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ハイブリッドワークとは?メリットや導入する際のポイントを解説

公開日:2024.06.28

更新日:2025.03.13

企業の課題

働き方改革や新型コロナウイルス感染症の拡大により、テレワークのはたらき方が一気に社会全体に普及しました。しかし、業務の内容によってはオフィス勤務の方が適している場合もあり、テレワークの課題点も次第に明らかになってきています。
その状況を受け、最近ではテレワークとオフィス勤務を組み合わせたハイブリッドワークが注目を集めています。本記事では、ハイブリッドワークの概要やメリット、留意点、導入する際のポイントなどについて解説します。ハイブリッドワークの導入に向けて、ぜひ参考にしてください。

ハイブリッドワークとは

ハイブリッドワークとは、テレワークとオフィス勤務を組み合わせたはたらき方です。オフィス勤務が主流だったはたらき方にテレワークを取り入れることで、個人の事情や業務内容に合わせた柔軟なはたらき方が選択できます。

例えば、「週5日勤務のうち2日はオフィスに出勤する」「育児や介護など、出社が難しい日はテレワークを選択する」といったパターンが一般的に見られます。オフィス勤務とテレワークの二者択一というわけではなく、社員の事情を尊重してはたらく場所を変えられるワークスタイルです。

ハイブリッドワークのメリット

ハイブリッドワークを導入するメリットにはさまざまなものがあり効果的なはたらき方を実現します。そのメリットについて詳しく見ていきましょう。

生産性の向上

ハイブリッドワークを導入すると、その日に行う業務の適性や社員一人ひとりの事情などに合わせてはたらく環境を選択できます。

例えば打ち合わせや交渉など、相手と直接話し合って進めた方が取り組みやすい業務はオフィス勤務が適しています。逆にデータ入力や分析といった、個人で黙々と進めた方が効率的な業務はテレワークが向いているでしょう。これらを使い分けられるようになることで、社員一人ひとりの生産性向上が期待できます。

生産性の向上については、こちらで詳しく解説しています。
>>生産性向上の重要性とは?目的や具体的な施策、助成金制度を徹底解説

はたらきやすさの向上

ハイブリッドワークの導入によって、オフィスか自宅か集中できる環境を自分で選択できるようになります。その結果、業務内容や社員一人ひとりの事情などが考慮されたはたらき方を実現できます。

はたらきやすい環境が整備されていくと、人材採用時に応募が増え、入社を希望する人材が増えるなど、採用にもよい影響を及ぼします。さらに、入社後も長期就業しやすくなり、社員の定着率のアップも期待できます。

社員定着率については、こちらで詳しく解説しています。
>>社員定着率が低い原因とは?定着率を上げる取り組みをご紹介

コストの削減

ハイブリッドワークを導入した場合、テレワークを選択する社員もいるため、全員が同時に出社する必要がなくなります。その結果、オフィススペースを縮小し、余ったスペースを休憩ラウンジや集中ブースに変更するなどの有効活用が可能となります。また、スペース自体が不要な場合はオフィスの縮小も検討できるでしょう。

オフィスのスペースを削減すれば、デスクや事務用品などが最小限で済むようになります。さらには、オフィスの光熱費や賃貸料の削減も期待できます。

コストの削減について詳しく知りたい方は、こちらの記事でさらに詳しくご説明しています。
>>コスト削減とは?発生するコストごとに具体的な施策をご紹介

ハイブリッドワークを導入する際の留意点と対策

生産性の向上やコストの削減などハイブリッドワークには多くのメリットがありますが、その一方で導入する際に気を付けたい留意点もあります。特に、次に挙げる点に関しては事前に把握し、適切な対策を考えましょう。

コミュニケーションが取りづらくなる

ハイブリッドワークによってテレワークとオフィス勤務ではたらく場所が二分化し、社員同士が顔を合わせる機会が減る可能性があります。その結果、社内のコミュニケーションが希薄になりかねません。社内のコミュニケーションが不足すると、意思疎通の食い違いによって思わぬミスにつながる原因にもなります。会社全体の生産性低下や人間関係悪化のリスクも想定できます。

ハイブリッドワークを導入する場合は、社内コミュニケーションツールを導入したり、定期的なオンラインミーティングを実施したりすることが大切です。オフィス外ではたらく人が増える状況を想定し、社員同士が顔を合わせる場面を意識的に増やす工夫をしましょう。

勤怠管理が難しくなる

ハイブリッドワークの導入によって、社員はさまざまな場所ではたらくことになります。その結果、勤務実態の把握が難しくなり、勤怠管理が複雑化してしまう可能性があります。テレワークだけでなくオフィスで勤務する社員の勤怠管理も必要なため、管理作業はさらに煩雑になるケースも想定できます。

ハイブリッドワークの勤怠管理をよりスムーズに行うには、勤怠管理ツールを活用したり、グループウェアや社内チャットを導入するなど、ツールの有効活用が重要です。

人事評価が難しくなる

緊急の業務が入った場合、オフィスに出社している社員に依頼せざるを得ないケースも多くあるでしょう。そのため、テレワークの社員よりもオフィス勤務を中心とする社員の評価が高くなってしまう可能性があります。

テレワークとオフィス勤務ではたらく社員の評価の仕方は、それぞれ異なります。従来の評価制度をそのまま利用するのではなく、両者の間で評価の不公平感が生まれないようルールの見直しを行う必要があります。さらに定期的なフィードバックや評価面談も行い、適切な評価ができるようにしましょう。

ハイブリッドワークを導入する際のポイント

ハイブリッドワークのメリットを活かし、留意点の対策をしながら導入を成功させるには、いくつかのポイントを意識する必要があります。それぞれの具体的な内容について解説します。

はたらく環境の整備をする

ハイブリッドワークを導入する際は、あらかじめはたらく環境を整備しておく必要があります。まず、社員の専用デスクを廃止し、その日の業務内容に合わせて自由に席を決められるフリーアドレスの導入を検討しましょう。オフィスの環境づくりとして職場スペースを有効活用できます。

さらに、テレワークをサポートする社内チャットなどのコミュニケーションツール、オンライン会議システム、ファイル共有ツールといったインフラの整備はハイブリッドワークに必須です。これらを整えておくことで情報を共有できる体制が構築され、社内のコミュニケーション不足を防げる可能性が高まります。
業務支障が出ないようにはたらく環境の整備をしておきましょう。

フリーアドレスついて詳しく知りたい方は、こちらの記事でさらに詳しくご説明しています。
>>フリーアドレスとは?導入するメリットや留意点について解説

ルールを策定する

ハイブリッドワークを導入する際は、社員や管理者が遵守すべきルールを事前に策定しておくことが大切です。定めるべきルールは多岐にわたります。

例えば、勤務場所や出社を含めた勤怠管理・評価のルール設定が挙げられます。テレワークが多い社員とオフィス勤務ではたらく社員の間で不公平感が生まれないようにする必要があります。

また、基本的な情報共有やコミュニケーション促進のルール設定も求められます。グループチャットやバーチャルオフィスツールを導入し、報告・連絡・相談のルールを決めておきましょう。

さらに、外部からのアクセスや社用のパソコン持ち出しルールについてセキュリティポリシーを決めておくことも求められます。ただし、ルールを厳密にしすぎると自由度が低下してしまい、かえってはたらきづらくなるので注意が必要です。厳密過ぎるルールがあるとハイブリッドワークのメリットが損なわれ、業務効率が低下するおそれがあります。最初は必要最小限のルールを策定し、状況に応じて改善していくことが大切です。

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セキュリティ対策をする

ハイブリッドワークを導入する際は、事前のセキュリティ対策も欠かせません。

はじめに、全社員のITリテラシー、セキュリティ意識を向上させるために教育を実施しましょう。社外で仕事をする機会が増えると、情報の漏洩やフリーWi-Fiを介したウイルス感染のリスクが高まるためです。

加えて、データの暗号化、二要素認証の導入などのセキュリティ対策、ウイルスソフトの導入、安全な回線の使用なども必要です。さらに、社外からのアクセス、デバイスの貸与管理、私用のパソコンの使用可否、ID・パスワードの管理などについて、細かいルールを策定して順守させる必要もあります。

業務プロセス・サポート体制を見直す

ハイブリッドワークの導入により、業務プロセスに変化が生じる場合があります。コミュニケーションや業務効率を向上させるために、定期的な業務プロセスの見直しや改善を行うことも大切です。修正点が見つかったら、状況の変化に応じて改善を繰り返すとよいでしょう。

また、ハイブリッドワークを円滑に運用するためには適切なサポート体制を構築することも重要です。技術的なサポートはもちろん、メンタルヘルスの支援やワークライフバランスの提供などに留意する必要もあります。特に、テレワークが長く続くとコミュニケーションの希薄化などからメンタルヘルスに影響が出る社員も出てきます。社員が安心してはたらくことができる環境を整えましょう。

ハイブリッドワークを導入して、はたらきやすい環境をつくる

ハイブリッドワークとは、テレワークとオフィス勤務を組み合わせ、社員一人ひとりの事情や業務内容に合わせてはたらく場所を選べるようにする新しいワークスタイルです。

テレワークとオフィス勤務を自由に選択できる、生産性が向上する、優秀な人材の確保と定着、スペース節約によるコスト削減など、ハイブリッドワークには数多くのメリットがあります。その一方で、コミュニケーションが希薄になりやすい、評価方法や勤怠管理の見直しが必要、セキュリティ対策の手間がかかるなど留意点も挙げられます。

メリットと留意点をもとに、社内の状況や業務内容と照らし合わせた上で、ハイブリッドワーク導入について検討してみてはいかがでしょうか。

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