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【2026年度 最新版】人事労務の法改正&企業の対応事項まとめ

公開日:2025.12.18

法律

2026年は、はたらき方・健康・ハラスメントなどに関する重要な法改正が一斉に行われる予定となっています。リスク回避とコンプライアンス確保において、就業規則や社内体制、教育の整備を早めに進めることが不可欠です。

本記事では、2026年に施行予定の人事労務関連の法改正と対応事項について、分かりやすくまとめています。

法改正に伴い、実務への影響や具体的な対応について知りたい方は、ぜひ最後までお読み下さい。

2026 年の人事労務関連の法改正一覧

2026年は、人事・労務分野において多岐にわたる法改正の施行・検討されています。
施行が確定しているもの、審議中などで中長期的に押さえておく必要のあるものに分け、企業が準備すべき実務対応を解説します(2025年12月現在)。

【施行が確定しているもの】

  • 障害者雇用促進法
  • 女性活躍推進法
  • 労働安全衛生法

【審議中・未確定のもの】

  • 労働基準法
  • 社会保険の適用拡大
  • 労働施策総合推進法改正
  • 外国人労働者の受け入れに関する法改正

障害者雇用促進法

障害者雇用促進法とは、障害者の職業自立を促進するための措置を通じて、障害者の雇用の安定を図ることを目的とした法律です。

2026年7月には、民間企業の障害者の法定雇用率が現行の「2.5%」から「2.7%」に引き上げられる予定です。それに伴い、対象となる企業も常時雇用している労働者数が「37.5人以上」の企業へと拡大されます。

企業の対応事項

企業の主な対応事項としては、以下の通りです。

1. 雇用計画の見直し

  • 自社の障害者雇用率を再確認し、改正後の法定雇用率(2.5%→2.7%)に達しているかをチェック
  • 不足がある場合は採用計画の強化が必要

2. 障害者の新規採用・受け入れ体制整備

  • 採用広報の強化(求人票や自社サイトでの情報発信)
  • ハローワーク、特例子会社、就労支援機関との連携
  • 採用後に安心してはたらける職場環境整備(業務の切り出し、バリアフリー対応、合理的配慮)

3. 障害者雇用状況報告の提出

  • 常時43.5人以上の労働者を雇う企業は、毎年6月1日時点の雇用状況を厚労省に報告する義務
  • 改正後は、法定雇用率未達の企業は特にチェック対象になりやすい

4. 社内の理解促進・定着支援

  • 管理職や現場社員への障害理解研修
  • メンタル面・生活面の支援(ジョブコーチの活用など)
  • 離職を防ぐためのキャリア形成支援

5. 雇用率未達成時のペナルティ

  • 雇入れ計画書の提出義務(厚労大臣に計画書を提出し、指導・助言を受ける)
  • 障害者雇用納付金制度による納付金の負担(常用労働者101人以上の企業が対象)
  • 行政からの勧告、企業名公表のリスク

単独での障害者雇用が難しい場合は、グループ内で特例子会社を設立して雇用率を充足させる方法もあります。

パーソルグループは特例子会社として、パーソルダイバース、パーソルエクセルアソシエイツの二社を設立しています。
パーソルダイバースでは、派遣社員に感謝の気持ちを伝えるためのクッキーや、タオルハンカチ・石鹸などの記念品を一つひとつ手作業で作っています。

また障害者雇用への理解を深めることを目的に、社員の家族などを対象にイベントも実施しています。

ニュースリリース:パーソルダイバース「よこすか・みうら岬工房」にてパーソルテンプスタッフのスタッフやご家族がイチゴ農作業・収穫体験!

障害者雇用について、詳しくは以下の記事をご覧下さい。
>>障害者雇用とは?制度内容や企業が障害者を雇用する際に必要なことを解説

※参考:障害者の法定雇用率引上げと支援策の強化について

女性活躍推進法

この改正は、「労働施策の総合的な推進等に関する法律等を改正する法律」(令和7年法律第63号)によるもので、女性活躍・ハラスメント・多様なはたらき方支援を強化することを目的としています。

改正法は2025年6月11日に公布され、多くの規定は 2026年4月1日以降、順次施行される予定です。

改正項目 改正内容 義務・努力義務か/対象
情報公表義務の拡大 従業員数101人以上の企業に対して、「男女間賃金差異」と「女性管理職比率」の公表を義務付ける。これまで男女間賃金差異の公表が義務だったのは、主に従業員数301人以上などの大規模企業のみだったが、101人以上が対象に。 101人以上の一般事業主は義務。100人以下は従来通り努力義務。
有効期限の延長 女性活躍推進法の時限立法としての期限を延長。従来は2026年3月31日までだったのが、2036年3月31日まで延長される。 すべての対象事業主に関わる。
ハラスメント対策の義務化 求職者等(就職活動中の学生、インターン等)に対するセクシャルハラスメント防止措置や、 カスタマーハラスメント(顧客・取引先・施設利用者等からの言動)の防止措置を義務付け。 事業主が講ずべき措置(方針の明確化・相談体制の整備・周知・発生後の対応等)を指針で示す予定。 義務。すべての事業主。対象は求職者等・顧客・取引先等も含む。
プラチナえるぼし認定基準の追加 プラチナえるぼし認定(女性活躍推進の優良認定)の追加要件として、「求職者等に対するセクシャルハラスメント防止にかかる措置内容を公表していること」が加わる。 認定を目指す企業・既に認定を持つ企業に影響あり。公表要件・猶予期間などは、従業員数により規定されている。
治療と仕事の両立支援の促進 職場において、疾病治療中の労働者が就業を続けられるような支援措置(勤務時間や勤務形態の柔軟化等)の促進が明記される。 努力義務。すべての事業主が対象。義務ではないが、制度整備が期待される。

※参考:
女性活躍推進法とは?改正内容や必要な対応、ポイントを解説 | 記事一覧 | 法人のお客さま | PERSOL(パーソル)グループ
厚生労働省「ハラスメント対策・女性活躍推進に関する改正ポイントのご案内」.pdf
厚生労働省「公正な採用選考の考え方」
厚労省「カスタマーハラスメント対策リーフレット」

企業の対応事項

上記の改正を受け、企業として準備しておくべきことを説明します。

1. 賃金差異・女性管理職比率のデータ取得・集計

101人以上の事業所は、「男女間賃金の差異」「女性管理職比率」を正確に算出し公表することが必要。そのため、既存のデータシステムや人事・労務のデータ収集プロセスを見直しておく。

2. 情報公表項目の拡大に対応した情報開示の準備

現行の情報公表項目に加え、新たな必須項目を盛り込むことが必要。社内報告体制・公表フォーマットを見直す。

3. ハラスメント防止体制の整備

特に「求職者等に対するセクハラ防止」や「カスタマーハラスメント」対応を含め、就業規則や内規の見直し、相談窓口の設置、社員教育・啓発を含めた社内体制の整備を行う。

4. プラチナえるぼし認定を目指す企業の要件確認

認定制度を活用している企業は、追加された要件を満たすよう備えること。求職者等へのハラスメント防止措置の公表など。

5. 治療と仕事の両立支援制度の検討・導入

疾病を持つ従業員が就業を続けられる制度(例:短時間勤務、在宅勤務、配慮等)を整備し、公表できる制度を作っておく。

6. 社内周知・ガバナンス整備

改正法の内容を人事・総務部だけでなく、管理職・現場責任者にも理解させる。行動計画・情報公表・ハラスメント対策などの責任範囲を明らかにする。

労働安全衛生法

労働安全衛生法は改正法(令和7年法律第33号)が 2025年5月14日 に公布され、多くの義務・規制は 2026年4月1日 に施行される予定です。

改正項目 改正内容
混在作業場所での安全衛生責任の拡大 元請事業者(または発注者)の責任対象が、自社労働者・請負業者等だけでなく、個人事業者等を含む「作業従事者全体」に拡大。注文者等による施工条件・工期等の配慮義務の範囲も広がる。
個人事業者等への一定の義務付け 個人事業者等自身も、労働者と同じ場所で作業する場合に「機械等の安全装置の所持・定期自主検査」「危険有害な業務を行う時の安全教育」などの義務を負う。さらに、業務上災害の報告制度の対象に含める。
ストレスチェック制度の義務化拡大 従業員数50人未満の事業場も、ストレスチェックが実施義務化。
治療と仕事の両立支援 がん、脳卒中など治療が必要な疾病を持つ労働者が就業を続けられるよう、柔軟な勤務制度・相談窓口・職場での配慮などを行うことが努力義務化。
高年齢労働者の労災防止対策 年齢特性を考慮した安全配慮・作業内容・配置・健康管理等の制度設計を事業者に促す努力義務。
化学物質による健康障害防止の強化 化学物質の譲渡/提供側による危険性情報・有害性情報の通知義務に違反した場合の罰則付与など。
その他(機械等安全・検査体制の強化) 特定機械(クレーン・フォークリフト等)の製造許可等の設計審査や製造時等検査の部分を民間登録機関に拡大可能とする。登録機関・検査機関の適正性(欠格要件、不正防止、基準遵守など)の強化。

※参考:
第217回国会(令和7年常会)提出法律案|厚生労働省
労働安全衛生法令の概要|厚生労働省
労働安全衛生法 | e-Gov 法令検索
労働安全衛生法の改正について - 厚生労働省|厚生労働省
労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律案の概要
高年齢労働者の安全衛生対策について|厚生労働省

企業の対応事項

労働安全衛生法改正にあたり、企業が準備をすべき具体的な対応を以下に整理します。

1. 作業現場の把握と契約関係の整理

請負や外部委託、個人事業者を含む作業従事者の状況を把握し、現場での責任分担・安全衛生対策の範囲を契約書などで明確にする。元請・注文者としての責任も増加するので、発注条件・仕様に安全衛生条項を盛り込むこと。

2. ストレスチェックの制度設計

これまで実施義務でなかった小規模事業所(50人未満)でも義務化されるので、体制を整える(実施周期、実施者、面接指導など)とともに、実施コスト・時間・外部委託先の有無を確認する。

3. 化学物質管理の見直し

使用している物質が新たに通知/表示対象に加わっていないか/その濃度要件を満たしているかをチェックする。SDSを最新のものに改訂し、個人ばく露測定が必要な作業について実施体制を構築。専門知見が必要なところは外部の測定士などの支援を検討する。

4. 教育・研修の強化

安全装置の使用、危険有害な業務に就く際の安全衛生教育、混在作業現場の特性、メンタルヘルス・治療中の配慮など、多様なテーマで教育内容を見直す。

5. 制度・マニュアルと相談窓口の整備

病気治療者の両立支援制度、職場での相談窓口の設置、安全衛生責任者・管理者の役割を明確化したマニュアル作成・社内周知を行う。

6. 記録・報告体制の強化

個人ばく露測定結果、災害発生時の報告、機械検査記録、ストレスチェック結果など、関連記録の保存(期間含む)、報告先・様式の確認。文書管理体制を整理する。

労働基準法

労働基準法については、残業時間の上限規制の更なる強化や14日以上の連続勤務の禁止など、複数の項目が大幅な改定を検討されており、40年に一度の大改正と注目を集めています。2025年12月現在では、2026年に改正法が成立し、2027年4月から施行される見通しです。

2026年の労働基準法改正の概要、目的・意義、企業への影響・準備すべきことについて、以下にまとめました。
ただし、どの項目も「改正案」「報告書での提言」であり改正が確定しているわけではないため、最新の動向に注意して下さい。

改正検討項目 改正内容(案)
14日以上の連続勤務の禁止 4週間に4日の休日を与える「4週4休」制度だと、最長で48日間の連続勤務が理論上可能なケースがあるため、14日を超える連続勤務を禁止するようにする。
法定休日の特定義務化 企業は「どの日が法定休日か」を就業規則等で明確に定め、労働者に示す義務が強化される。
勤務間インターバル制度の義務化 前日の退勤から翌日始業までの「休息時間(インターバル)」を一定時間設けることを義務とする案。提案では「11時間」が原則とされている。
年次有給休暇取得時の賃金算定方法の見直し 現在、いくつかの算定方法が選択可能だが、改正後は「所定労働時間を勤務した場合の通常賃金方式」を原則とする見直し。
副業・兼業者に対する割増賃金の通算廃止 副業・兼業をしている者について、本業・副業の労働時間を通算して時間外・休日割増賃金を計算する規定があるが、通算を廃止し、各事業主で別々に時間外等を計算する方向で検討。
フレックスタイム制・テレワーク関連の見直し テレワーク実施日のみ活用可能なフレックスタイムの改善案 、テレワークを含めた場所非定型勤務におけるみなし労働時間制の制度見直し案 、始業・終業時間の柔軟性確保など、はたらき方の多様化対応。
時間外・休日労働の実態の情報開示義務 企業や従業員に対して、あるいは公に、時間外労働や休日労働の実態を開示する制度を設ける見込み。
法定労働時間週44時間の特例措置の廃止 現在、特定の業種などにおいては「1週間44時間」の労働時間まで許される特例があるが、廃止する方向の議論。
過半数代表制度・労使コミュニケーションの強化 過半数代表者の選出方法や権限、意見聴取・要望反映のプロセス等、実際の機能強化を検討。
「事業場」の概念見直し テレワーク等で実際の勤務場所が固定されない、複数拠点をまたぐ勤務の場合、「どの事業場のルールを適用するか」が曖昧になるケースがあり、見直し案が報告。

企業の対応事項

労働基準法改正による企業への影響や対応事項として、下記が挙げられます。

1. 勤務シフト設計の見直し

  • 休日配置のルール変更
  • スケジュール管理システムの変更

2. 就業規則・労働契約書の改定

  • 休日カレンダーの明示
  • 社内通知・掲示などの整備

3. 出勤‐退勤記録の正確化

  • 残業・深夜勤務の管理見直し
  • 始業時間の調整やシフトの工夫
  • 就業場所・勤務形態(テレワーク含む)の勤務接続時間管理

4. 賃金計算のシステム見直し

  • 就業規則の賃金規定の改定
  • 従業員への説明
  • 給与ソフトや勤怠システムの対応

5. 従業員の副業実態把握

  • 勤怠・労働時間管理の見直し
  • 割増賃金計算のルール制定/改定
  • 就業規則・労働契約書の規定修正

6. フレックスタイム・テレワーク規定の再整備

  • 業務形態の見直しと対応可能な仕事・不可な仕事の線引き
  • 管理職・従業員の理解促進
  • 時間管理ツールや実績把握体制の整備

7. データ集計体制の構築

  • 勤怠データ・残業・休日実績の記録整理
  • 従業員への開示ルール・様式の整備

8. 44時間特例利用企業の調整

  • 就業規則・労使協定の見直し
  • 残業計算・シフト設計の再検討

9. 過半数代表者の選出手続き整備

  • 選出手続き、任期、役割の明文化
  • 労使協定の作成・見直し
  • 社員間意見集約プロセスの整備

10. 勤務場所・事業場の定義の明確化

  • 就業規則への勤務場所の規定
  • テレワーク勤務者の勤務場所の取り扱い
  • 複数拠点勤務者の賃金・勤務時間などの条件統一

労働基準法についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
>>労働基準法とは?概要やルールを分かりやすくご紹介

※参考:
労働基準関係法制研究会報告書
参考資料|厚生労働省

社会保険の適用拡大(2026年10月施行予定)

「106万円の壁」が段階的に撤廃され、パートやアルバイトなどの短時間労働者を含め、週の所定労働時間が20時間以上で、学生ではないすべての従業員が原則として社会保険の加入対象となります。こちらは2026年10月施行予定です。

新たに加入対象となる従業員や事業主への経済的支援も実施されます。以下が詳細となります。

1. 短時間労働者の社会保険加入要件の見直し

これまで、社会保険(健康保険・厚生年金保険)への加入には、以下の要件をすべて満たす必要がありました。

  • 週の所定労働時間が20時間以上
  • 月額賃金が8.8万円(年収106万円相当)以上
  • 2ヶ月を超える雇用の見込みがある
  • 学生でない
  • 勤務先の従業員数が51人以上

2026年10月からは企業規模要件(従業員数51人以上)が撤廃され、週20時間以上はたらく短時間労働者は、企業規模に関係なく社会保険に加入することになります。

2.年収106万円の壁の撤廃

2026年10月から、扶養の範囲内ではたらくパート・アルバイトの年収要件(106万円の壁)が撤廃されます。これにより、年収106万円未満であっても社会保険に加入することが可能となります。

3.個人事業主の適用範囲の拡大

現在、個人事業主が社会保険の適用対象となるのは、常時5人以上の従業員を雇用する事業所で、特定の17業種に該当する場合のみです。 少し先の改訂となりますが、2029年10月からは、これらの業種に該当しない事業所も適用対象となります。ただし、2029年10月時点で既に存在する事業所は、当分の間対象外となる予定です。

※参考:
社会保険適用拡大 対象となる事業所・従業員について|厚生労働省 | 社会保険適用拡大 特設サイト
社会保険の加入対象の拡大について|厚生労働省

企業の対応事項

これらの改正に備え、企業は以下の対応を検討することが重要です。

1.人事・労務管理の見直し

短時間労働者の労働時間や賃金の管理を徹底し、適用対象者を特定する。

2.社会保険料の試算

新たに適用される従業員に対する社会保険料の負担額を試算し、コスト管理を行う。

3.就業規則の改定

社会保険加入に関する規定を就業規則に明記し、従業員への周知を図る。

4.助成金の活用

社会保険料の負担軽減のため、利用可能な助成金制度を検討する。

※参考:社会保険適用拡大 特設サイト|厚生労働省

労働施策総合推進法改正(2026年施行予定)

労働施策総合推進法は別名「パワハラ防止法」と呼ばれ、労働者が生きがいを持ってはたらける社会の実現を目的として成立しました。

以下に、2026年の改正内容について整理します。

改正項目 改正内容
カスタマーハラスメント(カスハラ)対策の義務化 顧客からの不当な言動などによって、従業員の就業環境が害されるようなケースを「カスハラ」と定義。事業主に対し、雇用管理上必要な措置を講じる義務を設ける。
治療と仕事の両立支援の推進 仕事と療養を両立させるための必要な措置について、事業主に努力義務を課す。
また、これを実効あるものとするための指針を整備する規定も含まれている。
女性活躍推進法等との連携強化 男女間賃金差異・女性管理職比率の情報公表義務の拡大・従業員数101人以上の事業主に対象を広げるなど。
女性活躍推進に関する指針やプラチナえるぼし認定要件の見直しなども含まれている。

企業の対応事項

この労働施策総合推進法改正によって、企業は以下のような準備をしておく必要があります。

1. カスハラ対策の基本方針の制定

社内規程やマニュアルを整備する。
具体例:相談窓口設置、対応フロー、予防策の作成など

2. 従業員への研修・啓発

カスハラの定義と対応方法に関する教育を実施する。

3. 社内の相談・通報体制の見直し・強化

対応責任部署を明確化しておく。

4. 治療と仕事の両立支援

社内制度や実務運用を見直し、病気休暇、勤務調整、医師の指示に基づく配慮をする。

5. 女性活躍に関する情報公表体制の整備

賃金差異や管理職比率の情報公表体制を整え、求職者に対するセクハラ防止措置の検討をする。

※参考:
令和7年労働施策総合推進法等の一部改正について|厚生労働省
労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律等 の一部を改正する法律の概要(令和7年法律第63号、令和7年6月11日公布)
労働基準法等の一部を改正する法律案
第80回労働政策審議会雇用環境・均等分科会|厚生労働省

外国人労働者の受け入れに関する法改正

日本では少子高齢化や人口減少が進み、慢性的な人手不足が多くの産業で深刻化しています。これを受けて、外国人労働者をより長期・安定的に、また多様な分野で受け入れる必要性が高まっています。

2026年は新制度への制度設計、運用ルール(省令・告示)の整備、企業側・受入側の体制準備のフェーズであり、「2026年に完全施行・開始」というよりは、「2027年制度開始」に向けての準備・移行期間となります。事前に確認しておきましょう。

具体的には、育成就労制度の在留期間、対象分野、転籍の要件、日本語・技能の評価基準などの詳細が変更になる予定です。 企業・受入機関は雇用契約の見直し・体制づくりなどの準備を進めることが求められます。

特定技能制度拡大の検討などもあり、2026年までに制度対象分野の追加などが政策決定される可能性があります(物流倉庫、資源循環、リネンサプライなど)。

また、改正行政書士法(登録支援機関等のビザ申請における書類作成代行等の違法行為を規制する)の法整備があり、2026年に施行される予定です。企業側・支援機関側で注意が必要です。

※参考:
外国人技能実習制度について |厚生労働省
育成就労制度 | 出入国在留管理庁

2026年の法改正に備えよう

法改正への対応は企業にとって必須事項となります。
情報の更新に注意し、必要な対応について把握しておきましょう。

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監修者

HRナレッジライン編集部

HRナレッジライン編集部は、2022年に発足したパーソルテンプスタッフの編集チームです。人材派遣や労働関連の法律、企業の人事課題に関する記事の企画・執筆・監修を通じて、法人のお客さまに向け、現場目線で分かりやすく正確な情報を発信しています。

編集部には、法人のお客さまへ人材活用のご提案を行う営業や、派遣社員へお仕事をご紹介するコーディネーターなど経験した、人材ビジネスに精通したメンバーが在籍しています。また、キャリア支援の実務経験・専門資格を持つメンバーもおり、多様な視点から人と組織に関する課題に向き合っています。

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