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社内チャットのコミュニケーションとは?部下が戸惑うチャット例をご紹介
公開日:2025.03.13
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HRナレッジライン編集部が、管理職の皆さんのお悩みについて一緒に考える「管理職は悩ましい」シリーズ。今回は「社内チャットでのコミュニケーション」についてです。
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デジタル化が進むなか、ビジネスコミュニケーションにおいて、Teams(R)、Slack(R)やChatwork(R)、LINE WORKS(R)などのチャットツールを使う機会が増えています。
特に、気軽に連絡が取り合える社内のチャットコミュニケーションにおいて、部下とのやり取りでこんな悩みはありませんか?
「チャットコミュニケーションがうまく活用できていない気がするが、どうしたらいいのかわからない」
「部下と問題なくチャットでコミュニケーションは取れているつもりだけど、部下からの返信に温度差があるときがある」
何気なく送ったチャットが、知らない間に部下を戸惑わせているかもしれません。チャットコミュニケーションで「おじさん構文」と呼ばれるあらたな世代間のギャップも発生しているようです。
今回は、「知らないうちに戸惑わせているかもしれない」部下との社内チャットについて深堀りしていきます。
目次
社内のコミュニケーションツール
ビジネスシーンで活用するコミュニケーションツールは、主に電話、メール、チャットの3つがあります。特にチャットは、コロナ禍以降テレワークが増えたことをきっかけに、活用企業も多いです。
改めてそれぞれのコミュニケーションツールのメリット・デメリットを確認し、用途に合わせて活用していきましょう。
電話
対面の次にリアルタイムで通話できる手段が電話です。急ぎの連絡や文面では伝えづらい内容や、ニュアンスを伝えたい時に有効です。
メリット
- リアルタイムで会話することができる
- 文字では伝えづらいニュアンスや補足事項などを伝えることができる
- 緊急時や謝罪など重要なときに温度感を伝えることができる
デメリット
- 電話がつながらないと何度もかけ直すことになる
- 相手の都合によってかける必要がある
- 会話した内容が履歴に残らない
メール
メールは複数の宛先に連絡可能で、時間を気にせず送ることができます。
メリット
- 多人数へ一斉に送信できる
- 件名で内容を把握することができる
- ファイルや画像を添付できる
- 長い文章でも読みやすく、細かな説明に適している
デメリット
- 「お疲れ様です。」「よろしくお願いいたします。」などチャットより文章が長くなりやすい
- チャットより堅い言い回しになることが多い
チャット
チャットはメールより気軽に送ることができ、ツールによっては電話や複数人のWEB会議まで開催することが可能です。
メリット
- 気軽に連絡を取り合うことができる
- 既読確認機能やステータス機能があり、相手の状況が把握できる
- 絵文字やリアクションボタンがあり簡単なコミュニケーションが取りやすい
デメリット
- チャットのやり取りが多いと流れてしまうことがある
- 長文だと読みづらい
このように、コミュニケーションツールにはそれぞれの特徴があり、活用シーンによって使い分けが重要であることが分かりました。特に「チャット」は気軽に送ることができ、会話のようにリアルタイムなやりとりができるため、どのようにしていけばよいか、戸惑う管理職の方も少なくないのではないでしょうか。次に部下が戸惑う社内チャットをみていきましょう。
部下が戸惑う「上司から社内チャット」とは

部下が戸惑うチャットは大きく分けて2種類あります。距離感が近すぎる印象を与えてしまう、いわゆる「仲良しチャット」と威圧感を感じる「威圧チャット」です。
<仲良しチャットの特徴>
- 絵文字が多すぎる
- 不自然なカタカナを使用
- 一文が長く、句読点が多くて読みにくい
- 何に対して話しているか分かりづらい
※上記のような文章の書き方を「おじさん構文」ということもあります。
<威圧チャットの特徴>
- 文章が堅い
- 句読点のみで怒っているように感じる
- 文末が「○○してください。」「○○です。」など言い切りが多い
なぜ部下は上司からの社内チャットに戸惑うのか
部下が上司からの連絡に不快に感じる一番の要因は、相手との心理的距離感が分かっておらず一方的なコミュニケーションに終始しているからと言えるでしょう。あくまでも仕事上の上司部下との連絡であること、顔が見えない環境だからこそどう捉えるかは相手次第であることを忘れないことが大切です。

部下が戸惑う社内チャットの具体例
4つのタイプの特徴とコミュニケーション方法についてご紹介していきます。心当たりがないかご自身もチェックしていきましょう。
絵文字の多用や不必要なカタカナ表記

距離感を縮めようとあえて堅い表現ではなく、絵文字やカタカナ表記を多く活用するケースです。不要な絵文字やカタカナ表記は読みづらく、流行からも古い印象があり、おじさん構文として部下との温度差が出てしまう表現の一つと言えます。
仕事上のやり取りとなるので、正しいカタカナ表記や必要最低限の絵文字で送ることを心がけましょう。
業務外の内容を送る
「○○ちゃん、今日の調子はどうカナ?僕は昨日遅くまで映画をみて少し寝不足だヨ…」など、業務に関係ない自分の近況報告をするケースです。アイスブレイクのつもりでも、受け取る側にとっては不快に感じることもあります。テレワークなど物理的に距離が離れている場合、雑談によるコミュニケーションが難しくなりますが、送る前に一度確認してみましょう。
「あれ」や「それ」などの指示詞が多い
「あの件、どうなった?明日までにあそこに格納しておいて」など指示詞ばかりになっていませんか?チャットを受け取った側との認識齟齬の原因につながるため、日付を入れるなど具体的に記載するようにしましょう。
句読点や言い切りで威圧感を感じる
「○○お願いします。」「はい」「ちがいます」など、堅い文章で文末が句読点のみだったり、文章が短く語尾が言い切りのケースです。チャットは表情や意図が読み取りづらく、冷たい印象や時には怒っているように感じることもあります。
部下を戸惑わさない社内チャットを送るには
では、どのようなチャットを送ればよいのでしょうか。秘訣は「相手への思いやり」をもって文章を書くことです。ポイントは2つです。
語尾を工夫してみる
「〇〇お願いしますね」「〇〇お願いしてもいいですか?」という様に、語尾を工夫することで、語気を和らげることができます。「〜かもしれないね」「〜がいいと思いますよ」「〜しましょう」など、語気を和らげる表現方法をいくつか持っておくことをお勧めします。
チャット機能を使ってみる
チャットが分かりづらい文章になってしまう場合は、チャット機能を駆使することも重要です。
- メンション機能
- 引用機能
- 用途に応じたルームを作る(業務別・勤怠連絡・つぶやきなど)

社内コミュニケーションを上手に活用していく
部下が戸惑うチャットについて述べてきましたが、管理職の皆さん自身が当てはまった点はありましたか?よかれと思って送っていることが部下には逆効果であったり、伝わりづらくなっている可能性があります。
一方でいわゆる「若者言葉」のように言葉を省略したり、流行り言葉などビジネスの場では向いていない言葉を使う社員もいるでしょう。また若いメンバーでも公私混同するようなチャット内容を送る人もいるかもしれません。
上司だけではなく、双方が気軽に送ることができるからこそ、相手への思いやりの気持ちが大切です。多忙な管理職の皆さんにとって社内チャットは、部下とのコミュニケーションツールとして今後も重要な手段のひとつとなっていきます。状況や内容によって使い分け、チャットコミュニケーションと今後も向き合っていきましょう。


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