派遣社員の職務経歴書の書き方は?記載例や自己PRのコツを解説
2025.12.03更新
転職活動時に作成することが多い職務経歴書ですが、派遣社員として登録する場合も職務経歴書が必要になるのか分からない人もいらっしゃるのではないでしょうか。
ここでは、登録時に職務経歴書の提出は必要なのか、また、職務経歴書の書き方について詳しく解説します。
職務経歴書と履歴書の違い
職務経歴書と履歴書には以下のような違いがあります。
- 職務経歴書:経験やスキルを詳細に記載してアピールする書類
- 履歴書:プロフィールや職歴の事実・概要を伝える書類
職務経歴書は、詳しい職務経歴を通じて自身をアピールする書類です。これまでに携わった業務の内容や実績、強みなどを具体的なエピソードと一緒に記載します。
一方、履歴書は、年齢や学歴、資格などの基本的なプロフィールを客観的な事実として伝える書類です。詳細なスキルを伝える職務経歴書とは異なり、経歴全般を大まかに伝える自己紹介的役割があります。
派遣登録時に職務経歴書の提出は必要?
では、派遣に登録するときに職務経歴書は必要なのでしょうか。
職務経歴書の提出は必須ではない
登録の際、一般的には職務経歴書の提出は必須ではありません。
ただし、派遣会社によっては職務経歴書の提出が求められるケースもあります。気になる派遣会社が見つかったら、職務経歴書の提出が必要か、登録前に確認しておきましょう。
作成しておくと、派遣登録がスムーズに行える
職務経歴書の提出が必須ではない派遣会社に登録するとしても、事前に職務経歴書を作成しておくと、登録がスムーズに進むこともあります。
テンプスタッフのオンライン登録では職歴をフォームに入力する必要があるため、作成済みの職務経歴書があると手元で確認しながら速やかに入力できます。
また、職務経歴書を担当者に提出すると自身の経歴やアピールポイントが伝わりやすくなり、自分に合う仕事が見つかりやすくなります。
職務経歴書の書き方
職務経歴書のフォーマットはインターネット上にさまざまな書式のものがありますが、基本的な構成や記載項目(例えば、職務要約・職務経験・スキルなど)はほとんど共通しています。職務経歴書の項目ごとの書き方について詳しく見ていきましょう。
職務要約
職務要約は、登録者の経歴を簡潔にまとめる項目です。担当者は、職務要約の内容から登録者の経歴の大枠を把握します。職務経歴書の冒頭に記載されるため、登録者の印象が決まりやすい重要な項目です。冗長にならないよう、200文字前後の文章でまとめるのがポイントです。
職務経歴
これまでに所属した企業ごとの職歴を時系列でまとめる箇所です。所属した企業名や期間、雇用形態、配属や業務内容など、可能な限り詳細に記載しましょう。業務内容が多過ぎて書き切れない場合は、希望する職種に関連する、または近い業務内容を優先して記載するようにしましょう。
スキル・保有資格など
保有しているスキルや資格を記載する項目です。担当者が見て「このスキルや資格があるなら、この仕事を案内できる」と思ってもらえるように、習得している技術のレベルも記載しましょう。単にWordやExcelと書くのではなく、“(社内資料作成可能)” “Excel(関数・マクロ習得済み)”のように具体的な書き方をすると、どんなスキルがあるのか伝わりやすくなります。
資格については、保有している免許や資格の正式名称と取得年月日を正確に記載しましょう。もし取得に向けて勉強している資格があれば、その旨を記載しても構いません。
なお、明確な希望職種がある場合、その仕事に関係するスキルや資格に絞って記載すると、即戦力だとアピールできます。
自己PR
自己PRは、自分の強みやアピールポイントについて、仕事の実績やエピソードを交えて紹介する項目です。結論、エピソード、成果の順番で記載すると読みやすい自己PRになるでしょう。ただ自分の実績をアピールするのではなく、企業が求める経験やスキルに関連する内容を記載するのがコツです。
派遣社員期間の職務経歴書を書く時の注意点
続いて、派遣社員だった期間の職務経歴書の書き方について、注意点を詳しく解説します。
“派遣元”と“派遣先”は分けて記載する
派遣社員の期間は、雇用契約を結んだ派遣元と実際に勤務した派遣先に分けて両方を記載しましょう。どちらか一方のみ記載すると直接雇用と勘違いされる場合があるためです。
どちらの会社が派遣元か派遣先か不明瞭にならないよう、“A社で登録をした” “B社で派遣社員として従事”など、読み手が分かるように明記します。
守秘義務の制約がないか確認する
派遣社員としてはたらいた期間について派遣先の企業と派遣会社で守秘義務が結ばれている場合は、記載方法に注意が必要です。守秘義務がある場合、業務内容を詳細に記載することはできません。守秘義務がある場合は“○○業の製造スタッフとして勤務。業務内容は守秘義務により記載できません。”など、守秘義務に違反しないように記載しましょう。
職歴はすべて記載する
単発の仕事を除き、職務経歴書に漏れなく記載しましょう。短期間だからと記載を省略してしまうと職歴の空白ができ、採用担当者が疑問に感じる場合があります。
また、職歴の記載を省略していた事実がある場合、他の職歴についても正確性を疑われる可能性があります。担当者に安心して仕事を案内してもらうためにも、職歴は正直にすべて記載することをおすすめします。
経歴や実績を誇張しない
自分をよく見せようとして経歴を大げさに書くのは避けましょう。職歴やスキル、資格は正確に記載することで、希望に合った仕事の案内もスムーズになります。
ブランクがある場合はどう説明する?
前職を退職してからブランクがある人が職務経歴書を提出した場合、空白期間ができた理由について聞かれる可能性があります。その場合は、ブランクができた理由を正直に話しましょう。その上で、現在は懸念が解消されていて問題なくはたらける、などと伝えます。
しかしそれでも、ブランク期間中の状況や、現在の就労意欲・職場環境への適応性などを担当者が気にかけることがあります。現在の状況や希望のはたらき方について明確に説明しましょう。
なお、ブランク期間に資格取得などスキルアップにつながる活動をしていた場合、そのことをアピールすると評価につながる可能性があります。
職務経歴書の記載例
ここでは、過去に派遣社員として1社ではたらいたことがある方の職務経歴書の記載例をご紹介します。職務経歴書に派遣期間中の仕事内容やスキルをどの程度書くべきか、アピールポイントの書き方に迷っている方は参考にしてみてください。
■職務要約
2024年4月に株式会社○○の派遣社員として株式会社▲▲製造部 製造一課に所属し、製造オペレーターとして機械の操作・監視・保全まで一連の業務を経験いたしました。2025年4月からは同社でフォークリフトでの運搬をはじめとした出荷業務全般を経験しています。
仕事で心がけているのは、丁寧な報連相です。積極的にコミュニケーションを取り、業務内の問題解決を図っています。
■職務経歴
2024年4月~現在 派遣先:株式会社▲▲製造部 派遣元:株式会社○○
事業内容:製造業
2024年4月 製造部 製造一課 配属 2025年4月 製造部 製品管理課 配属 【日常業務】製造一課
品質管理課
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■テクニカルスキル
- パソコンスキル
Word:見出し、目次、箇条書き、表組みなどを用いて資料作成できるレベル
Excel:IF関数による自動計算を用いた資料作成ができるレベル
■自己PR
私は製造部で、報連相を徹底し効率的に業務を進めることで、トラブルを最小限に抑えることが得意です。
製造ラインでは正社員・派遣社員にかかわらずチーム全体での連携が不可欠です。私は細かな点まで報連相を徹底し、機械の不調やトラブルが発生した際も迅速に対応してきました。さらに、タスク漏れがない効率的な作業を行うため、Excelを活用して毎日の仕事内容やデータを管理しました。
これにより、ライン全体の作業効率が向上し、機械トラブルによる生産の遅延を最小限に抑えることができました。
伝わりやすい自己PRを書くコツ
担当者に伝わる自己PRを書くコツは、過去の仕事の実績や経験から得た強みを具体的に洗い出すことです。洗い出した実績や経験の中から、希望職種に合う内容を優先的に整理し、実績に合わせて強みもまとめると、担当者に伝わりやすい自己PRが作れます。
強みは会社の利益に直結する実績から考えるのが分かりやすいですが、業務効率化や進行管理など、実績以外の分野でもアピールできるポイントは多くあります。
職務経歴書の書き方に関するよくあるご質問
最後に、職務経歴書の書き方に関してよくある質問をまとめました。
単発の派遣やパート・アルバイトの経歴は書くべき?
単発の派遣やパート・アルバイトの場合、すべてを経歴として記載する必要はありません。担当者はどのような業務の経験があるかに注目しているため、同じ業務内なら複数の単発の仕事をまとめて記載してもよいでしょう。
ただし、職歴が少ない場合は、単発の仕事でも記載すれば経験値のアピールにつながります。
ブランク期間がある場合はどう記載すればよい?
ブランク期間がある場合は、職歴の空白が生じた理由を正直に記載しましょう。また、現在はブランクを生じさせた課題が解消されており、問題なくはたらけることも追記することをおすすめします。
職務経歴書の提出形式はWord?PDF?手書きでもよい?
多くの派遣会社では、職務経歴書の提出形式について決まりはなく、手書きでもパソコンで作成しても問題ありません。自分が作成しやすい提出方式を選択しましょう。
編年体式・逆編年体式・キャリア式はどう使い分ける?
職務経歴書にはいくつかの書き方があります。それぞれ特徴が異なり、職務経歴やアピールしたい内容によって向いている形式が変わります。以下の表で、主な書き方の違いと、どのような人に適しているかを整理しています。
| 書き方 | 形式 | 向いている人 |
| 編年体式 | 時系列で古い経歴から順番に書く形式 | 職務経歴が少ない人、はじめて派遣に登録する人 |
| 逆編年体式 | 直近の職務経歴から記載する形式 | 直近の職務経歴が希望職種にマッチしていて、強くアピールしたい人 |
| キャリア式 | 経験した仕事を分野別にまとめる形式 | 転職回数が多く、時系列で記載すると職務経歴書が複数枚になってしまう人 |
はたらき方やキャリアのお悩み、テンプスタッフにご相談ください
派遣社員の場合、職務経歴書の提出は求められないのが一般的です。ただ、派遣会社の担当者に職務経歴書を提出しておくと自身の希望が担当者に明確に伝わり、希望の仕事が見つけやすくなります。
テンプスタッフでは、スキルや経験、希望のはたらき方について、コーディネーターが丁寧なヒアリングを実施しています。転職やキャリア全般について有資格者に相談できるキャリアサポートもあるため、はたらき方やキャリアに悩みがある人でも安心して相談できます。
また、職務経歴書がなくても登録できるので、書類作成に不安がある人でも気軽に登録できます。
自分のスキルや経験に合う仕事を見つけて充実したはたらき方を実現したい人は、ぜひテンプスタッフにご相談ください。