物流業界

物流業界は、日常生活や経済活動に必要不可欠な存在です。IT技術の進化や在宅需要の高まりでECサイトの利用が浸透したことから、物流業界の市場規模は拡大しました。市場の拡大と共に、貿易や軽作業など、さまざまな職種で求人が増えています。
更新日:2025.1.31
物流業界とは
物流業界は、主に輸送・配送を業務としています。消費者や生産者、メーカー、商社・卸売会社などから運搬してほしい荷物や貨物を受け取り、状況に合わせて保管や包装、輸出入の手続きなどのさまざまな工程を経て、希望の目的地まで輸送・配送を行います。以下の物流の流れの中で、仲介手数料や輸送料、配送料や、保管費用などで収益を出します。
物流の流れ

- 輸送
- 荷物の内容や目的地に合わせた輸送計画を立て、運搬するための車両、飛行機、船舶、貨物列車や、一時保管に利用する倉庫などを手配し、輸送を行います。
- 荷役
- 荷物の積み込みや荷降ろし、倉庫に一時保管するための入出庫などの業務です。国際物流では、輸出入時の通関手続きを代行することもあります。

- 保管
- 預かった荷物は、目的地に出荷するまでの間、倉庫で保管・管理します。冷蔵、冷凍など適切な方法で品質を保ちます。
- 流通加工・包装
- 荷物によっては、包装や値札付けで商品の品質保護をし、商品価値を高める加工のサービスを提供したり、検品による不良品の除外、電子機器の初期設定などをします。

- 情報管理
- 荷物の預かりから最終目的地に届くまでの物流業務全般を管理・コントロールします。物流の流れの中で、さまざまな情報を管理し、業務効率や生産性を高め、顧客満足度の向上につなげます。

物流の過程にはさまざまな業務が発生するので、倉庫や物流センター以外にも、本社や営業オフィスでの仕事も多くあります。運搬手法によって職種・業務内容も変わるため、バラエティー豊かな仕事があるのも、物流業界の特徴の一つです。 物流業界の輸送・配送の手法は大きく5つに分類ができ、荷物の大きさや送り先、運搬にかかる時間などから状況に応じて使い分けをします。
輸送・配送の5つの手法
陸運 | トラックや車、トレーラーなど陸上の貨車を使用して、一般道路や高速道路などの陸路によって荷物を運ぶ、陸上輸送 |
---|---|
空運 | 飛行機で国内・海外に向けて輸送・配送を行う、航空輸送 |
海運 | 全国各地から運ばれてくる貨物を港に集めて、船舶を使って荷物を輸送する、海上輸送 |
鉄道 | 荷物・貨物を貨物列車を用いて貨物輸送 |
倉庫 | 荷物・貨物を目的地に運ぶための一時的な収集・保管の拠点 |
この他にも物流業界には、国際物流や低温物流など、より専門領域に特化した手法を専門とする企業もあります。
物流業界の職種を知る
物流業界には、一般事務の他にも貿易や軽作業、CADなどさまざまな職種の仕事があります。例えば貿易の仕事では英語に抵抗がなければ未経験から挑戦できるものもあり、服装・髪型自由な倉庫での軽作業など、はたらく場所も条件も幅広いです。

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物流業界が人気の理由・魅力
需要が安定している
物流・貿易は日常生活・経済活動に必要不可欠であるため、景気の変動にかかわらず需要が安定しているところが魅力の1つです。
市場規模が拡大している
IT技術の進化や在宅需要の高まりでECサイトの利用が浸透したことから、物流業界の市場規模は拡大しており、合わせて求人数も増加しています。
社会貢献していることを実感できる
普段私たちが利用するコンビニやドラックストア、アパレルショップなど幅広い分野で生産者と消費者の橋渡しをしている物流業界。社会貢献を実感しやすくイメージが付きやすいため、人気があります。

物流業界はこんな方におすすめ
丁寧で気遣いができる方
個人や企業から預かった大事な荷物を、予定通り行政などのルールを守りながら送り届ける必要があるため、コツコツ正確に、丁寧な仕事ができる方に適しています。直接荷物を扱うことがなくても、誤配送などのトラブルで信頼を低下させることのないよう、細やかな配慮が必要です。
社会貢献にやりがいを感じる方
食品や日用品だけでなく衣服なども、好きなときに購入して外出することなく受け取れるのは、物流サービスがあるからです。私たちの生活を支えて便利にし、社会を支えている仕事にやりがいを感じる方におすすめです。
さまざまな方とコミュニケーションできる方
物流業界のお客さまは幅広く、さまざまな業界・年齢・バックグランドを持つ方々の要望に対応します。また、お客さまは生産者と消費者双方となり、間に入って調整することも多いため、さまざまな方とコミュニケーションを取ることが好きな方は、やりがいを感じやすいです。

物流業界の仕事例
業務 | 業務内容 |
---|---|
一般事務 | 航空機の技術情報管理、見積書・請求書作成、 荷物の配送手配、ファイリング、データ入力・チェック、伝票処理・整理 |
部内アシスタント | 部署の経理処理、各種申請、交際費の管理、データ入力、資料作成、電話・来客対応 |
海外営業事務 | 海上貨物の混載輸出、船会社と納期調整、データ入力、BL作成、コンテナ予約、現地法人とのやり取り・調整業務 |
貿易補助 | 受注入力、輸出書類作成・確認、通関依頼、配送依頼、航空会社へのスペース予約、請求書作成・支払計上業務 |
軽作業 | 倉庫のエレベーターや自動レーンで運ばれてきたものを出荷先ごとに仕分け、専用端末で製品をスキャン、データ入力・伝票出力、伝票を製品に張り付け |
職種の幅が広く、未経験からでも挑戦できる仕事も豊富にあるため、自分の得意分野に合わせて多彩なキャリアパスを選ぶことができます。
物流業界の未経験OKな仕事例
部内アシスタント
システムへのデータ入力、ドライバーの日報の入力、メール対応、請求書・見積書管理、交通費精算、来客・電話対応、備品管理
軽作業メインの事務あり業務
商品の開梱・検品・内容確認、データ入力、倉庫書類の確認、メール対応・書類のファイリング
貿易事務サポート
電話やメールでの通関書類の内容確認、専用システムでの書類の作成、書類管理・スキャン、データ入力
物流業界ではたらくスタッフの声
物流業界というと倉庫で作業をするイメージを持っていましたが、実際はオフィスでの事務の仕事も多く、驚きました。
(一般事務職の方)
間接的に海外とつながることのできる物流業界に興味がありましたが、新卒入社だと最初は倉庫ではたらくことが多いので諦めていました。派遣なら、はたらく場所を自分で選べるので、憧れていた業界ではたらくことができています。
(貿易事務の方)
自分がかかわった商品が陳列されているのを見ると、仕事の意義を感じてうれしくなります。
(軽作業の方)
物流業界のこれから
- はたらく環境の整備
- ホワイト物流推進運動
- 物流業界への異業種参入
はたらく環境の整備
人材確保や生産性の向上の観点から、倉庫などのはたらく環境の整備が進んでいます。整理整頓をすることで、怪我の防止や保管・管理のためのコスト削減につながるため、定期的にはたらく環境の見直しをする企業が増えています。倉庫内に休憩所やカフェテリアがあったりと、明るく、清潔感に配慮された職場も豊富です。
ホワイト物流推進運動
国土交通省が物流業界に推進している活動です。人手不足で物流が滞ってしまうと生活や企業活動に影響が生じることから、“女性や60代以上の運転者などもはたらきやすい、より「ホワイト」な労働環境の実現”に取り組んでいます。
物流業界への異業種参入
近年、物流サービス企業だけでなく、大手EC企業などが独自の配送網を構築し、あらたな物流方法の導入を行っています。また、物流業界のアナログ業務効率化のため、システムなどを提供する物流SaaS企業、大手ディベロッパーによる物流不動産開発の活発化など、他業界から物流業界への参入が急増し、業界は盛り上がりをみせています。
このように、物流業界は需要の高まりから他業界からの参入があり今後のあらたな発展に期待ができます。また、私たちの生活になくてはならない存在であることから、国と共同での取り組みも多く、物流業界発展には、さまざまな協力体制があるので、これからも安心してはたらくことができます。