HRナレッジライン

カテゴリ一覧

【企業向け】派遣社員と契約社員の違いとは?メリットや留意点を解説

公開日:2025.06.12

更新日:2026.01.30

人事ナレッジ

企業が新たに人材を採用する場合の雇用形態としては、正社員やパート、アルバイトだけでなく、派遣社員や契約社員という選択肢もあります。

「私たちの会社や業務にはどのような人材がマッチするのか?」
「自分に合ったはたらき方にはどういうものがあるのだろうか?」

人材を採用したい企業の担当者、はたらく立場、それぞれにこのような悩みを抱えている人は多いでしょう。

多様な雇用形態があることや、それぞれの特徴を理解した上で、人材募集をしたり、求職活動をすれば、企業にとっては求める人材を採用でき、はたらく人もワークライフバランスを実現できます。

そこで本記事では、派遣社員と契約社員の基本的な内容と違いや、企業とはたらく人、それぞれのメリットや留意点を分かりやすく解説します。

派遣社員と契約社員の違いとは?

派遣社員と契約社員の大きな違いは、「誰に雇用されるか」と「いつまでその会社ではたらけるか」の2点です。

派遣社員 契約社員
雇用主 人材派遣会社(派遣元) 就業する会社
雇用期間 同一部署で最長3年 1度の契約で最長3年 (更新は可能)

派遣社員とは

人材派遣とは

派遣社員は人材派遣会社に雇用され、派遣先である企業に派遣されます。仕事の手順や残業などの管理(指揮命令)は、派遣先企業から受けますが、労働契約に関しては直接雇用でないことが大きな特徴です。

派遣社員には「3年ルール」があり、派遣先企業の事業所で派遣社員を受け入れられる期間と、同一の組織単位(課やグループなど)で同一の派遣社員を受け入れられる期間には、それぞれ3年の上限があります。

派遣先の事業所で3年を超えて派遣社員を受け入れるには、派遣先の過半数労働組合等への意見聴取を行う必要があります。

契約社員とは

契約社員は、企業に雇用され、その会社の社員として期限付きではたらきます(有期雇用)。

一般的な正社員との大きな違いは、契約期間の定めがあるかどうかです。正社員の場合は期限の定めがない雇用形態(無期雇用)のため、基本的には定年まではたらけますが、契約社員の場合は、3年を上限に数ヶ月から1年という期間で契約し、更新を繰り返します。1回あたりの契約期間の上限は原則として3年ですが、在籍期間や更新回数、年数などの上限はなく、更新が続けられる限りその会社ではたらくことができます。

また、同一の使用者との間で通算5年を超える契約更新を重ねた場合、労働者の申し込みにより無期労働契約に転換することが可能となっています。

契約社員という呼び名に法律上の定義はなく、会社によっては臨時社員、嘱託社員などと呼ばれているケースもあります。

※出典:厚生労働省「無期転換ルールについて

派遣社員の受け入れや、受け入れ期間の制限については以下の記事で詳しく解説しています。あわせてお読みください。
>>派遣社員の受け入れとは?初日に必要な準備や留意点について

派遣社員のメリットや留意点

派遣社員というはたらき方について、派遣先企業と派遣社員、それぞれの目線からメリットと留意点を解説します。

【企業側】人材派遣を活用するメリット

人材派遣を活用するメリットは主に以下の3点です。

  • 必要なときに、必要な期間だけ活用できる
  • 即戦力となる人材を確保できる
  • 労務管理の負担を軽減できる

必要なときに、必要な期間だけ活用できる

人材派遣は会社の繁閑に合わせて活用できます。新規プロジェクトの立ち上げで人材が不足している部署に補てんする、育休に入った社員に代わってはたらいてもらう、繁忙期の数ヶ月だけ来てもらう、といった選択肢があります。

即戦力となる人材を確保できる

人材派遣会社が経験やスキル、業務適性を確認し、必要な教育訓練をおこなった上で企業に派遣するため、業務に必要な人材をタイムリーに確保できます。

人材育成にリソースが割けない企業でも安心して仕事を任せることができます。

労務管理の負担を軽減できる

社員を1人採用すると、社会保険に関する書類の作成・提出、入社時の教育訓練、健康診断、毎月支払う給与の計算と、さまざまな作業が発生します。

しかし、人材派遣を活用すれば、労務管理の多くを人材派遣会社が行います。人材派遣会社が負担する社会保険料や健康診断の費用、派遣会社社員の人件費などのマージンを支払う必要があるため、金額だけを見ると割高に感じますが、入社・退社時の行政手続き、毎月の給与計算、年末調整といった人事労務の工数を抑えられるメリットがあります。

【企業側】人材派遣を活用する場合の留意点

企業で活用する場合の留意点は主に以下の2点です。

  • 法律や契約、コンプライアンスに関する留意点
  • マネジメント・運用に関する留意点

法律や契約、コンプライアンスに関する留意点

人材派遣会社に対して、誰を企業に派遣するかを特定するのは禁止されています。企業は、配属前の履歴書のチェックや面談など、実質的な選考を行うことは認められていません。

自社に派遣された派遣社員をさらに別の会社に派遣する「二重派遣」も禁止されています。事業所単位、個人単位それぞれの派遣期間を制限した3年ルールについても事前に確認しましょう。

なお、食堂や休憩室、更衣室などの施設を派遣社員だからという理由だけで利用を禁止した場合は、法令違反となります。

人材派遣を活用するメリットや、ルールについては以下の記事でも解説しています。あわせてお読みください。
>>人材派遣とは?他サービスとの違いやメリット、選ぶ際のポイントを紹介
>>派遣の3年ルールとは?例外や3年を超える場合の手続きを解説

マネジメント・運用に関する留意点

派遣社員に対する指揮命令権は派遣先企業にあります。業務の範囲や内容を明確にするためにも、誰が派遣社員に対して業務の指示を出すのかを明確にしましょう。労働者派遣個別契約書にも業務内容については記載しますが、受け入れる際にはさらに詳細に業務の範囲を決めます。

【社員側】派遣社員としてはたらくメリット

派遣社員としてはたらくメリットには次のようなものがあります。

  • ライフスタイルに合わせてはたらける
  • 人材派遣会社のサポートを受けられる
  • 専門スキルに特化した業務ができる

ライフスタイルに合わせてはたらける

勤務時間や勤務日数、仕事内容など、自分の希望に合わせて仕事を選ぶことができます。

派遣社員一人ひとりの条件を明記した労働者派遣個別契約書で就業場所や業務内容が明確に定められているため、育児や介護、副業などとの両立など、ライフスタイルに合わせてはたらくことができます。

人材派遣会社のサポートを受けられる

自分の希望や、経験・スキルとマッチした仕事の紹介だけではなく、就業開始後のお困りごとや悩みごとを担当者に相談することができ、派遣先企業との間に立って解決まで伴走してくれます。

また、人材派遣会社によっては、研修などのキャリアアップのためのサポートを受けられる場合があります。

専門スキルに特化した業務ができる

業務内容が決められていることは、特定の業務に特化してはたらきたい人には大きなメリットです。自身のこれまでの経験やスキルを活かすことができ、専門スキルが必要な業務の場合には、高い水準の給与が期待できます。

※参考:厚生労働省「労働契約期間の上限について

【社員側】派遣社員としてはたらく場合の留意点

派遣社員は、数ヶ月ごと(3ヶ月ごとなど)の契約更新を繰り返し、最長でも3年を迎えたら、同一の就業先での契約は終了となります。直接雇用の社員とは異なり、期間制限があることに注意が必要です。

※参考:厚生労働省「労働契約期間の上限について

契約社員のメリットや留意点

続いて、契約社員について、メリットや留意点についてご紹介します。

【企業側】契約社員を採用するメリット

企業が契約社員を採用するメリットとしては以下のようなものが考えられます。

  • プロジェクト単位で採用ができる
  • 自社で選考ができる
  • 長期的な人材育成を行うことも可能

プロジェクト単位で採用ができる

契約社員はプロジェクト単位で採用することができるため、必要な期間、一時的な雇用が可能です。

自社で選考ができる

派遣社員を活用する際との大きな違いが、自社で人材を選考できる点です。自社の社員が面接官や試験官となり採用を検討します。入社希望者と直接やり取りをし、スキルや人物像を確認した上で採用することができます。

長期的な人材育成を行うことも可能

正社員登用制度を設けたり、契約期間を定めない無期雇用に切り替えたりすることで、長期的な目線で人材育成を行うことも可能です。

【企業側】契約社員を採用する場合の留意点

契約社員は有期雇用の労働者であるため、契約期間の満了によって労働契約は自動的に終了します。1回あたりの契約期間の上限は原則として3年です。ただし、「一級建築士」「公認会計士」など、専門的な知識を有する人や、満60歳以上の人との労働契約については、労働基準法第14条によって5年が上限とされています。

また、契約社員を雇い入れた後、通算5年を超えて雇用している場合には「無期転換ルール」が発生し、無期雇用契約に転換しなくてはなりません。例えば、契約社員から「5年以上はたらいているため、無期雇用契約に転換をしてほしい」と申し出があった場合には、企業はこの申し出を断ってはならないとされています。これは、契約社員にとっての雇い止めの不安を解消し、雇用の安定を図るための措置です。

無期転換を回避するために、通算5年が経過する前に契約を終了することは不当な雇い止めと判断される可能性があるため注意が必要です。

出典:厚生労働省「無期転換ルールハンドブック

【社員側】契約社員としてはたらくメリット

契約社員としてはたらくメリットには以下のようなポイントがあります。

  • 正社員登用制度を活用できる場合がある
  • 正社員と同等の待遇を期待できる
  • 長期間の雇用を見込める

正社員登用制度を活用できる場合がある

企業には、正社員登用を推進するための措置を講じる義務があります。正社員を募集する場合や、社内公募などが行われる際には、応募する機会を得ることができます。

ただし、正社員登用の制度や仕組みは企業によって異なるため、事前に確認しておくことが必要です。

正社員と同等の待遇を期待できる

「同一労働同一賃金」の原則により、不合理な待遇差は禁止されており、業務内容や責任範囲が同等であれば、待遇も同等に設定されるべきとされています。 食堂や休暇制度などの福利厚生制度も正社員と同じように利用できます。

長期間の雇用が見込める

契約社員は、派遣社員と異なり、同一就業先ではたらくことのできる期間制限がありません。そのため、同じ職場で長期間はたらくことも可能です。ただし、1回あたりの契約期間の上限は、高度な専門職種を除いて原則3年と定められています。

※参考:厚生労働省「パートタイム・有期雇用労働法の概要

【社員側】契約社員としてはたらく場合の留意点

契約社員は、同一就業先ではたらくことのできる期間制限はありませんが、契約期間があるという点では、人材派遣と同様に留意が必要です。

また、派遣社員のような人材派遣会社などの第三者のサポートは受けることができないため、契約更新時の調整・手続きや、何かトラブルがあった際の相談などは自身で行う必要があります。

※参考:厚生労働省「「雇止め法理」の法定化 (第19条)

派遣社員・契約社員の違いを理解し自社の課題に合った採用を

派遣社員と契約社員は、誰が雇用主か、契約期間の上限の2点で大きな違いがあります。

企業は、自社の業務や課題に応じてどちらの雇用形態で採用するかを判断する必要があります。両者の違いを適切に理解した上で、管理工数を抑えつつ即戦力となる人材を活用したい、長期間の雇用を前提に人材を獲得して育成したい、などの観点から検討しましょう。

自分のはたらき方に悩んでいる人にとっても、両者の違いを理解することは重要です。それぞれが正しく理解することで、企業は、求める人材に出会うことができ、はたらく人も自分に合ったはたらき方を実現することができます。

派遣社員の紹介をご希望の場合や人材に関するお困りごとをお抱えの場合は、パーソルテンプスタッフへお気軽にご相談ください。

「人材派遣」ならパーソルテンプスタッフ

人材に関するお困りごとはお気軽にご相談ください

メールマガジン登録いただいた方限定でお役立ち情報を配信中!

監修者

HRナレッジライン編集部

HRナレッジライン編集部は、2022年に発足したパーソルテンプスタッフの編集チームです。人材派遣や労働関連の法律、企業の人事課題に関する記事の企画・執筆・監修を通じて、法人のお客さまに向け、現場目線で分かりやすく正確な情報を発信しています。

編集部には、法人のお客さまへ人材活用のご提案を行う営業や、派遣社員へお仕事をご紹介するコーディネーターなど経験した、人材ビジネスに精通したメンバーが在籍しています。また、キャリア支援の実務経験・専門資格を持つメンバーもおり、多様な視点から人と組織に関する課題に向き合っています。

法務監修や社内確認体制のもと、正確な情報を分かりやすくお伝えすることを大切にしながら、多くの読者に支持される存在を目指し発信を続けてまいります。

おすすめの記事