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人手不足の現状と原因、具体的な解決策を4つご紹介

公開日:2022.08.18

更新日:2024.04.12

企業の課題

少子高齢化などの影響などにより、人手不足の企業が増えています。人手不足解消の対策を考えている担当者も多いでしょう。しかし、

  • 自社の人手不足の原因がよく分からない
  • 他の企業や業種の状況を知りたい
  • 人手不足解消のためにどのような対策を取るべきなのか分からない

など、悩みや疑問も多いのではないでしょうか。

本記事では、上記のような悩みや疑問をお持ちの担当者に向けて、人手不足が企業に与える影響や人手不足の原因、着手すべき対処法などについてわかりやすく解説します。人手不足を解消させるために参考にしてください。

目次

人手不足が企業に与える影響

ここでは人手不足が企業に与える影響について、経営に与える影響と社員に与える影響の2つに分けて解説します。

経営に与える3つの影響

人手不足が経営に与える影響は以下の3つです。

  1. 労働基準法に抵触するリスクがある
  2. 新規採用のコストが増える
  3. 新規事業への着手や顧客ニーズの対応が困難になる

それぞれ詳しく解説します。

労働基準法に抵触するリスクがある

人手不足によって1人当たりの業務負荷が増え、残業や休日出勤が増えると、労働基準法に抵触するリスクが生じます。

人手不足によって労働基準法に抵触する可能性があるケースの例は以下の通りです。

  • 労使協定(36協定)を結ばずに残業や法定休日の出勤を依頼する
  • 労使協定(36協定)は結んでいるものの、上限以上の残業を依頼する
  • 8時間を超える労働時間にもかかわらず、休憩時間は60分未満

これらの状況を防ぐために、業務量に見合った人員や体制整備が必要です。

新規採用のコストが増える

人手不足が長期化すると、頻繁に人材募集を行ったり長期的に採用活動を行ったりするため、新規採用のコストが増えやすくなります。採用コストとは、人材を採用するためにかかるコストのことです。

また、採用コストは以下のとおり「外部コスト」と「内部コスト」に分けられます。

外部コスト・・・広告料や人材紹介料など外部の企業に支払う費用
内部コスト・・・面接や書類選考などを担当する自社社員の人件費や交通費

それぞれのコストを洗い出して、1人採用するためにいくらかかっているのか、費用を確認しましょう。

新規事業への着手や顧客ニーズの対応が困難になる

2022年にパーソル総合研究所が発表した「企業の新規事業開発における組織・人材要因に関する調査」によると、社員数300人以上の大企業の新事業担当者が感じている組織マネジメントの課題は「新規事業開発を担う人材の確保が困難」がもっとも多いという結果でした。

2017年4月21日に厚生労働省が発表した中小企業が対象の「中小企業白書(2017年版)」でも新事業展開に成功していない企業の自社の強みを活用する上での課題は「人材が不足している」と答えた割合が最多でした。

新規事業が成功するかどうかは、企業規模に関わらず、事業化の企画から立案、推進までできる人材がいるかどうかが大きく影響することがわかります。また2017年版「中小企業白書」では、中小企業が人材確保の必要性を感じる理由として「多様化する顧客ニーズへの対応」を挙げました。人手不足により、顧客のさまざまなニーズへの対応が不十分と考えていると推測できます。

人手不足は、新事業への挑戦を阻むだけでなく、きめ細かい顧客対応を困難にさせると考えられます。

社員に与える3つの影響

人手不足が社員に与える影響について、こちらの3つを説明します。

  1. 職場環境が悪化する
  2. 労働意欲が低下する
  3. 能力育成の時間が減る

順番に詳しく解説します。

1.職場環境が悪化する

人手不足は、不足しているリソースを補うために社員に負担がかかることが多いため、職場の雰囲気や労働環境が悪化しやすくなります。人手不足によって社員にかかる負担の例として、以下のようなケースがあります。

  • 残業時間の増加
  • 休暇の減少
  • キャリアプランの不透明化
  • ストレスによる社員の人間関係の悪化
  • 労働災害のリスクが高まる

キャリアプランの不透明化は、将来への不安やキャリアプランを考える時間の不足によって引き起こされやすくなります。また人手不足が社員に与える影響は、1つだけ発生するわけではなく、複数同時に起こります。場合によっては、心身へ影響が出ることにより休職者や離職者が増え、さらに人手不足が深刻化します。

2.労働意欲が低下する

2019年9月27日に発表した厚生労働省の「令和元年版 労働経済の分析」によると、「人手不足が職場環境に及ぼす影響」について問われた際に、「従業員の働きがいや意欲の低下」と答えた社員の割合が約80%という結果でした。一方、企業は約60%と社員より認識が低いという結果になっていました。人手不足による労働意欲の低下についての認識は労使間でギャップが大きいといえます。

人手不足は、企業側が気づかない間に社員の労働意欲を下げている可能性があります。企業は、社員のストレス緩和と生産性向上のために人手不足解消に向けた取り組みが必要です。

3.能力育成の時間が減る

人手不足によって社員が多忙になることで、社員の学ぶ機会や能力育成時間も減少します。

2018年9月28日に発表した厚生労働省の「平成30年版 労働経済の分析」によると「自己啓発実施の課題」として「仕事が忙しくて自己啓発を行う時間がない」と答えた人の割合が高いことが分かっています。向上心があっても、多すぎる業務量によって学ぶ時間が確保できない状況だと考えられます。

社員が自己啓発をして能力を高めることは自社の利益にも直結します。社員の成長と事業成長のために、社員の能力育成の時間を確保する必要性があるといえます。

日本企業が人手不足である4つの原因

日本企業が人手不足である原因は主に以下の4つと考えられます。

  1. 少子高齢化による生産年齢人口の減少
  2. 雇用形態やはたらき方のニーズが多様化
  3. 企業と求職者のニーズが合わずミスマッチが発生している
  4. 顧客ニーズの多様化にともない業務が複雑化している

1つずつ詳しく見ていきましょう。

1.少子高齢化による生産年齢人口の減少

人手不足の原因の1つ目は、少子高齢化による生産年齢人口の減少です。

2018年10月23日に公表されたパーソル総合研究所と中央大学が共同研究した「労働市場の未来推計 2030」によると、日本の生産年齢人口は減り続けており、2017年から2030年にかけて767万人減少すると試算されています。それに伴い、2030年の労働需要7,073万人に対し、労働供給は6,429万人と予測されています。つまり、2030年には644万人の労働者が足りません。

労働市場の未来推計2030(パーソル総合研究所・中央大学)

※引用:パーソル総合研究所×中央大学|労働市場の未来推計 2030

このように、人手不足の原因の1つが、生産年齢人口の減少によって起こっています。

2.雇用形態やはたらき方のニーズが多様化

2021年11月8日に厚生労働省が発表した「令和2年転職者の実態調査の概況」によると転職者の直前の勤め先の通算勤務期間は「2年以上5年未満」が26.9%ともっとも高くなっています。またこの傾向は20〜40代に多くみられる傾向です。

20~40代の3人に1人は2~5年で転職していることが分かります。雇用形態や働き方のニーズが多様化し、転職を考える人が増えている傾向にあります。

3.新規の人材獲得が困難になっている

2020年1月に発表された独立行政法人労働政策研究・研修機構の「人手不足等をめぐる現状と働き方に関する調査」では、雇用人員(人手)が不足している理由として「新規の人材獲得が困難になっている」と答えた割合が最多でした。

人手不足等をめぐる現状と働き方に関する調査(独立行政法人労働政策研究・研修機構)

※引用:独立行政法人労働政策研究・研修機構|人手不足等をめぐる現状と働き方に関する調査(2020年1月)

2022年5月31日に発表した厚生労働省の「一般職業紹介状況(令和4年4月分)について」によると、令和4年4月の有効求人倍率は1.23倍で、前月に比べて0.01ポイント上昇していました。有効求人倍率が高いと、一人の求職者に対して複数の求人がある状態です。そのため売り手市場になりやすく、新規採用が困難になっていることが推測されます。

4.顧客ニーズの多様化にともない業務が複雑化している

4つ目は、顧客ニーズの多様化により、業務が複雑化していることです。

高度経済成長期では、大量生産・大量消費でしたが、日本経済の成長とともに、「みんなと同じもの」から「人と違うもの」へとニーズが変化しました。そのため、これまで行われていた所得、職業、学歴などの定量的データだけでは顧客のニーズを捉えにくくなりました。

さらにこれまでのモノを消費して生活を豊かにする消費から、楽しさ・安心安全・健康・他者との共感など、感覚的な欲求や趣味嗜好を満たす消費に変化し、顧客のニーズの多様化が進んでいます。

またIT技術やインターネットの普及により、消費者はリアルだけではなくオンラインで好きな商品やサービスをいつでも購入することができるようになりました。そのため企業は、実店舗だけではなくウェブサイトやアプリなど、さまざまなチャネルから消費者へのアプローチ・顧客対応が求められています。このように企業は、多様化した顧客ニーズに対し、適切な手段で応える必要があります。一方、業務が複雑化し、人手不足につながりやすくなっています。

深刻な人手不足の業界

2022年2月24日に公表された帝国データバンクの「企業の約5割で人手不足、2020年2月と同水準まで上昇」によると、企業の47.8%で正社員の人手不足を感じているということが分かりました。

また2018年10月23日に公表されたパーソル総合研究所と中央大学が共同研究した「労働市場の未来推計2030」によると、2030年にはサービス業界や医療・福祉業界で深刻な人手不足に陥ることが推測されています。

労働市場の未来推計2030(パーソル総合研究所・中央大学)

※引用:パーソル総合研究所×中央大学|労働市場の未来推計 2030

この章では、パーソル総合研究所×中央大学の「労働市場の未来推計 2030」と厚生労働省の「人手不足の現状把握について」をもとに深刻な人手不足の5つの業界について紹介します。

  1. 運輸業・郵便業
  2. サービス業
  3. 医療、福祉
  4. 宿泊業、飲食サービス業
  5. 建設業

運輸業・郵便業

運輸業・郵便業は、ECサイトの普及にともなう物流量の増加により、人手が不足しています。

日用品だけでなく食材や薬などもインターネットで買うことができるため、物流業界の必要性は増し続けています。さらに、新型コロナウイルスの影響を受け、巣ごもり需要が発生しました。ECサイトでショッピングする人がさらに増え、既存の人員では足りないほど物流量が増えています。物流業界は、高まり続けるニーズに対し、対応する人手が不足している傾向にあります。

サービス業

ここでいうサービス業とは、飲食サービス業などに分類されないものを指し、廃棄物や自動車整備などを扱う業種です。サービス業は離職率の高さが人手不足の主な原因といえます。

2018年に厚生労働省が調査した「平成30年雇用動向調査結果の概要」によると、サービス業(他に分類されないもの)は宿泊業、飲食サービス業と生活関連サービス業、娯楽業に次いで離職率が約20%と高い数値を示しました。

平成30年雇用動向調査結果の概要(厚生労働省職業安定局)

※引用:厚生労働省職業安定局|平成30年雇用動向調査結果の概要

サービス業は労働時間の長さに加え、休日や深夜勤務が発生しやすい業種です。そのため、労働時間の長さが原因で離職率につながっていると考えられます。

医療、福祉

医療、福祉は需要と供給のバランスが崩れていることから人手不足になっています。2018年10月23日に公表されたパーソル総合研究所と中央大学が共同研究した「労働市場の未来推計2030」によると、2030年には医療・福祉業界は187万人の人材が不足すると考えられていました。

また、2020年から流行した新型コロナウイルスの影響により、医療現場の人手不足がさらに深刻化しています。

宿泊業、飲食サービス業

宿泊業と飲食サービス業は、離職率の高さが人手不足の原因になっています。宿泊業と飲食サービス業の離職率が高い原因として、以下のような原因が考えられます。

  • 土日祝に営業している店舗が多い
  • 深夜営業や盆正月に営業している店舗もある
  • 長期的に連続した休暇を取ることが難しい職種も多い

土日祝に休みを連続して取ることが難しいという状況から、宿泊業と飲食サービス業を敬遠する求職者が多いと考えられます。

建設業

建設業は、社員の高齢化に加え若年層の人材が定着しないことも人手不足の原因です。また、若年層の離職率が高い原因は、次のような原因が考えられます。

  • 重量のある資材の持ち運びなどで体力が必要とされる
  • 現場への移動に充てる時間が長くなりやすい
  • 日給月給制が多く収入が安定しづらい

ただし、外国人や女性の雇用を進めることで、2030年には建設業の人手不足が解消するという試算もあります。

人手不足の着手すべき対処法4選

人手不足の着手すべき対処法4選

どのようにしたら人手不足が解消できるでしょうか。着手すべき対処法としてこちらの4つを紹介します。

  1. 職場環境の改善
  2. DXで業務効率化
  3. 求人像を再検討する
  4. 再雇用を歓迎する

具体例を交えながら説明します。

1.職場環境の改善

これまでの解説で人手不足の原因の多くは、離職率の高さにあるということがわかりました。そのため、人手不足を根本的に解決するためには、長く働き続けられる職場環境が大切です。職場環境の改善で特に意識したい点は「誰もが働きやすい環境づくり」です。

「誰もが働きやすい環境」とは、働き方の選択肢が多い、福利厚生が充実している、社員のスキルアップを支援しているなどが考えられます。例えばフルタイムだけではなく、時短勤務やフレックスタイム制などの導入が考えられます。

2.DXで業務効率化

DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進することで業務を効率化させることができます。DX化は導入にコストがかかったり、使いこなすまでに時間と労力がかかったりと、導入してすぐに効果が現れるわけではありません。しかし適切にDX化ができれば、将来的に業務効率化を実現し、労力や工数が削減できます。

3.求人像を再検討する

2018年10月23日に公表されたパーソル総合研究所と中央大学が共同研究した「労働市場の未来推計 2030」によると、25~29歳女性の労働力率88.0%が45~49歳まで維持された場合、102万人の労働力が確保できるとされています。

2030年の女性の労働力率と期待される働く女性の増加人数

※引用:パーソル総合研究所×中央大学|労働市場の未来推計 2030

性別や労働時間で採用要件を設けず、本当に自社にとって必要な人材はどんなスキルを持った人なのかなど、採用要件を見直しましょう。

他にもネジ締めなど力が必要な業務に機械などの設備を導入することで女性や高齢者に任せられる仕事はないか検討したり、業務を細分化して時短勤務でも業務ができるようにしたりするなどの見直しが大切です。

4.再雇用を歓迎する

再雇用する社員は自社での業務経験があるため、即戦力としての活躍が期待できます。また企業風土や組織体制、制度、一緒に働く社員についても把握しているため、採用後にミスマッチが起こることは少ないでしょう。

退職した社員を再雇用するシステムは外資系企業では珍しくありません。再雇用受け入れは人手不足を補う解決策になります。

人手不足の対策に外部企業の活用を検討しよう

人手不足の対策に外部企業の活用を検討しよう

前章では、自社で行える人手不足の対処法についてお伝えしました。しかし、この記事を読んでいる方の中には、すでに前章で取り上げた対処法を実施したが、思うような効果が出ずに悩んでいる、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。自社で施策を行っても人手不足が解消できない場合は、外部企業の支援を受けるのも一つの方法です。

今回は、人手不足解消につながる外部企業の支援について、ご紹介します。

  • 人材派遣
  • アウトソーシング
  • 人材紹介

【人材派遣】必要な時に必要なスキルを持った人材を活用する

人材派遣は、必要な時に必要なスキルを持つ人材を受け入れることができます。人材派遣の活用は、人材確保のコストや工数が軽減するうえ、自社で雇用しないため労務管理の負担などもありません。
「繁忙期に人員補充がしたい」「急な退職や育児休業の社員の代替が必要」というシーンで活用しましょう。

【人材紹介】採用業務の負荷軽減は人材紹介を活用する

人材紹介は企業に求職者を紹介し、採用業務を支援するサービスです。求人票の作成支援から求職者情報の整理、条件交渉まで自社の代わりに行います。

採用活動の負担軽減と効率化が大きなメリットといえます。採用業務の負担は軽減しながら直接雇用する人材を採用したい場合にぴったりです。

【アウトソーシング】自社業務の一部を外部に委託する

アウトソーシングとは、自社の業務の一部を外部に委託することを指します。事務業務を委託する「BPO」や情報システム業務を委託する「ITO」などいくつか種類があり、自社に合った方法を選択します。

業務の一部を外部の専門企業に委託することで、経営資源の選択と集中や外部企業の知見やノウハウを活かして品質向上につなげられます。

社内体制が整っていない企業や、人材の採用や管理などの手間を抑えたい企業に適しています。

人手不足解消における人材派遣・BPOの活用事例2選

実際に、人手不足解消につながったパーソルテンプスタッフの人材派遣とBPOの導入事例を2つご紹介します。

突発的な繁忙期を“経験アリ”の派遣スタッフで乗り切る/食品メーカー 物流部門

ある食品メーカーの物流部門では、自社の商品がテレビ番組で紹介され注文が殺到したことで突発的に大量業務が発生し、10~20名規模の人材が必要となりました。しかし、パート・アルバイト採用では募集・採用に時間がかかることが想定されます。

パーソルテンプスタッフは、判断が必要となる業務に社員が集中できるよう、短期間の人材派遣をご提案。派遣スタッフは日々発生するデータ入力業務を中心に担当し、業務振り分けを提案しました。

同社はデータ入力業務の経験者で即日就業可能な派遣スタッフを短期間で活用し、その結果、突発的な繁忙を乗り越えることができました。

データ入力業務を中心とした人材派遣サービスの活用することにより、募集から採用、社員の育成にかかる工数や社員の負担が最小限に抑えられた事例です。

パーソルテンプスタッフでは、短期間の人材派遣をご提案しています。

短期間での人材派遣の活用事例を詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

業務委託を活用することで、通常業務に専念/慶應義塾大学

オフサイトを活用した外部委託により、人手不足を解消し、学生に寄り添った本来の窓口業務ができるようになった慶應義塾大学様の事例です。

以前の慶應義塾大学様は、奨学金の申請に対応する職員の人手不足のため、派遣スタッフを採用していました。しかし、日中は通常業務と窓口対応にかかりっきりだったため、出された書類のダブルチェックなどは窓口が閉まった残業の時間帯から始めなければなりません。残業が膨れ上がった職員は、肉体的にも精神的にも疲弊していきました。

また、いつも同じ派遣スタッフではないので、毎年教育工数がかかり、ノウハウも蓄積されません。加えて、昼休みには窓口に学生が溢れかえり、電話による問い合わせも多くあります。お金の事情で逼迫(ひっぱく)した方に対応するケースもあるので、ストレスで体調を崩す職員も出てきました。

そこで、奨学金業務を外部委託するという案が持ち上がります。キャンパスが多く、常設型の業務委託が難しいという難点は、システムを活用したオフサイト形式の業務委託にすることでカバーしました。

その結果、不備があってもオンライン上での指摘が可能となり、差し戻しの手間や郵送費の削減という利点が生まれます。システムは8~25時まで稼働しているので、昼休みに学生が受付カウンターに殺到することもなくなりました。

現在は、今までの業務の9割を外部に委託しています。職員には余裕が生まれ、学生に寄り添った支援や本来やるべき業務に専念できるようになりました。

人手不足を解消し、よりよい職場環境につなげる

今回は人手不足が企業に与える影響や原因、そして対処法について解説しました。慢性的な人手不足は採用や教育のコスト増加だけでなく、職場環境の悪化や社員の労働意欲低下を招きかねません。

自社で施策を行っても状況が改善しなければ、外部企業の活用を検討してみましょう。人手不足が原因で起こる職場環境の悪循環を解消することで、従業員のエンゲージメント向上が期待できます。従業員の定着率が上がれば、業務の生産性向上も繋がるでしょう。

パーソルテンプスタッフは人材派遣や人材紹介、BPOなど、人手不足に対して貴社の課題に沿ったソリューションを提供しています。人事課題の解決に向けてどの方法がより良いかご一緒に考えさせていただきますので、お困りのことやご相談がありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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