HRナレッジライン

カテゴリ一覧

外部委託を活用するメリットや依頼先の種類をわかりやすく解説

公開日:2023.08.08

更新日:2024.02.13

人事ナレッジ

人手が不足している、業務過多になっている、そんなときは外部委託を検討する方法もあります。そもそも外部委託とはどんなことを指すのか、どのような業務を依頼できるのかなどを解説します。気を付けるべきことやメリットも理解し、外部委託の実施について検討しましょう。

外部委託とは

外部委託とは、自社の業務を外部の事業者などに依頼し、自社の代わりに業務を遂行してもらうことを指します。外部委託を検討する際、混同されやすい言葉として「外注」「アウトソーシング」「業務委託」「人材派遣」があります。それぞれの言葉の意味と外部委託との違いについて詳しく解説します。

外注との違い

外部委託と外注という言葉の違いはほとんどなく、ほぼ同じ意味で使用されています。「業務を外部に発注する」という意味で用いられることの多い言葉です。


アウトソーシングとの違い

アウトソーシングとは、「外部(アウト)からの調達(ソーシング)」を意味しており、外部から購入するサービスすべてがアウトソーシングとなります。しかし、一般的には自社の業務に必要な人的資源やサービスを契約によって調達し、生産性向上や競争力強化などを目指す経営手法を指します。そのため、外部委託・外注と大きな意味の違いはありません。

アウトソーシングについての詳細は、以下のページもご覧ください。
>>アウトソーシングとは?種類別の活用方法・派遣との違いを解説


業務委託との違い

業務委託とは、民法上で「請負契約」「委任/準委任契約」の2つを総称する言葉です。

業務委託とは、自社では対応しきれない業務を切り出し、他の企業や個人といった外部へと委託する契約を指します。仕事を依頼する側と引き受ける側は雇用関係を結ぶことがなく、対等な立場で業務を進めていきます。以上の意味から、おおむね外部委託との意味は同じと言えるでしょう。

「請負契約」と「委任契約」、「準委任契約」の3つの契約形態があり、「成果物」に対して報酬を支払う契約が『請負契約』、「特定の行為の遂行」に対して報酬を支払うのが『委任/準委任契約』です。「委任契約」は法律行為を委託する契約であるのに対して、「準委任契約」は法律に抵触しない事務作業などの委託をするときに必要な契約です。


人材派遣との違い

人材派遣とは、厚生労働大臣に認可された派遣事業を行う人材派遣会社が、雇用契約を交わしている派遣スタッフを派遣する仕組みで、スキルをもった人材を必要なタイミング・期間に活用できます。人材派遣では、派遣元である人材派遣会社と派遣スタッフが雇用契約を結びます。派遣スタッフを受け入れる派遣先企業と人材派遣会社が結ぶのは労働者派遣契約です。

「外部委託」と「人材派遣」は自社の社員以外の外部人材を活用する点では共通しています。大きな違いは、「契約形態」「業務の指示命令の所在」の2点です。外部委託では、契約内容により成果物の納品、または業務の遂行を外部委託先が行うため、外部委託先から労働者へ業務指示をします。一方で人材派遣の場合は、派遣先の指揮命令者より直接派遣スタッフに業務指示をします。

人材派遣についての詳細は、以下のページもご覧ください。
>>人材派遣とは?仕組みやメリット、人材紹介やアウトソーシングとの違いを解説


外部委託の依頼先

外部委託を行うために、依頼先を検討する必要があります。外部委託の依頼先にもいくつかの種類があります。

アウトソーシング事業者への委託

一般的に行われるのがアウトソーシング事業者への外部委託です。業務の一部を切り出し、外部委託先の事業者がその業務を行い、業務指示も事業者が行います。


依頼したい業務の専門会社

専門性が高い業務や資格が必要な業務を外部委託したい場合には、その業務を専門で行っている会社に依頼するとスムーズでしょう。業務の効率化や成果・品質の向上が期待できます。


BPO会社

外部委託先の中でも、BPO会社は比較的規模の大きな業務を依頼する際に適しています。BPOは、「企業の業務プロセスを一括して委託する」という外部委託です。業務プロセスの設計、施策の実行・分析までを一括して外部委託するため、対象となる業務範囲が広いのが特徴です。

パーソルテンプスタッフではBPOサービスを提供しています。幅広い分野のサービスを提供しており、業務に必要な人員の採用・教育から運用管理まで、一括で委託できます。外部委託により業務効率化とコスト削減を実現し、組織の成長を促進しませんか?詳細はこちらをご覧ください。


人材派遣会社

人材派遣会社は、豊富な登録スタッフの中から、必要スキルやノウハウのあるスタッフを派遣します。必要なときに必要な人数を活用することができ、プロジェクトの推進においても有効な手段となります。

特定の人材やスキルを必要とする業務において、一時的なリソースの提供を受ける場合に適しています。プロジェクトの進捗状況に応じて必要なリソースを調整できるため、効率的な管理が可能となるでしょう。また、人材の採用・管理にかかるリソースやリスクを最小限に抑えたい場合にもおすすめです。期間制限や、業務の指示を社内で行う必要がある点に注意すべきですが、繁忙期や欠員が出た際に、必要な人数の派遣スタッフを依頼できます。自社登録の人材派遣会社スタッフであっても、内容によっては業務委託が可能です。


個人へ直接委託

フリーランスではたらく個人へ直接依頼することも可能です。一人で業務を行ってもらうため、アウトソーシング事業者などに依頼するよりも小さい規模の業務を依頼することが多いでしょう。すぐに業務を開始してほしい場合や、コミュニケーションをこまめに取りたい案件などは、個人への委託の方がスムーズであるともいえます。


クラウドソーシングへの委託

クラウドソーシングとは、一般企業が自社の業務を不特定多数の人に業務委託する業務形態で、インターネットを活用している点に特徴があります。一般的なクラウドソーシングは、発注者がインターネットを介して業務の応募者を募り、応募した業務者の中から依頼先を選定する方法です。


外部委託を活用する4つのメリット

外部委託を活用するとどのようなメリットがあるでしょうか。主なメリットを4つご紹介します。

社内で実施するより効率的に成果が得られる

その業務のプロフェッショナルに業務を委託できるので、専門性や業務のスピードアップが期待できます。業務に関してのノウハウを蓄積しているので、業務の改善方法なども共有できるでしょう。


社員を追加採用するよりもコストを抑えられる

外部委託費用と人件費を比較すると、作業内容を限定できる外部委託費用の方がコストパフォーマンスに優れるケースも多く、コストの削減が期待できます。


時期要因の業務量の変動に対応できる

繁忙期や欠員発生時に人手を増やしたい場合にも外部委託にはメリットがあります。期間を定めることができるためです。自社のスタッフを期間限定で増員することは難しいですが、外部委託ではそれをかなえることが可能です。


社員が強化したい部門や業務へリソースを集中できる

業務成果や利益への直接的な影響は低い業務を外部委託することにより、強化したい部門や業務へ社員のリソースを集中させることができます。


外部委託を行う際の3つの注意点

業務の外部委託によって、経営資源の最適化をはじめとするメリットがあることをご紹介しました。一方で外部委託を行う際には、いくつかの注意点もあります。ここでは代表的な3つをご紹介しますので、自社の現状と照らし合わせながら読み進めてください。

社内にノウハウが蓄積されづらい

業務を外部委託すると、その業務に携わる機会が減るので、自社にノウハウが蓄積されにくくなります。自社が保有するノウハウが古いままで止まってしまうため、定期的に委託先にノウハウをフィードバックしてもらい、状況を正しく把握しておくことが大切です。


情報漏えいの恐れがある

個人情報を扱う業務を委託する場合などに、委託先のセキュリティ管理がずさんだと、大切な情報が漏えいしてしまう危険性があります。万が一、情報漏えいが発覚してしまえば大きな責任を問われかねません。

情報漏えいのリスクを防止するためにも、外部委託を活用する場合は、委託先のセキュリティ体制について事前に確認する必要があります。


費用対効果が悪くなる場合がある

自社特有のツールや特殊なフローを採用していると、標準化しにくく、費用が高くなったり、追加の工数が発生したりと費用対効果が悪くなる可能性もあります。さらに外部委託する業務の見極めが正しくできていなかったため、本来委託しなくてもよかった業務を依頼し、コストがかさむという可能性もあります。

外部委託を検討する際はこれらの注意点を踏まえて、委託するべきかどうか判断する必要があります。あらかじめ注意点を知っておくことで、スムーズに外部委託を検討できるでしょう。


外部委託活用時に行うべきこと

外部委託を活用する際に、準備しておくべきことや、業務の中で気を付けておくべきことにはどのようなことがあるのでしょうか。外部委託の活用時、効率的に成果が得られるよう事前に確認しておきましょう。

既存業務を洗い出す

自社の業務にはどのようなものがあるのか、どのようなフローで人員と時間がどのくらい必要なのかを整理してください。この整理を正確に行うことで、外部委託すべき業務を明確化でき、より効率的に外部委託サービスを活用できます。


業務責任範囲を確認する

この外部委託の業務で、委託先がどこまでの業務を請け負って責任を持つのかということを委託開始前に確認しておきます。それによって、トラブルなくスムーズに委託した業務を進めることができるでしょう。


運用フローや業務マニュアルを委託先と共有する

委託した業務がブラックボックス化しないようにする工夫も行います。社内でも委託している業務の手順やマニュアルを共有することが、正しく行われているかのチェック機能になるとともに、内製化をスムーズに行う際にも非常に重要になります。


自社にあった外部委託先を検討する

外部委託先にはさまざまな種類があり、依頼する業務内容や目的に合わせた外部委託先を検討しなければミスマッチが起こる可能性があります。外部委託によって業務を効率化し、企業を成長させるためには、適切な委託先の選択と信頼できるパートナーシップ構築が成功の鍵となるでしょう。

パーソルテンプスタッフでは、総務・経理業務やコールセンター、物流まで幅広い分野の外部委託に対応しています。これまで数多くの事業課題や行政サービスを支えてきた実績から得た知識と経験を活かし、人材・テクノロジー・ロケーションを組み合わせた最適なプロセスをデザインし、高品質な運用で価値を提供します。業務効率化とコスト削減を実現し、組織の成長促進をご支援します。

アウトソーシングや業務委託で気になることがあれば、他の記事もチェックしてみてください。

おすすめの記事