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著作権の基本ルール

仕事で、資料や製品のパンフレットなどを作るとき、webサイトや書籍などを参考にすることがよくありますが、イラストを使っていいのか、文章をどれくらい真似していいのか迷う場面もあると思います。今回は、著作権の基本ルールをご紹介します。

■著作権とは

「著作権」とは、簡単に説明するならば『著作者が著作物に対して持つ権利』です。「著作物」とは、「著作者の権利」によって「保護」される対象の物で、著作権法での定義では『思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。』とされています。簡単に言ってしまえば「思想・感情を創作的に表現したもの」となります。文章、音楽(曲、歌詞)、絵画、写真、映画、図形、建築物、コンピュータプログラムなどが著作物の対象となり具体的には下表のようなものがあげられます。しかし、これらはあくまで例示であり、著作物はこれだけに限りません。前述した定義にあてはまるもの、すなわち、「著作物の定義」をすべて満たすものは、下表に掲げられていないものであっても、著作物に該当することになります。

種  類 内  容
言語の著作物 論文、小説、脚本、詩歌、俳句、講演など
音楽の著作物 楽曲及び楽曲を伴う歌詞
舞踊、無言劇の著作物 日本舞踊、バレエ、ダンスなどの舞踊やパントマイムの振り付けなど
美術の著作物 絵画、版画、彫刻、漫画、書、舞台装置など(美術工芸品も含む)
建築の著作物 芸術的な建造物(設計図は図形の著作物)
地図、図形の著作物 地図と学術的な図面、図表、模型など
映画の著作物 劇場用映画、テレビ映画、ビデオソフト、ゲームソフトなど
写真の著作物 写真、グラビアなど
プログラムの著作物 コンピュータ・プログラム

上記のほかに次のような著作物もあります。

種  類 内  容
二次的著作物 上表の著作物(原著作物)を翻訳、編曲、変形、翻案(映画化など)し作成したもの
編集著作物 百科事典、辞書、新聞、雑誌、詩集など、素材の選択又配列によって創作性を有するもの
データベースの著作物 編集著作物のうち、コンピュータで検索できるもの

【上記の表について 制作者注釈】
「データベースの著作物」:
データベースとは、論文、数値、図形その他の情報の集合物のことで、それらの情報を電子計算機を用いて検索することができるように、体系的に構成したもののことをいいます(2条1項10号の3)。
「データベースの著作物」は、「編集著作物」と類似する面を持っていますが、編集著作物との大きな違いは、コンピュータにより検索できるか否かです。

※参考サイト 文化庁「著作物について」
http://www.bunka.go.jp/chosakuken/gaiyou/chosakubutsu.html

■著作隣接権について

著作隣接権とは、著作物の創作者ではないが、著作物の伝達に重要な役割を果たしている実演家、レコード製作者、放送事業者、有線放送事業者に認められた権利です。例を挙げるならば、作曲家が作った曲は著作物で、著作者=作曲者は著作権を有します。ですが、この曲を演奏する演奏者や、それらを録音するレコード(CD)製作者、コンサート等を放送する放送事業者は著作物の著作者ではありませんが、著作物の伝達に重要な役割を果たす活動を事業としています。このような事業の運営ができるように著作物利用の権利が付与されています。

著作隣接権
著作隣接権 著作物の公衆への伝達に重要な役割を果たしている者(実演家、レコード製作者、放送事業者、有線放送事業者)に与えられる権利。
著作隣接権の発生 実演、レコードの固定、放送又は有線放送を行った時点で発生する(無方式主義)。
著作隣接権の保護期間 実演、レコード発行、放送又は有線放送が行われたときから50年間
実演家の権利
実演家人格権 氏名表示権
(90条の2)
自分の実演に実演家の名を付すかどうか、付す場合に名義をどうするかを決定する権利
同一性保持権
(90条の3)
自分の実演について実演家の名誉や声望を害する改変をされない権利
著作隣接権 録音権・録画権
(91条)
自分の実演を録音・録画する権利
放送権・有線放送権
(92条)
自分の実演を放送・有線放送する権利
送信可能化権
(92条の2)
自分の実演を端末からのアクセスに応じ自動的に公衆に送信し得る状態に置く権利
譲渡権
(95条の2)
自分の実演の録音物又は録画物を公衆に譲渡する権利(一旦適法に譲渡された実演の録音物又は録画物のその後の譲渡には、譲渡権が及ばない)
貸与権
(95条の3)
商業用レコード(市販用CD等)を貸与する権利(最初の販売後1年のみ)
放送二次使用料を受ける権利(95条) 商業用レコードが放送・有線放送で使用された場合の使用料を放送事業者・有線放送事業者から受ける権利
貸レコードについて報酬を受ける権利(95条の3) 貸レコード業者から報酬を受ける権利(貸与権消滅後49年間)
レコード製作者の権利
著作隣接権 複製権(96条) レコードを複製する権利
送信可能化権
(96条の2)
レコードを端末からのアクセスに応じ自動的に公衆に送信し得る状態に置く権利
譲渡権(97条の2) レコードの複製物を公衆に譲渡する権利(一旦適法に譲渡されたレコードの複製物のその後の譲渡には、譲渡権が及ばない)
貸与権(97条の3) 商業用レコードを貸与する権利(最初の販売後1年間のみ)
放送二次使用料を受ける権利(97条) 商業用レコードが放送・有線放送で使用された場合の使用料を放送事業者・有線放送事業者から受ける権利
貸レコードについて報酬を受ける権利(97条の3) 貸レコード業者から報酬を受ける権利(貸与権消滅後49年間)
放送事業者の権利
著作隣接権 複製権(98条) 放送を録音・録画及び写真的方法により複製する権利
再放送権・有線放送権
(99条)
放送を受信して再放送したり、有線放送したりする権利
テレビジョン放送の伝達権
(100条)
テレビジョン放送を受信して画面拡大する特別装置(超大型テレビ、オーロラビジョン等)で公に伝達する権利
有線放送事業者の権利
著作隣接権 複製権(100条の2) 有線放送を録音・録画及び写真的方法により複製する権利
放送権・再有線放送権
(100条の3)
有線放送を受信して放送したり、再有線放送したりする権利
有線テレビジョン放送
の伝達権(100条の4)
有線テレビジョン放送を受信して画面を拡大する特別装置で公に伝達する権利

※参考サイト 文化庁「著作隣接権」
http://www.bunka.go.jp/chosakuken/gaiyou/chosaku_rinsetuken.html

■著作者人格権について

著作権法では著作者の人格を守るための3つの権利を定めていて、この3つの権利をまとめて「著作者人格権」と呼ぶことがあります。著作者の人格(名誉や感情)を保護するための権利で、日本の著作権法では、他人に譲渡したり、移転することはできないとしています。

著作者人格権の3つの権利
公表権 自分の意志で自分の未公表の著作物を公表するかどうかを決定する権利(著作権法第18条)
氏名表示権 自分の作品(著作物)の公表時に、自分の名前を作品上に表示するかどうか、また表示する場合にどんな名前にするかを決める権利(著作権法第19条)
同一性保持権 著作物の内容や題などを作者の許諾無しで改変されない権利(著作権法第20条)
■著作物の利用について

基本的には、著作物の利用をするには、著作権者に利用の許諾を得なければなりません。また、著作権者から独占的な許可を得る出版権の設定や、著作権の譲渡、著作権者を調べても、それが不明だった場合には文化庁長官の裁定を受ける方法など、様々な場面に応じた利用方法があります。

具体的には、次の四つの方法があります。

他人の著作物を利用する方法
方  法 著作権法
(1) 著作権者から著作物の利用について許諾を受ける。 利用の許諾(第63条)
(2) 出版権の設定を受ける。 出版権の設定(第79条〜第88条)
(3) 著作権の譲渡を受ける。 著作権の譲渡(第61条)
(4) 文化庁長官の裁定を受ける。 文化庁長官の裁定(第67条〜第69条)

例えば、(1)の著作権者の許諾を受けて著作物を利用する場合の手順は以下のとおりです。

著作物を利用する場合の手順

【上記のフローチャートについて 制作者注釈】
「③条約によって我が国が保護の義務を負う著作物」:
著作物は国境を越えて利用されるため、世界各国で条約を結び、お互いに著作物や実演・レコード・放送などを保護し合っています。万国著作権条約や、ベルヌ条約が国際的な保護条約として挙げられます。条約の詳細については、文化庁のサイトをご覧ください。

※参考サイト 文化庁「著作権なるほど質問箱」
http://chosakuken.bunka.go.jp/naruhodo/answer.asp?Q_ID=0000425

「許諾なく使えるかどうか?」:
許諾なく使えるかどうか?の判断は、後述する「利用制限の例外」と文化庁のサイトを参照してください。

※参考サイト 文化庁「著作物が自由に使える場合」
http://www.bunka.go.jp/chosakuken/gaiyou/chosakubutsu_jiyu.html

著作者と著作権者の違い
著作者 著作物を創作する者=著作物の作者
著作権者 財産権としての「著作権」を有している者=作品を使う権利がある者

著作物を創作した時点においては、創作者は「著作者」で、「著作権者」なのです。 『著作権者』は、財産権としての「著作権」を有す者です。
ただし、著作権の譲渡が行われたとしても、著作人格権は著作者に残るため、著作権者といえども無断で著作物を公開・改変したり、氏名表示を変えることは出来ません。

著作物の利用の許諾を得る場合は、口頭であっても差し支えありませんが、後々問題が生じないように、できるだけ利用の仕方を詳しく説明したうえで、文書で、その利用の仕方、許諾の範囲、使用料の額と支払方法などを確認しておくのが望ましいと考えられます。
他人の著作物は、原則として(著作権が制限を受けている場合以外)、著作権者に無断で利用することはできません。何らかの形で、法的に利用の権限を取得することが必要なのです。

著作物を利用する際に、著作権者に許諾を得なければならないということはこれまでの説明のとおりです。しかしながら、著作物を利用するたびに著作権者を探し出し許諾を得ることは相当の労力を要します。利用しようとする著作物の分野等によっては、著作物の利用に関する相談や利用許諾が得られる窓口を設けている場合がありますので、そちらに問い合わせることも可能です。著作権関係団体の窓口については文化庁のサイトをご覧ください。

※参考サイト 文化庁「著作権関係団体について」
http://www.bunka.go.jp/1tyosaku/kyouiku/sidoujireishu/dantai.html

■著作物の利用制限の例外について

ここまでは、著作物を利用する際には「著作権」があるので、それを無視して勝手に著作物を利用しないように注意が必要であるということを説明してきましたが、利用制限の例外というものも存在します。「著作物の利用手順」内の『許諾なく使えるかどうか?』の 項目がこれにあたります。「利用制限の例外」の主なものとして、「私用目的のための複製(著作権法第30条)」、「図書館などでの複製(著作権法第31条)」などがあります。詳細は文化庁のサイトをご覧ください。

※参考サイト 文化庁「著作物が自由に使える場合」
http://www.bunka.go.jp/chosakuken/gaiyou/chosakubutsu_jiyu.html

■著作権の保護期間

「著作権」には権利の発生と同時に「保護期間」というものが発生します。文化庁の「著作権」webサイトでは、「著作権、著作者人格権、著作隣接権は著作物を創作した時点で発生します。権利を得るための手続は、一切必要ありません。(「著作権の登録制度について」参照)著作権の保護期間は、原則として著作者の生存年間及びその死後50年間です。」と記載されています。ですが、一部、例外が設けられています。例外は下記表のとおりです。

※参考サイト 文化庁「著作権に関する登録制度」
http://www.bunka.go.jp/chosakuken/touroku_seido/index.html

例外
著作物の種類 保護期間
無名・変名(周知の変名は除く)の著作物 公表後50年(死後50年経過が明らかであれば、その時点まで)
団体名義の著作物 公表後50年(創作後50年以内に公表されなかったときは、創作後50年)
映画の著作物 公表後70年(創作後70年以内に公表されなかったときは、創作後70年)

※このほか、外国人の著作物の保護期間については、若干の特例が設けられています。

※参考サイト 文化庁「著作者の権利の発生及び保護期間について」
http://www.bunka.go.jp/chosakuken/gaiyou/hogokikan.html

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