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カスタマーサポートで代行できる業務とメリットや注意点

公開日:2025.04.25

人事ナレッジ

カスタマーサポートは、顧客満足度に直結する業務です。既存の体制では顧客に十分なサービスを提供できず、困っていらっしゃる企業も多いのではないでしょうか。カスタマーサポートが抱える主な課題として人員確保やコスト、離職率の高さなどが考えられます。

そこで活用できるのがカスタマーサポートの代行です。人材派遣を依頼したりアウトソーシングとして外注することで経験豊富なオペレーターに業務を任せられるため、より質の高いサービスの提供につながります。また、採用コストや育成のための人件費削減も期待できるでしょう。

この記事では、カスタマーサポートの業務についてご紹介すると共に、代行するメリットや代行先を選ぶ際の注意点を解説します。人材派遣会社やアウトソーシング先を選ぶポイントもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

目次

カスタマーサポートとは顧客からのお問い合わせに対応する部門の総称

カスタマーサポートとは、顧客から寄せられる質問や疑問、不安などを解決するために設置される部門の総称です。対応内容は多岐にわたり、商品やサービスを購入する段階の説明や、購入後に起こったトラブルのサポートなども手がけます。顧客が抱える悩みや不満を正しく聞き取り、状況に応じた柔軟な対応が必要なため、高いスキルが問われる仕事です。

カスタマーサポートの目的と重要性

カスタマーサポートの大きな目的は、顧客が問題なく商品やサービスを使えるように、速やかに課題解決をすることです。カスタマーサポートの対応力が低いと、顧客の要望・課題を正確に把握できません。一方、顧客に寄り添い迅速で丁寧な対応ができれば、顧客満足度向上につながるでしょう。

カスタマーサポートは、顧客と接する機会が多い業務です。そのため、カスタマーサポートの対応が、企業の印象や信頼を左右するといえます。

裏方の仕事というイメージもあるカスタマーサポートですが、近年、重要性が見直されており、対応力の向上を目指して施策を再考する企業が増えています。

カスタマーサポートとカスタマーサービスとの違い

カスタマーサービスは、顧客満足度の向上を目的とした顧客対応全般を意味する言葉です。製品購入前の相談やクレーム対応だけでなく、お問い合わせの記録や業務の改善などもカスタマーサービスに含まれます。

一方でカスタマーサポートは、顧客からのお問い合わせに対して具体的な解決策を提案する業務です。カスタマーサービスの一部であり、より一層顧客に寄り添った対応が求められるといえるでしょう。例えば製品購入後のトラブルに対するサポートやメンテナンス対応、アップグレードに関する手続きなどがカスタマーサポートに該当します。

カスタマーサポートとコールセンターとの違い

コールセンターとは、電話を軸に顧客とコミュニケーションを取る業務です。対象は多岐にわたり、既存顧客だけでなく新規や見込み客も該当します。またコールセンターの業務は、インバウンドとアウトバウンドに分類される点も特徴です。

インバウンドとは受動的な業務を意味しており、顧客からかかってきた電話に対応します。例えば、サービスの申し込みやクレームなどはインバウンド業務です。一方でアウトバウンドとは、企業側から顧客に対して電話をかけてアプローチする業務を意味し、見込み客に対するテレアポが該当します。

一方でカスタマーサポートは基本的にインバウンド業務であり、企業側からアクションを起こすことはありません。また、設置の目的もコールセンターとは大きく異なります。コールセンターは既存顧客だけでなく、見込み客や新規顧客など幅広く対応しますが、カスタマーサポートは既存顧客を対象にしたサービスです。

コールセンターのアウトソーシングについては、以下ページで詳しく解説していますのでご覧ください。
>>コールセンターをアウトソーシングするメリットと委託先の選び方を解説

カスタマーサポートの業務内容

カスタマーサポートの業務内容は、「購入前」「購入時」「購入後」などタイミングによって異なります。それぞれの業務内容は以下の通りです。

購入前
  • 商品やサービスの説明
  • 価格の説明
  • 在庫確認
  • 販売店の紹介
購入時
  • 注文方法のお問い合わせ対応
  • 注文受け付け
  • 受注時のシステム入力
購入後
  • 使用方法に関するサポート
  • インストールやセッティングのサポート
  • 返品・交換・修理受け付け
  • クレーム対応
  • 契約変更の手続き対応
その他のタイミング
  • 要望や意見の受け付け
  • 応対履歴の入力業務
  • 間接部門との連携
  • 顧客アンケート調査

カスタマーサポートの人材派遣やアウトソーシングでは、上記の業務を基本的には全般対応可能です。ただし、的確に対応するために、事前のレクチャーや教育を実施する必要があります。また電話でのお問い合わせとしてクレーム対応は行いますが、顧客のもとに出向いての対応はできないことが多いです。

カスタマーサポート部門が抱える課題

カスタマーサポート部門が抱える主な課題は以下の3つです。それぞれの課題について詳しく解説します。

業務が顧客満足度に影響する

カスタマーサポートは顧客と密接にかかわる業務であり、対応によっては顧客が離れる要因となりかねません。電話がつながりにくい状態になれば、顧客を長時間待たせてしまうため、顧客満足度が下がります。経験や実績が豊富なオペレーターを確保しても、スムーズに電話がつながらないと対応以前の段階で良くない印象を与えてしまいます。

人員の拡充が難しい

カスタマーサポートの業務は、顧客のニーズに対して柔軟で的確な対応が求められます。そのため、顧客対応や問題解決などのスキルが高い人材を確保する必要があり、採用の段階で十分に検討しなければなりません。加えて、採用後の育成にも時間やコストがかかります。

また、24時間対応やクレーム対応などハードな業務を担うイメージが強いことから、思うように人員が集まらないケースも少なくありません。

離職率が高い

人員の確保と合わせて離職率が高いことも、カスタマーサポート部門が抱える課題の一つです。カスタマーサポートでは、顧客の悩みや問題に寄り添って解決へ導きます。手続きや受注のみを手掛けるのであればマニュアル通りに進められますが、あらゆるお問い合わせに応えるためには柔軟な対応が必要です。

求められる知識量や対応範囲の広さから、過度なストレスを抱えるオペレーターも多いでしょう。その結果、身体的・精神的な負担がかかり、離職してしまう傾向にあります。

カスタマーサポートの人材派遣を依頼する3つのメリット

カスタマーサポートで人材派遣を依頼すると、以下の3つのメリットが得られます。それぞれのメリットを詳しく解説します。

コア業務に集中でき生産性向上につながる

カスタマーサポートでは電話対応をするだけではなく、対応内容の分析を踏まえた業務改善も並行する必要があります。

顧客からの基本的なお問い合わせを派遣社員が対応することで、現状の分析や対策の思案など、注力したい業務に既存社員が時間を割くことが可能です。これらの業務に集中することで円滑な業務改善につながり、生産性の向上が期待できるでしょう。

柔軟な人材配置や迅速な人材確保が可能

人材派遣を利用することで、業務量に応じて必要な時に必要な人数を確保することができます。繁忙期や特定のプロジェクト期間中に一時的に人員を増やしたい場合など、柔軟な対応が可能です。

また、人材派遣会社には多くの派遣社員がいるため、急な人員不足や新規プロジェクトの立ち上げ時にも迅速に対応できる人材を確保することができます。これにより、業務の中断や遅延を防ぐことができます。

採用コストや人件費の削減につながる

人材派遣を利用することで、採用コストを大幅に削減できます。まず、求人広告や面接などの採用プロセスを派遣会社に任せることで、時間と労力を節約できます。さらに、派遣社員は即戦力となるため、研修期間や教育コストを削減することも可能です。また、福利厚生費用は人材派遣会社が負担するため、企業の人件費を圧縮できます。これにより、採用コストを抑えて必要な人材を確保し、業務の質を高めることが可能です。

カスタマーサポートをアウトソーシングする3つのメリット

カスタマーサポートをアウトソーシングすると、以下の3つのメリットが得られます。それぞれのメリットを詳しく解説します。

24時間体制が取れる

商品やサービスによっては、24時間体制で顧客からのお問い合わせに対応する必要があります。しかし、自社でカスタマーサポート業務を行う場合、人材不足により十分な対応ができないケースも多いでしょう。

一方、カスタマーサポートをアウトソーシングすると、24時間体制で対応が可能です。時間を気にせず、いつでもお問い合わせいただける体制を整えておくと、顧客満足度の向上にもつながります。
このように、カスタマーサポートの対応力アップを目指す場合、併せて採用コストや人件費がかかります。アウトソーシングを活用すると、業務委託会社で人材の確保や育成も対応してもらえるため、採用コスト削減が可能です。

対応品質の向上を図れる

自社で人材確保ができない場合や、カスタマーサポートの体制が整っていない場合、代行を依頼した方が対応品質の向上を図れるでしょう。

特に顧客満足度に大きく影響するクレーム対応は、オペレーターの豊富な経験値や整ったカスタマーサポート体制が求められます。アウトソーシングの活用でプロのオペレーターを手配できれば、クレーム対応も安心です。

アウトソーシング先のノウハウを活用できる

カスタマーサポートは、顧客満足度向上に直結する業務であり、顧客対応や問題解決などのスキルが求められます。アウトソーシングでは、高いスキルやノウハウを持ったオペレーターに業務を任せられるため、質の高いサービスを安定して提供することが可能です。

カスタマーサポートで人材派遣を依頼する際の3つの注意点

カスタマーサポートで人材派遣を依頼する際は、以下に挙げる3つの注意点を押さえることが大切です。それぞれの注意点について詳しく解説します。

派遣期間に制限がある

人材派遣の活用には、派遣期間に制限があることを留意する必要があります。通常、同一の派遣社員を同じ部署で3年以上就業させることはできません。このため、派遣期間終了後の対応策や引継ぎ計画を事前に準備しておくことが重要です。また、派遣社員の契約更新や延長が可能かどうか、派遣会社と事前に確認しておくことも大切です。

3年ルールについて詳しい説明はこちらで解説しています。
>>派遣法の3年ルールとは?概要や対象外となるパターンなどを解説

派遣社員と定期的にコミュニケーションが必要になる

アウトソーシングとは異なり、人材派遣では直接派遣社員に業務指示をすることが可能です。そのため、他の既存社員と同様に、派遣社員との効果的なコミュニケーションは、業務の成功に不可欠です。定期的なミーティングやフィードバックの機会を設け、業務の進捗状況や課題を共有しましょう。派遣社員が自分の役割や期待される成果を明確に理解していることが重要です。また、コミュニケーションツールを活用し、日常的な連絡を円滑に行うことで、問題発生時の迅速な対応が可能となります。

具体的な業務内容の明示をしなければならない

派遣社員に対して具体的な業務内容を明示することが、スムーズな業務遂行につながります。人材派遣を依頼する際に人材派遣会社へ業務範囲や具体的なタスク、必要なスキルや経験を詳細に伝えることで、自社にマッチした人材の紹介を受けやすくなります。また、業務開始時に詳細な業務マニュアルや手順書を提供することで、派遣社員が迅速に業務に適応し、期待される成果を上げることができます。これにより、業務の効率化と品質向上が図れます。

カスタマーサポートをアウトソーシングする際の3つの注意点

カスタマーサポートをアウトソーシングする際は、以下に挙げる3つの注意点を押さえることが大切です。それぞれの注意点について詳しく解説します。

社内にノウハウが蓄積されづらい

カスタマーサポートをアウトソーシングすると、その業務に携わる機会が減るので、自社にノウハウが蓄積されにくくなります。将来的に自社でカスタマーサポートの内製化を検討している場合、既存の古いノウハウのままでは円滑に対応できません。

アウトソーシングする際は業務全体を任せきりにするのではなく、定期的に受託会社にノウハウをフィードバックしてもらい、状況を正しく把握しておくことが大切です。

受託会社と情報管理の取り決めが必要になる

カスタマーサポートのアウトソーシングでは、顧客や自社の情報を受託会社に共有する必要があります。状況によっては自社で管理する場合と比較して、情報漏えいのリスクが高くなることも考えられます。ひとたび事故が発生すると悪影響は回避できないことから、事前に情報管理に関する取り決めや検証などを受託会社と確認するとよいでしょう。

また、業務委託会社を選定する際は、セキュリティ対策の姿勢やプライバシーマークの取得について確認し、慎重に検討する必要があります。

顧客対応力が低下する恐れがある

アウトソーシングを活用すると、受託会社のオペレーターが窓口業務を担うため、自社の社員が顧客とかかわる機会が減ってしまいます。管理体制がずさんな委託先に依頼してしまうと、適切な対応ができずカスタマーサポートの品質が下がる可能性もあります。

カスタマーサポートをアウトソーシングした場合、受託会社に任せきりにするのではなく、品質確保のための工夫が必要です。

カスタマーサポートの外注先を選ぶ際のポイント

カスタマーサポートを依頼する人材派遣会社を選ぶ際のポイント

カスタマーサポートを依頼する人材派遣会社選ぶ際は、以下に挙げる3つのポイントを押さえることが大切です。それぞれのポイントについて解説します。

要件に合う人材を迅速に紹介できるか

カスタマーサポートといっても企業によって業務内容はさまざまです。また、季節変動で繁忙期が変わる企業も多いため、迅速な人材の紹介も重要です。サービス説明や契約締結のご案内など多様なカスタマーサポートの経験を持つ登録スタッフが豊富に在籍し、精度の高いマッチングシステムを持つ派遣会社を選びましょう。また、業界に精通した営業担当者かどうかも確認ポイントです。初回の商談時に、どの程度の期間で人材を紹介できるかを確認し、企業のニーズに迅速に対応できる体制が整っている派遣会社を選ぶことが重要です。

柔軟な対応力

業務量の変動や緊急の人材ニーズに迅速かつ柔軟に対応できる人材派遣会社を選びましょう。繁忙期や急な欠員対応など、企業の状況に応じてすぐに適切な人材を派遣できる体制が整っていることが重要です。人材派遣会社の対応力を確認するために、過去の活用事例などを参考にすると良いでしょう。柔軟な対応力が高い会社は、急なトラブルにも迅速に対応してくれます。

フォローアップ体制

人材派遣会社を選ぶ際は、フォローアップ体制が整っているかどうかも重要なポイントです。派遣社員のモチベーションは、派遣先企業の労働環境だけでなく、人材派遣会社との関係性にも大きく左右されます。人材派遣会社のサポートが充実していれば、派遣社員が安心して業務に取り組める環境を整えられます。

フォローアップ体制の整った人材派遣会社を選ぶために、担当者の対応力やサポート内容について、以下の点を参考にしましょう。

  • 派遣社員一人ひとりに担当者がつき、きめ細やかなサポートを提供しているか
  • 担当者が定期的に訪問や面談を行い、派遣社員の状況を把握しているか
  • 悩みや相談に対応する窓口が設けられているか
  • 派遣社員がスムーズに業務に取り組めるよう、サポート体制が構築されているか

人材派遣会社の選び方について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
>>人材派遣会社の選び方|企業がよりよい選択をするための5つのポイントとは?

カスタマーサポートの外注先を選ぶ際のポイント

カスタマーサポートの外注先を選ぶ際は、以下に挙げる3つのポイントを押さえることが大切です。それぞれのポイントについて解説します。

代行できる業務内容と対応時間

カスタマーサポートの代行と一括りにしても、外注先によって対応できる業務内容が異なります。特に24時間体制を希望する場合、対応可能な時間や夜間・休日の対応などを確認しておくことが大切です。外注先を選ぶ前に、自社の課題や希望を洗い出し、条件に見合った委託先を選ぶとよいでしょう。

セキュリティ面の強さ

アウトソーシングを活用するのであれば、セキュリティ対策も押さえておく必要があります。カスタマーサポートでは、顧客の個人情報を取り扱うことが多く、万が一情報漏えいが起これば訴訟問題に発展しかねません。

安心して代行を依頼するために、セキュリティ対策や有事の際の対応方法などを、明確に示している外注先を選ぶことが大切です。

対応品質や実績

カスタマーサポートは、企業のイメージに直結する重要な業務です。カスタマーサポートに特化した外注先に代行を依頼したとしても、オペレーターのスキルが低ければ対応品質が下がる可能性があります。外注先によって、得意とする業種が異なる点にも注意が必要です。

外注先を選ぶ際は対応品質の確認と並行して、同業種もしくは同業界の実績があるかどうかも確認しておくとよいでしょう。

カスタマーサポート代行の費用相場

カスタマーサポート代行にかかる費用は、業務委託会社によってさまざまです。主な費用形態は、月額固定型と従量課金型の2パターンに分類されます。それぞれの費用相場について解説します。

月額固定型

月額固定型とは、毎月決まった金額を支払う形態です。一般的には、月のコール数の上限が定められており、範囲内であれば定額料金で活用できます。月額固定性の相場は、依頼する業務内容によって異なりますが、1ヶ月で2~8万円程度です。

ただし、月額固定型の場合、上限を超えると追加料金が発生します。契約時に上限を確認して、範囲内に収まるようであれば比較的リーズナブルに活用できるでしょう。

従量課金型

従量課金型とは、コール数に応じて毎月の費用が決まる仕組みです。1コールあたり300円前後が相場となっており、1ヶ月に使用するコール数が少ない企業であれば、低予算で活用できる可能性があります。ただし、365日24時間体制を希望する場合、深夜や土日の対応は別途料金がかかるケースが多いです。

このように、業務委託会社によって料金体制が異なるため、委託を希望する業務内容やコール数を踏まえた上で比較検討するとよいでしょう。

パーソルテンプスタッフでは、ご依頼いただく業務内容に合わせて都度見積りさせていただきます。

カスタマーサポートの人材派遣や業務委託はパーソルテンプスタッフへ

カスタマーサポート業務を人材派遣に依頼やアウトソーシングすると、繁忙期を問わず対応品質を保ちやすくなります。また採用コストや育成にかける人件費の削減も期待できます。

パーソルテンプスタッフでは、カスタマーサポートに特化した人材派遣サービスや業務委託もご提案が可能です。カスタマーサポートでのお困りのごとやご相談がありましたらぜひお気軽にお問い合わせください。

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