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採用コストとは?相場や削減方法について徹底解説

公開日:2023.05.15

企業の課題

自社にマッチした人材を採用するための採用コスト。採用コストの内容を意識して整理し、どのようなコストが自社の採用活動の中で削減しやすいのかを検討することが大切です。

採用コストとは

採用コストとは、企業が人材を採用するためにかけるコストを指します。一人当たりを採用するためにかかった費用を算出することが一般的です。採用費用は「内部コスト」と「外部コスト」に分けることができます。

内部コスト

内部コストとは、採用コストでも自社の中で発生するものを指します。採用担当者や面接担当者の人件費、説明会や面接会場までの交通費、リファラル採用の紹介費用や、内定者の懇親会を行う費用なども含まれます。

内部コスト
  • 採用担当者の人件費
  • 面接担当者の人件費
  • 説明会・面接会場への交通費
  • リファラル採用の紹介費用
  • 懇親会費用 など

外部コスト

外部コストとは、採用コストの中でも自社以外で発生するものです。会社案内、採用案内制作費用や求人広告費、人材紹介会社への紹介手数料などが該当します。

外部コスト
  • 会社案内・採用案内制作費用
  • 求人広告費
  • 人材紹介会社への紹介手数料 など

採用コストの相場

一般的に採用コストの相場はどのくらいなのでしょうか。採用コストの中でも多くの割合を占める、人材紹介の手数料、Webや紙媒体での求人広告でどのくらいの費用がかかるのかを、厚生労働省による「採用における人材サービスの利用に関するアンケート調査」をもとにご紹介します。

人材紹介

人材紹介の紹介手数料は、一般的に採用する人材の年収に対する割合で表す場合が多くみられます。厚生労働省による「採用における人材サービスの利用に関するアンケート調査(p.19)」によると、「家政婦・マネキン」は「10%以上20%未満(50.0%)」とする割合が最も高く、「医師」、「看護師」、「医療・福祉・介護の職業」では「20%以上30%未満」とする割合が最も高くなっています。これら以外の職種では「30%以上40%未満」とする割合が最も高くなっていることが分かります。

求人広告(Web)

Webでの求人広告は、広告料金の徴収方法が多様化しています。「採用における人材サービスの利用に関するアンケート調査(p.55)」によると、広告掲載料として徴収するケースがおよそ6割を占める一方、サイトへの掲載は無料のケースが2割を超えています。それ以外はアクセス数や応募数などに応じた成果報酬の場合があります。

採用している事業者が最も多い「主に掲載期間、情報量、掲載回数に応じて広告掲載料として徴収」についてみると、正社員、非正社員とも「5万円未満」の割合が半数を超え、最も高くなっています。

求人広告(紙媒体)

紙媒体には求人情報誌や新聞の折り込み広告・チラシ、新聞への求人広告掲載などの種類があります。「採用における人材サービスの利用に関するアンケート調査(p.54)」によると、かかった費用に関しては正社員、非正社員とも「5万円未満」の割合が最も高く、「5~10万円」が次いでいます。

採用コスト削減の方法

有効求人倍率が高まり、採用活動がなかなか思うように進まない、長期化している、そのような事態に陥ってしまうと、採用コストが膨らんでしまいます。それを防ぐためにはどのような方法が考えられるのか、8つの方法をご紹介します。

早期離職の防止

まずは早期離職を防ぐことが大切です。早期離職が発生すると、同様のコストをかけて採用を行わなければなりません。早期離職は企業と社員の認識の違いにより発生する場合が多いです。それを防ぐためには採用をする際に求める人物像を確立し、自社の留意点をきちんと伝える、適性検査を導入するなど、お互いのミスマッチを減らすための工夫が必要です。

興味を惹くような自社の魅力付け

これまでアピールしきれていなかった自社の特徴を魅力として伝えることで、求職者にプラスの印象を与えることができ、より多くの求職者からの応募を得ることが可能です。また入社後のミスマッチも少なくなります。

採用フローの見直し

採用フローの見直しも、採用コストの削減には欠かせません。書類選考や面接などの実施は、担当者の人件費がかかる活動です。面接回数の見直し・削減を検討したり、オンライン面接や、録画した動画を企業に送り、動画をもとに採用担当者が選考する録画面接の導入をしたり、面接評価基準を統一して面接の効率を上げるなど、定期的にフローを見直すことも必要です。

求人広告の見直し

より一層の効果を出すために、求人広告も見直してみましょう。まずは今利用している媒体が、求める人物像にマッチしているのか、媒体閲覧者の属性の確認を行います。また掲載している求人広告の内容が古い情報ではないか、求職者が欲しい情報が掲載できているかなどを見直すことも大切です。

人材紹介サービスの見直し

「採用における人材サービスの利用に関するアンケート調査(p.19)」によると、「採用した人材の年収の〇%を支払う」という契約となっている場合が多く、家政婦・医療・福祉系以外の職種では30~40%が最も多いという結果でした。人材紹介サービスは求人広告と比べると採用コストが高くなりがちです。

スキルの高い人材の採用をしたい際などは、人材紹介サービスを利用したほうが効率よく採用できます。求める人物像を採用するためにも、求人要件の見直しや、リクルーティングアドバイザーとの定期的なコミュニケーション機会を作ることが大切です。

ダイレクトソーシングのターゲット見直し

人材紹介サービスを介さず企業からスカウトをし、直接アプローチをする方法がダイレクトソーシングです。この手法での採用コストを削減するためにはターゲットの見直しが求められます。自社にマッチするターゲットに絞り直すことで、採用活動の期間を短縮し採用コストの削減を実現できます。

リファラル採用の活用

自社の社員に友人や知人を紹介してもらうのがリファラル採用です。自社のことを理解している社員がリクルーターとなり、人柄を知っている友人や知人を紹介してもらう制度なので、入社を検討する側にとっても、採用前の自社に関する情報の共有や入社後の安心感があります。また広告などに比べて採用コストも抑えることができるため、活用したい採用方法の一つです。

オンライン採用の活用

最後にご紹介するのは、近年需要が増えてきているオンラインでの採用活動です。これまでは対面で行うことの多かった会社説明会や面接も、オンラインで実施する企業が増加しています。オンラインで実施することで、場所の制約がなくなり求職者も参加しやすくなるほか、交通費や会場費用も削減することが可能です。

採用について見直し、採用コストを削減する

採用コストの削減は、多くの企業で実現したい課題です。今回は、社内で発生する費用の内部コスト、社外のサービスで発生する外部コストなどがあり、外部コストの求人情報への掲載費用や人材紹介サービスの費用などについて理解を深め、採用コストの削減の方法について詳しく解説しました。

コストの削減には多様な方法があり、採用手法に関することから採用フロー、入社後のフォローまで、さまざまな観点でコストの削減が可能です。採用活動の見直しをし、自社に一番効果的な採用手段を検討することが大切です。

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