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(情報掲載日:2015年12月10日)

人材マネジメントライブラリ

退職者を呼び戻す 若手・中堅向け再雇用制度

VOL.47


結婚・出産・育児・介護といったやむを得ない事情や、転職や起業、留学などのキャリアアップを理由に、一度退職した若手・中堅人材を呼び戻す再雇用制度を設ける企業が増えています。人手不足の中、すでに業務を把握し、企業風土も理解している退職社員は魅力的な存在です。再雇用制度の事例や導入時の留意点について解説します。

なぜ再雇用制度を設ける企業が増えているのか

●再雇用制度の整備状況

再雇用制度(定年後の再雇用制度を除く)とは、結婚・出産・育児・介護といったやむを得ない事情や、転職や起業、留学などのキャリアアップを理由に一度退職した社員に、それまで培った知識や経験・スキルを生かして再び活躍してもらう制度です。再雇用制度と聞くと、定年を迎えた社員を再雇用する制度のイメージがありますが、最近では有効求人倍率も上がり、人材確保が厳しくなっているため、若手・中堅人材向けに再雇用制度を整備する企業が増えてきました。

厚生労働省が行った企業の再雇用制度についての調査(※1)によれば、再雇用制度(定年後の再雇用制度を除く)を設けている企業は全体では16.7%。企業規模別にみると、従業員1001人以上では36.4%と高い数値となっており、大企業では制度の整備が進んでいることがわかります。また、「今後設けることを検討している」という企業も16.1%となっています。

●再雇用制度を導入するメリット

同調査の再雇用制度のメリットや効果をみると、「退職前に培った業務経験を活かして働いてもらうことができる」78.7%、「不足した人材を確保することができる」60.2%、「会社への愛着を持った人を雇用することができる」50.9%と、これらの項目の割合が特に高くなっています。

再雇用制度のメリットや効果(複数回答)
(厚生労働省「出産・育児等を機に離職した女性の再就職等に係る調査研究事業」2014年度)

再雇用制度にはこのほかにも、下のようなさまざまなメリットがあります。これらを見ると、制度の存在によって個人と企業との間に新たな関係性が生まれていることがわかります。これは個人と企業が互いに必要としたからこそ生まれた制度です。

双方に生まれる導入メリット

※1:厚生労働省「出産・育児等を機に離職した女性の再就職等に係る調査研究事業」2014年度
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/h26_itakuchousa.html

特色ある再雇用制度

●具体例に見る再雇用制度

再雇用制度の具体例を見ると、企業ごとに戻ってほしいターゲット人材が異なるため、各社で必要な人材の条件を規定しています。また、出産や育児で退職した社員を対象とした制度も多く設けられており、女性が企業の戦力としてより貴重となっていることがわかります。

再雇用制度の例

特に女性は結婚・出産・育児などやむを得ない事情での退職がまだ多くあり、本人はもっと働きたいと思っている例が少なくありません。そのため、それらの人を支援する再雇用制度を設けて広報することで、再び働く機会を与え、貴重な労働力が発掘される効果が生まれています。

導入する上での留意点

●再雇用制度を導入する上での留意点

ついメリットばかりに目が向く再雇用制度ですが、運営する上では注意すべき点や問題点が複数あります。もっとも問題になるのは、退社せずに働いている社員との扱いの差をどのように考えるか。そして、制度運営をいかに社員に納得してもらいながら行えるかということです。社員には不公平感が残らないように配慮し、全面的に復帰に協力してもらう必要があります。制度運営において想定される留意点は以下のようなものがあります。

制度を運営する上での留意点

  • 明確な再雇用の制度化と社内への周知

制度導入に当たっては、どのような人材を再雇用するか、どのように迎え入れるのかといった詳細を社内に示す必要があります。制度を周知させることで迎え入れる環境を作ります。

  • 退職者の状況を把握し、つながりを持つ

実務経験が豊富な退職者の復帰を促すには、退職後のフォロー体制も重要になります。定期的に退職者に連絡を取り、育児や介護といった状況把握に取り組む必要があります。また、退職者には企業の広報物やメールマガジンを送るなど、企業とのつながりを維持する仕組みをつくり、働く意欲を維持することも有効です。

  • 復帰におけるケジメの確認

復帰者には一度退職したときの理由について、クリアになっているのかも大事なポイントです。特に退職がやむを得ない理由でない場合には気持ちを確認し、共に頑張るという思いを新たにしてもらいます。個人と企業が本音で言い合える関係を目指すことが重要です。

  • ポジション・給与面の処遇の制度化

どのようなポジションで迎えるか、給与はどうするかといった点について、一般の中途採用と扱いを変えるかどうか考えておく必要があります。

  • 昇進昇格時の空白期間の判断

昇進昇格時に同期社員との比較において、空白期間をどのように判断するのか、社外での経験をどう評価するのかを決めておく必要があります。

  • 復帰前の不安の払拭

復帰前に人事や職場の上司との面談を行い、勤務における不安を解消しておくことも大切です。ロールモデルやメンターによる支援、定期的な面談を行うこと、復帰後に円滑に職場になじめるように業界の状況を説明する機会を設けることも有効です。特に子育てをしながらの復帰の場合、育児の先輩である社員に両立のコツを聞くといった情報は参考になります。

  • ブランクを克服する支援体制

復帰後にキャリアの断絶を感じずに働けるよう、退社時と同じ資格等級からの復帰を可能にしたり、復帰後に自分に合ったキャリアスタイルが選べるといった支援は有効です。復帰後に自分のキャリアや能力を活かすルートがあるかないかで、その後の仕事に対する意欲も変わってきます。時間に制約がある復帰となった場合も、それにより補佐的な仕事ばかりにならないようにキャリア形成を考えた仕事分担を考えることが重要です。

再雇用は個人と企業における契約の再スタートであり、以前勤務していたときよりもよりよい関係になれることが望ましいといえます。双方の成長をプラスに作用させるためにも、お互いができる限り本音で言い合える関係になることが大切です。

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