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【セミナーレポート】
これからの採用の肝!今さら聞けない「採用ブランディング」

公開日:2025.05.14

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core words株式会社
CEO/Creative Director
佐藤 タカトシ 氏

Webを中心に求人情報があふれかえり、転職が当たり前になっている昨今。選ばれる会社になるには、採用ブランディングがますます重要になります。一方で、「何から手をつけて良いかわからない」という人事担当者も少なくないかもしれません。そんな疑問に答えるべく、採用ブランディングのエキスパートで『実践・採用ブランディング』の著者である佐藤タカトシ氏が登壇。体系的なメソッドや自社の魅力を伝えるブランディング手法を伝授しました。

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優秀な人材の獲得、採用コストの削減…。採用ブランディングには多様なメリットがある

採用ブランディングを一言で言うと、“特定のターゲットに対して自社の魅力を伝え、「はたらきたい」と思ってもらうこと”と説明できます。つまり、「求める人材を明確に設定して、深いコミュニケーションを取る」ということが最大のポイントです。一般の消費財のように、広くあまねく情報を伝えることは、かえって非効率になることもあります。
採用ブランディングには3つのレイヤーがあります。1つ目は品質やサービス、情緒的なベネフィットから消費者に選ばれている「企業ブランド」。2つ目はサービスの価格や質といったベネフィットが競合に勝っていることから消費者から選ばれている「事業ブランド」。3つ目は会社や事業、仕事内容、職場環境、待遇など「はたらく」という観点で、採用ターゲットから選ばれている「採用ブランド」となります。採用ブランディングでは企業ブランドや事業ブランドが影響しやすいものの、正しい施策を行うことで知名度の低い中小企業が大企業に勝るケースもあるのが特徴です。採用ブランド構築のメリットには「既存チャネルでアプローチできない優秀な人材を確保できること」「採用メディアや人材紹介サービスへの投下費用を抑えられること」「スポット的な採用活動から脱却できること」の3点が挙げられます。

採用ブランディングはWHY、WHO、WHAT、HOWの順で考える

採用ブランディングでは、「誰に、何を、伝える」かが重要です。セオリーとしては、「WHY(目的)」→「WHO(求める人材像)」→「WHAT(伝える内容)」→「HOW(コミュニケーション設計)」という流れになります。柱となるのが「WHY」で、経営と組織の両面を意識することが肝心です。また「“新卒”採用を通じて、“チャレンジできる社風に改める”ため」といった具合に“〇〇”に当てはまる言葉を定めるのが理想的です。「WHO」では目的達成のために誰を採用するのかを定義します。ここでは職歴や学歴といったスペックだけでなく、どんなキャラクターで、どんなモチベーションを持っているのかなど、人物的な特性に踏み込むことが有効です。「WHAT」はWHOに対してのメッセージを考える箇所で、会社基盤、企業理念、ビジネスモデル、仕事内容、人的魅力、組織・風土、施設・環境、給与・福利厚生の8つの特徴で整理し、キーとなる要素を一言で伝えます。「HOW」はどのような手段でメッセージを伝えるかを考える段階です。求人ポータルサイトや人材紹介、自社の採用サイトやSNSなど、数々の手段を吟味して、採用ターゲットメッセージや適切な情報を届けることが必要になります。KPIは母集団形成(興味喚起)、説明会・面接(動機形成)、リテンション(不安払拭)という3つのフェーズを軸に決めていきます。カジュアル面談実施数やエントリー数、辞退率など、自社の課題に応じて設定するのが大切です。

まとめ

採用ブランディングは採用の目的、人物像、伝える内容、コミュニケーション設計の順で考えていくことが大切です。さらに母集団形成や動機形成といったフェーズを意識してコミュニケーションを設計すること、自社を飾らずにストレートに見せることも大事な要素となります。採用ブランディングは取り組み始めてすぐに効果が現れるというものではありません。短くても半年、あるいは1〜3年といった中長期的な視点で捉え、試行錯誤しながら勝ちパターンを見つけていくのがポイントです。

Profile

core words 佐藤 タカトシ 氏

core words株式会社
CEO/Creative Director
佐藤 タカトシ 氏

2001年4月、リクルートコンピュータパブリシング(現リクルート)に入社。11年間に渡り、大手自動車メーカー、大手素材メーカー、インターネット関連企業、流通・小売企業などの採用ブランディング、採用コミュニケーションを支援。マネージャー、クリエイティブディレクターを務めたのち、2012年7月、DeNAに転職。採用チームに所属し、採用ブランディングとダイレクト・リクルーティングをメインミッションとして活動。 2015年7月、core wordsを設立。著書に『実践・採用ブランディング』『採用ブランディングのためのデザイン&コンテンツ』がある。
東京大学理学部卒。東京大学大学院理学系研究科修了。

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