HRナレッジライン

カテゴリ一覧

営業効率化における課題と解決方法、役立つツールをご紹介

公開日:2023.04.12

企業の課題

働き方改革が進む中、社内の工数や負担を減らし営業活動の効率化を目指す企業が増えています。営業活動に関する課題を解決させるためには、現状の把握や業務の優先付け、解決方法の選定が大切です。今回は営業効率化のメリットや流れ、役立つツールなどをご紹介します。

営業効率化とは

営業効率化とは、企業において時間や作業のロスを削減して営業活動を効率化することを指します。営業活動にかかった時間やコスト、労力などに対して得られた効果の程度を営業効率と言います。企業が営業利益を得るためには、成約率の向上を図るだけでなく効率化も重要です。いくら売上が上がったとしても、時間やコストが増えてしまうと、営業利益は横ばいもしくは減少してしまいます。一方で、売上が一定でも営業効率が向上すれば、コストが下がり営業利益が上がる可能性もあります。

例えばメールチェックや伝票の作成など、細かな業務が効率化されれば、時間や労力を別の業務に回すことができます。顧客に対するフォローに時間を割けるようになると、より丁寧な対応ができるようになります。営業利益を上げるためには、従来の営業方法を見直した上で課題を洗い出し、効率化を図ることが大切です。

営業における課題

営業効率化を図る前に、営業活動においてどのような課題があるかを把握する必要があります。一般的に営業活動において主な課題は「移動の時間やコスト」「情報共有の時間」の2点です。それぞれの課題について詳しく解説します。

移動の時間やコスト

外回りやテレアポなどを地道に重ねて、顧客を開拓する営業も多いでしょう。クライアント先に訪問する場合、どうしても移動時間や交通費などがかかります。例えばエリアをまたいで出張する場合、数日かけて移動することもあるでしょう。予定時刻に到着したとしても、先方の都合で予定通りに進まないことも考えられます。デスクワークだけではない営業活動においては、いかに非訪問型の営業活動を取り入れるかが効率化のポイントです。状況によっては訪問することも大切ですが、オンラインでの営業活動や移動時間・待ち時間を有効活用できる方法を取り入れることが効率化につながります。

情報共有の時間

従来の社内会議や資料回覧による社内報告は、手間がかかるだけでなくタイムリーに情報を共有しにくいという課題もあります。特に会議を開くためには参加者の時間を確保する必要があり、その他の業務にも影響が出ます。また、資料回覧では伝達ミスが起こる可能性も高く、トラブルにつながりやすい点も課題です。こうしたリスクを避けるためにも効率化を図り、コミュニケーションが取りやすい環境を整える必要があります。

営業活動において情報共有は重要な業務の一つです。例えば、顧客情報や進捗状況などを社内で共有しておくことで、担当者が席を外している際にお問い合わせがあったとしても円滑に対応できます。また、各社員のスケジュールを共有しておくことも大切です。各社員の状況が把握できていれば、業務が円滑に進むだけでなく営業活動のノウハウも共有できます。

営業効率化によるメリット

営業効率化を図ると、さまざまなメリットを得られます。特に押さえておきたいのが下記の3点です。

  • 営業の負担軽減につながる
  • 売上の増加を期待できる
  • 顧客満足度の上昇につながる

それぞれのメリットについて詳しく解説します。

営業担当の負担軽減につながる

営業効率化によって得られるメリットの一つが、営業担当者の負担軽減です。営業の仕事は外回りだけではありません。クライアントに提出する資料や契約書、請求書などの書類作成も行います。

また訪問営業する場合、帰社する時間が遅くなるケースも少なくありません。帰社後に事務作業を行えば、退社時間はさらに遅くなります。業務内容が多岐にわたる営業活動は、残業が当たり前になっていることも多く担当者の負担は大きくなりがちです。
営業効率化を図ることで移動時間や情報共有にかかる負担が軽減されます。また、効率化により残業を減らせるため、人件費の削減にもつながるでしょう。

売上の増加を期待できる

営業効率化は売上増加にもつながります。売上を増加させるためには、営業する顧客数を増やすことも大切です。しかし、移動や事務作業、情報共有などに時間がかかることにより、1日に対応する顧客数を増やせません。

営業効率化を図ることでこれまで費やしていた時間を削減でき、空いた時間を顧客対応に回せます。顧客対応に時間をかけることで、成約率や売上増加を目指せるでしょう。また、営業効率化に伴い人件費や移動費などのコストが削減され、売上増加だけでなく営業利益の改善にもつながります。

顧客満足度の上昇につながる

顧客のニーズに応えようと思っても、十分な時間がなければ希望に沿った対応ができません。前述したように、営業効率化によってこれまでかかっていた時間を削減すると、顧客対応にかける時間を増やせます。事前の準備にも時間を使うことで、顧客満足度の向上が実現可能です。

時間を有効に使って細やかな対応や最適な提案ができれば、顧客からの信頼度も上がります。その結果、企業自体の信頼につながります。

営業効率化の流れ

営業効率化を図るためには、以下に挙げる4つのステップを踏むことが大切です。

  1. 現状の業務を把握する
  2. 業務に優先度をつける
  3. 効率化する業務を決める
  4. 効率化の方法を決める

続いては、これらのステップについて具体的に解説します。

ステップ1.現状の業務を把握する

営業効率化を図る上で、最初に行う作業が現状の把握です。現在、どのような業務を行っているのか、ルーティン業務だけでなく、イレギュラーな業務もすべて洗い出します。同時に、業務にかかる時間や担当者なども細かく把握する必要があります。

現状把握をおろそかにすると効果的な策を立てられません。営業効率化の取り組みを成功させるためにも、細かく現状を洗い出すように心がけることが大事です。

ステップ2.業務に優先度をつける

現状の業務を把握できたら優先順位をつけます。洗い出しておいた業務内容を振り分けると、優先度がイメージしやくなります。「本当にやるべきか」「他のメンバーに任せられないか」など、細分化して振り分けます。

その上で、期限の早いものから並べていくと優先順位が見えてきます。具体的な期限が設けられていないタスクも、おおよその目安を立てて優先順位をつけるのがポイントです。また、期限が近いタスクは重要度の高いものを優先します。

ステップ3.効率化する業務を決める

続いては、優先度や重要度に関係なく、時間を削減できる業務はないか見極めましょう。例えば、訪問の必要がないにもかかわらずクライアント先に足を運んでいる、オンラインでのやり取りで済む内容でも時間を割いて対面で集まる会議を開いているなどが挙げられます。

問題点を明確にすることで効率化が必要な業務が分かり、解決方法について検討しやすくなります。

ステップ4.効率化の方法を決める

問題点が明確になったら、効率化の方法を検討します。まず、優先順位を見ながら不必要な業務があればやめることを検討します。業務の洗い出しをしたことで、重複していた業務が見つかるかもしれません。

その他、あらたなシステムやツールを活用して効率化を図る方法もあります。特に、訪問の必要がない営業活動や情報共有などは、ツールの活用が最適です。

このように、問題点に合わせた解決方法で営業活動を効率化させると、業務が円滑に進み時間に余裕が生まれます。

営業活動を効率化する方法

営業効率化の方法は問題点に合わせて選ぶ必要があります。一般的な営業効率化の方法は以下の4つです。

  • 情報を一元化する
  • インサイドセールスを活用する
  • ITツールを活用する
  • アウトソーシングを活用する

それぞれの方法について詳しく解説します。

情報を一元化する

点在する情報を一つにまとめることを「情報の一元化」と言います。複数のタスクを対応する営業は、顧客情報やスケジュールなど大量の情報を扱いますが、情報が点在すると見つけ出すだけでも時間がかかってしまいます。また、情報が管理されている場所ごとに管理者や責任者を配置した場合、人件費もかさみます。

情報を一元化することによって、誰でも必要な情報を見つけやすくなります。また、管理者や責任者も一元化により削減できるため、営業効率化が可能です。

インサイドセールスを活用する

インサイドセールスとはリモートセールスとも呼ばれ、見込み客に対して非対面で営業活動を行うことを意味します。電話やメール、SNSなどを活用しオフィスにいながら営業活動ができるため、移動時間やコストの削減が可能です。

また、実際に訪問するよりも手軽かつ多くの顧客にアプローチできるため、これまでアプローチできていなかった顧客にも対応できます。さらに、属人化しがちな訪問営業とは異なり、進捗状況や成果をデータ化して管理すれば業務を標準化でき、状況を分析しやすくなります。

ITツールを活用する

社内で工夫して、営業活動を効率化するだけでは限界がありますが、ITツールを活用すれば大幅な効率化が期待できます。

なお、ITツールの種類はさまざまです。例えば、オンライン会議に特化したツールや社内における情報共有ツール、営業管理ツールなど多数挙げられます。ITツールを活用する場合は、問題点や業務内容と照らし合わせて選ぶことが大切です。

アウトソーシングを活用する

営業効率化をさらに進めたい場合は、アウトソーシングを活用するのも一つの手段です。例えば、営業活動に必要な資料作成や集計、情報収集など負担や手間の多い作業を外注することで効率化が図れます。営業は顧客対応に注力できるようになり、成約率向上にもつながるでしょう。営業アウトソーシングについて詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。

パーソルテンプスタッフでは、アウトソーシングサービスをご提供します。さまざまな分野で実績があり、状況に合わせたサービスのご提案が可能です。

営業効率化に役立つツール

営業効率化に役立つツールには、以下の4点があります。

  • MA(マーケティング・オートメーション)
  • CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)
  • SFA(セールス・フォース・オートメーション)
  • RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)

それぞれのツールについて詳しく解説します。

MA(マーケティング・オートメーション)

MAとは、マーケティングに関連する業務を自動化し、営業効率化を図るツールを意味します。営業活動における情報管理やメール配信、テレアポなどを手動で行うと人為的ミスが起こりやすくなります。

MAツールを活用すれば年齢や居住地、購入履歴など細かい顧客情報の管理やアクセス解析、キャンペーンの配信などを自動で行うことができます。その結果、顧客の属性に合わせたアプローチが可能です。

これまで情報管理にかけていた時間やコストを減らせるため、効率的な営業活動につながります。

CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)

CRMツールは顧客関係管理に特化したツールです。顧客情報だけでなく購入履歴やお問い合わせ内容など、さまざまな情報を一元管理して顧客との関係を管理できます。

通常では営業ごとに顧客管理することが多く、情報が点在しがちです。しかし、CRMツールの活用により情報を一つにまとめられるため、誰もが手軽に必要な情報を確認できるようになります。

また、購入履歴やお問い合わせ内容など、過去の情報を踏まえたアプローチが可能です。適したタイミングで必要な商品やサービスを顧客に提供できるため、顧客満足度につながります。

SFA(セールス・フォース・オートメーション)

SFAツールは営業支援ツールとも呼ばれ、案件管理や顧客管理に役立つツールです。MAツールやCRMツールとよく似ていますが、SFAツールは商談情報や案件情報、営業の行動管理などに特化しています。

例えば、案件管理では進捗情報の可視化が可能です。そのため、リアルタイムで情報を把握できるようになります。

また、これまでの営業プロセスやノウハウを蓄積できるようになり、営業スキルの向上や教育コストの削減にも重宝します。

RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)

RPAツールはデータ入力や営業レポートの作成など、反復して行われる作業を自動化するツールです。例えば営業先のリストアップや請求書の作成などもRPAツールで行うことができます。

反復して行われる定型的な作業であっても顧客の数が増えれば時間がかかり、注力したい顧客対応にも影響しかねません。RPAツールを活用すれば、ルーティン業務をシステムに任せられるようになり、顧客対応に集中できる点が大きなメリットです。

営業効率化で生産性を上げる

今回は営業効率化についてのメリットや手段、役立つツールを詳しく解説しました。営業は顧客を訪問するだけが仕事ではなく、資料や文書の作成、顧客・案件管理などさまざまな業務を行います。そのような中、担当者ごとに顧客管理をすることによる属人化、情報共有に費やす時間、外回りによる移動時間やコスト負担が課題になります。

これらの課題を解決し、営業活動を効率化させるITツールを状況に合わせてうまく活用することが大切です。社内における工夫やITツールの活用だけでは営業効率化が図りきれない場合、アウトソーシングを活用するのもよいでしょう。専門的なスキルを持った外注先に依頼することで、より一層の営業効率化につながります。

営業効率化が実現できれば、時間やコストの削減が実現すると共に、営業の負担も軽減されます。その結果、顧客対応に注力できるようになるため、顧客満足度が上がり生産性向上、売上アップも期待できるでしょう。

おすすめの記事