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紹介予定派遣と人材紹介の違い、それぞれのメリットを徹底解説

公開日:2023.09.14

人事ナレッジ

企業の採用活動を支援するサービスとして、紹介予定派遣と人材紹介があります。それぞれにメリットや特徴があり、自社に合うサービスの選択が必要です。

  • 紹介予定派遣とは
  • 人材紹介とは
  • 紹介予定派遣と人材紹介の違い・特徴

本記事では紹介予定派遣と人材紹介を比較しながら、それぞれの違い・特徴や、活用に適しているシーンなどをご紹介しています。ぜひ、参考にしてみてください。

目次

紹介予定派遣とは直接雇用を前提とした労働者派遣契約のこと

紹介予定派遣とは、派遣元(または紹介元)が、派遣スタッフと派遣先企業に対して、人材紹介を行うことを前提として、派遣スタッフを最長6ヶ月派遣する仕組みです。紹介予定派遣は人材派遣の一つの形態ですが、目的が「人材の採用」であるため、人材派遣と人材紹介、両方の要素を持つサービスです。

紹介予定派遣は下記の図(左)のように、派遣元が派遣スタッフと雇用契約を結びます。派遣先企業(自社)は、派遣期間は派遣スタッフと雇用関係はありません。派遣契約が満了するタイミングで双方に直接雇用の意思があるかを確認し、合意した場合、人材派遣から人材紹介に切り替わります。派遣先企業が雇用主となり、派遣スタッフと直接雇用契約を結びます。

紹介予定派遣とは

紹介予定派遣の活用シーン

紹介予定派遣はどのようなシーンに適しているのでしょうか。 紹介予定派遣を活用するシーンについて、具体的な例を挙げながら解説します。

定着率に課題のあるポジション

紹介予定派遣を通じた社員登用は、社員の定着率を上げる方法の一つです。紹介予定派遣は、直接雇用を前提に派遣スタッフとして受け入れます。最長6ヶ月の派遣期間中に、実際のはたらく姿や適性を見て採用を決められるため、入社後のミスマッチを防げます。また、派遣スタッフははたらきながら仕事内容や職場の雰囲気、人間関係などを確認できるメリットもあります。

企業と派遣スタッフの双方にとって見極める期間があるため、入社後のミスマッチを防ぎ、社員の定着につながります。

ポテンシャルを重視した採用

紹介予定派遣は最長6ヶ月の派遣期間中に、派遣スタッフの人柄、社風に合うか、吸収力があるかなどを見定めることができます。そのため、履歴書や面接だけでは分からない、ポテンシャルを重視した採用を行いたい場合に適しています。

紹介予定派遣については、こちらでさらに詳しくご説明しています。
▼紹介予定派遣とは?仕組みやメリット、通常の派遣との違いまで解説
https://www.tempstaff.co.jp/client/hr-knowledge/3816.html

人材紹介とは企業と求職者をマッチングするサービスのこと

人材紹介とは、職業紹介事業の許可を有する事業者が人材を探している求人企業に求職者をマッチングし、採用業務の支援を行うサービスです。人材紹介の場合は、求人企業と求職者が雇用契約を結びます。人材紹介会社は、求人企業の採用要件に沿った求職者を探し出して、紹介とあっせんを行います。

人材紹介会社が提供するサービスの種類は、人材紹介会社に登録している求職者を紹介する「一般紹介型」と、人材紹介会社に登録している求職者だけではなく、他社のデータベースやSNSなどあらゆる情報を利用して求職者を紹介する「サーチ型」があります。

人材紹介とは

人材紹介の活用シーン

人材紹介の活用シーン2例について説明します。自社での採用が難航しやすいケースは人材紹介をうまく活用しましょう。

スペシャリストの採用

特定の業種や業界、職種などに特化した専門性を持つスペシャリストを求人企業が直接雇用し、長期で活躍してほしい場合は、人材紹介を利用するとよいでしょう。

スペシャリストは転職市場でも人数が限られているため、難易度が高く、求職者を集めるのに時間がかかります。近年では、スキルや年収などの一定条件以上の人材が登録する転職サイトが登場しています。そうしたデータベースを保有する人材紹介会社に依頼する方が、効果的に採用活動を行える場合もあります。

マネジメント層の採用

マネジメントができる人材は、事業成長を中長期で考え、その企業に長期で在籍したり、自ら計画や戦略を立案しチームや部署をリードすることが求められます。そのため、マネジメント層の人材を確保したい場合は、人材紹介が適しているといえます。
「数十人が在籍するチームをマネジメントしていた」「3年以上のマネジメント経験がある」など、自社採用では出会うことが難しい人材も、人材紹介では自社の希望を伝え、それに沿った経験をもつ人材を探してもらうことも可能です。
マネジメント層の採用を強化したい際は人材紹介の活用をご検討ください。

人材紹介については、こちらでさらに詳しくご説明しています。
▼人材紹介のサービス内容とメリット、注意点、利用シーンについて解説
https://www.tempstaff.co.jp/client/hr-knowledge/1814.html

紹介予定派遣と人材紹介の違い・特徴

紹介予定派遣と人材紹介のそれぞれの内容、契約形態、雇用元、選考実施の可否、契約期間、料金体系の違いについて解説します。

紹介予定派遣 人材紹介
サービス内容 採用支援 採用支援
契約形態 労働者派遣契約 有料職業紹介契約
雇用元 派遣期間:派遣元
切替時:自社
自社
選考実施の可否
派遣期間 最長6ヶ月 なし
料金体系 実働時間数×時間単価
採用決定時:紹介手数料
採用決定時:紹介手数料

※契約によっては、必要な費用を別途精算する場合があります。

「サービス内容」について

それぞれのサービス内容を解説します。あらかじめどのようなサービス内容かを確認し、自社にあう活用方法の選択につなげましょう。

【紹介予定派遣】採用支援

紹介予定派遣は、労働者派遣のうち、人材派遣会社が派遣先企業・派遣スタッフに対して人材紹介を行う(ことを予定している)サービスです。

採用条件に合った求職者情報の整理と紹介、面接日程の調整、派遣期間中の派遣スタッフのフォロー、派遣スタッフの給与の支払い・社会保険などの労務管理など、人材派遣で受けられるサービスは、基本的に紹介予定派遣でも受けられます。

【人材紹介】採用支援

人材紹介は、人材を採用したい企業の支援を行うために、採用にかかわるさまざまな業務を代行します。例えば、求人票の作成支援、採用条件に合った求職者情報の整理、条件交渉、面接日程の調整や応募者への合否連絡やフォローなどを求人企業に代わって行います。

「契約形態・雇用元」について

紹介予定派遣と人材紹介では、契約形態や雇用元が異なります。それぞれの違いについて解説します。

【紹介予定派遣】契約形態「労働者派遣契約」から「有料職業紹介契約」、雇用元「派遣元」から「自社」

紹介予定派遣では、契約形態と雇用元が途中で切り替わります。派遣期間は労働者派遣契約を結び、派遣スタッフの雇用元は人材派遣会社となります。派遣期間終了後、双方が合意した場合、人材派遣会社と有料職業紹介契約を締結し、派遣先企業を雇用元として直接雇用契約を結びます。

【人材紹介】契約形態「有料職業紹介契約」、雇用元「自社」

人材紹介は、求人企業と人材紹介会社とで「有料職業紹介契約」を結びます。紹介された求職者が採用となった場合、雇用主は求人企業となります。そのため、直接雇用する人材の雇用形態や労働条件などを求人票で定めます。

「選考実施の可否」について

紹介予定派遣と人材紹介、両者ともに書類選考や事前の面接など、人材の選考が可能です。

紹介予定派遣は労働者派遣契約ですが、最終的に「派遣先企業で直接雇用する」ことが目的のため、人材の選考を実施できます。なお、合否の連絡は人材派遣会社を通じて行います。

「期間」について

こちらで説明する「期間」とは、紹介予定派遣であれば派遣スタッフとして契約可能な期間、人材紹介であれば直接雇用する労働者との契約期間のことです。それぞれについて解説します。

【紹介予定派遣】派遣期間:最長6ヶ月、切り替え後は長期雇用が前提

紹介予定派遣での派遣期間は、直接雇用を目的とした「試用期間」という意味合いがあります。紹介予定派遣での派遣期間の上限は最長6ヶ月と制限されています。3ヶ月など、6ヶ月よりも短い契約とすることは可能です。

【人材紹介】長期雇用が前提

人材紹介は直接雇用のため、長期雇用が前提です。雇用形態は、求人企業と求職者が合意すれば正社員や契約社員など、柔軟に決定することができます。

雇用期間に定めのある有期雇用でも人材紹介の活用ができます。ただ、無期雇用希望の求職者が紹介されなくなるため、マッチングしにくくなるケースもあります。

「料金」について

最後に、紹介予定派遣、人材紹介を活用する際に支払う料金と、計算方法について解説します。

【紹介予定派遣】派遣期間:派遣料金、採用決定時:紹介手数料

紹介予定派遣では、2種類の料金があります。1つ目は、派遣期間に支払う派遣料金です。派遣料金は派遣スタッフの「実働時間数×時間単価」で、派遣スタッフを受け入れている期間に発生します。

2つ目は紹介手数料です。紹介予定派遣では派遣期間中の派遣料金に加え、採用決定時の紹介手数料が発生します。紹介手数料(諸手当・賞与相当額を含む年収)は理論年収をもとに計算します。また契約によって、派遣期間中は派遣スタッフの通勤関連の費用分を別途請求される場合があります。

【人材紹介】紹介手数料

人材紹介は紹介された人材を採用した場合にのみ費用が発生します。紹介してもらったものの採用に至らなかった場合は費用が発生しません。

紹介料の目安は、採用した人材の初年度の理論年収(想定年収)に手数料率をかけて算出されます。手数料率は35%ほどが相場です。採用難易度の高い業界や人材の場合は35%以上に設定される場合がありますが、契約内容によっては25~30%に設定されることもあります。

理論年収とは、給与12か月分と賞与・手当などを合計した1年間の収入相当の金額を指し、想定年収とも呼ばれます。紹介を受けて採用した人材が早期退職した場合は、定めた契約にもとづいて返金額を算出し返金されます。

紹介予定派遣と人材紹介それぞれのメリット

紹介予定派遣と人材紹介に共通するメリットとして、採用工数の軽減が挙げられます。求職者の一次選定や面接などのスケジュール調整・合否連絡は人材派遣会社や人材紹介会社が行うため、企業の募集・採用工数を大きく軽減することが期待できます。また、企業で求めている人材を紹介するため、採用工数は少なくなります。

また、非公開で求人を出すことが可能です。非公開での採用活動は、新規事業の立ち上げメンバーを募集する場合や、退職社員がいることを社内に公開していないタイミングで人材を採用したい、などのように、社内に対して非公開で採用活動を行う場合にも適しています。

求人を公開すると職種や時期によっては応募者が殺到する場合があるため、採用業務の負荷を軽減させたい場合も非公開で求人を出すケースがあります。

紹介予定派遣

まず、紹介予定派遣にはどのようなメリットがあるか、具体的に解説します。

ミスマッチを防止する

派遣期間は双方の「試用期間」であり、書類や面接だけでは見極めることが難しい経験やスキル、仕事の適性など、時間をかけて判断できるため、ミスマッチを防ぐことができます。特に、「実務経験よりもポテンシャルを重視したい」「業務の適性だけではなく、社員との相性や社風に合うのかを確認したい」といった場合に適しています。

早期離職を防止する

派遣期間中は、人材派遣会社が派遣先企業と派遣スタッフの間に入り定期的にフォローを行い、派遣先企業の要件に合った人材を着実に入社に導きます。派遣期間中は、人材派遣会社がサポートをし、しっかりと双方の意向や要望をすり合わせるため早期離職の防止につながります。

人材紹介

人材紹介を活用する具体的なメリットを説明していきます。

採用活動の負担軽減・効率化する

人材紹介を活用することで、求人票の作成支援や応募者への対応、採用条件に合った求職者情報の整理などの業務を求人企業に代わって人材紹介会社が行います。採用活動の業務負担が軽減されると共に、効率よく精度の高い採用活動ができます。

採用コストが明確になる

求人企業が採用活動を行う場合は、一人あたりの採用コストの算出が難しい構造になっています。その主な原因は次の2つです。

  • 求人広告費をかけても希望要件に沿った人材が採用できるとは限らない
  • 採用に関する諸経費の支払いタイミングと採用のタイミングにタイムラグが生じる

人材紹介の場合は、採用が決定したタイミングで費用が発生するため、1人あたりの採用コストが明確になります。採用に必要な費用が明確化されることで、費用対効果を踏まえた採用計画の立案などが可能となります。

紹介予定派遣と人材紹介それぞれの留意点

紹介予定派遣と人材紹介にはさまざまなメリットがありますが、その一方で留意点もあります。どちらのサービスでもメリットを受けられるよう、ここでは留意点についてご紹介します。

紹介予定派遣

紹介予定派遣を活用する際に気をつけたい点も解説します。よりよい人材を採用できるよう、注意点を把握しておきましょう。

派遣スタッフとして受け入れできるのは最長6ヶ月まで

人材派遣では派遣スタッフの受け入れ期間は原則3年までですが、紹介予定派遣の場合、派遣スタッフとしての受け入れ期間は最長6ヶ月です。

自社が直接雇用を希望しても辞退される可能性もある

紹介予定派遣は派遣先企業・派遣スタッフ双方の希望が合致した場合に直接雇用が決定するため、直接雇用を必ず保証するものではありません。また、直接雇用に至らなかった場合には、派遣スタッフからの求めに応じて、人材派遣会社は派遣先企業に対して理由の明示を求めることがあります。派遣先企業は人材派遣会社からの求めに応じて理由を明示しなければなりません。

対応できない業務がある

労働者派遣法第4条労働者派遣法施行令第2条によって、派遣スタッフができる業務に制限があります。

禁止されている業務は以下の通りです。

  • 港湾運送業
  • 建設業務
  • 警備業務
  • 医療関係業務
  • いわゆる「士」の業務(弁護士、司法書士、土地家屋調査士、公認会計士など)
  • 人事労務管理関係のうち、派遣先企業において団体交渉又は労働基準法に規定する協定の締結などのための労使協議の際に使用者側の直接当事者として行う業務

ただし、労働者派遣法では禁止されている「病院などにおける医療関係業務」の派遣については、紹介予定派遣であれば対応可能です。

契約書に記載されていない業務は任せられない

人材派遣会社と派遣先企業の契約では、派遣スタッフの業務内容が取り決められており、契約書にない業務に派遣スタッフを従事させることはできません。もし、契約外の業務を派遣スタッフに依頼した場合には契約違反になる可能性があります。

そのため、依頼したい業務、もしくは今後発生するかもしれない業務については、契約書に記載しておく必要があります。また契約当初は想定していなかった業務が発生した場合には、人材派遣会社へすぐに相談しましょう。

二重派遣にならないように気を付ける

二重派遣とは、人材派遣会社から派遣された派遣スタッフを、契約した派遣先企業ではなく他の企業に派遣し、その企業の指揮命令ではたらかせることです。二重派遣をすると、派遣スタッフの給料が不当に減ってしまう可能性があります。

二重派遣は中間搾取につながりかねないため、労働者保護の観点から認められていません(労働基準法第6条職業安定法44条)。

人材紹介

人材紹介を活用する際に気をつけたい点もあります。よりスムーズな採用のために、以下の点を認識しておきましょう。

自社で採用活動を行うより高額になる可能性がある

人材紹介を活用した場合、採用にかかる労力が軽減され採用までの期間も短くなる反面、一人あたりの採用コストが、自社採用より高くなりやすい傾向にあります。採用にかけられる労力やコストなど、全体のバランスを見ながら活用してください。

採用活動の情報が共有されないと採用ノウハウは蓄積されづらい

人材紹介は人材紹介会社が採用業務を代行してくれるため、採用業務の負荷軽減につながりますが、求人企業で採用業務を行うよりも求職者との関わりが少なくなるため、求職者の反応が見えづらくなります。

求職者の直近の動向や、面談前後の反応、採用が成功した要因または失敗した要因は何かなど、採用に関するノウハウが蓄積されづらいという側面があります。そのため、人材紹介会社から採用活動で得た知見をフィードバックしてもらうのがおすすめです。

大規模採用には向いていない

人材紹介は、求人企業の要件に合う人材を紹介するため、選定がとても丁寧な傾向があります。質の高いマッチングサービスである反面、一度に多くの人材を採用したい場合にはあまり適していません。人材紹介を利用する場合は、採用したい人数を明確にし、人材紹介を利用すべきか検討するとよいでしょう。

紹介予定派遣と人材紹介に違いについて理解する

本記事では、紹介予定派遣と人材紹介の違いやそれぞれの活用シーン、メリットや留意点について解説しました。

紹介予定派遣は、派遣先企業との直接雇用を前提として一定期間(最長6ヶ月)派遣を行い、派遣期間終了後、派遣先企業と派遣スタッフの双方が合意すれば雇用契約を結ぶサービスです。派遣期間中に適性などの見極めが可能なため、ミスマッチを防ぐことにつながります。

人材紹介は、求人企業の採用要件に適した求職者を、人材紹介会社から求人企業に紹介するサービスです。求人にかかわる業務は求人企業の代わりに人材紹介会社が行うため、採用活動における業務負担を軽減することができます。

「紹介予定派遣と人材紹介の違いがよく分からない」、「どちらを活用すべきか悩んでいる」など不安や悩みをお持ちの方は多いと思います。本記事を参考に上手にサービスをご活用ください。

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