その状況に合った手段をスピーディに打ち出す必要があり、会議におけるリーダーは重要度の高い問いを見つけ、早急に意見を集約して答えを導かなければなりません。

ファシリテーションは、対話を促進し、互いを最大限活かしながら、ブレない合意形成を短時間でつくり出すことができます。これは変化の激しい現代において、迅速に最適な答えを導く力となるものです。そのため、ファシリテーションを身に付けたリーダーが組織において求められています。

有意義な会議へと導く方法

●ファシリテーションとはどんなスキルか

ファシリテーションには、図にあるように4つの重要なスキルがあります。
1つ目は「プロセスをデザインする」ことです。ゴールを明確にして、プロセスを事前に想定し、デザインしていきます。
2つ目は「場をコントロールする」ことです。互いの信頼関係をベースに、場が生産的なものであり続けるように手を尽くします。
3つ目は「触発する、かみ合わせる」ことです。参加者を触発し、出てきた意見をかみ合わせ、発展させます。
4つ目は「合意の形成、行動の変化」に導くことです。全員が合意できる結論を導き、それを行動に結びつけます。

これらのスキルは会議の場面だけでなく、複数の人の意見をまとめて行動するチームやプロジェクトの運営にも活かされます。
スキルを発揮するための流れとしては、まず「プロセスのデザイン」を行い、それを元に会議の「場をコントロール」し、また「参加者を触発して、意見のかみ合わせ」を行います。この行動により、「合意の形成、行動の変化」を導くことができます。

ファシリテーションの三角形
(『ファシリテーターの道具箱』森時彦 ダイヤモンド社より)

●議論を進める流れ

会議の場面では上記の4つのスキルを活用して、場を活性化させる方向に導きながら議論を進めます。その中では集団となった際に陥りやすい問題行動を防ぐことが必要で、ファシリテーターはその点に配慮しなければなりません。ここでいう問題行動とは、「他人任せにして発言しない」「感情的に対立してしまう」「発言の多い人に流される」「集団圧力で同調してしまう」などです。このような行動を防ぎながら、自由に前向きに発言できる場を創造していきます。

議論を進める流れ

●場によって2つのコントロール法を使い分ける

議論する場合、時間的な緊急度や参加メンバーの習熟度によって、ファシリテーションのコントロール手法を変えると、よりスムーズで的確な進行ができます。書籍『ファシリテーションの教科書』では、緊急度が高いときやメンバーが未熟なときは「しっかりコントロールする」、逆の場合は「極力コントロールしない」ことでよい方向に進むことがあると述べています。

「しっかりコントロールする」場合は、ファシリテーターが話し合いの段階をコントロールしていくので、最短の時間で議論でき、適切な結論に至る確率が高くなります。ただし、コントロールが強すぎると参加者は反発を覚えることもあり、また、そのやり方に慣れてしまうと他人任せになってしまい、生産的な議論ができなくなる懸念もあります。

また、「極力コントロールしない」場合は、当事者が自ら決めた意識が高まることで参加者の納得感が高くなり、決定事項が確実に行動に移される確率も高まります。それに、ファシリテーターの予想を超えた知恵が生まれることもあります。ただし、議論が混乱、停滞したり、対立から崩壊することもあるので注意が必要です。
ファシリテーターはどちらの手法にも対応できるよう、状況に応じて使い分けることで、その場を有意義な会議にすることができます。

ファシリテーションの2つの手法
(『ファシリテーションの教科書』グロービス 東洋経済新報社より)

チーム活性化のためのヒント

●具体的な手法で発言を引き出す

ファシリテーションの基本は、参加者の意見を引き出して、まとめることにあります。普段から意見を言いやすくしたり、対話を活発にさせるには以下のような手法が効果的です。

発言を引き出す工夫
(『リーダーのための!ファシリテーションスキル』谷益美 すばる舎より)

●「人が集う」すべての場を活性化

ファシリテーションの考え方や手法は、会議だけでなく、チーム、プロジェクト、研修、ワークショップ、イベント、交流会など、人の集まりすべてで活用できます。このスキルによって、コミュニケーションが活性化し、お互いの深い思いを知ることができれば、その後の人間関係にも良い影響が期待できるでしょう。そして、ファシリテーションというスキルの存在や大切さを、会社や職場で共有することは、互いの人間関係を前向きに活性化したいという意思表示にもつながります。

個々の意見の交換は、組織の方向性を決める上で大変重要です。意見の出し方、聞き方の違いからコミュケーションの質が変わると、それが人間関係に影響し、組織のあり方まで変えてしまうこともあるでしょう。ファシリテーションの手法や考え方は、組織のすべての要素につながるといっても過言ではありません。それだけに常日頃からファシリテーションを意識する姿勢が求められています。

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