再就職手当は派遣でも受け取れる?失業保険の条件・手続き・早期就職のメリットも解説

2025.06.05更新
ハローワークを利用して再就職した場合、所定の条件を満たすと、再就職手当が受け取れます。正社員としてはたらきたい場合も派遣社員としてはたらきたい場合も、転職活動をしている人なら全員が知っておきたい情報です。
この記事では、再就職手当の概要や金額の算出方法、対象者などの情報を解説します。ぜひ参考にしてください。
再就職手当とは?制度の基本をわかりやすく解説
再就職手当は、失業給付を受け取る資格がある人が一定の条件を満たして早期に安定した職業に再就職したり、開業するときに受け取れる手当です。雇用保険で設けられている就業促進手当の1つにあたり、退職後の就職・開業が早いほど手当の給付率が高く、より多くの再就職手当が受け取れます。
なお、失業給付の受給資格は以下の2つです。
- ハローワークで求職の申し込みをしていて、本人にはたらく意思も能力もあるが、職業に就けない失業状態である。
- 原則として退職日以前の2年間に雇用保険加入期間が通算12ヶ月以上ある。
再就職手当と失業手当との違い
再就職手当と失業手当は、受け取れるタイミングや受給金額が全く異なります。
再就職手当は、就職日の前日に失業手当の支給日数が一定以上残っている場合に受け取ることができます。
一方、失業手当は雇用保険の被保険者期間などの条件を満たす人が失業状態にあるときに受け取れる手当です。退職時の年齢や被保険者であった期間、退職理由によって90日から330日の所定給付日数が決まっています。

再就職手当の対象者と条件
再就職手当はハローワークに通っている人全員が受け取れる訳ではなく、一定の条件を満たす必要があります。その条件や対象を、より詳しく見ていきましょう。
派遣でも再就職手当は受け取れる?
再就職手当が受け取れるのは、正社員として転職した人だけではありません。派遣社員として就職した場合も受け取ることができます。
ただし、いくつかの所定の条件を満たすことが必要です。
再就職手当を受け取れる条件
再就職手当を受け取るための条件は、正社員でも派遣社員でも変わりません。主な受給条件は以下の通りです。
- 基本手当(失業給付)の受給資格がある人が安定した職業に就くか、事業主になること。
- 雇用保険に加入していること。
- 失業給付の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上あること。
- 再就職先と前職との間に、密接な関わりがないこと。
- 1年を超えて勤務することが確実であること。 など
その他、自己都合などで離職し給付制限があり、求職の申し込みをしてから待期期間満了後1ヶ月以内の人は、ハローワークなどの紹介で就職している必要があります。
また、過去3年間の就職で再就職手当や常用就職支度手当の支給を受けた人や、失業手当の申請より前に採用が内定している人は受け取れません。
派遣社員として再就職した場合の注意点
再就職手当の受給要件の中でも、派遣社員として就職する人が特に気を付けなければいけない条件は、以下の3つです。
- 雇用保険に加入していること
- 前の仕事と関係性がない再就職先であること
- 1年を超えて勤務することが確実であること
原則、雇用保険に加入していないと再就職手当は受け取れません。雇用保険の加入条件は、31日以上の雇用が見込まれることと、週の所定労働時間が20時間以上であることの2つです。
また、再就職する会社が前職と同じ、または前職と取引・人事・資金などの面で密接に関係する場合も対象外です。
1年を超えて勤務できないときも受け取れないため、派遣社員としてはたらきながら再就職手当を受け取るなら、契約期間を確認しましょう。

再就職手当の金額と計算方法
再就職手当で受け取れる金額を算出する計算式は、失業手当がどのくらい残っているかによって変わります。支給額の算出式や支給率を把握し、自身がいくら受け取れるか計算してみましょう。
支給額の算出式
再就職手当の算出式は以下の通りです。
- 再就職手当の金額=基本手当日額×支給残日数×支給率
基本手当日額とは、雇用保険受給資格者証に記載された、基本手当の1日あたりの金額のことです。原則として、離職した日の直前6ヶ月に毎月支払われた賃金の合計を180で割って算出した金額(賃金日額)のおよそ50~80%(60歳~64歳は45~80%)になります。
なお、基本手当には上限が設定されており、毎年8月1日に改定される可能性があります。
支給率の違い
再就職した時点で基本手当の支給日数がどのくらい残っているかによって、支給率は以下のように変わります。
- 失業給付の所定給付日数の3分の2以上を残して再就職した場合:支給手当の支給残日数の70%
- 失業給付の所定給付日数の3分の1以上を残して再就職した場合:支給手当の支給残日数の60%
- 出典:ハローワークインターネットサービス「就職促進給付」(2025年5月現在)
再就職手当の支給金額例
一例として、以下の条件のときに受け取れる再就職手当を計算してみます。
【給付制限期間中に再就職した場合】
- 基本手当日額:5,000円
- 基本手当支給残日数:90日
- 再就職したタイミング:給付制限期間中
所定給付日数90日がすべて残った状態での再就職では給付率は70%ですので、再就職の金額は以下のように計算できます。
5,000円×90日×70%=315,000円
【所定の給付日数270日の人が受給資格決定後100日目に再就職した場合】
このケースでは、基本手当の支給残日数は178日(待期期間が受給資格決定日を含めて7日あるため)です。
給付率は60%になり、再就職手当の金額は以下のようになります。
5,000円×178日×60%=534,000円
早期に就職するメリットはある?
早期の再就職が実現すれば、収入が安定しやすいメリットがあります。
ここまで解説した通り、早期に再就職をすればするほど再就職手当の給付率は高くなり、多くの手当が受け取れます。再就職をすると転居や就職準備などでお金がかかることもありますが、再就職手当を受け取ることで、給料が支払われるまでの生活が安定しやすくなります。
受け取るまでの手続きの流れ
続いて、再就職手当を受け取るまでの手続きの流れを解説します。
申請の流れ
再就職手当を受け取るためには、ハローワークに再就職や開業をしたことを伝える必要があります。
受給手続きの流れをまとめると、以下のようになります。
- ハローワークに採用証明書を提出する
- 再就職手当支給申請書を受け取る
- 再就職手当支給申請書を再就職先に提出して証明を受ける
- 再就職手当支給申請書と受給資格者証をハローワークに提出する
再就職が決まったら、採用証明書、雇用保険受給資格者証、失業認定報告書の3点をハローワークに提出しましょう。それと引き換えに、再就職手当支給申請書を受け取ることができます。
再就職手当支給申請書は再就職先に提出して必要事項を記入してもらい、受給資格者証と共にハローワークに提出する流れです。
申請期限
再就職手当の申請期限は原則、再就職をした日の翌日から起算して1ヶ月です。
派遣社員として申請する場合の注意点・ポイント
派遣会社に再就職したら、再就職手当支給申請書を提出する企業を間違わないように気を付けましょう。
派遣社員には、自身を雇用している派遣会社(派遣元)と、実際にはたらく派遣先企業の2つの会社が関係します。再就職手当支給申請書に必要事項を記入してもらうのは、雇用主である派遣会社です。派遣先の企業に雇用されている状態ではないため、派遣先に提出しても対応してもらえません。

再就職手当を受け取れないケース
基本手当の支給日数が残っているタイミングで再就職ができたとしても、以下のようなケースでは再就職手当を受け取れません。
- 以前と同じ派遣会社や勤務先に入社した場合
- 1年以上の継続した雇用が見込まれない場合
- 派遣から直接雇用に切り替わる紹介予定派遣の場合
- 支給残日数が不足している場合
派遣社員としてはたらく場合、派遣先企業が前職の企業とグループ会社である、業務委託関係があるなどといった何らかの関係がある可能性もあります。登録する際、前職の会社と関係ない企業への派遣を必ず希望しましょう。
また、短期の派遣も再就職手当の対象外です。
さらに、支給残日数が最低でも3分の1以上は残っていないと受け取れないため、再就職手当を受け取るならできるだけ早く再就職の準備をしましょう。
派遣ではたらく場合も再就職手当対象になる!
「派遣ではたらく場合でも再就職手当は受け取れるの?」
このように思っている人もいらっしゃるでしょう。結論、派遣社員としてはたらく場合でも再就職手当は受け取れます。
テンプスタッフの派遣の仕事でも対象に!
テンプスタッフには豊富な求人があり、1年以上の長期継続の仕事も数多くあります。
派遣先も多く、未経験からチャレンジできる仕事も多くあるため、安心して仕事に取り組めます。
再就職手当を受け取りながら派遣社員としてあらたな仕事をはじめたいなら、ぜひテンプスタッフにご相談ください。
「すぐはたらける」仕事が多く、早期に再就職するメリットを活かせる
テンプスタッフを利用すると、早期に再就職手当を受け取れる可能性が高まります。
テンプスタッフにはすぐにはたらける仕事が多く、エントリーから就業開始までの平均日数はわずか9日(※2024年度パーソルテンプスタッフ実績)と大変スピーディーです。基本手当の支給残日数が3分の2以上残るタイミングで再就職できれば、より多くの再就職手当を受け取れます。
安心して再スタートできる理由
テンプスタッフには就業中もサポートするさまざまな制度やサービス、福利厚生が用意されているため、派遣がはじめての方も安心して利用できます。例えば、半日から取得できる休暇制度、割引特典のある優待サービス、無料で受けられる健康診断などがあります。
また、派遣先との契約が終了したら、改めてご希望をヒアリングした上で派遣先を探すため、安心してキャリア形成を図ることができます。

早めの就職は金銭面もキャリア面も安心できる
ご紹介してきた通り、再就職手当は派遣社員としてはたらく場合でも、条件を満たせば受け取ることができます。ただし、1年未満の短期派遣では受け取れないため、長期ではたらける仕事選びが大切です。
テンプスタッフでは業界最大級の求人数で、すぐはたらける仕事も多いため早期の再就職がしやすく、より多くの再就職手当を受け取ることができ安心してはたらけます。
派遣社員として再就職をご検討の際は、ぜひテンプスタッフにご相談ください。