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人材戦略とは?人事戦略との違いや経営との関わりについて解説
公開日:2025.08.28
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人材戦略と聞いたとき、具体的に「誰が」「何をすること」を指すのか、理解が曖昧だという方は多いのではないでしょうか。「人事戦略との違いがよく分からない」と感じている方もいるかもしれません。
そこでこの記事では、人材戦略に関する基礎的な知識や人事戦略との違い、経営との関わりについて分かりやすく解説します。
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目次
人材戦略とは
人材戦略とは、企業が目指す将来の姿や事業目標を達成するために、必要な人材について考え、具体的な計画を立て、実行していくことを指します。
単に「人を集める」「人を育てる」ということにとどまらず、企業の経営そのものと密接に結びついた、非常に重要な取り組みです。
人材戦略が求められる背景と重要性
人材戦略が求められる背景と重要性について解説します。
現代のビジネス環境は、技術の進化や市場の変化、そしてはたらく人々の価値観の多様化などにより、非常に速いスピードで変化しています。このように先の読みにくい時代に、企業が競争力を保ち成長を続けるためには、変化に対応できる強い組織と、そこで活躍できる人材が不可欠です。
また、少子高齢化による労働人口の減少、働き方改革への対応など、企業を取り巻く「人」に関する課題も複雑化しています。
こうした背景から、経営戦略を実現するための「人材」をどう確保し、どのように活かしていくかという視点が、これまで以上に重要になっています。
人材戦略は、これらの課題を乗り越え、企業の持続的な成長を支える土台となるものです。
人材戦略の目的と具体的な取り組み
人材戦略は、経営戦略と一体化し、実行可能な形で構築することが求められます。そのため、人事部門は経営陣や、現場の責任者・従業員それぞれと連携を深めながら、持続的な改善を図ることが重要です。
人材戦略の目的は、企業の経営目標を達成すること、事業を成長させ競争力を強化すること、そして組織の文化をよりよくしていくことなどにあります。
人材戦略の具体的な内容は、多岐にわたります。以下はその一例です。
- 自社にどのような人材が必要かを明確にする(採用)
- 従業員のスキル・能力を高めるための仕組みを作る(育成)
- 一人ひとりが能力を最大限に発揮できる場所に配置する(配置)
- 仕事での頑張りを正当に評価し、成果に報いる仕組みを作る(評価・報酬)
- 組織全体の力を高めるためのはたらきかけをする(組織開発)
人材に関わるさまざまな取り組みを経営戦略に沿って計画し、実行していきます。これらはすべて、企業が目標を達成し、将来にわたって発展していくために欠かせない活動だといえます。
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人材戦略と人事戦略の違い
人材戦略とよく似た言葉に人事戦略があります。両者は混同されやすいですが、目的や焦点に違いがあります。
両者の違いについて、人材戦略は「経営目標達成のためにどのような人材が、どれだけ必要で、いかに育成し、何をしてもらうか」という「人材そのもののあり方」に焦点を当てます。
その一方で人事戦略は「人材戦略を実行するために、どのような人事制度や仕組みを作るか」という「人事の仕組み」に焦点を当てます。
人材戦略 | 人事戦略 | |
---|---|---|
誰が主導するか | 人事部門が経営陣や、現場の責任者・従業員と連携を深めながら推進する | 主に人事部門が中心となって立案・実行する |
どのような目的か | 企業の経営目標を達成するために、必要な人材を確保・育成し最大限に能力を活かすこと | 経営目標や人材戦略を実現するために、人事制度(評価・報酬など)や仕組みを最適化・整備すること |
具体的に何をするか | 将来必要な人材像の定義・採用計画・育成計画・配置計画・タレントマネジメントなどの具体的な「人」に関する計画を立て、実行する | 等級制度・評価制度・報酬制度・研修制度・目標管理制度などの「人事の仕組み」を設計し、運用する |
人材戦略は、「経営目標達成のためにどのような人材が必要か」という問いに答え、そのための方向性や計画を示すものです。
一方、人事戦略は「人材戦略を実現するための仕組みをいかにつくるか」という問いに答え、制度や運用方法を定めます。そのため人材戦略は、より経営に近い概念として捉えられます。「人材戦略=人をどう活かすかの方向性、人事戦略=活かす仕組みをどう作るか」と整理すると分かりやすいです。
なお、人事戦略に関しては別の記事で詳しく解説しています。あわせてお読みください。
>>人事戦略とは?定義・プロセスから最新トレンドまで徹底解説!
人事戦略と経営戦略・戦略人事と「人的資本経営」の関係
人材戦略は、企業活動の根幹である経営戦略と、その経営戦略を実現するために人事を活用する考え方である戦略人事と、密接に関係しています。
まず、経営戦略とは、企業が将来どのような事業で、どのように利益を出していくか、といった企業の進むべき方向性や目標を定めたものです。人材戦略は、この経営戦略を達成するために不可欠な要素として存在します。つまり、経営戦略を実現するために「どのような人材が、どれだけ、いつまでに必要なのか」そして「その人材をどう育成し、配置し、活かしていくのか」といったことを考えるのが人材戦略です。経営戦略なくして、有効な人材戦略は成り立ちません。このような、人材は企業にとって「資本」であると捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげようという経営のあり方を「人的資本経営」と呼びます。
次に、戦略人事とは、単なる事務手続きとしての人事業務ではなく、企業の経営戦略と一体となり、組織や人材の側面から経営目標達成に貢献しようとする人事のあり方を指します。戦略人事を推進する人事部門は、経営の視点を持ち、経営戦略と連動した人材戦略を立案・実行する重要な役割を担います。
戦略人事 | |
---|---|
誰が主導するか | 経営層と人事部門が協働で主導 |
どのような目的か | 企業の経営戦略と一体となり、組織・人材の側面から経営目標達成に貢献する |
具体的に何をするか | 経営戦略と連動した人材戦略の立案・実行 <例>採用計画の策定・育成プログラムの実施・評価制度の見直し・配置転換・組織再編など。 |
企業が進んでいくべき方向を示す羅針盤である経営戦略があり、その経営戦略を実現するために必要な人材の方向性を示すのが人材戦略ということです。
そして、この人材戦略を推進し、経営に貢献できる人事活動を行っていくのが戦略人事という考え方、またはその役割を果たすのが人事部門です。
経営戦略、人材戦略、そして人事部門の取り組みは、企業の成長のために連携し合う、切り離せない関係にあるといえるでしょう。
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人材戦略は企業の成長のために重要な取り組み
この記事では、人材戦略が企業の経営目標達成に不可欠な取り組みであることや、人事戦略との違いや、経営とのつながりについても解説しました。
人材は企業にとって大切な「資本」です。人材の価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげようという「人的資本経営」の考え方は、変化の激しい時代である今、企業の成長に欠かせません。自社にとって必要な人材を確保して活かすことが、市場における競争力をさらに高める鍵となるでしょう。
本記事では、人材戦略への理解を深め、また人事戦略との違い、人的資本経営、そのための戦略人事の役割について触れました。
以下の記事では、人的資本経営や戦略人事などについてさらに詳しく触れているので、ぜひ参考にしてください。
>>【セミナーレポート】「人的資本経営」を目指すカゴメの人事改革 ー戦略人事とサステナブル人事の連動による経営改革ー
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監修者
HRナレッジライン編集部
HRナレッジライン編集部は、2022年に発足したパーソルテンプスタッフの編集チームです。人材派遣や労働関連の法律、企業の人事課題に関する記事の企画・執筆・監修を通じて、法人のお客さまに向け、現場目線で分かりやすく正確な情報を発信しています。
編集部には、法人のお客さまへ人材活用のご提案を行う営業や、派遣社員へお仕事をご紹介するコーディネーターなど経験した、人材ビジネスに精通したメンバーが在籍しています。また、キャリア支援の実務経験・専門資格を持つメンバーもおり、多様な視点から人と組織に関する課題に向き合っています。
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