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年末調整のアウトソーシングとは?代行できる業務やメリットをご紹介
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年末はさまざまな業務が立て込む慌ただしい時期であり、年末調整に関する業務は多くの企業で大きな負担となっています。 こうした負担を軽減できる方法の一つが、年末調整の代行業務です。年末調整をアウトソーシングすることは、年末調整業務担当者の負荷軽減やコスト削減につながります。また、プロに依頼することで、最新の税・法改正に対応できるメリットもあります。
本記事では、年末調整アウトソーシングの内容やメリットと注意点、費用の相場などを解説します。年末調整に関する業務の負担を軽くしたい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
年末調整アウトソーシングとは年末調整に関する業務を外部に委託すること
年末調整アウトソーシングとは、社員の年末調整に関する年に一度の業務を、企業が外部に委託することです。アウトソーシングを活用し、さまざまな業務を代行してもらうことで年末調整業務担当者の負担は軽減します。さらに、専門家に任せることで自社にない専門知識を補ったきめ細やかなサービスが期待できます。
アウトソーシングについては、こちらの記事で詳しくご説明しています。
>>【わかりやすく解説】アウトソーシングとは?活用方法と派遣との違い
年末調整業務とは
年末調整とは、企業が社員に支払った毎月の給与等から源泉徴収した所得税および復興特別所得税の合計額と、その人が1年間に納めなければならない所得税および復興特別所得税を比較して、その差額を精算する手続きのことです。
年末調整の対象者は、国税庁の「年末調整の対象となる人」によると以下2つの条件を満たしている人です。
- 「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を、年末調整を行う日までに会社へ提出している
- 年末時点で企業に在籍している
また、年末調整の対象となる人は、年末調整を12月に行う場合と、年の中途で行う場合とで異なります。
■12月に行う年末調整の対象となる人
12月に行う年末調整の対象となる人は以下のような人です。
- 企業などに1年を通じて勤務している
- 年の途中から就職し年末まで勤務している
■年の中途で行う年末調整の対象となる人
- 年の途中で、海外勤務などの理由により非居住者となった人
- 年の途中で死亡により退職した人
- 著しい心身の障害のため退職し、本年中に再就職が見込めない人
- 12月に給与の支払いを受けた後に退職した人
- パートタイマーとしてはたらいている人などが退職した場合で、本年中に支払いを受ける給与の総額が103万円以下の人(退職後、年末までに他の勤務先から給与を受け取る見込みがある人は除く)
したがって、年の途中で退職した人で上記にあてはまらない人は年末調整の対象となりません。
年末調整のアウトソーシングは違法にはならない
給与計算などを社労士に依頼している企業もあるかと思います。年末調整には税理士にしかできない業務(業務独占資格)があるため、現在、社労士が年末調整代行を行うと法律違反になります。
法第52条は、「税理士又は税理士法人でない者は、この法律に別段の定めがある場合を除くほか、税理士業務を行つてはならない。」と規定し、税理士又は税理士法人でない者が、原則として「税理士業務」を行うことを禁止しています。
一方、2016年に全国社会保険労務士会連合会と日本税理士会連合会の間で、年末調整は税理士の業務範囲であるという結論が導き出されたため、税理士や税理士資格のある事業者への年末調整のアウトソーシング自体は違法にはなりません。
年末調整をアウトソーシングする場合は、税理士や税理士資格のある事業者に依頼することが大切です。
年末調整アウトソーシングで委託できる業務内容
年末調整でアウトソーシングできる主な業務内容についてご紹介します。
各申告書の発送
社員に各申告書を発送し、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」や地震保険や生命保険の控除証明書などを回収します。
年末調整を行うために必要な資料は、主に以下となります。
- 給与所得者の扶養控除等異動申告書
- 給与所得者の基礎控除申告書、所得金額調整控除申告書
- 給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書、住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書(残高証明書)
- 給与所得者の保険料控除申告書
- 生命保険料控除証明書などの詳細が分かる書類
年末調整のデータ作成
申告書と証明書をもとに個人ごとの所得税控除データを作成します。
申請書のチェック・修正
申告内容に問題がないかをチェックし、修正します。また、申告書に不備がある場合や提出していない社員に督促連絡をします。
ファイリング
原本管理を事業者に依頼する場合は、入力データや回収書類をファイリングした状態で事業者が保管します。
データ加工
年末調整済みのデータを、給与計算システムにアップロードできる状態に加工して会社に納品します。
年末調整でよくある課題
年末調整に関して、経営者、年末調整業務の担当者、社員の各々の立場での課題があります。それぞれについて解説します。
経営者のお悩み
年末は給与の計算の他に賞与の計算や売上計上などがあり、加えて1~12月に発生する年末調整業務に追われるため、経営者は以下のようなお悩みを抱えていることが多いでしょう。
- 年末調整を効率化したい
- 年末調整を電子化したい
- 社員数の増加で作業が煩雑になる
- 法改正に適応できておらず、担当者の業務負担が増える
- 年末調整に関する教育コストを減らしたい
- 社員に年末調整を任せられない
- 年末調整業務担当者が退職してしまった
- 年末調整業務がブラックボックスになっている
年末調整業務担当者のお悩み
年末調整業務担当者は、以下のようなお悩みを抱えていることが多いです。
- 他の業務との兼ね合いで、本来の業務に時間が割けない
- 内容の確認作業が大変で、ミスが頻発してしまう
- 申告書類を全社員から回収することや、リマインドが大変
- 社員からの電話対応に追われる
- 年末時期だけ残業が増える
社員のお悩み
年末調整業務担当者が悩みを抱える一方、申請をする社員たちも以下のような悩みを抱えています。
- 用意する書類が多くて大変
- 控除額の計算が大変
- 申告のやり方が合っているか不安
- 紙で申請するので、記入や提出が面倒
- リモートワークなので、申請が面倒
年末調整業務担当者も、経営者も、申請する側の社員でさえ、年末調整に悩まされているのが現実です。年末調整アウトソーシングを活用することで、これらのお悩みの解消が期待できます。
年末調整をアウトソーシングする3つのメリット
年末調整をアウトソーシングするメリットとして、主に以下の3つがあります。
- 繁忙期の人件費を削減できる
- 業務負担を軽減できる
- 法令改正に対応できる
それぞれについて解説します。
繁忙期の人件費を削減できる
年末調整のために、年末調整業務担当者の残業が一時的に増加したり、追加の人員(期間限定の派遣スタッフなど)を雇用すると、企業にとって人件費が増えることがあります。人材派遣サービスを活用する場合、自社のワークフローを教える育成コストも発生します。
それらを踏まえると、年末調整アウトソーシングを活用したほうがコストを抑えられる可能性があります。また、年末に差し掛かる忙しいタイミングでも経営者や年末調整業務担当者の時間を確保できるため、十分な費用対効果があるといえるでしょう。
業務負担を軽減できる
年末は賞与の計算や年内の売上計上などの業務が立て込む時期のため、担当部署に業務が集中して大きな負担増になります。キャパオーバーになると業務効率が低下するだけでなく、ミスも起こりやすくなります。
年末調整アウトソーシングを活用すれば、年末調整の業務を外部に委託できるため、業務負担を軽減することが可能です。年末調整の業務負担が軽減されれば、本来の業務に集中して取り組むことができ、パフォーマンス低下の防止にもつながります。
法令改正に対応できる
年末調整は、たびたび行われる税法改正の影響を受けるため、最新の情報に基づいた対応をする必要があります。年末調整アウトソーシングを活用することで、法令改正に対応したミスのない年末調整を行うことができます。
年末調整をアウトソーシングする際の3つの注意点
多くのメリットがある年末調整アウトソーシングですが、活用にあたって気を付けたい注意点もあります。
- 年末調整の代行は税理士のみが可能である
- 情報漏えいの恐れがある
- 税務顧問契約とは別料金となる場合がある
それぞれについて解説します。
年末調整の代行は税理士のみが可能である
年末調整と同様にアウトソーシングされることの多い給与計算は、税理士と社会保険労務士のどちらも行える業務です。ただし、年末調整に関しては税理士法第2条第1項に規定する業務に該当し、税理士のみが代行できる業務となります。つまり、社会保険労務士に依頼すると税理士法第52条(税理士業務の制限)に違反します。
年末調整アウトソーシングを活用する際は、税理士資格のある事業者かどうかを確認しましょう。
情報漏えいの恐れがある
年末調整アウトソーシングを活用する際は、社員のマイナンバーや住所などの個人情報を委託先に預ける必要があり、個人情報漏えいのリスクがあります。
そのため、プライバシーマークを取得しているかなど、情報管理やセキュリティ対策を講じているかどうかを事前に確認し、慎重に委託先を選ぶことが重要です。
税務顧問契約とは別料金となる場合がある
税理士によっては年末調整の料金を顧問料に含むケースもありますが、対応する人数(社員数)が多ければ、別料金が発生することもあります。
また、年末調整アウトソーシングを依頼するときに、顧問契約が前提、給与計算とセットという条件を提示してくる税理士事務所もあります。年末調整だけを依頼したい場合は、事前に条件を確認しておくことが必要です。
年末調整アウトソーシングの料金相場
年末調整アウトソーシングサービスの料金体系は、基本料金と社員1人あたりの料金を合計した額になることが多いです。ある一定の社員数までは基本料金内で収まり、超えた分に関しては1名あたりいくら、という従量制になるのが一般的です。
以下が、基本料金と従業員1人あたりの料金の相場です。
- 基本料金:10,000円~30,000円
- 基本料金分以降、1名増えるごとに+1,000円~3,000円
事業者によっては、源泉徴収票や支払調書などの作成に別途料金が発生する場合もあります。どこまでの業務が基本料金に含まれるのか、よく確認しておきましょう。
また、上記の相場はあくまでも目安で、事業者によってさまざまな料金体系を用意しているため、事前に正しい料金を把握しておくことが重要です。パーソルテンプスタッフではご依頼いただく業務内容によって都度見積りさせていただきますので、見積りご希望の方は別途お問い合わせください。
自社に合うやり方で年末調整業務の負担を減らす
年末調整の時期は、膨大な業務量を処理しなければならないため、年末調整業務担当者の業務負担が増えてしまいます。年末調整アウトソーシングを活用すれば、業務を外部に委託できるため、本来の業務に集中して取り組むことができます。
年末調整アウトソーシングを活用すれば、年末調整に必要な書類の確認や控除額と源泉徴収所得の計算などを行ってもらえます。また、専門家に任せることで、自社にない専門知識を補ったきめ細やかなサービスが期待できます。加えて、最新の法令改正に対応できるメリットもあります。
パーソルテンプスタッフでは、人事・労務アウトソーシングの一部として年末調整アウトソーシングのサービスを提供しています。ぜひ、参考にしてみてください。
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