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常用型派遣(無期雇用派遣)活用のメリット、登録型派遣との違いを解説

公開日:2023.07.06

人事ナレッジ

人材派遣サービスは、人材派遣会社と派遣スタッフが雇用契約を結び、派遣先企業ではたらく勤務形態です。その形態には「常用型派遣」と「登録型派遣」の2種類があります。
本記事では常用型派遣の特徴やメリット、その他の雇用形態との違いについて詳しく解説しています。ぜひ、参考にしてみてください。

常用型派遣(無期雇用派遣)とは

派遣スタッフのはたらき方の一つとして、「常用型派遣」があります。これは人材派遣会社に常用雇用されている派遣スタッフを派遣する形式を指します。常用型派遣において、人材派遣会社と派遣スタッフは無期限の雇用契約を結んでおり、派遣先がない期間も給与が支払われます。

登録型派遣と異なり、派遣先の同一部署(同一の組織単位)への派遣可能期間を3年に制限する、いわゆる「3年ルール」は適用されません。そのため3年を超えて同じ企業、同じ部署ではたらき続けることが可能です。

登録型派遣との違い

登録型派遣は、人材派遣会社に登録している派遣スタッフを有期雇用し派遣する形式です。派遣先企業との契約がない期間は人材派遣会社との雇用関係が存在しないため、派遣スタッフに給与は支払われません。人材派遣会社と派遣先企業の間は「労働者派遣契約」、派遣スタッフと人材派遣会社の間では「雇用契約」が結ばれます。通常、双方の契約期間は同じであることが多く、3ヶ月や半年ごとに契約更新を行います。

労働者派遣法により、30日以内の派遣(日雇派遣)は禁止されています。また、派遣可能期間の制限により、派遣先の同一事業所では原則3年まで、といった決まりがあります。常用型派遣は登録型派遣と異なり、派遣先の同一部署(同一の組織単位)への派遣可能期間を3年に制限するいわゆる「3年ルール」はなく、3年を超えて継続してはたらくことができます。

常用型は「無期雇用派遣」、登録型は「有期雇用派遣」と呼ばれることもあります。
無期雇用派遣については、こちらでさらに詳しくご説明しています。
>>無期雇用派遣とは?活用するメリットや留意点についてご紹介

紹介予定派遣との違い

紹介予定派遣とは、派遣先との直接雇用を見据えて一定期間(最長6ヶ月)派遣し、派遣期間終了後に直接雇用に切り替えることができるサービスです。派遣期間を通して適性などを見極め、双方の希望が合致した場合、採用が決定します。

直接雇用を想定し、一定期間派遣スタッフとして就業する紹介予定派遣は、はたらき方として常用型派遣や登録型派遣とは異なる形態といえます。

紹介予定派遣についてはこちらで詳しく説明しています。
>>紹介予定派遣とは?仕組みやメリット、通常の派遣との違いまで解説

労働者派遣事業の一本化について

労働者派遣事業には、許可制である「一般労働者派遣事業」と届け出制の「特定労働者派遣事業」の2つが存在していました。しかし、2015年9月30日に改正された労働者派遣法によって、許可制の「労働者派遣事業」に一本化されています。

労働者派遣事業の一本化

それまであった「一般労働者派遣事業」とは、厚生労働大臣の認可を受けて運営する派遣事業のことです。一方、「特定労働者派遣事業」は厚生労働省への届出が必要なものの、許可の必要はありませんでした。現在は許可制に一本化されたため、労働者派遣事業のすべての事業所は厚生労働大臣から事業許可を得なければなりません。

法改正に伴い一本化された「労働者派遣事業」は、常用型派遣と登録型派遣の2つの形態に分けられます。常用型派遣は、派遣スタッフが人材派遣会社と雇用契約を結んでいるため、派遣先企業での業務が終了後も賃金が発生します。登録型派遣は、派遣先ではたらいている期間のみ人材派遣会社と雇用契約を結ぶので、その期間のみ人材派遣会社から賃金が発生します。

常用型派遣(無期雇用派遣)を活用する2つのメリット

派遣スタッフには無期雇用契約に転換することで安定した収入を得られるというメリットがありますが、派遣先企業側にも無期雇用派遣スタッフを受け入れることで、以下のようなメリットがあります。

  • 受け入れ期間の制限がない
  • 引継ぎや教育の機会が少なくなる

それぞれを詳しく解説します。

受け入れ期間の制限がない

有期雇用の登録型派遣スタッフの場合、派遣先の同一の事業所において継続して派遣を受け入れることができる期間(派遣可能期間)は原則3年までです。派遣先が3年を超えて派遣を受け入れようとする場合は、抵触日の1ヶ月前までに派遣先事業所の過半数労働組合などから意見聴取を行う必要があります。

一方、無期雇用派遣スタッフを受け入れた場合には、派遣の期間制限の対象外となります。無期雇用派遣スタッフは3年を超えて受け入れが可能です。ただし、たとえ同時期に無期雇用派遣スタッフを受け入れていたとしても、有期雇用スタッフも受け入れていた場合、有期雇用スタッフについては期間制限の対象となるため注意してください。

引継ぎや教育の機会が少なくなる

派遣先が派遣スタッフを受け入れられる期間が原則3年と定められているため、3年を超えると後任の派遣スタッフを再度教育する必要があります。

しかし、無期雇用派遣スタッフは期間制限を受けることなく、長期的に就業できる可能性があるため、引継ぎや教育の機会が少なくなります。

労働者派遣には常用型派遣と登録型派遣の2種類がある

労働者派遣には、常用型派遣と登録型派遣の2種類があります。企業にとって、期限の定めのない常用型派遣は派遣スタッフに長期にわたってはたらいてもらうことができる点がメリットだといえます。また、派遣スタッフにとっては収入や雇用が安定し、生活の見通しを立てやすくなります。

企業と派遣スタッフの双方にメリットのある常用型派遣を活用し、企業を活性化させていきましょう。


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