RPAのスキルを研修で学び、人事データの集計を自動化 ロボットの開発・保守を通して業務効率化に貢献

プロフィール

スタッフ名
Sさん
派遣先企業
清水建設株式会社
職種
RPA開発担当
業務内容
人事部門でのRPA開発・保守

目次

01経歴・得意領域

家電量販店での販売職・スーパーバイザーから法人営業・営業事務まで
多彩な経験で培ったコミュニケーション力が強み

今回は、パーソルテンプスタッフの「RPAアソシエイツ」の研修を受講され、学んだRPAの知識を活かして清水建設株式会社で就業されている派遣スタッフSさんにお話を伺いました。

現在の仕事に就くまで、さまざまな仕事を経験してきました。家電量販店の携帯販売に始まり、キャリアショップの受付スタッフや、店舗の業務改善に取り組むスーパーバイザーなどを約10年、その後、IT企業の事務職を中心に約4年経験しています。また半年ほど前まで法人営業にも携わっていました。販売、スーパーバイザー、事務、営業とこれまでさまざまな仕事を経験してきたことで培った「コミュニケーション力」は、自分の強みだと思っています。

現在は、清水建設の土木総本部 総務部 人事グループで、人事関連データの集計など定型的な業務を自動化するロボットの開発・保守を担当しています。これまでもコミュニケーション力を必要とされる仕事が多かったのですが、今の仕事は、ロボの開発などRPAのスキルが必要とされるだけでなく、各業務の担当者と直接対話して要望や課題をヒアリングし、改善へと導く仕事のため、これまでのすべての経験が役立てられていると感じています。

02派遣スタッフとしてはたらくきっかけ

「子育てと両立できる」人材派遣でのはたらき方が今の自分に合っています

以前は正社員として就業していました。私には子どもがいますが、前職では産休・育休も取得し、職場復帰後は1日6時間の時短勤務で子育てと仕事を両立していました。ところが大幅な体制変更をすることとなり、小さな子どもを育てながらはたらき続けることが難しい状況になってしまったため、退職を選択しました。

当初は、できれば次も正社員としてはたらきたいと思って転職活動を始めました。しかし、入社後すぐに時短勤務で就業できる職場はなかなか見つからず、人材派遣の仕事も視野に入れ、条件を広げて探すことに。そして出会った今の職場は、在宅勤務やスライド(時差)勤務を選択できたり、子どもが体調を崩したときなどに融通を利かせていただけたり、子育て中の身にとってはありがたい環境です。前職のような時短勤務というはたらき方ではありませんが、今のはたらき方は以前よりプライベートの時間が充実していると感じています。

03パーソルテンプスタッフを選んだ理由

「専門スキルを身に付けて、自分にしかできない仕事がしたい」
そんなとき、RPAアソシエイツ研修を知りました

派遣スタッフとしてはたらくことを考え調べていたときに、知人から、パーソルテンプスタッフの「RPAアソシエイツ研修」*1 の話を聞きました。RPAアソシエイツの研修は約1ヶ月間にわたる本格的な研修で、知識をインプットするだけでなく、研修後にすぐ業務ができるように実践的なRPAスキルを身につけられるという非常に興味深いものでした。以前に勤めていた企業で、少しRPAに触れる機会がありましたが、当時はとても自力では扱えない難しいツールだという印象をもっていました。一方で、操作すること自体は楽しかった記憶があります。

今まで経験した業務よりも専門性の高い業務に従事したいと考えていたことも、RPAに興味を持った理由のひとつです。自分にしかできない仕事をするために、専門スキルを身につけたいと思っていました。ITエンジニアなどは未経験から挑戦するにはハードルが高そうな印象がありましたが、RPAは以前に触れた経験もあり、私にもできるのではないかと思いチャレンジしてみることにしました。

04今はたらいている職場環境について

日々新しい知識を得られることが自分のスキルアップにつながっています

研修を終えて初めてはたらく会社でしたので、業界はこだわらずRPA担当者としての経験を積んで実績を作りたいと考えていました。一方で、子育て中なので、育児と両立できるはたらき方ができることは必須条件でした。フルリモートとまではいかなくとも在宅勤務が可能で、保育園の送迎に間に合う時間内ではたらくことができる職場を探したところ、今の職場に出会いました。

建設業界ではたらくことは初めてです。建設業や人事の業務について、日々知らないことやわからないことにぶつかりますが、その都度、教えていただいたり、自分で調べたりしながら仕事に取り組めていて、知識量が増えている実感があります。RPAに関しては、研修で一通りの知識を身につけることができましたが、ロボット化に際し、WEBシステムの知識が必要な場面もあります。Excelの関数やマクロの知識を必要とされる案件もあり、RPA以外にも幅広く勉強しながら業務に取り組んでいます。仕事を通じて新しい知識を得られることが、自分の成長につながっていると実感できるポイントです。


部門内のRPA業務を1人で担当
綿密な打ち合わせと丁寧なヒアリングを心がけています

私が就業している部門は、土木総本部 総務部 人事グループです。RPAツールの「WinActor®」*2や「Automation Anywhere®」*3を使い、人事に関するさまざまな業務の自動化に取り組んでいます。清水建設では他部門でRPAアソシエイツを活用しているケースはありましたが、人事グループでは初めての活用でした。部門でRPAを導入するタイミングで就業することとなり、RPAに関する業務はすべて私一人で担当しています。

土木総本部と土木東京支店に所属する約1,000名の社員の労働時間や代休取得データの集計業務をRPAで自動化し、業務効率化につなげています。「建設業の2024年問題」といわれるように、建設業界では時間外労働の規制が強化されることも背景にあり、多くの労務に関わるデータが必要になってきています。会議で使う資料などを、すべて手作業で作るとなると非常に手間と時間がかかるので、その部分を自動化するのも私の仕事です。

RPAの仕事は、ただ開発するだけではなく、「何を自動化するのか」「どのようなシナリオを組むのか」「RPAで出力された内容が使いやすいものになっているか」など、関係者間でコミュニケーションをとることが必要不可欠です。人の手で行っていたときの業務の手順と、自動化したい部分を細かく聞いて、「ここは自動化できるけど、この部分は少し難しいから、いったん手動のままにしましょう」など、細かくすり合わせながらシナリオを作成していきます。ロボットが完成したら、手作業で行っていたときの手順とロボットの動き方の違いも含めてご説明し、実際の業務に組み込んでもらう流れです。

稼働後にエラーが発生するのを防ぐため、詳しい業務内容や起こりうるパターンを、最初の打ち合わせの段階でできるだけ多く聞き出しておくことを意識しています。これまでに、携帯のキャリアショップでスーパーバイザーとして勤務していた際、店舗の現状や課題をヒアリングし、改善する業務に携わりました。また営業職として勤務していたときも、お客さまの会社の人事評価制度についてヒアリングを行い、一緒に見直すようなコンサルティングもしていました。その一つひとつの経験も、現在のRPAの仕事に活かせていると感じています。

05職場の人間関係について

リモート下でも業務をスムーズに進められています
雇用形態に関わらず、子育てしながらはたらきやすい環境です

就業した当初から、私自身も周りの社員の方も在宅勤務と出社が半々くらいの割合でした。リモートワークの際は、基本的にはWEB会議システムなどを活用し、コミュニケーションを取りながら仕事をしています。リモート下でもスムーズに進行するために、質問や確認したいことは、打ち合わせの前に文面化したりExcelにまとめたりしてからお渡しするようにし、相手が短時間で回答しやすいように工夫しています。

一緒にはたらいているメンバーは本当に良い方ばかりで、すごくはたらきやすい環境です。困っている人がいたら助けようという精神が皆さんに浸透していて「一人で抱え込まないで、何か困ったら言ってね」と常にサポートしてくれます。リモートでも、電話やチャットで相談すればすぐに回答をもらえますし、就業してから約半年の間、思い返してもすごく困ったという記憶がないほどです。

人事グループは、人材派遣を既に活用されていた部門ということもあり、就業開始してから現在にいたるまで、上司や同僚の皆さんとコミュニケーションをとるうえでの不安はないですし、隔たりも感じません。こういったはたらきやすい環境を自然に作りだせているところは、清水建設の会社風土なのだと感じています。

06今後のビジョン

責任感を持って成し遂げられる仕事に出会え、
本当の「安定」は自分自身のスキルにあると気づきました

別の会社で派遣スタッフとしてはたらいていたときから、ただ指示された業務をこなすだけではなく、主体的に仕事に取り組む姿勢を大切にしていました。それは今も変わりませんが、高度な専門知識が必要とされるRPAの担当者となったことで、より責任感とやりがいを持って仕事に取り組むようになりました。今の部署でRPAを扱えるのは私一人だけなので、ミスをしたとしてもフォローしてくれる人はいません。自分が責任をもって最後まで対応しなければいけないと思うようになりました。

以前、正社員としてはたらきたいと思っていたのは、正社員=安定というイメージがあったから。ですが、会社の体制変更に伴い退職した前職での経験もあって、正社員だから必ずしも安定が保証されるわけではないことを痛感しました。RPAのスキルを身につけ、業務に活かすことができたことで、本当の安定とは雇用形態に関わらず、自分自身のスキルが作り出してくれるものだと気づくことができました。


建設業界や人事業務への理解を深め、自分から発信できる人材を目指します

現在の業務の中心となるのは、業務担当者から依頼された内容をもとにロボットを作る仕事です。まだまだ半ば受け身に業務をしているところもありますが、今後は「この部分をRPA化すると、業務の効率化につながると思います」などと自分から提案できるようになりたいと思い描いています。

在宅勤務と出社を併用していることもあり、社内で誰がどの業務を担当しているのかまだ把握しきれていないことも私自身の課題です。建設業界や人事業務の知識も、もっと勉強する必要があると思っています。ただ少しずつではありますが、この業務のこの部分はRPA化できそうだなと自分自身で整理ができ、具現化することもできるようになってきています。今後も勉強を続け、「Sさんがいないとね」と思っていただけるような、皆さんに必要とされる存在を目指します。

(派遣スタッフ:Sさん)
携帯のキャリアショップの受付やスーパーバイザー、一般事務職、営業を経験してきました。
RPAは以前の仕事で知りました。少し触って面白いものがあるな。と思っていたものの、難しいものだと思っていました。
3年後にたまたま友人の紹介でパーソルテンプスタッフのRPAアソシエイツ研修があることを知り受講してみることに。
研修を受けてみるとRPA開発が楽しく、仕事としてもっとRPA開発に携わりたいと感じました。研修受講後は清水建設株式会社の土木総本部 総務部 人事グループに派遣され、RPA開発・保守を行っております。

07派遣先企業からみた派遣スタッフ

土木総本部の人事業務を担う人事グループ
1,000人以上の人事データの処理が課題で、RPAを活用することに

土木総本部 総務部 人事グループでは、会社全体の土木事業に関わる従業員に関する人事業務の一部と、土木総本部 土木東京支店に所属する1,000人超の社員の人事を担当しています。採用、労働環境整備、人員配置、メンタル面のフォローといった人事業務全般に加え、社員教育に関する施策立案などの業務も行います。現在の人事グループのメンバーは、正社員8人と、Sさんを含む派遣社員2人の10人。RPAに関する業務は、すべてSさんにお任せしています。

RPAを導入・活用することになった背景として、人事業務で扱うデータの数がとにかく多いこと、加えて、それが要因となって時期によっては超過勤務になる状況があったことがあげられます。従業員の長時間労働の改善に加え、定型業務に割く時間を削減し、企画立案など非定型業務に使う時間を確保したいとも考え、データ集計や分析などの業務を自動化する流れになりました。社内でRPAを扱える人材を育成するつもりで若手社員にRPAを勉強してもらったこともありました。ですが、メインの業務の片手間では習得が難しい専門的なツールだということがわかり、外部リソースに頼ることにしました。当社の別の部署で、既にパーソルテンプスタッフのRPAアソシエイツを活用している実績があり、教育体制もしっかりしていると話を聞いたので、我々もお願いすることにしました。

RPAを導入し定型業務を自動化することで、新しい仕事に着手できるようになった

RPAで自動化したい業務は、あらかじめリストアップしていました。それをもとにSさんに順次依頼をし、細かい仕様などを相談しながら月に2~3本くらいのシナリオを作ってもらっています。自動化した業務の一例として、勤務実態把握のために勤務表とPCのアクセスログを突き合わせる業務がありました。すべて手作業で行うと相当時間のかかる業務でしたが、データを入力する作業を自動化できたことで、かなり負担が減りました。

データ集計のような定型業務に使う時間が減った分、新しい仕事に着手できるようになったこともRPA導入の効果です。例えば、データ量の多い労務関係の業務を行う担当者が、採用企画を担当できるようになるなど、非定型業務へのシフトが進んでいます。こうした効果は、Sさんに入っていただいて3ヶ月目くらいで実感できました。Sさんは、RPAの研修を終えられたばかりと聞いていましたが、コミュニケーション力が高く、勉強熱心な方で、想像以上に部門の業務効率化、業務改善に貢献してくれています。

人事グループのなかでもRPA化できる業務はまだまだあると思っていますので、Sさんの力を借りながら、引き続き自動化を推進していきます。土木総本部の管理スタッフ部門の中でRPAを取り入れているのは、今のところ人事グループだけです。我々が先行ケースとなり、他の部門にも広げたいと展望しています。


*1 RPAアソシエイツ
パーソルテンプスタッフによるRPA人材派遣サービス 現場業務に精通した派遣スタッフが、RPAの実践的な開発・保守スキルを身につけ、RPA運用や業務改善に対応します。

*2 WinActor
WinActorはNTTアドバンステクノロジの登録商標です。

*3 Automation Anywhere
Automation AnywhereはAutomation Anywhere, Inc.の米国およびその他の国における登録商標または商標です。

※2022年7月時点の取材にもとづき掲載しています。

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