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総務アウトソーシングとは?活用する上でのメリットをご紹介
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総務の業務とはどのようなものをイメージするでしょうか。主に企業の運営に関わることや、はたらく人がより快適にスムーズにはたらけるようにフォローする、という業務を担っています。その業務は幅広く、会社の経営にかかわる戦略総務の業務から、社員がはたらきやすくするためのサポート業務などを行っている場合が多く見受けられます。成果や利益への直接的な影響は低い業務の割合も多く、各部署や会社全体の課題を解決するための業務に取りかかれていない、そんな悩みをお持ちの企業も多いのではないでしょうか。
今回は、総務業務を効率化するための総務アウトソーシングについて解説します。
目次
総務アウトソーシング(総務代行)とは
総務アウトソーシングとは、総務が行っている業務を外部の企業へ委託することです。総務が担う業務は企業によってさまざまですので、どのような業務をアウトソーシングするかはいくつかのパターンが考えられます。
アウトソーシングについては、こちらの記事で詳しくご説明しています。
>>【わかりやすく解説】アウトソーシングとは?活用方法と派遣との違い
総務アウトソーシングには2種類ある
総務の業務をアウトソーシングする方法には、オンサイトとオフサイトの2種類があります。それぞれの違いについて解説します。
オンサイト
オンサイトは、お客さま先常駐のアウトソーシングです。オンサイトは英語で「on-site」と書きます。siteは「現地」や「現場」を表しますので、オンサイトとはつまり、「現地で」や「現場で」を意図する際に用いられます。発注した企業に、受託業者のスタッフが常駐し総務の業務にあたります。
オフサイト
オフサイトは「現地から離れた場所」や「遠隔地」を指します。この場合、受託業者所有オフィスでの業務となり、オンサイトとは異なり受託業者のスタッフは外部で発注元の企業の総務業務を行うことになります。
総務アウトソーシングで委託可能な業務
広範囲に及ぶ総務の業務ですが、具体的にどのような業務をアウトソーシングできるのかご紹介します。
コンシェルジュ
窓口カウンターを設置し、日々の業務のために必要な総務・庶務業務を受け付けます。依頼から処理までワンストップで対応するので、社員がスムーズに利用することができます。
秘書業務
総合受付や電話対応などを行うだけでなく、役員のスケジュール管理や役員の出張手配など、役員秘書の業務もアウトソーシング可能です。
メール業務
日々の郵便・宅配・社内便の受取や仕分け、発送業務などが発生する場合なども、アウトソーシングが可能です。
在庫管理
文具・用紙・トナー・電球など消耗品の在庫管理、発注、補充なども、アウトソーシングしやすい業務と言えるでしょう。
設備管理業務
設備・機材の点検や清掃・交換を行います。また不具合発生の際は、一次対応を行い、必要に応じて業者手配も行います。
庶務業務
名刺発注、カード発行業務、組織変更付随業務、金券取扱い業務などの庶務業務を行います。これ以外にもさまざまな庶務をアウトソーシングすることができると、総務業務の負担は軽減されるでしょう。
総務をアウトソーシングする3つのメリット
さまざまな総務業務のアウトソーシングが可能ということを解説しました。では、総務をアウトソーシングするとどのようなメリットがあるのでしょうか。3つのメリットをご紹介します。
人手不足の解消
多岐にわたる業務で人材が必要な総務では一人の社員が数十の業務を抱えていることも珍しくありません。業務をアウトソーシングすることで、一人ひとりの社員の負担を軽減することができます。社員のはたらきやすさの向上によって、離職率の減少などにもつながり、人手不足の解消が期待できるでしょう。
コア業務に集中できる
業務は直接利益につながる「コア業務」と、コア業務をサポートするための「ノンコア業務」にわけられます。一部の業務をアウトソーシングすることでコア業務(強化したい部門や業務)に集中できます。そのため、経営課題・組織課題・部署の業務課題などを解決する「戦略総務」としての機能を高められます。
業務効率化
業務をアウトソーシングする際には、業務の可視化、プロセスの見直しも必要です。それに伴い削減可能な業務も見えてくるかもしれません。IT化なども含めて今までのやり方を変更することや、最適な業務フローへと再構築することで業務の効率化につながります。日々運用しながら改善することが大切です。
総務アウトソーシングを活用するときの注意点
総務アウトソーシングのメリットをご紹介しましたが、注意すべき点もあります。大きく2つに分けて、ご紹介します。
社内にノウハウが蓄積されにくい
事情が変わり委託企業を変更することや、自社でその業務を行うことになる場合に、社内にノウハウがなく、業務を行うことができない状態にならないよう気を付けなければなりません。
人事権はコントロールできない
委託企業の人事権は持っていませんので、業務を担う委託企業のスタッフに条件に関して細かな希望を出すことや、委託企業の特定のスタッフに長く担当してもらうなどの希望がある場合も、発注元の企業でコントロールできることではありません。
総務アウトソーシングを活用する上でのポイント
総務アウトソーシングを成功に導くためのポイントを解説します。
課題を整理する
まずは総務部門が正しく機能するために、自社がどのような問題や課題を抱えているのかを洗い出しましょう。そのためには業務の可視化が必要です。業務の可視化とは、総務部門で行っている業務項目、業務手順(業務フロー)を整理し、それを行う上での必要スキル、工数、ツール、スケジュールなどを明らかにします。しかしこのように可視化すること自体が一大プロジェクトになり、なかなか取りかかることができないというケースも多いでしょう。そんな時には、可視化する作業から、アウトソーシングの委託企業に依頼することも可能です。例えば、パーソルテンプスタッフのBPOであれば、「課題を含めたプロセス整理」がサービスに含まれているので、業務の可視化や自社では気が付かない課題の発見をすることが可能です。
委託する業務と自社業務を整理する
業務を可視化した後は、どの業務を委託し、どの業務を自社で行うかを検討します。先に解説した注意すべき点も考慮しながら、委託する業務を検討すると整理しやすいです。
総務を委託する目的を明確にする
忘れてはいけないのが、なぜ業務を委託するのかを常に念頭に置くことです。目的はさまざまですが、人手不足を解消したい、強化したい部門や業務に集中したい、業務を効率化したいなど、目的を明確にしてから進めると、業務の内容や範囲なども決めやすく、スムーズに委託が進みます。
委託先とコミュニケーションを密にとる
業務が見えづらくなる、ノウハウが蓄積しにくいというアウトソーシングの注意点も、委託先とのコミュニケーションで軽減することが多くあります。どのような問題が発生しているか、マニュアルに不備や矛盾はないか、よりスムーズに進捗するためのアイディアなど、情報をこまめに共有することで、先に述べた注意点は払拭できるケースもあります。
総務アウトソーシングを活用して業務効率化を図る
総務アウトソーシングのメリットや注意点を解説しました。経営課題・組織課題・部署の業務課題などを解決する「戦略総務」としての機能を高めるうえで、総務アウトソーシングは有効です。そのためには、業務を可視化して、コア業務と委託する業務を切り分けることが重要であり、ITの活用を含めた業務フローの再構築、改善策を含めた提案をしてもらうということも大きなポイントです。総務のアウトソーシングを活用することは、企業の大きな利益にもつながるのです。
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