派遣から直接雇用を目指すには?切り替える方法やプロセス、注意点を解説

2025.08.05更新
派遣としてはたらいている人の中には、将来のキャリアプランやライフプランを考えて正社員などの直接雇用を目指したいと考える人も多いでしょう。
正社員になると、契約期間に縛られず幅広い業務を任されるようになるため、収入の安定や長期のキャリア形成の可能性が広がります。ここでは、派遣から直接雇用を目指す方法やメリット・デメリット、注意点などをご紹介します。
派遣社員から直接雇用に切り替わるケース
派遣社員は、派遣会社と雇用契約を結び、その契約に基づいて派遣先の企業ではたらきます。派遣先企業とは直接雇用契約を結びませんが、契約満了時や、はたらきぶりや活躍が認められた場合などに、直接雇用に切り替わるケースも少なくありません。直接雇用に切り替わるケースをご紹介していきます。
派遣期間の満了後に派遣先の直接雇用へ切り替わる
多いのは、派遣期間満了後に派遣先から直接雇用されるケースです。派遣先・派遣会社・派遣社員の希望と交渉次第で、派遣期間満了後に派遣先に直接雇用される場合があります。
派遣先企業に対しては、一定条件を満たした派遣社員について、直接雇用に切り替える努力義務が法律で定められています。また派遣会社に対しては、派遣契約期間が満了する派遣社員が引き続き仕事にあたれるよう、雇用安定措置を取ることが法律で定められています。派遣社員から希望があった場合、派遣会社は派遣先に対し、直接雇用に関して相談することになっています。それ以外にも、はたらきぶりや仕事での活躍が派遣先企業に認められ、契約満了を待たずに直接雇用を打診されるケースも少なくありません。
紹介予定派遣で一定期間勤務後に直接雇用になる
紹介予定派遣とは、一定期間(最長6ヶ月間)派遣ではたらいた後に派遣先企業と派遣社員が直接雇用契約を結ぶことを前提とした派遣のはたらきかたの一つです。就業前に派遣先企業にて採用選考が行われるため、一般的な派遣に比べて難易度は上がりますが、直接雇用の前の派遣期間で実際にはたらいてから企業との相性や仕事内容を確認できるため安心感があります。
実際、パーソルテンプスタッフにご登録の方の中でも、紹介予定派遣を活用して仕事内容や就業環境など、自分に合っているかを確かめた上で派遣先企業への直接雇用を決めた方が多くいます。
派遣期間中に直接雇用の打診を受けるのは問題ない?
派遣期間中に派遣先企業が一方的に直接雇用に切り替えることはできません。派遣として勤務している間、派遣社員は派遣会社と雇用契約を結んでいるためです。
では、派遣期間中に直接雇用の打診を受ける、いわゆる引き抜きは問題ないのでしょうか。原則として、こうした打診があった場合は、まず派遣会社に相談するのが適切なフローです。派遣先と直接やり取りするのではなく、派遣会社を通じて調整を進める形となります。適切な手続きを踏むことで、トラブルを避けながらスムーズに今後のはたらき方を検討することができます。
継続勤務する派遣社員の直接雇用は推奨されている
労働者派遣法第40条の4により、派遣先企業には派遣社員を直接雇用する努力義務が課させられています。1年以上継続勤務をしている、派遣会社から直接雇用の依頼があるなどの派遣社員に対しては、派遣ではなく正社員などとして雇用することが推奨されているのです。
こうした流れを後押しするために、国も派遣労働者のキャリアアップを推進しています。厚生労働省は、一定の条件を満たした派遣労働者を正社員として直接雇用した企業に対し、「キャリアアップ助成金」という助成金制度を設けて雇用促進を図っています。

派遣から直接雇用になるまでのプロセス
続いて、派遣から直接雇用になるまでの具体的なプロセスを解説します。
派遣先から直接雇用の打診を受ける or 派遣会社への相談
直接雇用への最初のステップは、派遣先企業から直接雇用の打診を受ける、または自分から直接雇用の相談を持ちかけることです。
自分から相談を持ちかける際に注意したいのは、相談先は派遣先企業ではなく派遣会社であるという点です。まずは雇用主である派遣会社に相談し、派遣会社から派遣先企業に打診する流れとなります。単に希望を伝えるだけでは難しいこともあるため、”なぜ直接雇用を目指したいのか”や”これまでの勤務実績”などを具体的に伝えながら相談するのが効果的です。
現在の契約内容の確認
直接雇用を目指すと決めたら、現在の契約内容を忘れずに確認しましょう。契約期間や就業条件などの派遣先企業との契約の他、派遣会社との契約内容に直接雇用に関する内容が記載されているかどうかも忘れずに確認しましょう。これは、派遣期間満了を待たずに直接雇用に切り替える際に非常に重要なポイントとなります。契約書を読んでもよく分からない場合は派遣会社に問い合わせてみましょう。
直接雇用を希望する旨を派遣先・派遣会社へ伝える
直接雇用の意向が決まったら、派遣会社にその旨を伝えます。
一般的に多いのは、派遣期間満了のタイミングでの契約切り替えです。派遣期間満了後に派遣先企業と雇用条件の調整を行い、雇用契約を結びます。
また、派遣先企業から希望があった場合などは、イレギュラーで派遣期間中に直接雇用に移行することがあります。ただし雇用期間満了前の雇用契約の切り替えは、契約の内容によっては派遣先企業が派遣会社に対して違約金を支払わなくてはいけないケースもあるため注意が必要です。
雇用条件の合意形成・契約締結
直接雇用の合意が取れたら、雇用条件について話し合います。雇用形態、業務内容、給与、労働時間などの基本的な事項を決める他、福利厚生や取得できる休暇などについても確認しておきましょう。不明点や不足点をしっかりと洗い出し、自分の想定しているはたらき方とミスマッチがないか、確認しておくことが重要です。
雇用条件の合意が取れたら雇用契約を締結します。雇用契約書はしっかりと読み、内容を理解した上で署名捺印をしましょう。
直接雇用での勤務開始
直接雇用への切り替え後、はたらく場所は変わらなくても、雇用主が変わることで加入する保険や給与体系も変わります。特に社会保険については、それまではたらいていた派遣会社の社会保険の資格喪失手続きが必要になります。派遣先企業の人事部や派遣会社の指示にしたがって必要書類を用意しましょう。

直接雇用を目指すメリット
では、派遣から直接雇用となることで、具体的にどのようなメリットが得られるのでしょうか。ここでは3つのメリットをご紹介します。
経験できる業務範囲が広がる
派遣社員が担う業務は、最初の段階で派遣契約に定められた範囲であり、その他の業務を任せられることは基本的にはありません。
一方、直接雇用の社員になると、経験やスキル、知識に応じてあらゆる仕事にチャレンジできます。新しい業務にチャレンジしたい場合、その旨を会社に伝えることでチャンスをもらえることもあります。チャレンジの機会が増えることは、スキルアップだけでなく、やりがいにもつながります。
収入がより安定する
派遣社員は基本的に有期契約で、契約が満了したら次の派遣先を自分で探すか派遣会社に紹介してもらう必要があります。場合によっては次の契約までに空白期間が生じ、収入が途切れてしまう恐れもあります。
一方、直接雇用の社員は一般的に無期契約となります。そのため収入が途切れる心配が少なく、比較的安定した収入のもとではたらけるでしょう。一つの場所ではたらきたい人にとっては大きなメリットです。
長期的なキャリア形成が可能になる
直接雇用の社員となり幅広い業務経験を積めば、昇進や昇給のチャンスも広がり、収入も安定して、長期的なキャリアのビジョンが描きやすくなります。会社の業務への理解が深まることで、今まで以上のやりがいを感じるきっかけにもなるでしょう。
直接雇用を目指すデメリット
直接雇用には収入の安定やキャリア形成などのメリットがありますが、デメリットもあります。2つの例をご紹介します。
収入は安定するがはたらき方の柔軟性が低くなる
期間の定めのない正社員としてはたらくと収入が安定する一方、はたらき方の柔軟性は低くなりがちです。勤務時間や勤務日数の自由度が下がったり、残業する必要が生じたりと、派遣のはたらき方とは仕事のリズムが変わることもあります。
また、派遣のように更新のタイミングではたらく業界や職種の変更が難しくなります。さまざまな業界や職種にチャレンジすることに魅力を感じていた人にとっては、変化が少なくなり、物足りなさを感じてしまうかもしれません。
直接雇用 = 正社員雇用とは限らない
直接雇用=正社員登用というイメージを持っている人もいるかもしれませんが、実は必ずしもそうとは限りません。正社員ではなく契約社員として雇用されるケースもあります。
同じ社員でも、契約社員は一般的に有期雇用で、必要に応じて契約を更新していく形です。また、給与体系が正社員と異なる場合もあり、場合によっては、派遣社員の頃より収入や福利厚生などの条件が悪くなる恐れもあります。
正社員を目指したいのであれば、紹介予定派遣としてはたらく方法があります。紹介予定派遣とは、一定期間(最大6ヶ月間)派遣としてはたらいたのちに正社員に契約を切り替えることを前提としたはたらき方です。派遣期間で職場の雰囲気をつかみながら仕事を覚え、その上で正社員に登用されるため、安心して仕事をスタートできます。
紹介予定派遣は正社員登用が前提である分、派遣前の面接や選考など、条件は一般の派遣よりも難しくなっています。そのため、紹介予定派遣としてはたらきたい場合はしっかりとした対策が重要です。
テンプスタッフでは紹介予定派遣の仕事も紹介できます。履歴書の添削、面接対策など、転職活動中の支援も充実しており、あなたの強みを企業にしっかりとアピールできるようサポートします。

派遣社員から直接雇用を目指す際の注意点
ここまで、派遣社員としてはたらきつつ直接雇用を目指す方法を解説しましたが、実際に直接雇用を目指して動き出す際には、いくつかのことに注意する必要があります。
まず、派遣会社を通じて派遣先企業から直接雇用の打診があった際には、必ず雇用条件を確認しましょう。派遣先から提示された条件が自分の希望と合っているか、合っていない場合には交渉の余地があるのかも確認します。
希望と合っていない場合や疑問点などは、派遣会社に相談しましょう。派遣会社は、派遣先企業と派遣社員の間に入り、双方の希望を把握した上で交渉してくれます。
打診があったからといって急いで決める必要はありません。まずは派遣会社と相談しつつ、はたらき方や仕事が自分に合うかや、今後の自分のキャリアを見据えて答えを出すようにしましょう。
派遣社員から直接雇用を目指したい方はテンプスタッフにご相談ください
派遣社員から直接雇用を目指すには、派遣先企業から直接打診を受ける、派遣会社に相談するなど、いくつかの方法があります。
直接雇用、特に正社員雇用を目指す一番おすすめの方法は、紹介予定派遣ではたらくことです。正社員や契約社員など、直接雇用を前提とした派遣のため、一般的な派遣で契約移行を狙うよりも確実に正社員を目指せます。
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