HRナレッジライン

カテゴリ一覧

CAD設計・オペレーターの人材派遣で設計業務を効率化!メリット・活用事例・導入の流れを紹介

公開日:2025.03.13

人事ナレッジ

建築・土木・製造業の設計現場で、新規プロジェクトの人材不足や特殊なCADソフトへの対応などの課題に直面していませんか?

本記事では、これらの課題を解決する効果的な手段として「CAD設計・オペレーターの人材派遣」について詳しく解説します。

導入のメリットや導入手順、適切な人材派遣会社の選び方まで、必要な情報を分かりやすく紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

目次

CAD設計・オペレーターの人材派遣とは

CAD設計・オペレーターの人材派遣とは、建築・土木・製造業などの設計業務に必要なスキルや経験を持つ専門人材を、人材派遣会社を通じて企業が受け入れる仕組みです。

設計業務の複雑化や多様化、即戦力となる人材の採用難を背景に、人材派遣の需要は年々高まっています。

新規プロジェクトの立ち上げや納期の厳守、特殊なCADソフトへの対応といった課題に対して人材派遣を活用することで、業務の効率化や品質向上を実現できます。

CAD関連の人材派遣サービス対応業務

CAD関連の人材派遣サービスでは、以下のような業務に対応できる人材を紹介します。

CAD設計

製品の設計、図面の作成・修正、仕様検討など、設計業務全般を担当します。顧客との打ち合わせ、設計レビューへの参加、設計変更への対応なども重要な業務です。

BIM/CIMモデラー

BIM(Building Information Modeling)/CIM(Construction Information Modeling)ソフトウェアを用いた3Dモデルの作成、属性情報の入力、干渉チェックなどを行います。数量算出、コスト管理、施工シミュレーションなど、BIM/CIMモデルを活用したさまざまな業務にも対応します。

CADオペレーター

設計者からの指示に基づき、CADソフトウェアを用いて図面の作成・修正、トレース作業などを行います。図面データの管理、出力、印刷などの業務も担当します。

CADトレーサー

紙図面やPDFデータをCADデータに変換する業務を行います。古い図面や手描きの図面をデジタル化することで、データの共有、編集、管理を容易にします。

GISオペレーター

GIS(Geographic Information System)ソフトウェアを用いた地図データの作成、編集、分析などを行います。地理空間情報の専門知識とGISソフトウェアの操作スキルが必要です。

CAD設計・オペレーターの人材派遣を利用するメリット

CAD設計・オペレーターの人材派遣の活用は、派遣先企業に多くのメリットをもたらします。ここでは、具体的なメリットを紹介します。

必要なスキルを持つ人材に業務を依頼できる

CAD設計・オペレーターの人材派遣を利用する最大のメリットは、必要なスキルを持ち即戦力となる人材を受け入れられる点です。

AutoCAD(R)やRevit(R)*といった設計ソフトをはじめ、業界で広く使われているツールを熟知した専門人材を紹介されるため、プロジェクトの立ち上げや運営をスムーズに進められます。これにより、プロジェクトの成功率を高め、納期や品質の厳守を実現できます。

  • *AutoCAD(R)はAutodeskの登録商標です。
  • *Revit(R)はAutodeskの登録商標です。

最新技術に対応したスキルアップ研修で人材を育成している

一部の人材派遣会社では、BIM/CIM、AI、VRなどの最新技術への対応力を高めるため、派遣社員向けのスキルアップ研修を実施しています。

例えば、建設業界ではBIM/CIMが急速に普及しており、従来のCAD設計を超えた高度な設計手法が求められています。また、AIやVR技術を活用した設計やシミュレーションの導入により、業務効率と品質の大幅な向上が実現されています。

このように、最新技術に精通した派遣社員を受け入れることは、派遣先企業が競争力を高める上で欠かせない戦略といえるでしょう。

リモートワークなど多様なはたらき方に対応できる

近年、はたらき方の多様化が進み、リモートワークやハイブリッドワークが一般化しています。CAD設計・オペレーターの人材派遣では、これら柔軟なはたらき方に対応可能な人材を紹介できます。

設計業務の一部をリモートで対応できるスキルや環境を持つ派遣社員を受け入れると、コロナ禍のようにオフィス勤務が難しい状況になった場合にも、プロジェクトの進行を妨げません。派遣先企業は柔軟な人材配置を実現し、変化する労働環境に迅速に対応できます。

リモートワークやハイブリッドワークを導入するメリットや留意点について詳しく知りたい方は、以下の記事を参照ください。
>>リモートワークとは?導入するメリットや留意点について解説
>>ハイブリッドワークとは?メリットや導入する際のポイントを解説

CAD設計・オペレーターの人材派遣を利用する際の留意点

人材派遣をより効果的に活用するために、事前に知っておきたい留意点について解説します。

詳細な人物像のすり合わせが必要

派遣サービスを利用する際には、使用するCADソフトウェア(例:AutoCAD・SolidWorks(R)*・Revitなど)とプロジェクトの内容に基づいて、必要な人材のスキルと経験を詳しく確認することが重要です。

* SolidWorksは、Dassault Systemes Solidworks Corporationの登録商標です。

具体的には、設計ツールの習熟度やプロジェクトの規模・納期への対応力が求められます。そのため、人材派遣会社に依頼する前に、業務内容・必要なスキル・求める経験を社内で明確にしておきましょう。

依頼できない業務がある

労働者派遣法では、一部の業務について人材派遣が禁止されています。派遣社員にCADオペレーターの業務を依頼する際は、以下の禁止業務に該当しないか、特に注意が必要です。

【派遣禁止業務】

  • 港湾運送業務
  • 建設業務
  • 警備業務
  • 医療業務
  • 士業(弁護士、公認会計士、税理士などの専門職)

例えば、建設現場事務所内での構造図の修正、設計図面のトレースなどは、原則として「建設業務」に該当しません。しかし、現場での測量作業(測量データの現地収集)や現場での資材配置の指示は、「建設業務」とみなされます。

これらの禁止業務を派遣社員に依頼した場合、派遣先企業が労働者派遣法違反となり、罰則が科される可能性があります。派遣先企業は人材派遣会社との契約時に、業務内容を慎重に確認しましょう。

派遣禁止業務については以下の記事で詳しく解説しています。
>>派遣禁止業務とは?3つの禁止理由や罰則、例外業務について解説

社内にノウハウが蓄積されない可能性がある

プロジェクト単位など短期契約の場合は、社内に専門的なノウハウが蓄積されにくいという点に留意が必要です。

この課題を軽減するためには、業務で得られた知見や作業手順をドキュメント化し、社内共有サーバーなどで管理する仕組みが有効です。また、定期的なミーティングで情報共有の場を設け、双方向のコミュニケーションを促進することも効果的です。

可能であれば、長期契約や直接雇用なども視野に入れ、派遣社員の持つノウハウを社内に蓄積する仕組みを検討しましょう

なお、派遣社員の直接雇用に関しては、以下の記事で詳しく説明しています。
>>派遣社員を直接雇用できる?手続きの流れ・留意点について解説

CAD設計・オペレーターの人材派遣を活用する流れ

CAD設計・オペレーターの人材派遣を効果的に活用するには、適切な手順を踏むことが重要です。以下では、一般的な流れを分かりやすく説明します。

STEP1.必要なスキルと業務内容を定義する

まず、プロジェクトで必要とされるCADスキルと業務内容を具体的に定義します。

このステップを正確に行うことで人材のミスマッチを防げます。人材派遣会社に依頼する前には、以下を参考に詳細な人材要件を整理しておきましょう。

項目 詳細
業務内容 図面作成・修正・データ管理・BIM/CIM対応など
必要なスキルセット 使用するCADツール(AutoCAD・Revit・SolidWorksなど)への習熟・設計経験・プロジェクト管理能力など
派遣期間 プロジェクトのスケジュールに基づいた期間
必要人数 業務負荷を考慮した適切な人員

これらを明確にすることで、人材派遣会社が派遣先企業のニーズに合う人材を迅速に紹介できます。

STEP2.人材派遣会社に依頼・マッチングを行う

人材派遣会社に定義した要件を伝えると、人材派遣会社は派遣先企業のニーズに基づき、プロジェクトに適した派遣社員を選定します。その後、自社のニーズに合った派遣社員の紹介を受ける流れとなります。

なお、この際、派遣社員の希望に応じて職場見学を実施する場合もあります。職場見学は、派遣社員が業務内容や職場環境を確認することを目的としており、派遣先企業が選考や評価を行うことは労働者派遣法で禁止されています。

そのため、履歴書の提出を求めたり、面接と誤解されるような質問や行為をしたりすることは避けましょう

職場見学の流れや留意点、また、派遣先企業が行ってはいけない「特定行為」について、以下の記事で詳しく解説しています。
>>人材派遣の職場見学とは?流れや留意点についてご紹介
>>派遣の特定行為とは?禁止の背景や注意点を分かりやすく解説

STEP3.派遣契約を締結する

人材派遣会社からはじめて派遣社員を受け入れる場合、まず「労働者派遣基本契約」を締結します。この契約では、派遣料金の支払い条件・守秘義務・損害賠償など、すべての労働者派遣契約(個別契約)に共通する条件が定められます。

基本契約を締結した後は、「労働者派遣契約」を締結します。この契約では、派遣社員の業務内容・就業場所・指揮命令者・派遣期間などの具体的な条件が詳細に規定されます。

派遣契約締結までの手順や必要な書類について詳しく知りたい方は、以下の記事をご参照ください。
>>派遣契約の流れを3つのステップに分けて徹底解説

STEP4.派遣社員の受け入れ準備する

派遣社員の就業開始前に、以下の準備を行うことでスムーズな受け入れが可能となります。

  • 派遣社員を受け入れる旨を事前に関係部署へ連絡する
  • 必要な機器や文具などの備品を用意する
  • 社内設備や社内ルールのオリエンテーションの流れを確認しておく

これらの準備を整えることで、派遣社員が安心して業務を開始できる環境を提供できます。

派遣社員の受け入れについてはこちらで詳しく記載しています。ご参照ください。
>>派遣スタッフの受け入れとは?初日に必要な準備や留意点について

STEP5.派遣社員が業務を開始する

就業初日には、社内設備の案内や業務内容の説明を行い、派遣社員がスムーズにプロジェクトに取り組めるようサポートしましょう。

また、必要に応じて進捗状況を共有し、継続的にフォローアップを行うことが重要です。

人材派遣を依頼する流れについてはこちらで詳しく解説しています。ご参照ください。
>>人材派遣を依頼する方法とは?流れやポイントをご紹介

CAD設計・オペレーターの人材派遣サービスを選ぶポイント

CAD設計・オペレーターの人材派遣を選ぶ際は、人材派遣会社の体制やサービス内容を十分に確認することが重要です。以下では、選定時に注目すべきポイントを解説します。

CAD設計・オペレーターの人材派遣に特化したサービスがある

CADや建設業界に特化したサービスや、専門知識を持つ営業担当者がいる人材派遣会社を選びましょう。

こうした体制が整っている人材派遣会社は、業務内容や業界動向を常に捉えているため、派遣先企業のニーズに合った人材に出会える可能性が高まります。

研修制度が充実している

派遣社員のスキルアップ支援の充実度は、人材派遣会社によって異なります。

CAD設計・オペレーターは専門性の高い職種であるため、人材派遣会社がどのような研修制度を提供しているかを確認しましょう。

具体的には、以下の項目がポイントとなります。

項目 内容
専門スキル研修 CADソフト(AutoCAD・Revit・SolidWorksなど)の操作や、BIM/CIMに特化した技術を習得する研修
キャリア形成支援 派遣社員が目標を明確にし、計画的にスキルを向上させるサポート
ビジネススキル研修 コミュニケーション能力・問題解決スキル・チームワークなど基本的なビジネススキルを向上させる研修
オンライン研修の提供 自宅や通勤中などの隙間時間にも柔軟に学べるオンライン研修プログラムの提供

人材派遣会社が派遣社員に提供する具体的なサポートや研修内容について詳しく知りたい場合は、以下をご覧ください。
>> CAD(BIM/CIM)研修なら│テンプスタッフ by PERSOL

フォロー体制が整っている

派遣社員のモチベーション維持と円滑な業務遂行には、人材派遣会社の充実したフォロー体制が不可欠です。

フォロー体制を評価する際は、以下のポイントを確認しましょう。

  • 派遣社員の状況や要望を丁寧にヒアリングし、適切なサポートを提供できているか
  • 業務の進捗状況や改善点について、派遣先企業へ適切な報告・提案を行っているか
  • 研修や教育制度を通じて、派遣社員の継続的なキャリア形成を支援しているか
  • 派遣社員や派遣先企業での問題発生時に、迅速な対応が可能な体制を整えているか

きめ細かなフォロー体制により、派遣先企業と派遣社員間のコミュニケーションギャップを最小限に抑え、円滑な業務進行を実現します。

CAD設計・オペレーター業務における人材派遣の活用事例

ここでは、CAD設計・オペレーター業務において人材派遣を活用した具体的な事例をご紹介します。

人材派遣の導入により、業務負担の軽減や労働環境の改善をどのように実現したかを見ていきましょう。

事例1.時短勤務希望のCADオペレーターを受け入れ、社員の労働時間を抑制

短時間勤務が可能なCADオペレーターを派遣社員として受け入れることで、社員の残業削減とはたらきやすい職場環境の実現を果たした事例です。

導入前の課題

ある建築設計事務所では、大型施設の設計プロジェクトが進行する中、社員の長時間労働が常態化していました。

業務負荷を軽減するため、即戦力となるCADオペレーターの採用を急ぎましたが、採用条件としてCAD使用経験1年以上、かつ建築業界での実務経験5年以上としていたため、応募者が集まらず、採用活動は難航していました。

人材派遣による解決策

人材派遣会社と相談の上、1日6~8時間の短時間勤務や、週3~5日の勤務形態など、柔軟な勤務条件を設定することで、採用の間口を広げる方針としました。

この結果、求めるスキルや経験を有しながら、短時間勤務を希望する派遣社員の受け入れに成功しました。

導入後の成果

勤務条件を柔軟に設定し直したことで、早期の派遣社員の受け入れが実現しました。派遣社員は即戦力として業務を遂行し、結果として社員の労働時間も速やかに削減、プロジェクトも滞りなく進行しました。

事例2.BIM/CIMツール経験者の派遣社員を受け入れ、新規案件の受注増加

BIM/CIMツールの経験を持つ派遣社員を受け入れることで新規案件の受注が増加し、さらに社員のスキル向上にもつながった事例です。

導入前の課題

ある建設会社の設計部門では、社内にBIM/CIMの経験者が少なく、一部の社員に業務が集中していました。

この状況により、既存案件の対応に時間がかかり、新規案件を受注する余力がないという課題に直面していました。さらに、社員の負担増加による業務効率の低下も深刻な懸念材料となっていました。

人材派遣による解決策

人材派遣会社と連携し、2次元CADの経験を持つ派遣社員にBIM/CIMツールの研修を実施しました。この研修では、BIMコンサルタントや専門団体と協力し、建築分野では「Revit」を使った基礎から実践スキルまで、土木分野ではCIMモデラー育成を目的とした内容が取り入れられます。

研修を修了した派遣社員は、即戦力としてBIM/CIM案件に対応しました。さらに、派遣社員が社員向け研修をサポートしたことで、社内全体のスキル向上も実現しています。

導入後の成果

派遣社員の活躍により、BIM/CIM案件への対応力が強化され、これまで一部の社員に集中していた業務負担を大幅に軽減できました。また、派遣社員が講師をサポートする形で社員研修を実施したことで、社員も実践的なBIM/CIMの知識とスキルを習得でき、社内にノウハウが蓄積されました。

その結果、BIM/CIMを活用した新規案件の受注増加と社内全体でのBIM/CIMツール活用促進が実現し、ひいては業務の生産性向上につながっています。

CAD設計・オペレーターの人材派遣はパーソルテンプスタッフにお任せください

CAD設計・オペレーター業務で人材派遣を活用すれば、繁忙期や急なプロジェクトへの対応が必要な際に、専門スキル・経験を持つ人材に業務を依頼できます。

最適な人材派遣会社を選ぶためには、派遣社員のスキル・経験はもちろん、スキルアップ支援の充実度なども含めて総合的に比較検討することが重要です。

パーソルテンプスタッフには、ハウスメーカー・ゼネコン・建設コンサルタントなどの建設業界出身者や、キャリアカウンセラー資格保有者などが在籍するCADに特化した専門事業部があります。

CAD・建設業界に精通したコーディネーターが、お客さまのご要望に最適な人材をご紹介します。

「人材派遣」ならパーソルテンプスタッフ

人材に関するお困りごとはお気軽にご相談ください

おすすめの記事