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カスタマーサポートで代行できる業務と外注先を選ぶポイント

公開日:2023.06.26

更新日:2024.04.26

人事ナレッジ

カスタマーサポートは、顧客満足度に直結する業務です。既存の体制では顧客に十分なサービスを提供できず、困っていらっしゃる企業も多いのではないでしょうか。カスタマーサポートが抱える主な課題として人員確保やコスト、離職率の高さなどが考えられます。

そこで活用できるのがカスタマーサポートの代行です。外注することで経験豊富なオペレーターに業務を任せられるため、より質の高いサービスの提供につながります。また、採用コストや育成のための人件費削減も期待できるでしょう。

この記事では、カスタマーサポートの業務についてご紹介すると共に、代行するメリットや代行先を選ぶ際の注意点を解説します。アウトソーシング先を選ぶポイントもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

カスタマーサポートとは顧客からのお問い合わせに対応する部門の総称

カスタマーサポートとは、顧客から寄せられる質問や疑問、不安などを解決するために設置される部門の総称です。対応内容は多岐にわたり、商品やサービスを購入する段階の説明や、購入後に起こったトラブルのサポートなども手がけます。顧客が抱える悩みや不満を正しく聞き取り、状況に応じた柔軟な対応が必要なため、高いスキルが問われる仕事です。

カスタマーサポートの目的と重要性

カスタマーサポートの大きな目的は、顧客が問題なく商品やサービスを使えるように、速やかに課題解決をすることです。カスタマーサポートの対応力が低いと、顧客の要望・課題を正確に把握できません。一方、顧客に寄り添い迅速で丁寧な対応ができれば、顧客満足度向上につながるでしょう。

カスタマーサポートは、顧客と接する機会が多い業務です。そのため、カスタマーサポートの対応が、企業の印象や信頼を左右すると言えます。

裏方の仕事というイメージもあるカスタマーサポートですが、近年、重要性が見直されており、対応力の向上を目指して施策を再考する企業が増えています。


カスタマーサポートとカスタマーサービスとの違い

カスタマーサービスは、顧客満足度の向上を目的とした顧客対応全般を意味する言葉です。製品購入前の相談やクレーム対応だけでなく、お問い合わせの記録や業務の改善などもカスタマーサービスに含まれます。

一方でカスタマーサポートは、顧客からのお問い合わせに対して具体的な解決策を提案する業務です。カスタマーサービスの一部であり、より一層顧客に寄り添った対応が求められるといえるでしょう。例えば製品購入後のトラブルに対するサポートやメンテナンス対応、アップグレードに関する手続きなどがカスタマーサポートに該当します。


カスタマーサポートとコールセンターとの違い

コールセンターとは、電話を軸に顧客とコミュニケーションを取る業務です。対象は多岐にわたり、既存顧客だけでなく新規や見込客も該当します。またコールセンターの業務は、インバウンドとアウトバウンドに分類される点も特徴です。

インバウンドとは受動的な業務を意味しており、顧客からかかってきた電話に対応します。例えば、サービスの申し込みやクレームなどはインバウンド業務です。一方でアウトバウンドとは、企業側から顧客に対して電話をかけてアプローチする業務を意味し、見込み客に対するテレアポが該当します。

一方でカスタマーサポートは基本的にインバウンド業務であり、企業側からアクションを起こすことはありません。また、設置の目的もコールセンターとは大きく異なります。コールセンターは既存顧客だけでなく、見込み客や新規顧客など幅広く対応しますが、カスタマーサポートは既存顧客を対象にしたサービスです。

コールセンターのアウトソーシングについては、以下ページで詳しく解説していますのでご覧ください。
>>コールセンターをアウトソーシングするメリットと委託先の選び方を解説

アウトソーシングについては、こちらの記事で詳しくご説明しています。
>>【わかりやすく解説】アウトソーシングとは?活用方法と派遣との違い


カスタマーサポートの業務内容

カスタマーサポートの業務内容は、「購入前」「購入時」「購入後」などタイミングによって異なります。それぞれの業務内容は以下の通りです。

購入前 ・商品やサービスの説明
・価格の説明
・在庫確認
・販売店の紹介
購入時 ・注文方法のお問い合わせ対応
・注文受け付け
・受注時のシステム入力
購入後 ・使用方法に関するサポート
・インストールやセッティングのサポート
・返品・交換・修理受け付け
・クレーム対応
・契約変更の手続き対応
その他のタイミング ・要望や意見の受け付け
・応対履歴の入力業務
・間接部門との連携
・顧客アンケート調査

カスタマーサポート代行では、上記の業務を全般的に実施可能です。ただし、的確に対応するために、事前のレクチャーや教育を実施する必要があります。また電話お問い合わせとしてのクレーム対応は行いますが、顧客のもとに出向いての対応は含まれません。

カスタマーサポート部門が抱える課題

カスタマーサポート部門が抱える主な課題は以下の3つです。それぞれの課題について詳しく解説します。

業務が顧客満足度に影響する

カスタマーサポートは顧客と密接にかかわる業務であり、対応によっては顧客が離れる要因となりかねません。電話がつながりにくい状態になれば、顧客を長時間待たせてしまうため、顧客満足度が下がります。経験や実績が豊富なオペレーターを確保しても、スムーズに電話がつながらないと対応以前の段階でよくない印象を与えてしまいます。


人員の拡充が難しい

カスタマーサポートの業務は、顧客のニーズに対して柔軟で的確な対応が求められます。そのため、顧客対応や問題解決などのスキルが高い人材を確保する必要があり、採用の段階で十分に検討しなければなりません。加えて、採用後の育成にも時間やコストがかかります。

また、24時間対応やクレーム対応などハードな業務を担うイメージが強いことから、思うように人員が集まらないケースも少なくありません。


離職率が高い

人員の確保と合わせて離職率が高いことも、カスタマーサポート部門が抱える課題の一つです。カスタマーサポートでは、顧客の悩みや問題に寄り添って解決へ導きます。手続きや受注のみを手掛けるのであればマニュアル通りに進められますが、あらゆるお問い合わせに応えるためには柔軟な対応が必要です。

求められる知識量や対応範囲の広さから、過度なストレスを抱えるオペレーターも多いでしょう。その結果、身体的・精神的な負担がかかり、離職してしまう傾向にあります。

カスタマーサポートをアウトソーシングする5つのメリット

カスタマーサポートをアウトソーシングすると、以下の5つのメリットが得られます。それぞれのメリットを詳しく解説します。

対応品質の向上を図れる

カスタマーサポートをアウトソーシングすると、対応スキルの高いオペレーターに業務を任せられます。自社で人材確保ができない場合や、カスタマーサポートの体制が整っていない場合、代行を依頼した方が対応品質の向上を図れるでしょう。

特に顧客満足度に大きく影響するクレーム対応は、オペレーターの豊富な経験値が求められます。アウトソーシングの活用でプロのオペレーターを手配できれば、クレーム対応も安心です。


24時間体制が取れる

商品やサービスによっては、24時間体制で顧客からのお問い合わせに対応する必要があります。しかし、自社でカスタマーサポート業務を行う場合、人材不足により十分な対応ができないケースも多いでしょう。

一方、カスタマーサポートをアウトソーシングすると、24時間体制で対応が可能です。時間を気にせず、いつでもお問い合わせいただける体制を作っておくと、顧客満足度の向上にもつながります。


コア業務に集中でき生産性向上につながる

カスタマーサポートでは電話対応をするだけではなく、対応内容の分析を踏まえた業務改善も並行する必要があります。

顧客からの基本的なお問い合わせ対応を外注することで、現状の分析や対策の思案など、注力したい業務に時間を割くことが可能です。これらの業務に集中することで円滑な業務改善につながり、生産性の向上が期待できるでしょう。


採用コストや人件費の削減につながる

対応力のあるカスタマーサポートにするためには、実績のあるオペレーターを採用する必要があります。並行して、既存のオペレーターの育成・研修も大切です。その他、24時間体制で窓口を設ける場合、オペレーターの人数を十分に確保する必要があるでしょう。

このように、カスタマーサポートの対応力アップを目指す場合、併せて採用コストや人件費がかかります。アウトソーシングを活用すると、業務委託会社で人材の確保や育成も対応してもらえるため、採用コスト削減が可能です。さらに、24時間体制に対応した委託先を選べば、人件費削減にもつながるでしょう。


アウトソーシング先のノウハウを活用できる

カスタマーサポートは、顧客満足度向上に直結する業務であり、顧客対応や問題解決などのスキルが求められます。アウトソーシングでは、高いスキルやノウハウを持ったオペレーターに業務を任せられるため、質の高いサービスを安定して提供することが可能です。


カスタマーサポートをアウトソーシングする際の3つの注意点

カスタマーサポートをアウトソーシングする際は、以下に挙げる3つの注意点を押さえることが大切です。それぞれの注意点について詳しく解説します。

社内にノウハウが蓄積されづらい

カスタマーサポートをアウトソーシングすると、その業務に携わる機会が減るので、自社にノウハウが蓄積されにくくなります。将来的に自社でカスタマーサポートの内製化を検討している場合、既存の古いノウハウのままでは円滑に対応できません。

アウトソーシングする際は業務全体を任せきりにするのではなく、定期的に受託会社にノウハウをフィードバックしてもらい、状況を正しく把握しておくことが大切です。


受託会社と情報管理の取り決めが必要になる

カスタマーサポートのアウトソーシングでは、顧客や自社の情報を受託会社に共有する必要があります。状況によっては自社で管理する場合と比較して、情報漏えいのリスクが高くなることも考えられます。ひとたび事故が発生すると悪影響は回避できないことから、事前に情報管理に関する取り決めや検証などを受託会社と確認するとよいでしょう。

また、業務委託会社を選定する際は、セキュリティ対策の姿勢やプライバシーマークの取得について確認し、慎重に検討する必要があります。


顧客対応力が低下する恐れがある

アウトソーシングを活用すると、受託会社のオペレーターが窓口業務を担うため、自社の社員が顧客とかかわる機会が減ってしまいます。管理体制がずさんな委託先に依頼してしまうと、適切な対応ができずカスタマーサポートの品質が下がる可能性もあります。

カスタマーサポートをアウトソーシングした場合、受託会社に任せきりにするのではなく、品質確保のための工夫が必要です。

カスタマーサポートの外注先を選ぶ際のポイント

カスタマーサポートの外注先を選ぶ際のポイント

カスタマーサポートの外注先を選ぶ際は、以下に挙げる4つのポイントを押さえることが大切です。それぞれのポイントについて解説します。

代行できる業務内容と対応時間

カスタマーサポートの代行と一括りにしても、外注先によって対応できる業務内容が異なります。特に24時間体制を希望する場合、対応可能な時間や夜間・休日の対応などを確認しておくことが大切です。外注先を選ぶ前に、自社の課題や希望を洗い出し、条件に見合った委託先を選ぶとよいでしょう。


セキュリティ面の強さ

アウトソーシングを活用するのであれば、セキュリティ対策も押さえておく必要があります。カスタマーサポートでは、顧客の個人情報を取り扱うことが多く、万が一情報漏えいが起これば訴訟問題に発展しかねません。

安心して代行を依頼するために、セキュリティ対策や有事の際の対応方法などを、明確に示している外注先を選ぶことが大切です。


対応品質や実績

カスタマーサポートは、企業のイメージに直結する重要な業務です。カスタマーサポートに特化した外注先に代行を依頼したとしても、オペレーターのスキルが低ければ対応品質が下がる可能性があります。外注先によって、得意とする業種が異なる点にも注意が必要です。

外注先を選ぶ際は対応品質の確認と並行して、同業種もしくは同業界の実績があるかどうかも確認しておくとよいでしょう。


柔軟性、組織への理解

カスタマーサポートをアウトソーシングする際は、事前に現在の業務を可視化することが大切です。その上で、外注する業務と自社で賄える業務を判断してくれる外注先に依頼すると、より効果的にアウトソーシングを活用できます。

自社に対する理解度も重要なポイントです。自社と同じ目線に立って、業務効率や生産性の向上につながるサポートをしてくれる外注先を選ぶとよいでしょう。なお、担当者によって提案の質やコミュニケーションスキルが異なる点も注意が必要です。契約をする前に、レスポンスの速さや正確性などを確認しておくと安心して依頼できます。

カスタマーサポート代行の費用相場

カスタマーサポート代行にかかる費用は、業務委託会社によってさまざまです。主な費用形態は、月額固定型と従量課金型の2パターンに分類されます。それぞれの費用相場について解説します。

月額固定型

月額固定型とは、毎月決まった金額を支払う形態です。一般的には、月のコール数の上限が定められており、範囲内であれば定額料金で活用できます。月額固定性の相場は、依頼する業務内容によって異なりますが、1ヶ月で2?8万円程度です。

ただし、月額固定型の場合、上限を超えると追加料金が発生します。契約時に上限を確認して、範囲内に収まるようであれば比較的リーズナブルに活用できるでしょう。


従量課金型

従量課金型とは、コール数に応じて毎月の費用が決まる仕組みです。1コールあたり300円前後が相場となっており、1ヶ月に使用するコール数が少ない企業であれば、低予算で活用できる可能性があります。ただし、365日24時間体制を希望する場合、深夜や土日の対応は別途料金がかかるケースが多いです。

このように、業務委託会社によって料金体制が異なるため、委託を希望する業務内容やコール数を踏まえた上で比較検討するとよいでしょう。

パーソルテンプスタッフでは、ご依頼いただく業務内容に合わせて都度お見積りさせていただきます。お見積りをご希望の方は別途お問い合わせください。

カスタマーサポートの業務委託はパーソルテンプスタッフへ

カスタマーサポート業務をアウトソーシングすると、繁閑の差を問わず対応品質を保ちやすくなります。また採用コストや育成にかける人件費の削減も期待できます。

しかし、カスタマーサポート業務は顧客の個人情報を取り扱うため、情報漏えいのリスクに備えなければなりません。トラブルを避けるためには、セキュリティ体制が整った業務委託会社を選ぶ必要があります。注意点を考慮しつつ、アウトソーシングを効果的に活用するためには、自社の課題に対して理解度が高い委託先を選ぶことが大切です。

私たちパーソルテンプスタッフでは、多くのお客さまに選択いただいております。その理由の一つとして、人材企業としての豊富な実績から得たナレッジをもとに、お客さまが目標とするサービス品質と現状の課題を丁寧にヒアリングすることが挙げられます。

また業務構築のプロフェッショナルの視点で、業務の「効率化と品質向上」が実現可能です。さらにオンサイト・オフサイトを含むロケーションも組み合わせ、高品質な運用によってお客さまに価値を提供しております。カスタマーサポートの導入でお困りのことやご相談がありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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