メールマガジンの定期配信をご希望のお客さまは以下のボタンからお申込みください。

配信申込⁄停止

(情報掲載日:2013年5月20日)

人材マネジメントライブラリ

“「多面(360度)評価制度」の活用方法

VOL.17


組織は「2:6:2」の構成になると言われています。人が組織を構成すると、成績の上位が2割、普通が6割、下位が2割という構成になりやすいという法則です。中間の6割を占める「平均的なメンバー」は人数が最も多く、この層の力を引き上げていくことが組織の大きなパワーとなります。そのためには、日頃の管理職のマネジメントが重要となってきます。そこで、平均的なメンバーの力をどのように底上げしていけばいいのか、ご紹介します。

「平均的なメンバー」の力を底上げすることの意味

平均的なメンバーは組織の中でマジョリティを占めており、この層の底上げを図っていくことは生産性を高めていく上でも効果的です。
しかし、平均的なメンバーには、以下のような特徴が見受けられます。

・言われたことはやるけれども、自発的な行動を起こすことはあまりない
・大きな目標を掲げようとしない
・今の仕事や自分の成果に満足している
・今置かれた状態が心地よいと感じている

一般的に平均的なメンバーは、現状にそれなりに満足している傾向があります。そのため、組織としての生産性を向上していくためには、いかにして平均的なメンバーをやる気にさせ、モチベーションを高めていくかがポイントとなります。それには、現場の管理職が高い意識を持って平均的なメンバーへアプローチしていく必要があります。
この場合、特別なことを行うよりも、アプローチを継続的に行うことが大切です。継続的に行うことで小さな変化が積み重なっていき、その変化が大きなものとなります。また、平均的なメンバーはボリュームゾーンのため、その効果はより大きなものとなっていくことが期待されます。


“「平均的なメンバー」を強化する方法

平均的なメンバーを強化するためには、以下のような方法が考えられます。

(1)深く考える癖を付けさせる

平均的なメンバーは、平均的に仕事をこなすことができるため、自分の業務に潜んでいる課題や、自分自身の課題について気づかないことがあります。そこで、もう一歩深く考える癖を付けさせることが必要です。考える習慣は問題意識を生み、問題発見や問題解決につながります。
部下に深く考える癖を付けてもらうためには、現場の管理職は以下のような「質問」を数多く発信していくとよいでしょう。

①「なぜ?」を問う

「なぜ、そう考えるのか」「失敗した原因は何か」「なぜ、そうすればうまくいくと思うのか」など、常に以下のような「WHY+4W3H」を意識して、メンバーに「なぜ?」を問うことです。

「WHY+4W3H」

②思考を「広げる」問いを行う

メンバーの話を聞いた後、「他には?」「それで?」と思考を広げるための問いを行いましょう。

③思考を「絞る」問いを行う

「具体的には?」「つまり、どういうこと?」「結論は?」など、思考を絞るための問いも有効です。

さまざまな角度から「なぜ?」と聞いていくことによって、メンバーに深く考えさせることが重要です。


(2)危機感、快感、わくわく感を刺激する

平均的なメンバーは今の状態が心地よいと思っているため、「平均的」になっています。自ら苦労をして、今の状態を変える必要がないと思っている人が少なくありません。平均的なメンバーをできるメンバーへと一皮剥けさせるためには、"ぬるま湯"から自ら飛び出させるような仕組みが必要です。以下のようにして、現状に依存したこの状態のバランスを崩すきっかけを作るのが、現場の管理職の役割と言えます。

①危機感を持たせる質問を行う

「今の状態を、自分では良いと思っているの?」「このままの状態で3年経ったら、どうなると思う?」など、危機感を持たせる質問を行い、「このままではダメだ」「こうしよう、ああしよう」と思うきっかけを与えることです。

②良いところを褒める

「あなたは皆に頼りにされている」「あなたは経営者になれる才能を持っているように思うけれど」など、相手の良いところを褒める言葉を投げかけ、その上で、「では、そのために今すべきことは何だろう」と考えてもらうことです。

③「成果のイメージ」を話させる

目標を立てる時にはメンバーに「成果のイメージ」を話させるようにしましょう。「最終的にどのような成果を生み出そうとしているのか」というイメージを具体化し、焦点を絞り込むことで、メンバー自身にとっても納得感のある目標となります。
そして、成果のイメージが見えてきたら、その上で、「成果を達成するために、このような支援を行うことは約束する。」と提案を行うのです。成果を達成するために直属の管理職も支援をする姿勢を見せることで、メンバーも成果を出そうという気持ちが芽生えるでしょう。

評価をする際に、管理職がこのようなコミュニケーションスタイルを取ることによって、メンバーは評価を上げようと前向きな気持ちとなり、具体的な行動に気を配るようになります。


(3)仕事と自分の将来像をリンクさせる

平均的なメンバーは、仕事と自分の将来像がかみ合っていないケースが多いようです。そこで、仕事と自分の将来像を関連させていくようなアプローチができれば、ワンランク上の仕事をしてもらうことができます。
それには今やっている仕事が、将来の生き方にどのように影響するのかを気づかせることが大切です。例えば、コーチングの研修などでは5分間で自分の希望について話し合ってもらうという手法があります。わずか5分ですが、自分の希望について集中的に考えることで、その希望がより具体的になると共に、今の仕事の位置づけが再認識できます。そこで、現場の管理職がこのようなコーチングの手法を使って仕事と自分の希望について考えさせることが非常に有効です。

まずメンバーが「はい」「いいえ」で答えられるような質問をたくさん用意しておくことが必要です。「オープン質問」よりも、「はい」「いいえ」の回答を求める「クローズド質問」ほうがシンプルで、管理職の質問に対して答えやすいからです。内容については、アイスブレイクの意味合いから、最初は日頃あまり話さない趣味の話や家族のことでもいいでしょう。そして、開放的な気持ちになったところで、仕事の話をしていきます。「今の仕事は気に入っているか?」「前の仕事はどうだったか?」という質問から、「今の仕事が気に入っていないのであれば、どこが気に入っていてどこが気に入らないのか?また、どういう状態が理想なのか?」「前の仕事に対してどのようなことを感じているのか?そう感じるのは、どのような理由からか?」といったように、現在、および過去の仕事内容に関して突っ込んだ質問を行いましょう。
そして、ある程度突っ込んだ質問を続けていくことによって、メンバーの中でこれまでの仕事面での全体像が整理されます。その上で、メンバーに自分が希望する将来像のイメージを聞き出しましょう。その際、5W1Hを意識して、「それはいつ頃か?どのように?」と質問を続けていき、明確な将来像を描いてもらうようにします。
このような話し合いをした後、「今自分がやっている仕事の中で、その希望を実現する上で役立つことは何か?」「今、あなたがすべきこと、強化すべきことは何か?」といった質問を行い、仕事と自分の将来像の接点に気づかせることが大切です。

大多数の「平均的なメンバー」をやる気にさせるには、上記に示したようなアプローチで職場の管理職が日々積極的に関わっていくことが必要です。しかし、最近では管理職がプレーイングマネジャー化している状況が見受けられ、なかなか「平均的なメンバー」に対して、きめ細かく対応できるような状態にありません。
そこで、時間は短くても構わないので、管理職と「平均的なメンバー」が一対一で面談する機会を、定期的に設けるようにしましょう。そこでは管理職からの期待を示し、「平均的なメンバー」が目標を実現していくために常にフォローを欠かさないという態度・姿勢を強く示していくことが大切です。

限られた時間の中であっても、このような多面的な対応を継続的に行っていくことにより、「平均的なメンバー」のやる気を高め、力を発揮してもらうようにすることができるのです。

配信申込⁄停止

“旬”なテーマで人材活用やビジネスに関するお役立ち情報をお届けします。メールマガジンの定期配信をお申込みのお客様は左のボタンからお気軽にどうぞ。

このページのトップへ

人材マネジメントライブラリ 一覧へ