派遣管理デスクが人事機能の一部を担い、企業文化・社風を踏まえ最適な外部人材活用を実現

活用前
社内の制度変化・業務集約化などにより、派遣スタッフに求めるスキルが高度化。これまで以上にスピードとマッチング精度を向上させる必要があった
活用後
パーソルテンプスタッフの「派遣管理デスク」を導入。人事部門の一員となって伴走してもらうことで、スピードやマッチング精度などの課題解決につなげられたほか、
採用計画をデータ分析したうえでの改善提案など、異なる人事課題にも貢献いただいた

目次

01企業紹介・事業紹介

オリンパス株式会社は、「世界の人々の健康と安心、心の豊かさの実現」を経営理念として掲げ、精密医療機械器具の製造販売をグローバルに展開している企業です。内視鏡をはじめとした医療機器に関する事業を展開されており、そのなかでも消化器内視鏡では世界シェア7割となっています。

事務職のみならず、技術職などにおいても多くの人材の確保が必要な同社では、人材採用のリードタイム短縮やガバナンスの強化が急務な状況でした。2022年より、パーソルテンプスタッフの「派遣管理デスク」を導入、ご活用いただいています。今回は、同社の人事業務を担当するTalent Acquisition,Japanの城村様に派遣管理デスクを導入した背景や活用の効果についてお話を伺いました。

02グローバル対応の人材マネジメントへ

グローバルでの人事制度統一、業務集約などにより外部人材への期待値が大きく変化

城村様:当社では、より人材が活躍できる環境づくりの取り組みとして、旧来のメンバーシップ型人事をあらため、ジョブ型人事制度を採用しています。このきっかけになったのが、創立100周年の2019年に発表した企業変革プラン「Transform Olympus」です。同プランには、リスクマネジメントの一元化やグループ内の経営リソース配分の最適化など企業価値向上のための施策が掲げられましたが、人事領域でもグローバルで制度統一を行うという内容が盛り込まれました。これは、人事制度を個別最適から全体最適に切り替え、職務ベースで組織をつくっていくということ。当社にはグローバルでの連結で3万人近い従業員がはたらいていますが、以前は個社ごとに行っていた採用や育成を「Transform Olympus」を機にグローバル全体で行うように変更しました。

派遣スタッフについても、ここ数年で変化がありました。そのきっかけは、定型的な業務を集約する事業センターをスタートさせ、データ入力のようなプロセスが決まっている業務をそちらに任せるようになったことです。定型業務の負担がなくなったことで、派遣スタッフにもシステムや業務フローなど社員と同様の業務に従事いただき、能力を発揮していただこうという流れになってきました。
「Transform Olympus」では、人事だけでなく全社的にグローバル・メドテック・カンパニーへと飛躍することを掲げており、英語力が重要なスキルの一つになっていることから、派遣スタッフも含めさまざまな面でより高度な人材が必要になってきています。

03派遣管理デスク導入の背景と効果

専門性の高い人材を求める中、スピード感とマッチングに課題があった

城村様:派遣スタッフは短期間での活用も可能ですし、技術的なスキルや英語力など一定以上の能力を有した方を派遣していただけて、必要な人材を必要なタイミングで活用できるため大変ありがたいと感じています。こうした人材を安定的に確保するため、当社では以前より他社の派遣管理業務の代行サービスを利用していました。
しかし、「Transform Olympus」を機に職場のニーズも高まり、従来の定型業務を中心に行う役割だけでなく、英語力や技術力を持った人材が必要になり、より精度の高いマッチングと、スピード感もった対応を行う必要がでてきました。技術職はマッチングが難しいので一定の時間がかかるのはやむを得ないのですが、現場のオーダーから半年以上も進展がないケースがあり、リードタイムの短縮は喫緊の課題でした。

また、派遣スタッフの状況を聞いてもすぐに回答が得られないなど、ガバナンスが効いているとは言えない状況もあり、あらためて派遣管理デスクの運用見直しを行うことになりました。数社にお声がけをし、その中の一つがパーソルテンプスタッフの「派遣管理デスク」でした。




派遣管理デスク導入の決め手は
当社の要望に高い水準で応えてくれること

城村様:ご提案をいただくにあたり、採用スピードやガバナンスといった管理サービスの品質に関する課題に加え、契約や勤怠を管理するツールを導入したいという希望もお出ししました。最終的にパーソルテンプスタッフの派遣管理デスクの採用に至った決め手は、「当社の要望に高い水準で応えてくれること」、「人材管理ツール『e-staffing』導入に対応いただけたこと」、「有益な示唆を与えてくれるパートナーとしてご支援いただけること」などです。

パーソルテンプスタッフ 永野(以下 永野):派遣管理デスクは、派遣に関する一連の業務プロセスを代行するサービスです。メリットとしては、「派遣管理業務の負担を軽減することでコア業務に注力できること」、「労働者派遣法の知識をもとに運用するためコンプライアンスリスク対策になること」などがあります。ただ、私たちはこのサービスを単なる業務代行ではないと考えています。オリンパス株式会社からいただいたご要望をもとに、パーソルテンプスタッフの人材派遣サービスにおける知見を踏まえ、改善や運用再構築といった提案を通して伴走できることが、派遣管理デスクの何よりの強みだと考えています。

企業文化や社風、人事における課題を踏まえ
派遣管理デスクの運用を継続的に改善

城村様:派遣管理をお願いする会社が変わるということで一定の混乱はあると思いましたが、予想外に移行はスムーズでした。

パーソルテンプスタッフ 福井(以下 福井):オリンパス株式会社にとってどのような運営をすればベストなのかを考えるうえで、私たちが大事にしたのは文化や社風をとらえることでした。人事担当者の方との対話だけでなく、部門のご担当者の方々ともやり取りさせていただきました。こうしたやりとりを重ねてわかったのは、細部までしっかり確認される方が多くいらっしゃるということです。例えば資料をお示しした場合に、斜め読みで済ますのではなく、最初から最後まで読み込んだうえで、もし疑問があれば質疑を通して解消するという文化が根付いています。そこで、派遣管理デスク導入前後の比較やe-staffing利用開始後の業務への影響などを、根拠となるデータや情報を添えて説明するようにしました。

城村様:当社の現場には理系出身の技術者が多いので、細かい指摘が多く、福井さんもご苦労があったと思います。派遣管理デスクの皆さんが現場とロジカルなコミュニケーションをとっていただいたことが信頼関係の構築につながりました。現場からすれば、長年続いてきたシステムを変更することへの抵抗はあったと考えられます。実際に導入前には人事への問い合わせも多かったのですが、変わることで得られるメリットや安心感については人事からもメッセージを伝えましたし、e-staffingもプロセスがわかりやすかったので全体的に移行に伴うトラブルはほぼなかった印象です。

導入から数年が経過しましたが、この間にもさまざまなご提案をいただき、改善を重ねてきました。例えば、e-staffing導入時には紙ベースで契約している派遣会社もありましたが、半年ほどをかけてすべてデジタルに移行でき、すべての契約が同一のシステムで管理できるようになりました。派遣料金の単価改定に関しても、労働人口が少ないエリアでは判断が難しいのですが、調査に基づく根拠を示していただいたうえで、検討できる形でご提案いただきました。また、技術職の定期的な単価改定についても、どういう条件をクリアすればどのくらい引き上げるのかといった基準づくりで相談させていただきました。ほかにも、当社では正社員と派遣スタッフの同一労働の観点から、派遣スタッフの在宅勤務などの規定も見直しましたが、その際も就業規則をもとに派遣管理デスクから助言をいただきました。労働者派遣法に関連することについては、法知識に基づく的確なアドバイスをいただきながらコンプライアンスを守って業務が進められるのは心強いと感じています。

04派遣管理デスク導入で成果が出た理由

オリンパス人事部門の一員として会社の文化や社風をキャッチアップいただき
きめ細やか、かつ臨機応変にご支援いただいています

城村様:私は育児休暇から復帰した際、初めて派遣スタッフの管理業務を担当することになりましたが、派遣管理デスクの皆さんから当社の派遣スタッフの現状や労働者派遣法についてのレクチャーをしていただき、不安なく業務を始めることができました。また、社内の募集状況や進捗だけでなく、業務が立て込んでいるときにはチャットでリマインドしてくれることもあり、業務が滞らないようにするという高いプロ意識で業務にあたられていることを感じています。

派遣会社の選定や見直しにあたっても、公平公正な目線で最適な提案をしていただいています。現行の派遣会社の調達実績や当社の採用計画などをデータで分析したうえで、不足がある場合は指摘していただいていますし、英語人材の派遣採用にあたっても複数の派遣会社に状況改善をお願いしたり、語学人材に長けた派遣会社を探したりと、さまざまな形でテコ入れしていただきました。特に英語人材については、ライティング、リーディング、スピーキングと、業務によって必要なスキルが変わってくるので、きめ細かく対応していただいて助かっています。

永野:派遣管理デスクとして従事させていただくうえで、オリンパス株式会社の人事部門の一員として、各社に対して公平公正な目で最適な人材を探すということを念頭に置いています。

05今後の展望

新しい働き方の推進など、今後の変化にあわせて、
外部人材活用のパートナーとして引き続きご支援いただきたい

城村様:今後、当社人事部門として検討していく課題は2点あります。1つは男性社員の育休取得率向上を目的とした「業務委託化」。もう1つはABW(Activity Based Working=仕事の内容に合わせ自律的に働くことにより生産性向上の実現を目指す働き方)です。

業務委託化については、男性社員の育休取得率を上げたいという考えが背景にあります。これまでは社員の育休期間中の業務を社内の人材だけでカバーしていましたが、外部人材の活用を広げるべく業務委託をスタートさせました。ここでも派遣管理デスクのサポートをいただいています。派遣管理デスクで業務委託人材を扱うのは、パーソルテンプスタッフでも初めてのチャレンジだと聞いていますが、手探りの中で運用フローの検討を進めていただき、おかげさまで順調にスタートすることができました。

当社は、2024年4月に本社のオフィス機能をすべて八王子に移転しましたが、その背景にあるのが2つめのABWです。社員の多様な働き方を促す意図で実施した施策ですが、これは正社員だけでなく派遣スタッフにも適用されます。契約している派遣会社各社に理解していただくことはもちろん、実際にはたらく派遣スタッフに対しても派遣管理デスクとともに説明会を実施し、自律的な働き方をすることで、派遣会社各社と締結している派遣契約にどのように反映するかなど、確認・調整を進めています。

永野:業務委託契約の発注・管理、ABWともにまだスタートしたばかりですが、喫緊の検討課題は派遣料金の設定です。八王子市で就業することをベースに、現時点では八王子エリアの料金に合わせて運用していますが、今後もこの派遣料金で最適な人材が供給できるかどうかは、経過観察のうえで検討の必要が出てくるかもしれません。

城村様:パーソルテンプスタッフには、外部人材の活用という面で、従来の課題解決から今後に向けての取り組みまで幅広くご支援いただき助かっています。今後ともぜひパートナーとして伴走していただければと思います。

06派遣管理デスク担当者からのコメント

永野: 内視鏡などを扱う専門メーカーとして、何事にも論理的に考え、整理し業務を進めるオリンパス株式会社の社風を知り、私たちもデータや根拠をしっかり用意してコミュニケーションをとることを心がけています。これはプレッシャーではありますが、検討を重ね、根拠をもって整理した内容を提出することで、信頼関係の構築につなげられるよう、大きなやりがいを感じながら日々の業務に取り組んでいます。

城村様は、オリンパス株式会社がどうありたいかを常に考えていらっしゃるので、派遣管理デスクとしての方向性に悩むときには、明確な指針を与えていただいています。安定的な運用ができているのも城村様のサポートのおかげだと思っています。今後も人材派遣サービスの活用および管理をサポートするとともに、新たなチャレンジをさせていただいている業務委託の領域とABWという新たな取り組みを軌道に乗せることで、オリンパス株式会社の外部人材活用に貢献できればと思います。
(派遣管理デスク担当:ビジネスパートナー部 マネジメントデスク第一センター 永野)


■パーソルテンプスタッフの「派遣管理デスク」
人材派遣の依頼から契約管理・請求処理などの派遣管理業務を代行し、より効果的な派遣活用を支援します。

※左からパーソルテンプスタッフ マネジメントデスクセンター/福井、永野、オリンパス株式会社/城村様

07オリンパス株式会社様の最新情報がわかる!

※写真はオリンパス株式会社の許可を得て撮影しています。
※2024年5月時点の取材にもとづき掲載しています。

取材協力

オリンパス株式会社
HR Organization Development,
Talent Acquisition, Japan
城村 緑 様

2002年にオリンパス株式会社に入社。財務部門にて支払業務を担当し、その後総務部で全社総務業務を担当。2011年に人事部に異動。人事部では新卒採用・障がい者雇用推進を担当し、現在は派遣管理を含む外部従業員管理と障がい者雇用推進を担い、部門への人材調達の効率化と障がい者雇用におけるDEI推進に取り組む。

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