キャリアプランを導き出すマネープランセミナー
受講者満足度88%の金融教育支援
「Finansta(フィナンスタ)」
出光興産株式会社
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- 活用前
- 「お金の話はしづらいだろう」という意識から
従来のキャリア形成支援ではマネープランに触れておらず
描くキャリア・ライフプランの実現性が不透明であった
- 活用後
- 多くの社員がマネープランセミナーを必要としていた実態が浮き彫りに
経済的観点が加わることで、描くキャリア・ライフプランの実現に向け
必要なことが具体的に把握できるようになり、社員の自律心向上につながった
目次
01企業紹介・事業紹介
エネルギー業界において国内有数の大手、出光興産株式会社。
現在、カーボンニュートラル *1 や循環型社会の実現を目指す同社は、化石燃料を中心とした事業構造から新たなエネルギーや素材のメインプレーヤーとなるべく事業構造改革に取り組んでおり、SAF(Sustainable Aviation Fuel)やリチウム固体電解質などの事業に注目が集まっています。
この過程において、同社では自組織の人財戦略(人的資本投資)を経営戦略の根幹に据えました。今回は、企業としての新たな挑戦を人財戦略の観点から支えるべく組成された“キャリアデザイン部”にて、金融リテラシー教育サービス「Finansta(フィナンスタ) *2」を活用したその取り組みについてお話を伺いました。
*1 カーボンニュートラル:温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させ、排出量を実質ゼロにすること。2020年10月、日本政府は2050年までにカーボンニュートラルを目指すことを宣言しました。
*2 Finansta(フィナンスタ)
"お金"を"学ぶ"金融教育サービスです。 金融リテラシー教育を通じて、社会保険制度などの公的制度や自社の福利厚生制度の有効活用を促し、多様なライフデザインの実現をサポートします。経済的な不安を解消することで、従業員のライフエンゲージメントの向上を実現します。
02経営戦略として人的資本投資を推進
出光興産株式会社の目指す「個々人の能力・個性の発揮とは」
阿部様:当社では、2030年「責任ある変革者」に向けて、人財戦略に基づいた人的資本投資と事業構造改革投資を車の両輪として推進しています。人財戦略は、「企業理念・ビジョンの体現」、「DE&Iの進化」、「個々人の能力・個性の発揮」の3つの柱で構成されており、2024年度は「個々人の能力・個性の発揮」に注力し推進しています。キャリアデザイン部は、自律型キャリア研修の充実と自律的キャリア形成の内省支援強化から成る「自律的キャリア形成支援」に特化した役割を担っています。
キャリアデザイン部は、従業員一人ひとりに仕事を含むライフキャリアにおいて「ありたい姿」を描き、その「ありたい姿」を実現するために必要となる「経験」と「スキル」を習得していけるよう、キャリアプランセミナー等の研修、越境学習等の経験を拡げるプログラムやビジネス・スキルを中心としたスキル開発等のメニューを提供します。また、「ありたい姿」を考える際に、自分らしさや想いをより明確にしていきたい時や自身のキャリア等に関して悩みや迷いを解消したい時には、キャリアコンサルタントの資格を持つ社員による面談機会を提供し、「ありたい姿」を描き実現するための支援を行っていきます。仕事を含めたライフキャリアの充実こそが、従業員一人ひとりの「やりがい」や「成長実感」につながり当社の競争力に直結すると考えています。
03キャリアデザインに金融教育が欠かせない理由
キャリアデザイン具現化のキーは「お金と時間」
山崎様:当社の行動指針の一つに「自立・自律」があり、社員が自ら考え行動することを求めています。自律した人材が増えれば、その分強い組織になることは自明です。そのため、入社3年目までは自分自身でキャリア形成を考える下準備となる教育を、3年目以降は自分自身でキャリア形成を考えるための支援を行っています。
キャリア形成支援では、法政大学の田中研之輔教授が提唱する「プロティアン・キャリア *3」をベースにプロティアンで紹介される3つの「キャリア資本」のうち「社会関係資本」「ビジネス資本」を主軸としたキャリアプランセミナーを実施してきましたが、残る「経済資本」に関する取り組みは「個人のお金の話はしづらいだろう」ということで踏み込めず未着手状態でした。しかしながら1年半ほどキャリアプランセミナーを実施していく中で、マネープランセミナーの必要性を強く感じるようになりました。
*3 プロティアン・キャリア
法政大学の田中研之輔教授(一般社団法人プロティアン・キャリア協会 代表理事)のインタビュー記事をご確認いただけます。
例えば、「MBA取得」というキャリア構想を持っている人が、社会人大学院へ行って数百万円かかりますということを知らない場合、いざとなってそれだけの自己投資ができないとなると、その計画自体がおかしくなってしまいます。そういった意味で、いろいろなコミュニティや知識を学ぶためのセミナーに参加、資格を取るための必要経費など、自分にいくら投資できるのか、その余力がどれだけあるのか、といった前提がしっかりしていないとキャリアデザインは絵にかいた餅になってしまうと気づいたのです。
松浦様:この新たに導入したマネープランセミナーと従来から実施しているキャリアプランセミナーが揃って3つのキャリア資本が網羅される状態になるということですね。
山崎様:マネープランセミナー導入にあたっては、前職の金融業界の視点を活かし、金融商品の購入に結びつける内容ではなく、公正中立な立ち位置で実施いただけるところを探しました。パーソルテンプスタッフのフィナンスタを候補に加えたのは、前職時代にパーソル総合研究所でファイナンシャルプランナーの方が実施される研修の利用経験があったことから、相談に乗っていただけるのではないかと考えたためです。そんな中で、まさにキャリア教育観点を踏まえた金融教育を提供するこのフィナンスタというサービスに出会った次第です。ほか、数社からも提案をいただき検討しましたが、相談から提案までのスピード感、コンテンツや実施方法などあらゆる点で当社のニーズに沿って柔軟にカスタマイズいただけた点が大きな決め手となり、人事部内全員一致で導入が決定しました。
松浦様:内省を促すことを主体とする当社のキャリアプランセミナーと客観的事実や合理性の観点が必要なマネープランについての学びを、「キャリア支援ができる金融の専門家」から得られる機会の提供というのは非常に効果が期待できると感じています。
04マネープランセミナー導入の反響
募集400名想定に900名の応募
驚きの反響からあらためてニーズの高さを認識
山崎様:マネープランセミナーの実施が決まり参加者を募ったところ、400名想定の募集枠に900名近くの応募があり、当初8回予定だったものを17回に拡大。半年だけの期間で実施したマネープランセミナーですが、参加者数は、なんと過去2年間かけて実施したキャリアプランセミナーを上回る盛況ぶりで、社員の興味・感心が高いテーマだということをあらためて実感しました。セミナーでは世代を4つに分けて、若い世代はインプット中心、それ以降の3つの世代は自分でキャッシュフローを作成する練習を組み込んでほしいといった要望をパーソルテンプスタッフの講師である堀さんに伝え、セミナー資料を準備していただきました。
萩原様:セミナー資料は一世代あたり250枚近く全四世代分で計1,000枚ほどあり、最初は資料の多さに驚き、この量をセミナーの中で説明できるのか・・・と心配しましたが、一度聞いて杞憂に終わりました。
セミナーでは資料を読み上げる形式ではなく、ポイントを分かりやすく説明して下さいました。資料は復習までをも意識して作られており、受講後は出てきた用語や知識を辞書代わりに使うことができるなど、読み返すごとに新しい気付きを得らえる仕様になっていてその工夫に大変感心しました。実際、受講から数日後に資料を読み返した際、「あっ、こういうことも解説してくれていたのか」と気づき、丁寧で計算しつくされた素晴らしい資料だと実感しました。
松浦様:私はキャリア入社ですので、他社での就業経験を踏まえた視点からみても、普通だったらお金を払って受けにいくレベルの細かな資料を使ったセミナーを会社で受けられる社員は幸せだなと思うと同時に、改めて当社の人材育成への投資の本気度を感じました。
パーソルテンプスタッフ 堀(以下 堀):出光興産様にご依頼いただいた際、やりたいことがきちんと明確化されていたこと、やるとなってからの意思決定までのスピード感が早かったことからも取り組みに対する意識の高さを感じました。私自身もキャリアコンサルタントの資格を持っているため、「マネー」と「キャリア」を融合したセミナーの必要性については強く共感する点が多かったこともあり、ぜひともよい結果に結び付けたい、いや、必ずよい結果がうまれると始まる前からそんな確信をもっていました。セミナーはオンラインで4時間半という長時間にも関わらず、皆さん、熱心に最後まで受講していただきうれしかったです。
山崎様:マネープランセミナー実施後のアンケートでは、講師である堀さんの評価が高かったことが印象的でした。ともすると固く小難しくなりがちな金融の話を、聞き手を飽きさせないようバイタリティーとユーモアをもって、計17回も実施していただけたことは素晴らしかったです。さらに受講者の反応を見て毎回資料を手直しされていた点も、大変ありがたかったです。
<受講者から寄せられたアンケート回答(抜粋)>
・このような機会が無ければ、将来のことを考えることはなかったと思います。
・正直ベースの意見があり好感が持てた。
・経済資本について考える機会となり、今後のライフキャリアを考えるうえで参考になりました。
・時折本音トークもあり、押し付けがましくなかった。
・ライフイベントとキャッシュフローを書くことで金銭の動きが可視化され、今後のライフプランの参考になりました。
・非常に正確で公平な見地よりお話しいただいていると感じました。
・とてもよいセミナーであったため、未受講の社員はぜひ受講すべきだと思いました。
05人財戦略・今後の展望
組織づくりのエンジン加速に向けて 社内コミュニケーションの強化を目指す
山崎様:今回実施したマネープランセミナーは受講者の満足度も高く、自律したキャリア形成への意識は着実に高まり、エンゲージメントの向上にもつながったと感じています。
また今年度は、昨年実施した世代別のマネープランセミナーに加え、「新入社員」を対象とした新たなマネーセミナーも実施いたしました。早い段階から「マネー」と「キャリア」を融合したセミナーに参加してもらうことで、キャリア形成をより自律的に考えられるように取り組んでいきたいと考えています。
その他、新たな人財戦略の取り組みとしては「社内コミュニケーションの強化」にも取り組んでいく予定です。簡単に聞こえて実は大変難しいテーマであり、まさにこの社内の円滑なコミュニケーションが組織づくりを動かすエンジンになると考えています。会社としてこれから新たな事業を推進するにあたって、組織づくり、組織運用が円滑であることは必須です。キャリアデザイン部としては、これからも企業としての飛躍を人的観点で支えていきたいと考えています。
06営業担当者からのコメント
堀:マネープランセミナーの研修内容をまとめるにあたって、出光興産として、やりたいことが明確だったことが実施に向けたスピード感につながったと思います。
また、担当の山崎様が金融業界出身というバックグラウンドを活かして、セミナー中にチャットで補足や関連リンクを投稿いただけたことや、業界裏話ならではのコメントを挟んでいただけたことは、実施側の視点としても出光興産と一体感を感じられ、とてもありがたかったです。今後もキャリア形成におけるマネーの部分をわかりやすく解説できるよう取り組んでいきます。ほかにも対面での研修や質問会など、機会がありましたらぜひ実施させていただきたいと考えています。
パーソルテンプスタッフ 板山:マネープランセミナー実施にあたっては、講師の堀を主としながら一緒に営業担当として導入に向けたサポートをさせていただきました。常に相手を思いやり温和な方々であると同時に、キャリア形成支援を充実させたいという熱量の高さを強く感じました。これからもセミナーのアーカイブやコンテンツ化など、さまざまな提案をさせていただきたいと考えています。 (フィナンスタサービス担当:ソリューション事業本部 ソリューション営業推進室 堀、板山)
07出光興産株式会社様の最新情報がわかる!
※写真は出光興産株式会社の許可を得て撮影しています。
※2024年5月時点の取材にもとづき掲載しています。
取材協力
出光興産株式会社
キャリアデザイン部 キャリアデザイン課
課長 阿部 浩子様
1993年:出光興産入社
人事部、海外現地法人・人事、製油所・人事を経て2023年、Nextフォーラム事務局 社内コミュニケーション担当
2024年現在、自律的キャリア形成支援の企画・運営
出光興産株式会社
キャリアデザイン部 キャリアデザイン課
山崎 正憲様
1992年銀行にて営業・部下マネジメント・人事でのキャリア支援等
2020年12月:出光興産入社
各種研修&キャリア支援の企画・運営・講師等
【主な資格】
国家資格キャリアコンサルタント、GCDF-Japan/プロティアンキャリア協会認定ファシリテーター/認定メンター/Gallupストレングスコーチ/ブレンディッドラーニングデザイナー
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