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軽作業を人材派遣会社に依頼するには?対応可能な作業やメリット、留意点を解説
公開日:2025.03.13
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企業の物流倉庫内での作業など、軽作業に従事する人材は季節性のイベントなどによる消費者需要の変動で一時的に不足する場合があります。
軽作業人材の不足に関する課題がある場合、人材派遣会社に相談することで解決が期待できます。人材派遣会社には多数の派遣社員が登録していて、「繁忙期だけ就業してほしい」といった企業のニーズにも対応可能です。
本記事では、軽作業人材を人材派遣会社に依頼するメリットや、具体的に依頼可能な項目、気をつけたいポイント、依頼の流れ、事例について紹介します。
軽作業人材の需要が高まっている
現在、軽作業人材の需要が増えています。
2024年4月に適用開始されたトラックドライバーの改善基準告示改正に伴い、厚生労働省は自動車運転者の長時間労働を防ぐことを呼びかけています。自動車運転者には運行業務だけでなく、荷物の積み下ろし業務なども想定されます。
しかし、長時間労働是正の観点から積み下ろしに関しては分業する考え方も広がっています。その結果、積み下ろし業務など、軽作業に従事する人材の需要が高まっているのです。
軽作業の人材確保に関する課題は、人材派遣会社に相談することで解決が期待できます。
人材派遣会社に依頼可能な軽作業
人材派遣サービスは、倉庫内作業や、流通加工業務などの作業関連業務、製品・サービスの定期点検など、さまざまな依頼に対応可能です。ここでは、人材派遣会社に依頼可能な軽作業について、具体的に紹介します。
梱包・詰め合わせ
梱包作業とは、商品を配送用に箱詰めする作業です。軽くて小さな物から大きくて重い物まで、各商品に適した梱包方法を選択し、段ボールや緩衝材などを使用して商品を包む作業が含まれます。
また、詰め合わせ作業とは、商品を一つの箱や袋にまとめる作業です。同じ届け先の商品を一つにまとめる「名寄せ」といった作業も、詰め合わせ作業に含まれます。
検品・検査
検品・検査作業とは、製品を出荷する前に破損・不良などをチェックする作業です。目視や手で、小さな割れ・傷などを確認します。
例えば、食品の場合には異物混入をチェックし、衣類では針の混入や縫製不良・汚れを確認します。電化製品では動作確認までが検品・検査の範囲です。
集配・フォークリフト
集配とは、一般家庭や企業・施設など、製品・貨物の配送先別に集荷・配達の目的で訪問する仕事です。
また、フォークリフト業務とは、工場内や物流倉庫などでフォークリフトを運転して重い荷物を運搬する業務を指します。この作業には、フォークリフト免許が必要です。
加工・組み立て
加工・組み立ては、工場・作業場で機械製品などの部品・パーツを組み立て、製品を完成させる作業を指します。
自動車、家電製品、電子機器、プラスチック製品など、多様な業種で行われる作業で、扱う製品や部品によって具体的な作業内容は異なります。
定期点検・修理
「定期点検・修理」は、工場・施設内における設備点検・メンテナンス業務を指します。
例えば、工場内の施設や、計測機器、産業機械などの保守・点検業務などが挙げられるでしょう。点検票に基づいて定期的に各種数値の確認を行い、破損や異状をチェックします。
また、定期点検を終えた結果、修理が必要だと分かった際には、その場で軽微な修繕作業を行う場面も想定されます。
ピッキング
ピッキング作業とは、物流倉庫などで行う作業です。荷物の出荷指示に対して、必要な製品を保管庫からミスなく適切な数量分だけ集め、梱包・出荷できるよう準備するプロセスを指します。
人材派遣会社に軽作業を依頼するメリット
軽作業に従事する人材の派遣を人材派遣会社に依頼するメリットについて紹介します。
繁忙期だけ人員を増やすなど柔軟な対応ができる
繁忙期だけ人材派遣を利用して人員を増やすなど、柔軟な対応が可能になります。
物流倉庫や工場などで、消費者需要や取引先需要などにより「一時的に人材が足りない」といった状況が発生することもあるはずです。
そのような状況に対して人材派遣会社に相談することで、迅速に派遣社員を受け入れ、人員を増やすことができます。その結果、業務の停滞を防ぎ、効率的に作業を進められるでしょう。
人材採用にかかる時間・コストを低減できる
人材採用にかかる時間・コストを低減できることも、人材派遣会社を利用する大きなメリットです。
通常、企業があらたな社員を採用する際には、求人広告の作成・面接の実施など多くの手間と時間が必要です。また、採用プロセスにはコストもかかります。
しかし、人材派遣会社を利用すれば、企業の負担を大幅に簡素化できます。人材派遣会社は既に多くの登録スタッフを擁しており、企業の要件に合う人材の紹介ができるからです。
労務管理の自社負担を低減できる
人材派遣会社を利用することで、企業は労務管理に関する負担を低減できます。
派遣社員の雇用契約・福利厚生・給与計算・労働法遵守など、煩雑な手続きが必要となる労務管理業務の多くは、人材派遣会社が行います。
また、人材派遣会社は最新の労働法や規制に精通して、派遣社員に対しても教育を行っているため、コンプライアンスリスクも軽減されます。
人材派遣を活用するメリットについては以下の記事でも詳しく解説しています。あわせてお読みください。
>>人材派遣とは?仕組みやメリット、人材紹介やアウトソーシングとの違いを解説
人材派遣会社を利用する際の留意点
軽作業に従事する人材を、人材派遣会社に依頼する場合に留意しておきたい点について紹介します。
企業側で業務の指揮命令を行う必要がある
人材派遣会社を利用する際、派遣先企業側では派遣社員に対する業務の指揮命令を適切に行う必要があります。
具体的には、「指揮命令者」と呼ばれる担当者を選任し、派遣社員への具体的な業務指示や指導、勤怠管理、就業環境のチェック・整理などを行う必要があります。
例えば、物流倉庫での軽作業の場合、指揮命令者は倉庫内の作業フローを理解し、派遣社員が効率的に作業を遂行できるように指示を出すことが望ましいです。
検品や仕分け、入出荷作業などの具体的な業務内容を明確にし、派遣社員が契約内容の範囲内で業務を適切に遂行できるよう体制を整えましょう。
なお、指揮命令者の選任については以下の記事で詳しく紹介していますので、あわせてお読みください。
>>派遣法の指揮命令者とは?役割や選び方について分かりやすく解説
派遣社員を特定・選考はできない
人材派遣会社を利用する際、派遣先企業側は派遣社員を特定・選考できない点に注意が必要です。
人材派遣会社は、派遣先企業からの依頼内容に基づいて適切な候補者を紹介します。この際、派遣先企業が個別に派遣社員を選考することはできません。
よって、派遣先企業は人材派遣会社への相談時に、人材に求めるスキル・経験を明確に伝え、適切な候補者を紹介してもらう必要があります。
派遣社員の特定が禁止されている理由については、以下の記事で詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。
>>派遣の特定行為とは?禁止の背景や注意点を分かりやすく解説
依頼できない業務がある
以下の業務は、労働者派遣法により禁止されています。
- 港湾運送業務:
- 建設業務
- 警備業務
- 医療業務
- 士業(弁護士、公認会計士、税理士などの専門職)
例えば、物流倉庫での軽作業の場合、貨物の搬入・搬出は一般的に派遣社員に依頼できます。
しかし、建設現場における資材運搬や、イベント会場での雑踏整理は派遣禁止業務に該当すると考えられます。これらの業務に派遣社員を従事させると、派遣先企業に罰則が科される恐れがあり、注意が必要です。
よって、派遣先企業は人材派遣会社との契約時に、業務内容を慎重に確認しましょう。
派遣禁止業務については以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてお読みください。
>>派遣禁止業務とは?3つの禁止理由や罰則、例外業務について解説
就業期間に上限がある
派遣社員は、就業期間に上限がある点に注意が必要です。
労働者派遣法により、同一の事業所または部署で派遣社員の就業期間は原則として3年までと定められています。このルールは3年ルールと呼ばれます。
例えば、物流倉庫での軽作業の場合、派遣社員が同一の倉庫で3年間就業後、同一の倉庫では継続して就業することができません。派遣契約の期間に上限があるため、派遣先企業は派遣社員の就業期間を慎重に管理し、必要に応じて適切な手続きを取ることが重要です。
「3年ルール」については以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてお読みください。
>>派遣法の3年ルールとは?概要や対象外となるパターンなどを解説
契約書に記載のない業務を依頼するのは不可
人材派遣会社を利用する際、契約書に記載のない業務を依頼することはできません。労働者派遣法に基づき、派遣契約書には具体的な業務内容をあらかじめ明記しておく必要があります。
例えば、物流倉庫での軽作業の場合、契約書には「貨物の仕分け」や「検品」などの具体的な業務内容が記載されます。ここで契約書に記載されていない「機械のメンテナンス」や「倉庫の清掃」などの業務を派遣社員に依頼することはできないため、注意が必要です。
二重派遣は認められない
人材派遣会社を利用する際、二重派遣が認められない点に注意が必要です。二重派遣とは、派遣先企業が人材派遣会社から受け入れた派遣社員を、さらに別の企業へ派遣することを指します。この行為は、職業安定法第44条と労働基準法第6条によって禁止されています。
例えば、物流倉庫での軽作業の場合、人材派遣会社Aから派遣された派遣社員が倉庫運営会社Bではたらいているとします。B社がこの派遣社員を、さらに別の倉庫運営会社C(子会社や、関連会社など)に派遣すると、二重派遣に該当します。
このような行為は、派遣社員の雇用に関する責任の所在が曖昧になるなどのリスクを伴うため、法律で禁止されています。
二重派遣については以下の記事でも詳しく解説していますので、あわせてお読みください。
>>
二重派遣とは?違法行為?禁止されている背景を解説
人材派遣会社に相談する際に派遣先企業が気をつけたいポイントについては以下の記事でも詳しく解説しています。あわせてお読みください。
>>人材派遣とは?仕組みやメリット、人材紹介やアウトソーシングとの違いを解説
人材派遣会社に依頼する際の流れ
人材派遣会社に依頼をする際の流れは、以下の通りです。
人材派遣会社に依頼の連絡をする
まず、派遣先企業は人材派遣会社に連絡を取り、求める人材の要件(業務内容・必要なスキル・就業期間など)を伝えます。
例えば、物流倉庫での軽作業の場合、派遣先企業の担当者からは「貨物の仕分けや検品を行う人材が、繁忙期の3ヶ月間必要」といった具体的な要件を伝えるとよいでしょう。
人材派遣会社は、派遣先企業が求める要件に基づいて適切な派遣社員を紹介します。
人材派遣を依頼する方法や流れについては、以下の記事で詳しく解説しています。
>>人材派遣を依頼する方法とは?流れやポイントをご紹介
派遣契約を締結し、受け入れる派遣社員を決定する
受け入れる派遣社員が決定したら、派遣先企業と人材派遣会社は労働者派遣契約を締結します。この契約書には、派遣社員の業務内容・就業期間・勤務時間・給与などが明記されます。
派遣契約の流れについては、以下の記事で詳しく解説しています。
>>派遣契約の流れを3つのステップに分けて徹底解説
派遣社員を受け入れる準備を整えて、就業開始する
就業直前に派遣先企業は、派遣社員の座席・ロッカーや、業務に必要な設備(パソコン・入館証など)を整え、さらに業務マニュアルを準備することが重要です。
また、就業開始日には、関係者への紹介や社内ルール、業務内容の説明を行い、派遣社員が円滑に業務を始められるようサポートをしましょう。
派遣社員が就業を開始すると、派遣先企業は直接指揮命令を行い、労働時間の管理や就業環境の整備などを担当します。派遣社員が契約書に記載された業務内容に従ってはたらいているかを確認し、必要に応じて人材派遣会社と連絡を取りながら業務を進めます。
派遣スタッフ受け入れ時の留意点については、以下の記事で詳しく解説しています。
>>派遣スタッフの受け入れとは?初日に必要な準備や留意点について
派遣社員の契約更新について人材派遣会社に連絡する
契約満了期間が近づいたら、派遣先企業は人材派遣会社に対して、派遣社員の契約更新について確認する必要があります。
直接の雇用関係にないため、派遣先企業が派遣社員に契約更新の意思を確認することはできません。契約更新は、人材派遣会社と派遣社員の間で調整を進めます。
なお、契約更新が行われる場合、業務内容や就業時間・就業場所などに変更が生じる場合は、早めに人材派遣会社に伝えておき、契約内容も更新する必要があります。
軽作業(検査/検品・製造)の人材派遣は、パーソルテンプスタッフにお任せください。倉庫内作業から製造、保全業務まで幅広く対応いたします。
▼軽作業の人材派遣サービス

軽作業の人材派遣ならパーソルテンプスタッフ|紹介予定派遣・人材紹介にも対応
軽作業に人材派遣会社を活用した事例紹介
軽作業に人材派遣を活用した事例を紹介します。
ある精密機器メーカーでは、アルバイト採用による精密機器の目視検査業務を行っていましたが、短期離職が続き、採用活動に多くの工数とコストがかかっていました。
そこで、人材派遣会社に相談し、以前の派遣先で高い評価を受けた派遣社員を紹介してもらいました。この派遣社員は、以前に他企業での製品組み立て業務で長期的に安定した仕事ぶりを発揮していた経験があります。
軽作業の経験者を受け入れた結果、業務に適した人材がマッチングされ、派遣社員の長期就業が実現しました。
事例についてこちらの記事で詳しく紹介していますので、あわせてお読みください。
>>短期離職が課題の検査業務。人材派遣の活用で長期就業が実現した|パーソルテンプスタッフ
軽作業の人材不足はパーソルテンプスタッフにお任せください
本記事では、軽作業に従事する人材の派遣を、人材派遣会社に依頼するメリットや留意点などについて詳しく解説してきました。
軽作業の人材不足に悩んでいる場合には、人材派遣会社に相談することで解決が期待できます。パーソルテンプスタッフの人材派遣サービスは、軽作業にも対応可能で全国エリアで豊富な登録スタッフによる対応力があります。倉庫内作業から製造、保全業務まで幅広く対応しています。
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