HRナレッジライン
カテゴリ一覧
人材派遣会社の選び方|企業がよりよい選択をするための5つのポイントとは?
- 記事をシェアする

人材派遣の活用には、人材不足の解消だけでなく、採用のコストや労務管理の負担軽減など、派遣先企業に多くのメリットがあります。これらのメリットを最大限に享受するためには、自社のニーズに合った人材派遣会社を選ぶことが重要です。
そこでこの記事では、人材派遣会社の選び方のポイントを5つご紹介します。また、人材派遣を依頼する際に派遣先企業側が人材派遣会社に伝えるべき情報や、契約から就業開始までの流れもご紹介します。人材派遣会社を探している企業のご担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
目次
派遣契約の種類と特徴
人材派遣といっても、派遣社員の雇用期間や派遣先企業への直接雇用を前提としているかどうかで違いがあります。そのため、希望する派遣契約の内容を理解してどの形で派遣社員を受け入れるかを決定しなければなりません。
派遣先企業が利用する主な派遣契約には、以下の3つがあります。
- 有期雇用派遣(登録型派遣)
- 無期雇用派遣(常用型派遣)
- 紹介予定派遣
それぞれの特徴を詳しく説明します。
有期雇用派遣(登録型派遣)
有期雇用派遣は、人材が人材派遣会社に登録して、派遣先企業で就業する期間のみ雇用関係を結び、人材派遣会社から紹介された派遣先企業で業務を行います。このとき人材と人材派遣会社との雇用契約は有期契約であり、派遣先企業の同一の組織単位で最長3年までと定められています。
有期雇用派遣についてはこちらで詳しく記載しています。ご参照ください。
>>有期雇用派遣とは?無期雇用派遣との違いを分かりやすく解説
無期雇用派遣(常用型派遣)
無期雇用派遣は、人材派遣会社に常用雇用されている派遣社員を派遣する形を指します。常用型派遣において、人材派遣会社と派遣社員は無期限の雇用契約を結んでおり、派遣先がない期間も人材派遣会社から給与が支払われます。
有期雇用派遣と異なり、派遣先の同一部署(同一の組織単位)への派遣可能期間を3年に制限する、いわゆる「3年ルール」は適用されません。そのため3年を超えて同じ企業、同じ部署ではたらき続けることが可能です。
無期雇用派遣についてはこちらで詳しく記載しています。ご参照ください。
>>常用型派遣(無期雇用派遣)活用のメリット、登録型派遣との違いを解説
紹介予定派遣
紹介予定派遣とは、派遣先企業への直接雇用を前提として、派遣社員を最長6ヶ月派遣する仕組みのことです。派遣契約が満了するタイミングで双方に直接雇用の意思があるかを確認し、合意した場合、人材派遣から人材紹介に切り替えることができます。
紹介予定派遣では、派遣社員を直接雇用する際に紹介手数料がかかりますが、実際の業務を通じて能力や適性を見極められるため、ミスマッチを防ぎ、適切な人材を採用できるというメリットがあります。
紹介予定派遣についてはこちらで詳しく記載しています。ご参照ください。
>>紹介予定派遣とは?仕組みやメリット、通常の派遣との違いまで解説
派遣社員の受け入れに関する法的制限
有期雇用派遣や無期雇用派遣において、派遣先企業が派遣社員を選考することは「特定行為」として禁止されています。
これは、派遣社員が人材派遣会社と雇用関係にあり、派遣先企業は指揮命令者としての立場であるため、派遣先企業が採用に関与することを制限し、派遣社員の雇用を安定させるための措置です。
派遣社員の選考は、派遣社員と雇用関係にある人材派遣会社が、企業の依頼内容や要望を踏まえて行います。
また、派遣社員の希望により派遣先企業で実施する職場見学では、派遣社員が就業する上での疑問や不安を解消することを目的に行われます。職場見学は派遣先企業による面接や選考の場ではないため、誤解のないよう留意が必要です。
人材派遣会社の選び方|派遣先企業側の視点で大切な5つポイント
自社のニーズにあった派遣社員を受け入れるには、最適な人材派遣会社を選ぶことが重要です。
人材派遣会社の選定を誤ると、人材のミスマッチが起こりやすくなります。その結果、担当者の負担増加など、さまざまな問題が発生する可能性があります。
そこで、人材派遣会社を選ぶ際には、派遣先企業側は以下の5つのポイントを確認しましょう。
- 総合型と特化型のどちらがよいか
- 自社エリアに対して充実したサービスを提供しているか
- 要件に合う人材を迅速に紹介できるか
- フォローアップ体制が整っているか
- 法令を遵守しているか
それぞれのポイントについて詳しく解説します。
1.総合型と特化型のどちらがよいか
人材派遣会社には、幅広い業種・職種に対応する総合型と、特定の業種・職種に特化した特化型があり、これは人材派遣会社のサービスページなどから確認できます。
総合型は比較的大手の人材派遣会社に多く、事務、販売、製造、物流、医療、介護など、幅広い業界のニーズに対応しています。
登録スタッフ数も多いので、即時に人材が必要な場合や、さまざまな分野から人材を探したい場合は、まず総合型に依頼するのがよいでしょう。
一方、特化型は、人材派遣会社の中に専門部門を設けていたり、企業の子会社としてある分野(職種や地域)に特化して派遣事業を行っていたりすることが多く、特定の領域に強みを持っています。例えば、建築設計業が母体の人材派遣会社がCADオペレーターに特化した部門を設けている場合や、IT企業がエンジニアに特化した派遣部門を運営しているケースがあります。また、地域に密着している人材派遣会社もあります。
特定の分野の人材を探す際は、特化型に依頼するのがよいでしょう。ただし、特化型は登録スタッフが少ない場合もあります。特化型に依頼する際は、希望する人材の紹介が可能かどうか、事前に確認しておくとよいでしょう。
2.自社エリアに対して充実したサービスを提供しているか
人材派遣会社によって、サービスの提供エリアや拠点の数は異なります。
大手人材派遣会社は、全国に多くの拠点を持ち、広範囲で人材派遣サービスを提供しています。豊富な登録スタッフを活かした、全国規模の人材ネットワークが強みです。
対して、地域密着型の人材派遣会社は、工業地帯では製造業、観光地ではサービス業など、その地域に応じたサービスを展開する傾向があります。
派遣先企業は、人材派遣会社の対応エリアが自社のエリアをカバーしているか、求める人材を紹介できる体制があるかを確認する必要があります。
3.要件に合う人材を迅速に紹介できるか
季節変動によって人材ニーズが頻繁に変わる、短期間のプロジェクトを多く扱う派遣先企業にとって、要件に合う人材を迅速に確保できるかは非常に重要です。初回の商談時に、どれくらいの期間で人材を紹介してもらえるか確認しておきましょう。
すぐに人材を紹介できる人材派遣会社には、次のような特徴があります。
- 多様なスキルや経験を持つ登録スタッフが在籍している
- 精度の高いマッチングプラットフォームを構築している
- 業界・業種に精通した営業担当者がいる
これらの特徴を持つ人材派遣会社であれば、必要な人材を適切なタイミングで紹介してもらうことができます。
4.フォローアップ体制が整っているか
人材派遣会社を選ぶ際は、フォローアップ体制が整っているかどうかも重要なポイントです。
派遣社員のモチベーションは、派遣先企業の労働環境だけでなく、人材派遣会社との関係性にも大きく左右されます。人材派遣会社のサポートが充実していれば、派遣社員が安心して業務に取り組める環境を整えられます。
フォローアップ体制の整った人材派遣会社を選ぶために、担当者の対応力やサポート内容について、以下の点を参考にしましょう。
- 派遣社員一人ひとりに担当者がつき、きめ細やかなサポートを提供しているか
- 担当者が定期的に訪問や面談を行い、派遣社員の状況を把握しているか
- 悩みや相談に対応する窓口が設けられているか
- 派遣社員がスムーズに業務に取り組めるよう、サポート体制が構築されているか
5.法令を遵守しているか
人材派遣会社が労働者派遣法などの法令を遵守する体制が整っているかを確認しましょう。
労働者派遣事業を行うには、「派」から始まる2桁・6桁の事業許可番号が必要です。人材派遣会社のホームページや契約書に番号が記載されていれば、許可を得ていると判断できます。
また、優良派遣事業者認定制度に登録されているかを確認するのもよいでしょう。この制度は、人材派遣会社が法令を遵守し、派遣社員の待遇改善に積極的に取り組んでいることを示すものです。
派遣先企業側が人材派遣会社へ依頼するときに伝えるべき情報とは
人材派遣会社に人材を依頼する際には、曖昧な表現は避け、明確な条件を共有することで、派遣スタッフの紹介が可能になります。
項目 | 説明 |
---|---|
業務内容の詳細 |
|
就業条件 | 勤務時間や休日など、就業条件を正確に伝える。 |
求める人物像 |
|
職場の雰囲気 |
|
人材派遣を依頼する方法についてはこちらで詳しく記載しています。ご参照ください。
>>人材派遣を依頼する方法とは?流れやポイントをご紹介
自社に最適な人材派遣会社を選び、人材派遣を活用しよう
人材不足は多くの派遣先企業にとって深刻な課題です。人材派遣の活用は、急な欠員や繁忙期に対応できるだけでなく、採用のコストや労務管理の負担軽減など、派遣先企業に多くのメリットをもたらします。
しかし、派遣先企業は派遣社員の選考に直接関われないため、人材派遣会社選びが何より重要です。
自社に最適な人材派遣会社を選ぶポイントは、以下の通りです。
- 総合型か特化型か
- 対応エリア
- 人材を迅速に紹介できるか
- フォローアップ体制
- 法令遵守と労務管理体制
これらのポイントを参考に、自社に最適な人材派遣会社を選びましょう。
パーソルテンプスタッフは、お客さまの課題を解決する最適な人材を、豊富な登録スタッフの中から迅速にご紹介します。
専任の担当者が、採用から就業後のフォローまで、きめ細やかにサポート。採用コストの削減、欠員の補完、コア業務への集中などあらゆるニーズにお応えし、お客さまの業務効率化と生産性向上に貢献します。
万全のコンプライアンス体制と徹底したスタッフ教育で、お客さまに安心・安全、そして信頼できる人材サービスをご提供します。
- 記事をシェアする