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営業アシスタントの業務改善方法や標準化ステップを分かりやすく解説

公開日:2023.10.24

更新日:2024.01.29

企業の課題

営業の仕事は新規顧客の開拓や既存顧客へのアプローチだけでなく、それに伴う事務作業やアフターフォローなど多岐にわたります。こうした煩雑になりがちな営業業務をサポートする役割が、営業アシスタントです。

その中には、営業アシスタントを配置しているけれど業務が効率的に進まない、または営業社員が事務作業を兼任していて業務がひっ迫しているという企業も少なくありません。営業社員の負担を軽減して企業全体の売上向上を図るためには、営業アシスタントの業務改善が重要です。

そこで今回は、営業アシスタントの業務改善方法や標準化について分かりやすく解説します。

営業アシスタントとは

営業アシスタントとは、営業社員のサポートを担う職種です。営業アシスタントと一括りにしても、企業によってさまざまなパターンがあります。主なパターンとして挙げられるのが以下の3つです。

  1. 営業社員が事務作業を担っている
  2. 営業社員に営業アシスタントがマンツーマンで対応している
  3. 営業アシスタントが組織化されている

営業社員が事務作業を担う場合では、本来注力したい営業に専念できないといった課題が生じます。営業社員に営業アシスタントが付いてマンツーマンでサポートできるようになると、効率性が上がって営業をスムーズに遂行することが可能です。

しかし、どうしても属人的になりがちで、別の営業アシスタントではサポートしづらい状態に陥ることがあります。その結果、異動や退職した場合に継続性を担保できないだけでなく、業務が標準化されていないことから組織全体の視点で見ると非効率な状態になってしまいます。特にマンツーマンでサポートするパターンにおいて営業アシスタントは派遣スタッフが担うことが多く、そのスタッフの離職により業務に支障が出ることも考えられるでしょう。

一方で営業アシスタントが組織化されているパターンは、スムーズに業務を進める上で効果的といえます。ただし、そのためには業務を標準化する必要があることから、営業アシスタントの組織化に取り組めていない企業が多いです。

営業アシスタントが行う業務内容

営業アシスタントが行う主な業務は「事務作業」「受発注業務」「お客さま対応業務」の3つです。それぞれの業務内容について解説します。

事務作業

営業アシスタントは、営業にかかわる事務作業を営業社員に変わってサポートします。メインとなる業務の一つが見積書や請求書、契約書、報告書などの書類作成です。その他、プレゼンテーションの際に必要な資料作成や営業社員のスケジュール管理なども対応します。なお、書類作成で必要となる情報のリサーチ・収集も、営業アシスタントの重要な業務です。

これらの事務作業は煩雑になりやすいため、ミスなく丁寧に作業を進められる能力が求められます。加えて、営業社員だけでなく他部署との連携も欠かせないため、コミュニケーション能力の高さも重要視されるでしょう。

受発注業務

商品やサービスの受発注業務も営業アシスタントが担う業務です。受発注業務とは、お客さまからの注文を受けて納品するまでの「受注」と、仕入先に商品やサービスの生産・納品を依頼する「発注」を指します。また、受発注状況を見て在庫を管理することも業務の一環です。

このように、受発注業務は営業社員を支えるバックオフィス業務ではありますが、万が一、商品個数や納期などを間違うとお客さまからの信頼損失につながる恐れがあります。在庫の発注業務においても必要以上の数量を抱えてしまえば、企業にとって不利益となりかねません。その他、営業活動が円滑に進むように正確かつスピード感のある業務遂行のスキルが求められます。

お客さま対応業務

営業アシスタントは、営業社員に代わってお客さま対応をすることがあります。基本的には電話やメールで対応しますが、状況によっては直接出向くケースも少なくありません。営業社員と同様に案件の進捗を追いつつ、商談に必要な情報や書類を適宜用意するなど、営業活動がスムーズに進むためのサポートも営業アシスタントが担う業務の一つです。

営業社員と共にお客さまと直接顔を合わせる機会もあるため、自社の商品やサービスに関する深い知識や接客マナーに関するスキルが求められます。

営業アシスタントの役割が重要視される背景

営業アシスタントは、営業社員のサポート役としてさまざまな役割を担います。営業アシスタントの役割が重視される背景として挙げられるのが以下の2つです。それぞれの理由について解説します。

営業社員の負担を軽減させたい

営業の仕事は既存顧客の対応や新規顧客開拓、事務作業、受発注業務など業務範囲が広いです。営業社員だけでこれらの業務に対応すると、就業時間内に終わらないことも多く負担がかかります。

一方で営業アシスタントが活躍する企業では、事務作業や営業活動に必要な事前準備を任せられるため、営業社員の負担を大幅に軽減させることが可能です。

売上向上につなげたい

事務作業や受発注業務の多くは手間や時間がかかります。営業社員がすべての業務を担う場合、本来注力したい営業活動に専念できず、売上が停滞するケースも少なくありません。

営業アシスタントに業務を任せられるようになると、これまで事務作業に費やしていた分のリソースを確保できます。そのため営業活動に注力でき、売上向上につなげられます。

営業を支援する際の4つのステップ

営業アシスタントの支援によって営業社員の負担を軽減できると、企業全体の売上向上につながります。狙った成果を出すためにも、営業を支援する際は以下の4つのステップに沿って実施することが大切です。それぞれのステップについて詳しく解説します。

1.営業活動の業務プロセスを可視化し、課題を抽出する

営業を支援するためには、現状の営業活動における課題を把握することが大切です。自社の営業活動を洗い出してプロセスを可視化した上で、どの工程に課題があるかを洗い出すと、営業アシスタントに求める役割が明確になります。

例えば「アポイントを取る時間がない」「資料作成に時間がかかる」などの課題がある場合は、営業アシスタントにアポイントや資料作成を任せることで、営業社員の時間を捻出できるでしょう。

また、全体的な業務プロセスに加えて、営業社員の一日のスケジュールを見直す必要があります。行動を細かく洗い出していくと、改善すべき点を具体的に見極めることが可能です。

2.課題に対して工程を見直す

業務プロセスの可視化によって見えてきた課題をもとに工程を見直します。ここで大切なポイントは「なくす」「減らす」「変える」の3つの視点を取り入れることです。

例えば、以前から習慣となっている工程の中には、不要なものが含まれていることがあります。省いても支障がない場合は、工程自体をなくすのも一つの策です。

また、工程は必要でも具体的な作業に無駄が見つかった場合は、不要な部分を減らすことでスムーズに営業活動を進められるようになります。作業をなくしたり減らしたりするだけでは改善できない課題があれば、仕組みや担当者を変える必要があるでしょう。

3.営業プロセスを標準化する

営業支援する上で大切なポイントが営業プロセスの標準化です。標準化とは誰が担当しても同様の成果を出せるように、マニュアルやルールを整備することを意味します。

いくら工程を整理しても各プロセスの業務内容や定義が曖昧だと、担当者が変わる度に混乱を招きかねません。課題を踏まえて工程を見直した後は、誰もが理解できるように営業プロセスを明確にすることが大切です。

なお、プロセスはシンプルにまとめることを意識します。あまりにも細分化し過ぎると、全体像がつかみづらくなるためです。また、臨機応変に対応すべきシーンで判断に困る恐れがあるため、「アポイント」「商談」「受注」など大まかに分けて整備するとよいでしょう。

業務標準化については、こちらの記事でさらに詳しくご説明しています。
>>業務標準化とは?メリットや実現するための進め方を分かりやすく解説

4.標準化した営業プロセスを共有する

営業業務を属人化させないために、標準化した営業プロセスは社内で共有する必要があります。社員全員が営業プロセスを理解できていれば、担当者が急きょ休んだ場合や退職になったときでも速やかな対応が可能です。

また、営業アシスタントが変わった際も共有された情報をもとに業務を遂行できるため、営業社員はこれまでと同様の営業支援を受けられるでしょう。

営業プロセスを共有する際は、社員がいつでも情報を閲覧できるような工夫が必要です。例えばクラウド上で情報を管理すると必要なときに閲覧しやすい上に、再度プロセスを見直した際の書き換えもしやすいでしょう。

営業アシスタントの業務を改善する方法

営業アシスタントは、営業活動をスムーズに行う上で重要な役割です。営業アシスタントを採用しているのにもかかわらず思うような効果が出ていない場合は、業務を改善する必要があるでしょう。主な改善策として、以下の3つを解説します。

テレワークやオンライン商談を導入する

営業アシスタントは、忙しい営業社員をサポートする重要な役割を持ちます。営業社員に代わって営業アシスタントがお客さまのもとに出向いて営業活動するケースもありますが、移動時間を削減したいという方も多いでしょう。

その場合、テレワークやオンライン商談を活用して営業活動すれば、移動時間を省くことが可能です。自社や自宅にいながら対応できるため、これまで移動に使っていた時間を別の業務に充てられるようになります。

SFAやCRMなどツールを導入する

ITツールをうまく活用する方法も、営業アシスタントの業務を改善する上で役立ちます。例えばSFA(Sales ForceAutomation:営業支援ツール)やCRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)を取り入れると、顧客情報やお客さま対応の記録などを一元管理することが可能です。

従来の紙媒体を使った管理方法だと必要な情報を瞬時に得ることが難しく、ミスや漏れが起こりやすいといった留意点がありました。一方でITツールを取り入れると、場所や時間に関係なく必要な情報を得やすくなる他、人為的ミスを回避できます。また共有もしやすいため、属人化しがちな業務の改善にもつながるでしょう。

アウトソーシングを活用する

営業アシスタントの業務が効率的に回らず、思うような結果につながらない場合は業務改善を検討する必要があります。営業アシスタントの業務を改善するためには、テレワークではたらける体制づくりやツールの導入なども効果的ですが、時間や手間を要します。そのため、日々の業務の合間を縫って対応することが難しい企業も多いでしょう。より効率よく業務を改善したい場合は、アウトソーシングの活用がおすすめです。

アウトソーシングでは営業事務や顧客管理などの業務に加えて、お客さま対応も任せられるケースがあります。特にクレームやお問い合わせ対応などは、高い判断力やスキルが求められる業務です。アウトソーシングであれば顧客対応に長けた人材に任せられるため、顧客満足度の向上も期待できるでしょう。

また、煩雑な作業が多い営業業務は、自社だけで対応すると非効率になりやすい点も課題となります。一方でアウトソーシングを活用すると、前章でご紹介した営業を支援する際の4つのステップを踏まえて、業務の効率化・標準化することが可能です。その結果、営業業務における無駄が解消されて時間や手間、コストの削減につながります。

営業アシスタントの業務改善のご相談はパーソルテンプスタッフへ

営業アシスタントは、煩雑になりがちな営業社員の業務をサポートする重要な役割です。しかし、営業アシスタント業務が思うように機能せず、改善を検討している方も多いでしょう。

パーソルテンプスタッフでは営業事務アウトソーシングにおいて、属人化しやすい営業業務の標準化支援に対応しており、多くのお客さまにご選択いただいています。その理由として、業務全体の工数を把握した上で人軸・作業軸で分析し、本来必要な工数を算出する点が挙げられます。さらにはお客さま先へ常駐型のオンサイトやテレワークも組み合わせた柔軟な体制づくりが可能です。

営業アシスタントの業務改善についてお困りのことやご相談がありましたら、ぜひパーソルテンプスタッフにお問い合わせください。

営業支援に関するアウトソーシングの事例もございます。詳しくは以下のページをご覧ください。

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