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エンジニア人材の派遣の仕組みとは?メリットと人材派遣会社選びのポイント

公開日:2025.01.15

更新日:2025.01.29

人事ナレッジ

人材派遣会社にエンジニアの人材派遣を依頼すると、必要なスキルを持つエンジニアを派遣社員として受け入れ、プロジェクトを効率的に進められる可能性が高いです。ただし、プロジェクトの成功には、適切な人材派遣会社を選ぶことが重要です。

本記事では、エンジニア人材の派遣の仕組みと種類、人材派遣会社の選定ポイントについて詳しく解説します。

エンジニア人材の派遣の仕組みとは

エンジニア人材の派遣とは、必要なスキルを持つエンジニアに業務を依頼できるサービスのことです。

派遣社員は人材派遣会社と直接雇用契約を結んでいるため、給与や社会保険、福利厚生などの管理は人材派遣会社が行います。派遣先企業は派遣料金を支払うことにより、エンジニア人材を受け入れます。

また、派遣社員への業務指示は派遣先企業のご担当の方が行いますが、業務範囲は明確に取り決めておく必要があります。

派遣形態の種類

エンジニア人材の派遣には、大きく分けて以下の3つの種類があります。

  • 登録型派遣(有期雇用派遣)
  • 常用型派遣(無期雇用派遣)
  • 紹介予定派遣

プロジェクトの規模や期間、必要なスキルに応じて、最適な派遣形態を選択しましょう。

登録型派遣(有期雇用派遣)

登録型派遣は、エンジニア人材が人材派遣会社に登録し、仕事があるときに雇用契約が発生する形態です。雇用契約は有期契約であり、同じ業務内容の配置では最長3年間までと定められています。

派遣先企業が短期的な課題解決や小規模なプロジェクトを目的としている場合、必要な期間だけエンジニア人材に業務を依頼できるため、登録型派遣の利用が効果的です。

有期雇用派遣についてはこちらの記事も参考にしてください。
>>有期雇用派遣とは?無期雇用派遣との違いを分かりやすく解説

常用型派遣(無期雇用派遣)

常用型派遣は、エンジニア人材が人材派遣会社と直接雇用契約を結び、派遣先企業に派遣される形態です。

人材派遣会社がエンジニア人材を直接雇用しているため、登録型派遣のような「3年ルール」は適用されず、長期間にわたり同じ部署ではたらくことができます。

派遣先企業が長期的に対応できる人材を求めている場合は、常用型派遣を選ぶとよいでしょう。長期的なプロジェクトに適しており、業務の継続性を確保しやすいというメリットがあります。

無期雇用派遣についてより詳しく知りたい方は、こちらをご参照ください。
>>無期雇用派遣とは?活用するメリットや留意点についてご紹介

紹介予定派遣

紹介予定派遣とは、派遣社員の直接雇用を前提とした、最長6ヶ月派遣する形態のことです。

派遣契約が満了するタイミングで双方に直接雇用の意思があるかを確認し、合意した場合、人材派遣から人材紹介に切り替えることができます。

派遣先企業が派遣社員の直接雇用を検討している場合は、エンジニアとしてのスキルや適性を見極められるため、紹介予定派遣が適しているでしょう。

紹介予定派遣についてより詳しく知りたい方は、こちらをご参照ください。
>>紹介予定派遣とは?仕組みやメリット、通常の派遣との違いまで解説

人材派遣で依頼できるエンジニア職種

人材派遣で依頼できるエンジニア職種は多岐にわたります。以下は、代表的な職種一覧です。

職種 説明
システムコンサルタント ビジネス課題の分析と最適なITシステムの導入支援
プロジェクトマネジメント システム開発プロジェクトの計画、実行、管理
システムエンジニア(SE) 顧客の要件に基づき、システムの設計・開発を担当
プログラマー(PG) SEが設計した仕様書に基づき、プログラムを開発
テスト 開発したシステムやソフトウェアの不具合を検出
評価 システムやソフトウェアが要求を満たしているかを評価
QA ソフトウェア開発プロセス全体を管理し、品質向上を図る
インフラエンジニア サーバーやネットワークなどのITインフラの設計、構築、運用、保守
運用管理・保守 安定稼働を維持するための運用管理・保守
ユーザサポート 利用者からの問い合わせに対応し、問題解決を支援
ヘルプデスク ユーザーからの技術的な問い合わせ対応
ITインストラクター システムやソフトウェアの操作方法などを指導
情報セキュリティーエンジニア システムやネットワークのセキュリティー対策を講じる
データアナリスト データを収集、分析し、ビジネスに役立つ知見を導き出す
技術文書作成 システムの設計書やマニュアルなどの技術文書の作成

このように、派遣先企業はプロジェクトのフェーズに応じて、必要なスキルを持つエンジニア人材を受け入れられます。

人材派遣とSESとの違い

SES(システムエンジニアリングサービス)とは、システム開発の専門派遣先企業に、システム開発プロジェクト全体またはその一部を委託するサービスです。

人材派遣とSESは、どちらも外部人材を活用するサービスですが、サービスの提供内容や契約形態に違いがあります。

項目 人材派遣 SES
契約形態 派遣先企業と人材派遣会社との間で労働者派遣契約を締結 SES派遣先企業と請負契約を締結
指揮命令 派遣先企業の担当者 SES派遣先企業の担当者
業務内容 特定の業務 システム開発における、要件定義から運用・保守までの一括請負
責任範囲 業務遂行に対する責任 成果物に対する責任
費用 派遣料金を支払う 請負代金を支払う

人材派遣の場合、派遣先企業の担当者がエンジニア人材に直接指示を出せるため、状況に応じて柔軟に対応できるというメリットがあります。

また、派遣料金が契約時に明確に定められているため、派遣先企業側にとってコストを把握しやすい点もメリットと言えるでしょう。

人材派遣の単価相場

人材派遣会社にエンジニア人材の紹介を依頼する単価相場は、地域や職種によって異なります。ご検討の方はお気軽にお問い合わせください。

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派遣先企業がエンジニア人材に業務を依頼するメリット・留意点

エンジニア人材の派遣を活用する際は、メリットと留意点を理解することが重要です。

【メリット】

  • すぐにエンジニア人材に業務を依頼できる
  • 必要に応じてプロジェクトの人数を調整できる
  • 採用・労務管理の負担を低減できる

【留意点】

  • 派遣料金(派遣社員の社会保険料、有給休暇費用、人材派遣会社の運営費など)が発生する
  • 社内にノウハウが蓄積されない可能性がある

近年、多くの派遣先企業が深刻なエンジニア不足に直面しており、プロジェクトの進行に大きな影響を与えています。

エンジニア人材の派遣を依頼することには留意点もありますが、リソース不足のプロジェクトや特定のスキルが求められる業務が発生した場合には、メリットが留意点を上回るでしょう。

人材派遣は派遣先企業の課題解決に貢献する有効な手段として、ますます重要性を増しています。

エンジニアの人材派遣会社を選ぶポイント

プロジェクトの円滑な進行に貢献するエンジニア人材に業務を依頼するには、自社のニーズに合った派遣社員が在籍している人材派遣会社を選ぶことが重要です。

人材派遣会社を選ぶ際のポイントは、以下の4点が挙げられます。

  • 総合型と特化型をバランスよく活用する
  • スキル向上支援などのサポート体制がある
  • フォローアップ体制が整っている
  • 担当者がエンジニアのスキルレベルが理解できている

それぞれについて説明します。

総合型と特化型をバランスよく活用する

人材派遣会社には、総合型と特化型があり、総合型は、さまざまな業界・職種の人材を幅広くカバーしているのに対し、特化型は、ITや医療など特定の業界・職種に特化しています。

総合型の多くは大手派遣先企業であるため知名度が高く、エンジニアを含む多様な人材が集まりやすい傾向があります。

プロジェクト全体で複数人を一括でアサインする場合や、登録型派遣で短期的に異なるスキルレベルの人材を柔軟に配置する必要がある場合などは、総合型の方が対応しやすいでしょう。

一方、特化型は特定のスキルに特化した人材を抱えています。例えば、IT領域で豊富な経験を持つプロフェッショナルを抱えている会社や、未経験者を育成して若手エンジニアとして活躍させる会社などがあります。

効率的にエンジニア人材を探したい場合は、まずは総合型でリサーチを行い、希望するスキルレベルの人材が見つからない場合は、特化型も併用して候補者の母数を増やすとよいでしょう。

スキル向上支援などのサポート体制がある

エンジニア人材のスキル向上をサポートする体制が整っている人材派遣会社は、派遣社員の成長を促進し、派遣先企業にとっても即戦力となる人材を派遣できます。

人材派遣会社の中には、スキルアップを目的としたキャリア支援や、派遣先企業への適切な紹介など、個々の成長を支援する派遣先企業も存在します。

人材派遣会社を選ぶ際には、サポート体制が充実しているかを確認しましょう。

フォローアップ体制が整っている

エンジニア人材の派遣において、人材派遣会社が手厚いフォローアップ体制を備えているかどうかは、派遣社員のモチベーション維持に大きく影響します。

フォローアップ体制をチェックする際は、以下の項目を参考にしましょう。

  • 定期的な面談を実施して、派遣社員の状況や課題、要望をヒアリングしているか
  • 派遣先企業に適切な提案や報告をしているか
  • 派遣社員のキャリアプランをサポートするための研修や教育制度を提供しているか
  • トラブルが発生した場合、迅速に対応してくれる体制があるか

質の高いフォローアップ体制により、派遣先企業と派遣社員の間でコミュニケーションの齟齬が生じるリスクを減らし、よりスムーズな業務遂行を実現できます。

担当者がエンジニア人材のスキルレベルが理解できている

人材派遣会社の担当者がエンジニア人材のスキルレベルを理解しているかどうかは非常に重要です。

担当者にエンジニアとしての実務経験は必ずしも必須ではありませんが、プロジェクトの規模感や必要なプログラミング言語、フレームワークを理解している担当者であれば、派遣先企業が求めるスキルを持つエンジニア人材を紹介できます。

さらに、就業開始後も技術的な観点から派遣社員をフォローできるため、プロジェクトの円滑な進行に貢献します。

エンジニア人材の派遣活用を成功させるためのポイント

エンジニア人材の派遣活用で失敗しないためのポイントは以下の通りです。

  • 派遣社員のソフトスキルにも注目する
  • プロジェクト環境をなるべく詳細に伝える
  • 派遣先企業の責任・法的義務とリスクを把握しておく

それぞれについて説明します。

派遣社員のソフトスキルにも注目する

エンジニア人材の派遣では、技術力を最重要視する傾向がありますが、派遣社員が最大限にパフォーマンスを発揮するためには、派遣先企業との相性も非常に重要です。

人材派遣会社から提供されるスキルシートを確認する際には、経歴や保有資格などのハードスキルに加え、コミュニケーション能力、問題解決能力、協調性などのソフトスキルにも注目しましょう。

経験が浅くとも、優れたソフトスキルを持つ人材は、スムーズにチームに溶け込み、長期的に活躍してくれる可能性を秘めています。

※スキルシート:エンジニアの経歴書

プロジェクト環境をなるべく詳細に伝える

エンジニア人材とのミスマッチを防ぐために、自社ではたらく上で必要な情報を具体的に伝えましょう。

登録型派遣や無期雇用派遣において、派遣先企業が派遣社員を直接選考することは「特定行為」として禁止されています。

しかし、派遣社員の希望があれば、職場見学という形で、派遣先企業のご担当の方がエンジニア人材と面会できます。

職場見学では、業務内容や必要なスキル、職場の雰囲気などを相互に確認し、エンジニア人材が安心して就業開始できるよう、プロジェクト環境に関する情報を積極的に提供しましょう。

派遣先企業の責任・法的義務とリスクを把握しておく

派遣先企業がエンジニアの人材派遣を活用する場合、労働者派遣法に基づき、さまざまな責任や義務が生じます。

派遣先企業として特に注意すべき点は以下の通りです。

項目 説明
労働者派遣法の遵守 法で定められた事項を遵守し、違法な派遣契約を避ける
就業条件の明示 派遣社員の就業条件を明確にし、人材派遣会社と合意する
安全衛生管理 派遣社員の安全と健康を守るため、適切な労働環境を提供する
差別的取扱いの禁止 派遣社員を正社員と差別して扱ってはならない
ハラスメント防止 ハラスメントを防ぐための対策を講じる
個人情報の保護 派遣社員の個人情報を適切に管理する

※参考:厚生労働省「派遣先の講ずべき措置は・・・」

これらの法規制を遵守せずに派遣契約を結んでしまうと、法的責任を問われる可能性があります。派遣先企業の評判低下や炎上によるブランド毀損、顧客離れ、採用活動への悪影響など、事業全体に深刻なダメージを与える可能性も懸念されます。

エンジニア人材の派遣でプロジェクトを加速させよう

エンジニア人材の派遣は、プロジェクトの進行や必要スキルに応じて、自社のニーズにマッチするエンジニア人材に業務を依頼できるため、派遣先企業はコストの最適化と業務効率化を同時に実現できます。

信頼できる人材派遣会社を選び、エンジニアの人材派遣を積極的に活用することは、事業の成長に必要です。

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