「医薬品の安全性管理業務」にBPOを導入? 在宅勤務にまで移行できた“強固な関係性”

事例概要

企業名
大塚製薬株式会社
業種
製薬
ご利用のサービス
アウトソーシング・BPO
導入前
・派遣スタッフを管理することの負担が大きかった
・「社員ではない人に任せるの?」という社内からの戸惑いの声
・BPOの導入に対して「社員の知識が脆弱化するリスク」の指摘
導入後
・社員が自分の業務に専念でき、在宅勤務にもスムーズに移行
・業務の品質も高く安定しており、BPOチームが社員の皆から頼られるように
・強固なコミュニケーションにより、「社員の知識が脆弱化するリスク」の回避

目次

01派遣スタッフを管理することの負担が大きく、『業務委託』へ

——PV(ファーマコヴィジランス)というのは、Pharmaco(薬の)とVigilance(監視)という意味の造語で、日本では「医薬品安全性監視」と訳されますよね。

尾浦様:その通りです。

——そんな「医薬品の安全性監視」という重要かつ専門性が高い業務へ、どのようなきっかけからBPOを導入することになったのでしょうか。

尾浦様:PV業務は当時、CRO(Contract Research Organization)と呼ばれる医薬品の開発業務受託機関に依頼するか、自社で派遣スタッフを抱えるかが一般的でした。

——「CROへの委託」か、「派遣スタッフを抱える」か。

尾浦様:ええ。当社の場合、多くの派遣スタッフが働いていましたが、派遣スタッフを管理することの負担が大きかったため、派遣スタッフが実施していた業務を委託することに決めました。それで、部内の組織改編を行うタイミングでパーソルテンプスタッフ様から業務委託の提案をいただきました。

——そうでしたか。

尾浦様:その際、社員が行なっていた業務の一部も委託することとしました。

大塚製薬株式会社
PV部 PVオペレーション室 室長
尾浦 潤子様

——そこで私たちパーソルテンプスタッフのBPOに決めてくださったのは、どのような要因からでしょうか。

尾浦様:決め手の一つは、パーソルテンプスタッフ様が当社と同様に、個人情報について適切な保護措置を講ずる体制を整備していることを示す「プライバシーマーク」を取得されていたことです。

——「情報の取り扱い」がポイントだったわけですね。

尾浦様:はい。最初にBPOを導入しようとしていたのは私が所属するPVオペレーション室でした。ここでは医薬品等に関する安全性情報を確実に収集できる体制を整備し、収集した情報をデータベースに入力して、必要に応じて安全性情報を国に報告しています。

——それは、かなり機密性の高い情報ですよね。

尾浦様:そうなんです。安全性情報や個人情報を扱うため、セキュリティに対する取り組みをされていることが判断の重要なポイントでした。

02社員に時間的な余裕が生まれ、自分の業務に専念できるように

——いざBPOを導入するとなった際に、何か大変なことはありましたか?

尾浦様:2012年の当時、専門性の高いPV業務の一部を外部委託することも、大規模な業務委託もはじめてでした。そのため、「委託できる業務の洗い出し」や、「パーソルテンプスタッフのBPOチームが判断する際のルール」を作成することにも、ある程度の時間が必要になりました。

——そのなかで、私たちの対応はいかがだったでしょうか。

尾浦様:BPOチームの皆さんには、業務の精査と作業・フローの見直しをしていただきました。現場で気づいた点の改善提案や、急に発生した業務の対応など、いつもクライアントファーストの対応をしていただいており、信頼関係を築くことができています。

——ありがとうございます。BPOを導入したことで、具体的にはどのようなメリットがありましたか。

尾浦様:円滑に業務を遂行いただいているうえに、常に業務を改善していただいており、効率的に業務を進めることができています。また多くの派遣スタッフの採用・教育などの管理と業務の指揮命令を、BPOチームに丸ごと任せることができたことも大きかったですね。

——派遣スタッフの採用や教育などは、得意領域ですので。

尾浦様:その結果、社員に時間的な余裕が生まれ、自分の業務に専念できるようになりました。PVオペレーション室でBPO化のメリットが得られたことで、現在ではPV部全体でBPOを導入しています。

03コロナ禍の『在宅勤務』も、滞りなく進めることができた

——2020年からいわゆる“コロナ禍”になり、多くの企業が『在宅勤務』へと舵を切りました。大塚製薬様では、コロナ禍のずっと前から在宅勤務に取り組んでいましたよね?

尾浦様:ええ、当社では2008年から業務効率をあげることを目的とした在宅勤務制度がありました。週1回、月4回の在宅勤務を行うものです。在宅勤務を進めやすくするために、2014年から業務の一部にペーパーレス化の取り組みもはじめていました。

——そのおかげもあって、社員の方の在宅勤務のサポートには慣れさせていただきました。ただ、2020年に1回目の緊急事態宣言が発出された際、少し対応が変わりましたよね。

尾浦様:ええ。2020年3月からは、在宅勤務を主とすることが決まりました。決定後すぐに実施することになりましたが、業務が滞りなく進められたのはBPOチームにサポートしていただいたことが大きいですね。

——あの時は「社員の皆さまが不在になることで影響が出ると考えられる作業」をピックアップして、在宅でも可能な方法を提案させていただきましたね。

尾浦様:これまでの在宅勤務では、社員の誰かは社内にいましたし、多くの社員が在宅勤務になる想定はしていませんでした。

——そうですよね。でも、日頃から業務改善のために作業内容を可視化する『スキルマップ』を作成していたことで、スムーズに進めることができました。

尾浦様:BPOチームからのご提案がなければ、在宅勤務へのスムーズな移行は対応できなかったんじゃないでしょうか。

——いえいえ。ちなみに、私たちBPOチームでは、3割ほどのスタッフが出社して、許可をいただいたうえで郵便物の発送など物理的に出社が必要な業務にあたっています。残りの7割のスタッフが在宅勤務で対応していますね。

尾浦様:PV部に関して言えば、在宅勤務の対象となっている社員は全員在宅勤務が可能となっています。これについても、BPOチームのサポートがなくては成し遂げられなかったと思います。

04BPO化のリスクは回避できるし、業務上での効果のほうが大きい

——現在も在宅勤務が続いていますが、状況はいかがでしょうか。

尾浦様:おかげ様で業務は非常に安定しています。BPOを導入して今年で8年目になりますが、強固な関係が築けていると思います。

——早いもので、もう8年目になるんですね。

尾浦様:BPOを導入した初期の頃は、社内のMR(医薬情報担当者)や支店から「社員ではない人からPV業務の連絡が来るんですか……」という戸惑いの声が上がることもありました。それが8年経った今では、業務の品質も高く安定していて社員の皆が頼っています。

——ありがとうございます。私たちが目指しているのは、「社員の皆さまのかゆいところに手が届くようなフォロー」です。普段の細かなコミュニケーションによって、良好な関係性を築けているのではないかと思っています。

尾浦様:本当にそうだと思います。結局はコミュニケーションですよね。「業務をBPO化する」と言うと、『社員の知識がどんどん脆弱化して、自分たちで業務ができなくなる』といったリスクが指摘されます。

——確かにそういった声はよく耳にします。

尾浦様:でも、月次定例会や日頃のコミュニケーションなどで「業務の進捗状況」や「課題の確認」を相互に行うことで、そうしたリスクは回避できると感じています。そのリスクよりも、BPO化によって得られた“時間”で『専門的なところに時間を費やす』メリットなど、業務上であらわれる効果のほうが大きいと思います。

——そう感じていただけて嬉しいです。

尾浦様:BPOチームの皆さんにはいつも親身になって、私たちの立場で考えていただいています。在宅勤務を進めるうえではコミュニケーションがより重要になりますが、これまでの積み重ねが活かされていると感じています。コロナ禍から日常に戻ったら、早く皆さんとお会いしたいですね。

——こちらこそ、またお会いできるのを楽しみにしています。ありがとうございました!

05担当者コメント

パーソルテンプスタッフ株式会社
第二BPO事業本部 西日本第二BPOサービス部
西日本BPO運用二課 マネージャー
上山 昭穂

「大塚製薬の皆さまは、わたしたちBPOチームをパートナーとして見てくださってご相談いただけるので、全員が『少しでもお役に立ちたい』という思いを強く持っております!」

パーソルテンプスタッフ株式会社
第二BPO事業本部 西日本第二BPOサービス部
西日本BPO運用二課 プロジェクトマネージャー
今井 藍子

「BPOによる在宅移行を通じて、大塚製薬の社員の皆さまの生産性向上や働き方改革へ少しでも貢献できたのではないかなと、嬉しく思っております!」

06本記事のPDF資料

大塚製薬様へのBPO導入事例を、PDF資料として配布しています。(個人情報の入力は不要です)

事例の資料はこちら [2.2MB]

パーソルテンプスタッフのBPOは、今後も皆さまの業務改善や生産性UPをサポートしてまいります。お困りごとやご相談があれば、お気軽に電話やフォームからご連絡くださいませ。

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