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人事管理とは?目的や労務管理との違い、具体的な業務や効率化のポイントを解説
公開日:2026.08.28
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人材不足やはたらき方の多様化、人事DXの進展などにより、従業員一人ひとりの能力を引き出し組織の成果につなげる人事管理の重要性が高まっています。
この記事では、人事管理の目的や重要性を確認した上で、労務管理・人材管理との違い、具体的な業務内容、近年の課題について解説します。人事管理を効率化し企業の持続的な成長につなげたいとお考えの際は、ぜひ参考にしてください。
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目次
人事管理(HRM)とは?目的や重要性
人事管理は英語では「Human Resource Management」と表現され、その頭文字を取ってHRMと略されます。日本語では「人的資源管理」とも呼ばれ、企業目標の達成に向け、採用・配置・評価・育成・処遇などを通じて人材を活用する取り組みです。
人材は企業の成長を支える重要な経営資源の一つです。従業員一人ひとりの能力を引き出し、組織全体の成果につなげるためには、場当たり的な人員配置や評価ではなく、経営戦略と連動した人事管理が求められます。
ここでは、人事管理を行う主な目的を解説します。
人事管理を行う2つの目的
人事管理には大きく2つの目的があります。
企業目標の達成と生産性の向上
企業が成長するためには、必要な人材を適切な部署や役割に配置し、組織全体の能力を最大限に活かす必要があります。人材の適性やスキルを把握せずに配置を行うと、成果につながりにくいだけでなく、従業員の負担やミスマッチが生じる恐れもあります。
採用、配置、育成、評価を一貫して設計すれば、従業員の強みを活かしやすくなり、組織全体のパフォーマンス向上につながります。その基盤となるのが人事管理です。
従業員エンゲージメントと定着率の向上
従業員が自分の役割に納得し、公正に評価されていると感じられる環境が整った企業では、仕事へのモチベーションや組織への帰属意識が高まりやすくなります。反対に、評価基準が不明確だったり、処遇に納得感がなかったりすると、不満や離職につながる恐れがあるでしょう。
人事管理の重要性が高まる背景
近年、人事管理の重要性はさらに高まっています。その背景には、少子高齢化による人材不足や、はたらき方の多様化があります。
人材の確保が難しくなる中、企業には、既存の従業員の能力を引き出し長く活躍してもらうための取り組みが求められています。また、テレワークやフレックスタイム、副業・兼業など、はたらき方の選択肢が広がり、画一的な人事制度だけでは従業員のニーズに対応しにくくなってきました。
こうした変化により、人事管理の役割は、従業員を管理することから、経営戦略の実現に向けて人材を活かす戦略的な取り組みへと変化しています。
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労務管理や人材管理との違い
人事管理と混同されやすい言葉に、労務管理や人材管理があります。いずれも人事領域に関わる言葉ですが、焦点を当てる対象や役割に違いがあります。それぞれの違いを理解し、自社に必要な人事施策や管理体制を整理しましょう。
労務管理との違い
人事管理と労務管理の主な違いは、焦点を当てる対象です。人事管理は、企業の目標達成に向けてどのような人材を採用し、どこに配置し、どのように育成・評価していくかを考えます。
一方、労務管理は、従業員が安心してはたらける労働環境を適法に維持・管理するための取り組みです。具体的には、勤怠管理、給与計算、社会保険手続き、安全衛生管理、就業規則の整備などが含まれます。
つまり、人事管理は人の活躍に焦点を当てるもの、労務管理は労働環境の適法な維持・管理に焦点を当てるものです。
人材管理(タレントマネジメント)との違い
人事管理は企業全体で人材をどのように活用するかを管理する、比較的広い概念といえます。
一方、人材管理(タレントマネジメント)は、従業員一人ひとりの能力や経験、資質などのタレント性(才能)を把握し、戦略的に配置・育成するアプローチです。次世代リーダー候補の育成、専門スキルを持つ人材の最適配置、キャリア志向に応じた育成計画の作成などが該当します。
人事管理が全従業員を対象とした基本的な制度運用であるのに対し、人材管理(タレントマネジメント)は、個人の特性をより細かく捉えて組織の成長につなげる個別具体的な取り組みといえるでしょう。
マネジメントについては、以下の記事でより詳しく解説しています。
>>マネジメントとは?目的、具体的な役割・必要なスキルまで徹底解説
人事管理を構成する主な業務
人事管理に取り組み、さまざまな業務を適切に設計・運用すると、従業員の能力が引き出され、組織全体の成果につなげやすくなります。
ここでは、人事管理を構成する主な業務について解説します。
採用・人員配置
採用・人員配置は、企業の経営計画や事業戦略に基づいて必要な人材を確保し、適切な部署や役割に配置する業務です。
採用では、将来的に必要となる人員数やスキルを踏まえて要員計画を立て、新卒採用や中途採用を進めます。しかし、計画通りにスキルを発揮してもらえるかは分かりません。採用後は、従業員の能力や経験、適性、成長を考慮しながら、力を発揮しやすいポジションへ適切に配置することが重要です。
人事評価・考課
人事評価・考課は、従業員の能力や業績、仕事への取り組み姿勢などを評価し、処遇や育成につなげる業務です。
評価制度には、目標管理制度(MBO)などが用いられることがあります。組織目標と個人目標をすり合わせ、達成度や行動を客観的に評価することで、従業員の納得感を高めやすくなります。
目標管理制度(MBO)については、以下の記事でより詳しく解説しています。
>>MBO(目標管理制度)とは?OKR・KPIとの違いや導入メリット、留意点まで徹底解説
人材育成・能力開発
人材育成・能力開発は、従業員が業務に必要な知識やスキルを身につけ、継続的に成長できるよう支援する業務です。具体的には、OJTやOff-JT、階層別研修、専門スキル研修、キャリア研修などが挙げられます。
従業員の現在のスキルや将来期待する役割に応じて育成施策を設計すると、個人の成長と組織の成長を両立しやすくなります。
OJTについては、以下の記事でより詳しく解説しています。
>>OJTとは?進め方や計画・指導のコツ、失敗例と対策を解説
報酬・処遇の決定
報酬・処遇は、人事評価の結果や役割、成果に応じて、基本給や賞与、昇進・昇格などを決定する業務です。
報酬は従業員の生活を支えるだけでなく、仕事へのモチベーションや組織への納得感にも関わります。給与や賞与に加え、福利厚生、はたらきやすい制度、成長機会などを含めたトータルリワードの視点で処遇を設計することが重要です。
労務管理との役割分担
広義の人事管理には、勤怠管理や給与計算、社会保険手続きなど、労務管理に関わる業務も含まれます。
労務管理は、従業員が安心してはたらける環境を整えるための基盤となる業務です。労働時間の管理や給与の正確な支払い、法令に沿った手続きが適切に行われていなければ、従業員の信頼低下やトラブルにつながる恐れがあります。
エンゲージメント・職場環境の管理
エンゲージメント・職場環境の管理は、従業員が安心して能力を発揮できる環境を整える業務です。具体的には、ハラスメント対策、メンタルヘルスケア、従業員満足度調査、職場環境の改善などが挙げられます。
人事管理では、制度面だけでなく、従業員が前向きにはたらける環境づくりも欠かせません。従業員が職場に対して安心感や納得感を持てる状態をつくれば、モチベーションの維持や離職防止につながります。
人事管理の課題と変化する役割
社会やビジネス環境の変化に伴い、人事管理に求められる役割も変化しています。従来のように人事制度を運用するだけでなく、多様なはたらき方への対応や人材データの活用など、経営戦略と連動した取り組みが求められる時代です。
ここでは、人事管理における主な課題と変化する役割について解説します。
多様なはたらき方への対応
リモートワークやフレックスタイム制など、はたらき方が多様化する中で、人事管理にも柔軟な対応が求められています。
例えば、オフィスでの勤務を前提としていた評価制度では、リモートワーク下での業務プロセスや貢献度を正しく把握しにくい場合があります。対面でのコミュニケーションが減ることで、上司と部下の認識のズレや、チーム内の情報共有不足が生じることもあるでしょう。そのため、成果だけでなく業務プロセスや行動も適切に評価できる仕組みを整えることが重要です。
併せて、1on1や定期的なチームミーティング、チャットツールの活用などにより、コミュニケーションの機会を意識的に設けることも求められます。
ジョブ型雇用の導入の検討
人事管理の変化として、ジョブ型雇用の導入を検討する企業が増えていることも挙げられます。
従来の日本企業では、人に対して仕事を割り当てるメンバーシップ型雇用が一般的でした。一方、ジョブ型雇用では、職務内容や責任範囲、必要なスキルを明確にした上で、その職務に合う人材を採用・配置します。
ジョブ型雇用を導入する場合は、職務記述書の整備や評価基準の見直し、報酬制度の再設計などが必要です。単に制度を導入するだけでなく、自社の事業戦略や組織文化に合う形で人事制度全体を見直しましょう。
ジョブ型雇用については、以下の記事でより詳しく解説しています。
>>ジョブ型雇用とは?メンバーシップ型との違いやメリット、導入時の注意点を紹介
人事DXとHRテクノロジーの活用
人事DXやHRテクノロジーの活用も人事管理の重要なテーマです。
人事DXとは、人事領域の業務やデータをデジタル化し、採用、配置、評価、育成、労務管理などの質や効率を高める取り組みです。従業員のスキルや経験、評価履歴、研修受講状況などをデータとして蓄積・分析することで、より戦略的な人事施策を検討しやすくなります。HRテクノロジーとは、そうした取り組みに活用されるツールやアプリのことです。
人事管理の役割が管理から戦略へと広がる今の時代には、HRテクノロジーを活用し、データに基づいた意思決定を行う視点が求められています。
人事管理を成功させるためのポイント
最後に、人事管理を成功させるために押さえておきたいポイントを解説します。
経営戦略と連動した戦略人事
人事管理を成功させるためには、経営戦略と連動した戦略人事が欠かせません。企業がどのような事業成長を目指すのかによって、必要な人材やスキル、組織体制は変わります。
例えば、新規事業を強化する際には企画力やデジタルスキルを持つ人材の採用・育成が必要になる場合があります。また、既存事業の生産性向上を目指す場合は、業務改善を推進できる人材の配置や育成が求められます。
経営戦略に基づいて採用、配置、育成、評価を設計することで、人事管理は単なる制度運用ではなく、事業成長を支える取り組みとなります。経営陣と連携し、事業計画を踏まえた人材要件を定義しておきましょう。
戦略人事の成功事例については、以下の記事でより詳しく解説しています。
>>戦略人事とは?人事戦略との違いや4つの役割、成功事例を紹介
公平で納得性の高い評価制度
公平で納得性の高い評価制度を整えることも、人事管理を成功させるための大切なポイントです。評価基準や評価プロセスが不透明なままだと、従業員は「何を評価されているのか分からない」「評価に納得できない」と感じやすくなります。その結果、モチベーションの低下や離職につながる恐れがあります。
評価制度を運用する際は評価項目や判断基準を明確にし、従業員に分かりやすく共有しましょう。公平性と透明性のある評価制度は、従業員のモチベーションを高め、組織への信頼感を育てる土台となります。
定型業務の効率化や外部リソースの活用
人事管理をより高度化させたい場合は、定型業務を効率化し、人事部門がコア業務に集中できる環境を整えることも重要です。
人事部門は、採用戦略や人材育成、組織開発、エンゲージメント向上など、企業成長に直結する業務を担います。一方、労務手続きや給与計算、勤怠管理、各種申請対応などの定型業務も多く、リソースが不足しやすい部門でもあります。そのため、定型業務はシステム化や業務フローの見直しによって効率化することが大切です。
どうしても自社だけで対応しきれない場合は、アウトソーシングや人材派遣などの外部リソースを活用する方法も検討しましょう。例えば、労務関連の事務処理や問い合わせ対応などをアウトソーシングすれば、人事担当者は採用戦略や人材育成といったコア業務に時間を使いやすくなります。
パーソルテンプスタッフでは、アウトソーシング・業務委託サービスや人材派遣サービスを提供しています。人事部門の業務効率化やリソース不足に課題がある場合はぜひ導入をご検討ください。
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人事管理を最適化し企業の持続的な成長を実現しよう
人事管理とは、採用・配置・評価・育成・処遇などを通じて従業員の能力を引き出し、企業目標の達成につなげる取り組みです。
人事管理を効果的に行うためには、労務管理やタレントマネジメントとの違いを理解した上で、自社に必要な人事施策を整理しましょう。公平で納得性の高い評価制度を整え、従業員が安心して能力を発揮できる環境をつくりあげれば、従業員のモチベーションや帰属意識の向上が実現します。
一方、人事部門は労務手続きや給与計算などの定型業務も多く、リソース不足に陥りやすい部門です。人事管理をより高度化するためには、定型業務の効率化や外部リソースの活用も視野に入れながら、採用戦略や人材育成、組織開発といったコア業務に注力できる体制を整えていきましょう。
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監修者
HRナレッジライン編集部
HRナレッジライン編集部は、2022年に発足したパーソルテンプスタッフの編集チームです。人材派遣や労働関連の法律、企業の人事課題に関する記事の企画・執筆・監修を通じて、法人のお客さまに向け、現場目線で分かりやすく正確な情報を発信しています。
編集部には、法人のお客さまへ人材活用のご提案を行う営業や、派遣社員へお仕事をご紹介するコーディネーターなど経験した、人材ビジネスに精通したメンバーが在籍しています。また、キャリア支援の実務経験・専門資格を持つメンバーもおり、多様な視点から人と組織に関する課題に向き合っています。
法務監修や社内確認体制のもと、正確な情報を分かりやすくお伝えすることを大切にしながら、多くの読者に支持される存在を目指し発信を続けてまいります。
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