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IT・エンジニア人材の派遣活用でプロジェクト成功へ!メリット・留意点を徹底解説!

公開日:2025.02.27

人事ナレッジ

IT業界の人材不足は、多くの企業にとって深刻な課題となっています。

プロジェクトの成功には、自社にとって必要なスキルを持つIT・エンジニア系職種の受け入れが不可欠ですが、採用活動には時間とコストがかかり、思うように人材が集まらないというケースも少なくありません。

そこで多くの企業が活用しているのが、IT・エンジニア系職種に特化した人材派遣サービスです。

本記事では、IT・エンジニア系職種の人材派遣サービスを活用するメリット、自社に適切な人材派遣会社の選び方、注意点などを詳しく解説します。

人材派遣サービスの活用を検討されている企業のご担当者さまは、ぜひ本記事をお役立てください。

IT・エンジニア系職種の人材派遣とは?

IT・エンジニア系職種の人材派遣とは、特定の業務に必要なスキルを持つIT人材を企業に派遣するサービスです。この形態は直接雇用とは異なり、派遣先企業・派遣社員・人材派遣会社の三者関係で成り立っています。

派遣先企業と人材派遣会社の間では、派遣社員の就業条件や業務内容などを明記した「労働者派遣契約」を締結します。この契約に基づき、企業は必要なスキルを持つ人材を必要な期間だけ柔軟に受け入れられる点が特徴です。

人材派遣とは

SESとの違い

SES(システムエンジニアリングサービス)は、IT・エンジニア系職種の人材が企業のプロジェクトに常駐し、業務を支援するサービスです。このサービスでは、企業と受託会社の間で、業務内容や契約条件などを明記した「業務委託契約」を締結します。

両者の違いは、契約形態と指揮命令系統にあります。人材派遣は「役務提供」を目的とするサービスであり、派遣社員は派遣先企業の指揮命令のもとで業務を遂行します。

一方、SESは「業務の処理」を目的としており、受託会社が業務の指揮命令を行い、企業が直接SESのIT・エンジニア系職種の人材に指示を出すことはありません。

項目 人材派遣 SES
目的 役務提供 業務の処理
指揮命令 派遣先企業 受託会社

IT・エンジニア系職種の人材派遣の活用シーン

IT・エンジニア系職種の人材派遣は、幅広い分野で必要な期間だけ業務を依頼できます。特に、以下の分野で高い需要があります。

開発系

ソフトウェアやアプリケーションの開発プロジェクトにおいて、プロジェクトの進行状況や特定のニーズに合わせて専門スキルを持つIT・エンジニア系職種の人材を派遣します。

職種例

  • 開発系システムエンジニア
  • プログラマー
  • 制御系プログラマー

インフラ系

サーバーやネットワークの設計・構築・運用に対応するIT・エンジニア系職種の人材を派遣し、システムの安定性を確保します。

職種例

  • ネットワークエンジニア
  • サーバーエンジニア

テスト・品質管理

ソフトウェアやシステムのテスト工程を担当するIT・エンジニア系職種の人材を派遣し、製品の品質向上を支援します。

職種例

  • 品質管理者(QA)
  • テストエンジニア

テクニカルサポート・ヘルプデスク

問い合わせ対応やトラブルシューティングなど、顧客対応に特化したITエンジニアを派遣し、サービス品質と顧客満足度の向上を目指します。

職種例

  • テクニカルサポート
  • ヘルプデスク担当

ドキュメント作成・教育

業務マニュアルや手順書の作成、研修などを担当するエンジニアを派遣し、業務の標準化・ナレッジの共有・人材育成などを支援します。

職種例

  • テクニカルライター
  • インストラクター

人材派遣と併せて検討されることが多い業務委託契約については、以下の記事で詳しく解説しています。
>>業務委託の契約とは?メリットや注意点、締結までの流れをご紹介

IT・エンジニア系職種の派遣形態

IT・エンジニア系職種の人材派遣には、企業のニーズに応じて選べる複数の派遣形態があります。それぞれの特徴を理解し、プロジェクトの要件に最適な形態を選ぶことが重要です。

有期雇用派遣(登録型派遣)

有期雇用派遣は、人材派遣会社が派遣社員を一定の契約期間で雇用し、派遣先企業に派遣する形態です。同じ組織単位での受け入れは最長3年(いわゆる「3年ルール」)と定められているため、新プロジェクトの発足など、期間限定の業務に適しています。

有期雇用派遣の詳しい内容については以下の記事で詳しく説明しています。
>>有期雇用派遣とは?無期雇用派遣との違いを分かりすく解説

無期限雇用派遣(常用型派遣)

無期限雇用派遣は、人材派遣会社が派遣社員を無期限で雇用し、必要に応じて派遣先企業に派遣する形態です。有期雇用派遣とは異なり、派遣期間の制限である「3年ルール」が適用されないため、長期プロジェクトに適しています。

無期限雇用派遣のメリットや注意点など、詳細については以下の記事で詳しく解説しています。
>>無期雇用派遣とは?活用するメリットや留意点についてご紹介

紹介予定派遣

紹介予定派遣は、直接雇用を前提として、派遣社員を最長6ヶ月派遣する形態です。派遣期間の終了時に、企業と派遣社員の双方が直接雇用を希望した場合、人材派遣から人材紹介へと切り替わります。業務を通じて派遣社員のスキルや適性を見極めた上で、正式に採用したい場合に適しています。

紹介予定派遣の詳しい内容については以下の記事で詳しく説明しています。
>>紹介予定派遣とは?仕組みやメリット、通常の派遣との違いまで解説

IT・エンジニア系職種の人材派遣を利用するメリット

IT・エンジニア系職種の人材派遣を利用するメリットは以下の4つです。

  • 即戦力人材の受け入れ
  • 期間・業務量に合わせた柔軟な人員配置
  • 採用プロセスの短縮
  • 労務管理の負担軽減

それぞれについて説明します。

即戦力人材の受け入れ

人材派遣会社には、IT・エンジニア系職種に特化したスキルを持つ派遣社員が多く登録されており、独自の育成プログラムを提供している場合もあります。

そのため、派遣社員は業務開始時点で必要な技術や知識を備えており、プロジェクトの早期立ち上げや円滑な進行を支援します。

期間・業務量に合わせた柔軟な人員配置

派遣形態の特長を活かし、プロジェクトの進捗状況や業務量の変動に応じて、必要な人数やスキルを持つ人材を柔軟に派遣できます。

短期間のプロジェクトや一時的な業務増加への対応はもちろん、特定業務のピークに合わせた人員配置も可能です。この柔軟性により、プロジェクトの最適化を実現できます。

採用プロセスの短縮

人材派遣を活用することによって、派遣先企業は人材要件を人材派遣会社に伝えるだけで、迅速に派遣社員を受け入れられます。

一方、直接雇用の場合、求人広告の出稿・応募者の管理・面接の実施など、採用プロセス全体を自社で担う必要があります。

採用が長期化すると、それに伴い採用コストも増加します。そのため、人材派遣の活用は、採用プロセスを大幅に短縮し、コスト削減につながる有効な手段といえます。

労務管理の負担軽減

派遣社員の雇用主は人材派遣会社であるため、社会保険の手続きや給与計算などの労務管理は人材派遣会社が一括して対応します。

これに対し、直接雇用では労務管理の全責任を企業が直接負う必要があります。特に、IT・エンジニア系職種はプロジェクトごとに期間やスキル要件が異なるため、短期間の採用では労務管理に伴う負担が増大しがちです。

人材派遣を利用することにより、これらの労務管理の負担を大幅に軽減でき、企業のご担当の方やプロジェクトマネージャーがコア業務に集中できる環境を整えられます。

IT・エンジニア系職種の人材派遣を利用する際の留意点

IT・エンジニア系職種の人材派遣を効果的に活用するには、以下に留意する必要があります。

  • 業務範囲や指揮命令系統の明確化
  • 派遣社員のスキルアップ支援

それぞれについて説明します。

業務範囲や指揮命令系統の明確化

派遣社員への業務範囲や指揮命令系統を明確に定めることは、業務を効率的かつ円滑に進めるために不可欠です。

また、業務範囲を曖昧にしたり、範囲外の業務を依頼したりすることは、労働者派遣法に抵触する可能性があります。

このようなリスクを防止するためにも、派遣社員の担当業務を明確化し、それをチーム全体で共有しましょう。

派遣社員のスキルアップを支援

派遣先企業には、派遣社員が業務遂行に必要な教育訓練を受けられるよう支援する義務があります。この義務には、キャリアアップ教育への協力や必要に応じた安全衛生教育の実施が含まれます。

これらの取り組みを通じて、派遣社員が安心してはたらける環境が整い、業務効率や生産性の向上につながると期待できます。

派遣社員の教育訓練について、詳しくは以下の記事をご覧ください。
>>派遣スタッフの教育訓練とは?目的と実施する際の留意点も含めて解説

IT・エンジニア系職種の人材派遣を利用する流れ

IT・エンジニア系職種の人材派遣を効果的に活用するためには、適切な手順を踏むことが重要です。以下に、人材派遣を利用する際の一般的な流れをご紹介します。

STEP1:募集要件の定義

プロジェクトに必要なITスキルやエンジニアリングの経験を明確にし、募集要件を定義します。

人材派遣会社に依頼する際には、以下のポイントについてすり合わせましょう。

項目
業務を依頼する背景
  • プロジェクトの目的
  • 解決すべき課題 など
業務内容
  • システム開発
  • インフラ構築
  • プログラミング
  • テスト など
必要なスキルセット
  • 必要なプログラミング言語(例)Java、Python
  • ツール(例)Jira、Git
  • クラウド技術(例)AWS など
派遣期間 プロジェクトのスケジュールに基づいた派遣期間
就業開始希望日 プロジェクト計画に基づく開始日
人数 チーム規模や業務負荷を考慮した適切な人数

人材派遣を依頼する際の詳細な手順や、押さえておくべきポイントについては、以下の記事で詳しく解説しています。
>>人材派遣を依頼する方法とは?流れやポイントをご紹介

STEP2:派遣社員のマッチング

人材派遣会社は、派遣先企業のニーズに基づき、プロジェクトに適した派遣社員を選定します。派遣社員の希望に応じて、職場見学を実施する場合もあります。

職場見学は、派遣社員が業務内容や職場環境を確認することを目的としており、派遣先企業が選考や評価を行うことは労働者派遣法で禁止されています。そのため、履歴書の提出を求めたり、面接と誤解されるような質問や行為したりするのは避けましょう。

職場見学の流れや留意点、また、派遣先企業が行ってはいけない「特定行為」について、以下の記事で詳しく解説しています。
>>人材派遣の職場見学とは?流れや留意点についてご紹介
>>派遣の特定行為とは?禁止の背景や注意点を分かりやすく解説

STEP3:派遣社員の決定・派遣契約締結

人材派遣会社から初めて派遣社員を受け入れる場合、まず「労働者派遣基本契約」を締結します。労働者派遣基本契約は、派遣料金の支払い条件・守秘義務・損害賠償など、すべての労働者派遣契約(個別契約)に共通する条件を定めた基本契約です。

労働者派遣基本契約を締結した後、「労働者派遣契約」を締結します。この契約では、受け入れる派遣社員の業務内容・就業場所・指揮命令者・派遣期間など、具体的な条件が詳細に規定されます。

派遣契約締結までの具体的な手順や、必要な書類などについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
>>派遣契約の流れを3つのステップに分けて徹底解説

STEP4:派遣社員の就業開始

諸手続きが完了次第、派遣社員の受け入れが可能となります。派遣社員がスムーズにプロジェクトに参画できるよう、以下の受け入れ準備を事前に済ませておきましょう。

  • 派遣社員の受け入れ周知
  • 入館証やIDカードを発行
  • 使用する備品の準備とセットアップ(パソコン、デスクなど)
  • 社内ネットワークなどの利用手続き
  • 引継ぎ書やマニュアルの準備
  • 担当業務の指揮命令系統の明確化

また、就業初日には、関係者への紹介や社内設備の案内、社内ルールの説明を行うことにより、派遣社員が安心して業務を開始できます。

派遣社員の受け入れに関する具体的な手順や、初日に必要な準備、注意すべきポイントについては、以下の記事で詳しく解説しています。
>>派遣スタッフの受け入れとは?初日に必要な準備や留意点について

IT・エンジニア系職種の人材派遣会社を選ぶポイント

IT・エンジニア系職種の人材派遣を成功させるためには、適切な人材派遣会社を選定することが重要です。以下に、人材派遣会社を選ぶ際のポイントをご紹介します。

派遣社員へのスキルアップ支援が充実している

人材派遣会社が派遣社員に提供する教育プログラムや研修の充実度は、重要な選定基準です。IT業界は技術の進化が速いため、派遣社員が常に最新のスキルを習得できる環境が整っているかを確認しましょう。

具体的には、以下の点が評価ポイントとなります。

  • オンライン学習プラットフォームの提供
  • 資格取得支援や研修プログラムの実施
  • 段階的かつ体系的な教育訓練の提供

派遣社員へのフォロー体制が整っている

派遣社員が安心して業務に取り組めるよう、充実したフォロー体制が提供されているかを確認しましょう。

  • 派遣社員との定期的な面談の実施
  • 相談窓口やキャリアカウンセリングの提供
  • 問題発生時の迅速な対応体制

これらの体制が整っていると、派遣社員のモチベーション維持と派遣先企業との円滑な連携が促進されます。

IT・エンジニア系の専門知識を持つ担当者が在籍している

IT・エンジニア系の専門知識を持つ担当者が在籍する人材派遣会社を選ぶことにより、以下のようなメリットが期待できます。

  • プロジェクトに最適なスキルと経験を備えた人材を的確に選定
  • 企業と求職者双方にとって最適なマッチングを実現
  • 最新の業界動向を把握し、的確なアドバイスや提案を提供

これにより、人材派遣の活用効果が最大化されます。

IT職種の人材派遣でプロジェクトを成功に導く

人材派遣は、自社に必要なスキルを持った人材に、必要な期間だけ業務を依頼できるため、プロジェクト成功や派遣先企業の競争力強化に大きく貢献します。

パーソルテンプスタッフは、IT・エンジニア系職種に幅広く対応できる人材派遣会社です。システム開発エンジニアやネットワークエンジニアなどの専門職に対応可能であり、有期雇用派遣だけでなく無期限雇用派遣もご活用いただけます。

また、パーソルテンプスタッフでは最新技術への対応を目指し、独自の育成プログラムを運用しています。業務に必要な知識やスキルの指導、ソフトウェア操作のトレーニングを通じて、プロジェクトに実質的な貢献が可能なIT・エンジニア系職種の派遣人材を育成しています。

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