新たな採用手法で、多様な人々が活躍できる企業を目指したい

株式会社商船三井は、鉄鋼原料、石炭、木材チップなどを運ぶ各種専用船、原油を運ぶタンカー、液化天然ガスを運ぶLNG船、自動車船、さまざまな製品を運ぶコンテナ船など、多彩な分野で時代の要請に応える総合輸送グループです。かねてより貿易事務などを中心にパーソルテンプスタッフの人材派遣サービスをご活用いただき、2022年7月からはハイスキルな即戦力人材と出会える「FlexibleCAREER（フレキシブルキャリア）」*1 をご利用いただいています。今回は、One MOL人事マネジメントチーム チームリーダーの権田昌史様に、フレキシブルキャリアのサービス活用の背景や活用の効果についてお話を伺いました。

*1　FlexibleCAREER（フレキシブルキャリア）
｢フレキシブルキャリア｣は即戦力となるスキルの高い人材を短時間勤務で採用することで、パフォーマンスを保ちつつ人事コストの最適化の実現にもつながる新しい採用手法です。

ハイスキル層の人材確保に課題
サービス説明会を実施したことが導入の追い風に

権田様：当社ではここ数年、業容の多様化とマーケットの拡大を積極的に推進してきました。そのなかで見えてきた課題が、従来の新卒採用とキャリア採用だけでは、人材を十分に確保できないということです。特に当社のグローバルビジョンに対する共感があり、方向性にフィットする人材の獲得には苦労していました。

またハイスキル層での採用では、一段と厳しい状況でした。自社での採用活動のなかでなかなか応募が集まらないことも多い状況でした。ただ厳しい採用状況ながらも、各部署からは増員要望が相次いでおり、とりわけ「英語＋経理」「英語＋Excel」といった英語と他のスキル、双方を兼ね備えた人材が必要でした。そこでパーソルテンプスタッフさんに相談したところ、「フレキシブルキャリア」のサービスならば当社の課題を解決できるのではとご提案いただけたのです。

フレキシブルキャリアは、即戦力となるスキルの高い人材を短時間勤務で活用するサービスであるため、フレキシブルキャリアの利用開始にあたっては、まずすべての部署に「短時間勤務でも可能な専門的業務」についてヒアリングすることから始まりました。さらに受け入れた後の具体的なイメージをつかんでもらうべく、パーソルテンプスタッフさんのご協力のもとオンライン説明会を設けました。説明会には各部署の部長クラス15〜20名に参加してもらいました。パーソルテンプスタッフの営業の方から、フレキシブルキャリアのサービス概要やどのような専門スキルを持つスタッフが登録・活躍されているのかなど、直接ご説明いただきました。説明会を実施したことでサービスの特色を各部署へスムーズに浸透させられたと実感しています。

フレキシブルキャリアは、求めるスキルや経験を持つ人材に出会える

当社では事業規模の拡大と事業領域の多様化を進めており、従来の正社員・フルタイム勤務のみの人員ではどうしても要員確保に限界がありました。一方で、各部署からの人員要望のなかには、正社員やフルタイム勤務でなくとも対応できる仕事もあったのです。それらのリクエストに応えるにあたって、ハイスキルで即戦力のフレキシブルキャリアは最適だと考えました。説明会の参加者から「フレキシブルキャリアならば業務領域を広げられる可能性を感じた」という反応があったことも追い風となりました。

フレキシブルキャリアの活用を検討した理由の一つが「英語＋役員秘書」という専門スキルでした。昨年、人事部門の役員に外国人が就任したのですが、当社では外国人役員の秘書を務めた社員が一人もいないという状況でした。その役員は、海外と日本の営業部門の架け橋といったようなポジションで、担う役割も極めて重要です。社内で人員を探すのは難しいと判断し、パーソルテンプスタッフさんに相談したところ、フレキシブルキャリアならば我々が求めるようなスキルや経験をお持ちの方がいらっしゃるとわかったのです。個人的に“派遣社員＝一般事務”というイメージがあったのですが、外国人の役員秘書という専門的な業務もお任せできることはとても魅力に感じました。

現在、外国人役員の秘書の方には、役員のサポート業務全般をご担当いただいています。海外の現地日系企業で役員秘書を務められていた実績をお持ちということもあり、当社での業務もすぐに順応いただくことができたという印象です。役員秘書の仕事は、社内で多くの調整が必要で実に複雑ですが、非常に効率的に進めてもらっています。英語も大変ご堪能で、東京本社と海外の各拠点との調整役も安心してお任せでき心強いです。あれほどのパフォーマンスを発揮できる方はそう簡単に見つからないのではないでしょうか。パーソルテンプスタッフさんには素晴らしい方をご紹介いただきありがたい限りです。

豊富な業務経験と専門性で、高いパフォーマンスを発揮
各部署から「即戦力」として活躍いただいている声も多数

フレキシブルキャリアの活用により、これまで人材の確保が難しかったハイスキル層の人材に出会えることができ、各部署にて多くの効果が見られました。その一つが「柔軟なはたらき方が可能となったこと」です。その役員秘書の方は子育て中のため、週2回は出社で10時から16時まで、残りの週3日は在宅勤務で9時から17時までという勤務体系を選ばれています。お子さまがいらっしゃることで、フルタイムというはたらき方が選択できない、でも専門的なスキルや経験を持っている。そういった方々が、フレキシブルキャリアというサービスを通じて、即戦力として活躍されています。役員秘書という職務上、緊急に対応しなくてはならない業務も多いのですが、お子さまの送り迎えがあるので出社時は必ず16時に退社する必要がある方でした。しかし在宅勤務とのハイブリッドであるため、緊急性を要する業務が生じた場合には、帰宅後に一部対応してもらうこともあります。そういった面からもまさにフレキシブルなはたらき方が実現できていると言えるでしょう。

現在では、グループ会社を含めフレキシブルキャリアとして12名の方々に就業していただいています。皆さん優れた仕事ぶりを発揮されており、各部署から「助かっている」という言葉が寄せられています。多くの方が、出社と在宅勤務を組み合わせたハイブッド型勤務です。「フルタイムでの就業は難しくても、短時間ならはたらくことができる」という仕組みは、優秀な方が活躍するうえで大変有効であると実感せざるを得ません。当社には、育児や介護を理由に短時間労働を希望する社員が一定数いるのですが、柔軟なはたらき方を身近で知ることができるので、将来の選択肢が増えているとも思います。これもフレキシブルキャリア活用のうえでのメリットの一つかもしれません。

フレキシブルキャリアで就業される派遣スタッフの方々は、専門性のみならず、事務経験が豊富で業務遂行能力に大変優れている印象です。通常の人材派遣に比べるとフレキシブルキャリアのほうが時間あたりの料金は高いものの、短時間勤務であることなどから、1ヶ月あたりに換算すると料金はそれほど大きく変わりません。派遣料金としての差はありますが、求めるスキルや経験、専門性を持つ人材として、即戦力として活躍いただいていると、多くの部門から声が上がっています。

チャットツールを活用し、出社・在宅勤務どちらでも円滑に業務を遂行

フレキシブルキャリアでご就業いただく方々は、在宅勤務なども取り入れていただいていますので、対面ではなく、リモートでのコミュニケーションにおいての難しさもあると思います。当社ではどの部署においても、同じ業務を担当する社員とコミュニケーションが取りやすくなるようにMicrosoft Teamsのグループチャットを活用しています。またチームメンバーと話す機会を作るため、定期的にチーム会を開催しています。日頃から対話の時間を積極的に設けることで、在宅勤務の際にも円滑に業務が進められていると実感しています。

フレキシブルキャリアにより社内の増員要望に応え、はたらき方の多様化も実現
多様な人材が活躍できる企業として発展を続けたい

事業拡大、事業領域の多様化の実現に向けて、国籍も含めた人材のダイバーシティ＆インクルージョンを推進しています。人事部としては、「はたらき方の多様化」が進むなかで、多様化の一つとして、このフレキシブルキャリアというサービスが定着していけば良いと思っています。このようなはたらき方を見て、はたらき方を変えるきっかけになる方もいるのではないでしょうか。やはり介護や育児、家族の病気、転勤など、はたらく条件に制約がでる方は一定数いらっしゃると思いますので、このはたらき方を将来の選択肢としても持っておくことも一つなのかもしれません。必ずしも総合職の採用一辺倒ではなくて、こういう形で多様な方々に活躍してもらいたいなとも思います。パーソルテンプスタッフさんには、このような方々が、どういう企業・部署で活躍して、どういうところを改善していく必要がありそうかということについて、より考えていただいて今後も広範囲でご活躍いただける派遣スタッフの方々が増えるよう期待しております。

正社員を辞めた後に時間が空いてしまった方のなかには、フルタイムでの復帰に躊躇する方も少なくないと聞きます。眠っていた能力を再び社会で発揮していただいて、多様な人材が活躍できる企業として発展し続けたいです。

フレキシブルキャリアをご活用いただく商船三井様の取材において、第一営業本部 本部長の松本と、実際のご提案を担当したダイバーシティ営業部 DS二課 マネージャーの鈴木に話を聞きました。

松本：スキルのある優秀な方々が労働市場にこれまで出ていなかった大きな理由は、望む条件に合う仕事やポジションがなかったことが考えられます。この層が活躍できる仕組みの構築も人材派遣会社に求められる要素であり、今後のビジネスのカギになっていくでしょう。

当社グループのパーソル総合研究所の報告「労働市場の未来推計 2030」*2 では、2030年には644万人の人手不足となると予測しています。この課題を解決する一つとして挙げられているのが女性の活躍です。結婚や子育て、介護で離職された方々が労働市場に参画することで、人材不足は解消できると考察されています。今回、商船三井様にご活用いただいている「フレキシブルキャリア」というはたらき方は、はたらき方の選択肢の一つとして、ハイスキル層の即戦力の方々をフルタイムではなく、週3～4日や、週5日でも短時間というような柔軟な勤務形態でご就業いただくサービスです。例えば育児や介護などが背景ではたらく条件に制約がある方々に、どうやって労働市場に参画いただくのかということも重要なポイントで、我々がフレキシブルキャリアをサービス化した大きな理由の一つです。今回の商船三井様での事例を踏まえ、パーソルテンプスタッフとしても人材と企業をさらにうまくマッチングさせ、人材活用の可能性を広げていきたいと思います。

*2　出典：パーソル総合研究所　「労働市場の未来推計 2030」

鈴木：フレキシブルキャリアは、育児や介護などのご事情ではたらく条件に制約がある方々が多いですが、はたらく派遣スタッフの背景や環境に関わらず、お一人お一人に寄り添って継続的にフォローをしていくことができるという点は、パーソルテンプスタッフの強みだと思います。派遣スタッフの方にも、企業ご担当者の方にもすぐに、お気軽にご相談いただけるような関係性でいつづけるということも大事にしています。特にフレキシブルキャリアというはたらき方は、ライフステージによって変化する派遣スタッフの方々に寄り添い、その方に合わせたフォローを行うように心がけています。商船三井様には、さまざまな部署・職種でフレキシブルキャリアをご活用いただいていますが、今後もより効果的なご支援につなげられるよう、努めていきたいと考えています。

※左から 株式会社商船三井 正木様、権田様、妹背様、パーソルテンプスタッフ ダイバーシティ営業部 DS二課/鈴木、東京第四営業部 古澤、第一営業本部 松本

• ブランドコンセプトページ「BLUE ACTION MOL」
• 株式会社商船三井　事業紹介

※2022年11月時点の取材にもとづき掲載しています。