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【企業向け】インセンティブ制度の種類や導入するメリットについて説明
公開日:2024.10.01
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目標達成や成績に応じて報酬を渡すインセンティブ制度は、社員のモチベーション向上や業務の生産性向上など多角的なメリットが得られる制度として注目を集めています。
現金や商品券を渡す物品的なもの以外でも、評価や表彰により「認められる」ことで、社員のモチベーションアップにつながることも多々あります。
本記事ではインセンティブ制度を導入する際のメリット、留意点を解説します。
インセンティブ制度とは
インセンティブ制度とは、企業が社員のモチベーションを高め、生産性を向上させるために導入する報酬システムの一つです。ある特定の目標の達成や、特に優れた成果を上げた社員に対して、追加の報酬や特典を提供するシステムを指します。
インセンティブの種類
追加の報酬や特典を提供するインセンティブ制度ですが、インセンティブの種類にはどのようなものがあるのでしょうか。それぞれの種類と具体例について説明します。
物質的インセンティブ
現金や商品券など物質で報酬を提供するインセンティブを指します。個人へ提供される場合もあれば、チームや部署単位で提供される場合もあります。
評価的インセンティブ
優れた業績や成果をあげた社員を表彰するものや、貢献度に応じて昇進・昇給を行う事を指します。表彰や評価により会社が自分を評価してくれていると感じられるため、社員の承認欲求が満たせるでしょう。
人的インセンティブ
人的インセンティブとは、上司や部下、同僚、取引先など、人間関係がもたらすものです。例えば、社員旅行やチームランチ、スポーツイベントなどのチームビルディング活動、特別なトレーニングやスキルアップできるセミナーに参加することなどが挙げられます。社員の成長や人間関係を促進することで、モチベーションの向上につながります。
理念的インセンティブ
企業のビジョンやミッションに共感し、その実現に貢献することで得られる満足感や誇りを提供するインセンティブです。例えば、企業の社会貢献活動に積極的に参加し、地域社会からの感謝や称賛を受けることや、企業のCSR活動において社員が参加するボランティア活動を組織し、その貢献度に応じて社内で表彰するなどが挙げられます。
自己実現的インセンティブ
スキルアップやキャリア成長の機会を提供し、社員が自己実現を達成できるよう支援するインセンティブです。昇進、役職への昇格、特別なプロジェクトでのリーダー任命、教育支援、資格取得支援などが挙げられます。
インセンティブ制度を導入するメリット
インセンティブ制度を導入すると複数のメリットがあるため、多くの企業が導入しています。例えば社員のモチベーション向上や生産性の向上、優秀な人材の確保と定着、さらには企業全体の業績向上につながると言われています。これらを含め、どのようなメリットがあるのか具体的に解説します。
社員のモチベーション向上
まず、第一に挙げられるのは社員のモチベーション向上です。目標達成への意欲が高まり、業務に積極的に取り組むことが期待できます。これにより、社員全体の生産性が向上し、組織全体のパフォーマンスが向上します。また、業務へのモチベーションも上がり、離職率の低下にもつながるでしょう。
優秀な人材の確保
魅力的なインセンティブ制度の導入は、優秀な人材を引き寄せる効果や、定着効果も期待できます。さらに、社員の業績向上に対するモチベーションを高まるため、企業全体の競争力が強化されます。
成果を正当に評価できる
インセンティブを与えるために、透明で公平な評価基準を設けることで、社員の努力や成果を正当に評価することが可能になります。これにより、社員一人ひとりの貢献が認識され、はたらきがいが向上するでしょう。
社員間で競争意識が生まれる
インセンティブを与えることは、職場の中での競争意識を芽生えさせる場合もあるかもしれません。無意味に競争意識をあおることはよくありませんが、一方で健全な競争意識は社員のパフォーマンス向上につながり、生産性の向上に役立つでしょう。
インセンティブ制度を導入する際の留意点
インセンティブ制度を導入するにあたって、どのような留意点があるのでしょうか。想定できる留意点とその対応策をご紹介します。
社員のモチベーションが低下する可能性がある
制度が不公平に感じられたり、目標が高すぎたり、制度が適切に設計されていない場合、社員のモチベーションが低下する恐れがあります。そういったことを避けるために、目標を現実的で達成可能なレベルに設定し、制度の透明性を確保することが必要です。また、社員からのフィードバックを定期的に収集し、制度の改善に役立てるようにしましょう。
チーム内の関係性を悪化させる可能性がある
一定の競争は良い結果を生み出すこともありますが、過度な競争が生まれると、社員間の協力やチームワークが損なわれることがあります。不公平感が生じると、社員同士の信頼関係が悪化し、職場環境がネガティブになるリスクがある可能性もあることを理解しましょう。
例えば、個人向けだけでなく、チーム全体で達成する目標や協力を重視するインセンティブも取り入れ、個人とチームのバランスを取るなどの工夫をしてください。また、評価基準を明確にし、公平性を保つよう心がけることも大切です。
チームの関係性をさらによくするためのチームビルディングについては、こちらの記事でさらに詳しくご説明しています。
>>チームビルディングの目的とポイント、具体的な手法をご紹介
インセンティブに関わる業務のみを行う可能性がある
社員がインセンティブを得るためだけに、その対象となる特定の業務に集中し、本来の業務や重要なタスクがおろそかになる可能性があります。こういった業務の進め方をすると、企業全体の業務バランスが崩れ、結果的に生産性の低下を招くリスクがあります。
このような問題を防ぐためには、インセンティブの対象を多様な業務や目標に設定し、偏りを防ぐ必要があります。また、業務全体のバランスを定期的に見直し、全社的な視点で評価する仕組みを整えるようにしましょう。
インセンティブの効果が継続しない可能性がある
インセンティブの効果が一時的であり、継続的な成果やモチベーション向上に繋がらない可能性もあります。社員が一度インセンティブを達成すると、その後のモチベーションが低下するリスクが考えられるのです。時は、インセンティブを定期的に見直し、新しい目標を設定することで、継続的なモチベーションを維持するようにしましょう。また、インセンティブの種類を多様化すると、長期的なモチベーション維持を図ることができます。
インセンティブ制度を導入する際のポイント
人事評価制度を運用するにあたって、いくつか注意しておくべき点があります。人事評価制度を見直す場合、押さえておきたいポイントを解説します。
現状分析と目標設定を明確にする
まずは正しい現状の分析と無理のない目標設定です。現状の業績や社員のパフォーマンスを分析し、達成可能な目標を設定することが重要です。正しい分析と目標設定を行うことで、社員が具体的な目標に向かって努力しやすくなります。また、インセンティブのコストが企業の負担とならないよう費用対効果の高い制度設計を行う必要があることも忘れないようにしてください。
インセンティブ制度のルールを明確にする
インセンティブ制度のルールを明確にすることも重要なポイントです。インセンティブの対象となる条件や評価基準を明確に設定し、社員が理解しやすいようにします。曖昧なルールを設定してしまうと、社員の不満や混乱の原因となり、モチベーションの低下や生産性の低下にもつながります。ルールを設定する際には、具体的で透明性のあるルールを設けるよう心がけましょう。
全社員に公平なインセンティブ制度にする
インセンティブ制度を導入する際には、その制度が全社員に対して公平であることを確認しましょう。不公平感があると、社員の不満が募りやすくなります。職種や部門に関係なく、公平に評価される仕組みを整えることが重要です。また、制度の透明性を確保したうえで、全ての社員に制度の目的や内容を周知徹底し、「知らなかった」というようなことが起こらないように気を付けましょう。
インセンティブ制度を導入して社員のモチベーション向上を図る
目標達成や成績に応じて報酬を渡すインセンティブ制度は、社員のモチベーションアップや生産性向上に寄与する有効な制度です。制度を取り入れる際には、公平性や透明性を意識し、社員全員が不満を持つことなく実施ができることに気を付ける必要があります。
社員の意欲を引き出し、企業の業績向上も期待できるインセンティブ制度の導入を検討してみましょう。
人事制度については、こちらの記事でさらに詳しくご説明しています。
>>人事制度とは?種類や設計方法、ポイントについて分かりやすく解説
人事評価制度については、こちらの記事でさらに詳しくご説明しています。
>>人事評価制度とは?導入する目的やメリット、設計方法について解説
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