HRナレッジライン
カテゴリ一覧
【セミナーレポート】
ソフトバンク人事の「あらためて、課題に向き合う。」
公開日:2025.03.28
- 記事をシェアする

ソフトバンク株式会社
コーポレート統括 人事本部
本部長
源田 泰之 氏
社員のリスキルやキャリア自律の実現、また組織として人的資本の最大化や定着は大きな課題であり続けています。人事はどのような役割を担い、課題に向き合っていけばよいでしょうか。これまでソフトバンクの採用・人材開発の責任者として、数々の施策を打ち出し成果をあげてきた人事本部本部長の源田 泰之氏の講演をご紹介します。
▼アーカイブ動画はこちら
会社の成長のためには、社員の育成・教育が重要なファクター
319ものグループ企業を持つソフトバンク。中核となる情報通信事業を軸に、新領域の事業をつくっていく「BeyondCarrier」、日本発のデジタルサービスを海外に展開する「BeyondJapan」を大きな経営戦略としています。それらの戦略を社会情勢や世代・価値観の変化の中で実現するためには、一人ひとりの潜在力を最大限引き出すこと、人的資本投資・開示を行うこと、そして中長期的な企業価値の向上が重要です。
また会社と個人の関係性も変化し、選び選ばれるフラットな関係性となり共に変化・成長していく必要があります。
人事の方向性についても従来の人的資源の管理・会社依存型キャリアの形成から、人的資本の活用と成長を重視し、自律的キャリアの形成に舵を切っています。会社の成長のためには社員の育成・教育が重要なファクターであり、「対話と内省→意思決定→実行(経験)」を繰り返し行っていくプロセスが成長を育みます。このプロセスを取り入れた人事施策として「後継者育成」「社内起業制度」「全社員向け研修制度」などを行っています。
例えば「後継者育成」では、グループ社員以外も外部生として共に学び対話をし、経営・課題解決のノウハウを学び実践する場「ソフトバンクアカデミア」があります。
ソフトバンク流の自律型キャリアをサポートする 人材育成・人事施策事例
社内起業制度「ソフトバンクイノベンチャー」では、社内起業を目指すメンバー同士が情報収集や知識取得のための講演会などに参加しながらアイデアを考え、新規事業の実現を目指す「InnoventureLab」の登録者は5,200名にのぼり、実際に社内ベンチャーの設立や新規事業の創設につながっています。
また、全社員向けの学びの場として「SoftBankUniversity」も運営されています。これまでの企業内教育機関は企業が求める専門能力を身につけることを目的とし、会社が用意するテーマをインプット中心の座学で学ぶスタイルがメインでした。一方、「SoftBankUniversity」では進化・増殖・交配するプラットフォームという位置づけで、自らがテーマを生み出し、アウトプットを中心とした実践型の学習を行っています。ここでは研修を支える講師として認定された社員が活躍しており、新入社員から経営者層までが講師として登壇します。アウトプットを経験できるとともに、社員同士の対話が深まっています。
その他、手上げ、階層別、部門向けとさまざまな集合研修や、外部のe-ラーニングなどを組み合わせ、多様なかたちでキャリア自律・開発、そして企業文化の醸成を実現するための施策を行っています。
まとめ
「人材価値の最大化こそ、会社の未来を創る」という考えのもと、ソフトバンクの人事は社員のキャリア自律に向けたさまざまな育成や施策を行っています。
成長のための重要な学びとして、業務を通しての学びだけでなく、所属組織を離れ新たな視点での学びや、可能性を広げる自らの興味関心での学びも重要です。この三種類の学びが相乗効果となり、組織全体を変えていくことがわかりました。
Profile

ソフトバンク株式会社
コーポレート統括 人事本部
本部長
源田 泰之 氏
1998年入社。営業を経験後、2008年より人事領域を担当。2019年HRアワード個人部門の最優秀賞、2018年プロリクルーターアワード最優秀賞などを受賞。ソフトバンクグループの後継者発掘・育成機関「ソフトバンクアカデミア」、ソフトバンクの社内研修機関「ソフトバンクユニバーシティ」を立ち上げ、新規事業提案制度であるソフトバンクイノベンチャーでは、選出されたアイデアの事業化を推進し複数社の設立を支援。2021年より、エンジニアリングとオペレーションで変革を支えるSBエンジニアリングと、人事サービスを提供するSBアットワークの取締役も務める。また、高い志と異能を持つ若手人材支援を行う孫正義育英財団の事務局長も兼務。
- 記事をシェアする