派遣のかけ持ちは可能?ルールや注意点、メリット・デメリットを解説|派遣の求人検索・人材派遣会社はテンプスタッフ

派遣のかけ持ちは可能?ルールや注意点、メリット・デメリットを解説

2025.12.09更新

派遣のかけ持ちとは、複数の派遣会社に登録してそれぞれの派遣先ではたらいて収入を得ることを指します。収入アップやスキルアップを目的に、かけ持ちしたいと考えたことがある人も多いのではないでしょうか。

ここでは、派遣社員としてかけ持ちが可能なのか、かけ持ちするメリット・デメリット、注意点などを詳しく解説します。

派遣社員としてかけ持ちではたらくことは可能?

結論から言うと、派遣社員としてかけ持ちではたらくことは可能です。本人が希望すれば、複数の派遣会社に登録してそれぞれの派遣先ではたらけます。紹介先が異なる複数の派遣会社に登録すれば、自身に合う仕事をより見つけやすくなるでしょう。

派遣のかけ持ちを禁止する規則はない

派遣社員に仕事のかけ持ちを禁止する明確な法律はありません。日本国憲法第22条でも職業選択の自由が保障されており、労働基準法でも副業は禁止されていません。

よって、複数の派遣会社に登録して別々の派遣先ではたらくことは法律上制限されません。

就業規則でかけ持ちを制限することもある

法律で派遣社員のかけ持ちが禁止されていないからとしても、自由にかけ持ちができるわけではありません。就業規則でかけ持ちを制限している派遣会社に登録した場合は、複数社への登録ができない可能性があります。

派遣会社の派遣形態には常用型派遣と登録型派遣があり、それぞれ以下のような違いがあります。

  • 常用型派遣
    派遣会社に正社員として雇用された状態で派遣先の企業ではたらく
  • 登録型派遣
    有期の契約社員として派遣会社に雇用される

上記のうち、常用型派遣については就業規則でかけ持ちが禁止されている場合があります。

以下の記事では、常用型派遣と登録型派遣についてより詳しく解説しています。

登録型派遣と常用型派遣の違いやメリット・就業の流れを紹介

同じ派遣会社でのかけ持ちは可能?

同じ派遣会社で複数の仕事をかけ持ちできるかどうかは、労働基準法で定められた“1日8時間・週40時間以内”かどうかが判断基準になります。複数の派遣先ではたらく場合は、勤務時間がすべて合算されるため、上限を超えないように注意が必要です。

また、複数の派遣会社に登録して別々の派遣先ではたらく場合でも、1つの派遣会社で複数の仕事を持つ場合でも、法律上の扱いは同じです。どちらのはたらき方でも、労働時間の上限を超えないよう全体のシフトを把握することが重要です。

派遣の仕事をかけ持ちするメリット

続いて、派遣の仕事をかけ持ちする具体的なメリットを見ていきましょう。

収入を増やせる

派遣の仕事をかけ持ちすると、単純に労働時間が増え、収入増につながります。収入が増えれば生活費に余裕が生まれ、将来に備えて貯金を増やしたい場合にも有効でしょう。

スキルや経験の幅を広げられる

かけ持ちではたらくと、1社のみと比較して短期間で多くの仕事が経験できます。経験のある業種・職種が増えればスキルアップが実現し、今後のキャリア形成においてもプラスとなるでしょう。

派遣の仕事をかけ持ちするデメリット

ご紹介したようなメリットがある一方、派遣のかけ持ちにはデメリットもあります。複数社に登録する前に知っておきたいかけ持ちのデメリットを詳しく見ていきます。

スケジュール管理が必要になる

派遣社員としてかけ持ちではたらく際は、スケジュール管理や調整を行う必要があります。出勤する曜日や日数が固定されている場合はスケジュール管理は容易ですが、毎月シフトが変わる仕事の場合はダブルブッキングのリスクがあります。

スケジュールを正確に管理できずに仕事に穴をあけるようなことがあると、今後派遣先を紹介してもらいにくくなる恐れもあります。

社会保険・雇用保険の扱いが複雑になる

派遣会社をかけ持ちしてはたらく場合、社会保険や雇用保険の扱いが複雑になるデメリットがあります。後からトラブルにならないよう、かけ持ちするときのルールを知っておきましょう。



雇用保険の加入は1つの事業所のみ

雇用保険は社会保険制度の1つで、はたらく人が失業や休業をしたときに給付金が支給されたり、就職支援を受けられたりする制度です。

雇用保険に加入するには、以下の条件を満たす必要があります。

  • 31日以上企業に雇用される見込みがある
  • 1週間の所定労働時間が20時間以上ある
  • 学生ではない

また、雇用保険に加入できるのは主要な収入を得ている1社のみです。雇用保険で受け取れる失業手当などは収入額によって変動するため、重複して雇用保険に加入することはできません。



社会保険は事業所ごとに加入が必要

派遣社員であっても、以下の条件を満たす場合は社会保険への加入が必要です。

  • 週の所定労働時間が20時間以上30時間未満
  • 所定内賃金が月額8.8万円以上
  • 2ヶ月を超える雇用の見込みがある
  • 学生ではない
  • 従業員数が51人以上(または従業員数が50人以下で、労使合意がある場合)

かけ持ちではたらいていて条件を満たす事業所が複数ある人は、それぞれで加入の手続きが必要です。

なお、2つ以上の派遣先で加入条件を満たす場合は、事業所勤務届という書類を年金事務所に提出します。いずれか1つの事業所を主たる事業所として選択し、管轄の年金事務所または保険者などを決定する必要があります。

派遣の仕事をかけ持ちする際の注意点

派遣の仕事をかけ持ちするにあたって、労働時間や休憩時間などについて知っておくべき注意点を6つ解説します。

労働時間の上限

同じ派遣会社のなかで複数の派遣先をかけ持ちしている場合は、労働時間の上限を超えないように注意が必要です。それぞれの事業所では法定労働時間内ではたらいていても、2つの合計で法定労働時間を超える場合は残業手当が発生します。その場合、残業代は派遣会社が支給する必要があるため、派遣会社からかけ持ちを認めてもらえない場合があります。

休憩時間の確保

かけ持ちをする場合は、労働基準法にしたがって休憩時間を設ける必要があります。

労働基準法によれば、6時間以上の労働に対して45分以上、8時間以上の労働に対して1時間以上の休憩時間の確保が必要です。かけ持ちの場合でも、この決まりに沿って休憩を取得しなければいけません。

現在の派遣会社への事前相談

かけ持ちではたらくときは、現在登録している派遣会社への事前相談が必要です。派遣会社によっては就業規則でかけ持ちを禁止している場合があり、無断でのかけ持ちは契約違反となる恐れがあります。

特に、常用型派遣ではかけ持ちが就業規則で制限されている可能性が高いため、必ず確認しておきましょう。

勤務する業種や情報の扱い

同業種の職場でかけ持ちをする場合は、勤務中に知った情報の取り扱いに細心の注意が必要です。万が一、機密情報を競合他社に共有してしまうと重大な契約違反となり、最悪の場合は法的措置を取られる可能性もあります。

また、派遣先によっては競業避止義務が契約で定められている場合があります。競業避止義務がある派遣先ではたらいている場合は、同業他社ではたらくこと自体を避けなければいけません。

扶養内ではたらく場合の収入上限

派遣先のかけ持ちをしながら扶養内ではたらく場合は、収入の合計に注意が必要です。年収が103万円を超えると扶養控除から外れ、所得税を納めなければいけなくなるためです。年収次第では社会保険への加入も必要になり、かえって手取りが減少する恐れもあります。

年末調整と確定申告

日本では一定以上の収入がある人に対して収入に応じた所得税が発生し、給与から天引きされて雇用主がまとめて納税しています(年末調整)。仕事が1つだけであれば、派遣先の派遣会社が年末調整を行うため、自分で確定申告をする必要はありません。複数の派遣先ではたらいている場合でも、年末調整をしてもらえるのは1社のみです。そのため、2社以上の派遣先ではたらいている場合は、自分で確定申告を行う必要があります。

かけ持ちにおすすめの派遣の仕事は?

派遣の仕事には、かけ持ちに向いている仕事と向いていない仕事があります。かけ持ちにおすすめの仕事内容は以下の通りです。

かけ持ちに向く仕事 内容

軽作業スタッフ

体力を使う内容が多い一方、単発や夜勤シフトなどの選択肢があり、柔軟なはたらき方が実現しやすい

コールセンター・テレアポ

固定曜日での勤務や短時間勤務が可能でシフト調整がしやすい

データ入力・事務サポート

短時間勤務や在宅勤務が可能な仕事が多く、本業とのスケジュールを調整しやすい

販売・接客スタッフ

シフト制の職場が大半で、土日や夜勤などのはたらき方が選べるためスケジュール調整がしやすい

かけ持ち以外に収入を安定化させる手段

かけ持ちではたらく人の主な目的は、収入の安定化でしょう。しかし、かけ持ち以外にも収入を安定化させる方法はあります。その方法について詳しく見ていきましょう。

紹介予定派遣から直接雇用を目指す

紹介予定派遣とは、派遣社員が派遣先の企業と直接雇用契約を結ぶ前提で派遣契約を結ぶ制度です。最長6ヶ月の派遣期間終了後、派遣先と派遣社員の双方の合意があれば直接雇用契約を締結します。無事に正社員として採用されれば収入増や収入の安定化が期待できるでしょう。

紹介予定派遣に興味のある人は、以下も併せてご覧ください。

紹介予定派遣ではたらく

無期雇用派遣ではたらく

無期雇用派遣とは、派遣会社に直接雇用されてはたらく常用型派遣のことです。派遣会社と無期限の雇用契約を結ぶため、派遣先で就業していない期間でも給与が支払われます。したがって、就業していなければ給与が支払われない登録型派遣と比較すると安定した給与が得られます。

かけ持ちではたらきながら自身に合いそうな仕事を見つけて無期雇用派遣に切り替えるのも、安定した収入を得る一つの方法です。

はたらき方のお悩み、テンプスタッフまでご相談ください

派遣のかけ持ちを検討中の方の中には、時間や日数に配慮したはたらき方を考える方もいるでしょう。

業界トップクラスの求人数を誇るテンプスタッフでは、数多くの仕事の中から時短勤務やはたらく日数などが選べます。ライフスタイルの変化やそのときの状況に応じて、週3~4日、1日5~7時間など、かけ持ちに適した仕事も選んではたらけます。詳細は以下よりチェックしてください。

時間を選んではたらく(週4日以下・短時間など)

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