まなびカンパネラ はたらくと私
仕事も恋愛も迷子だった私の転機
“はたらくと私”は、派遣ではたらく方々のキャリアや人生にフォーカスしたインタビュー企画です。
派遣を活かしてはたらく仲間がどんな道を歩んできたのか、一人ひとりのリアルなストーリーをたどりながら“派遣”というはたらき方をお届けします。
お話を聞いた方:山本さん(40代)
不動産業界で営業事務としてはたらく傍ら、個人でフィットネスインストラクターとしてもはたらくパラレルキャリアを選択
生きづらさの底で見つけた“自分の気持ちを立て直す力”
―山本さんはこれまでにもたくさんの経験を積まれていますが最初のご経験を伺ってよいですか
システム系の会社でプロジェクトマネージャーとしてはたらき始めました。ただ、入社後学んでもスムーズに覚えられないことや、覚えていることを忘れてしまって定着している実感がなく、業務が辛いし「なんか合わないな」という感覚がすごく強かったです。
―仕事以外でも何か悩みを抱えていらっしゃったんですか
自分がやりたい事も曖昧でしたし、仕事だけでなく恋愛もうまくいかなかったんです。本で学んだことを実践してもうまくいかない、ずっと生きづらい感じがありました。
―その状況が変化したきっかけは何だったのでしょうか
そんな時に心理学と出会って、カウンセラーの仕事に興味を持ったんです。結果的に仕事にはしませんでしたが、自分で自分の気持ちを立て直すことができるようになりました。以前は、人からどう思われているか必要以上に不安に感じたり、「あの一言は余計だったかな」と深刻に悩みすぎてしまったり、自分がコントロールできない範囲のことまで悩んでしまっていました。自己肯定感も低く、周りがかけてくれる言葉も全く響きませんでした。心理学を学んで自分の心の状態を知れるようになったことは本当によかったと思っています。
“苦手克服”と“笑顔”を求めたキャリアの大転換
―その後はどんな仕事に就いたんですか
興味がある仕事の中から、やってみたいと思って選んだのはツアーコンダクター(※1)の仕事でした。選んだ理由は2つあって、1つは自分が笑顔で仕事ができて、それを相手に喜んでもらえる仕事だということ。もう1つは、人前に出ることへの苦手を克服したいという気持ちでした。
- 1 ツアーコンダクター(旅行管理主任者)
旅行会社が企画する団体旅行に同行し、スケジュール管理や観光案内、宿泊・交通の手配確認、緊急時の対応などを行う職種
―人前で話すのが苦手だったのに、ツアーコンダクターに挑戦されたのですね
はい。もともと苦手意識はありましたが、高校時代は放送部だったので、場数を踏めばできるかもしれないと思ったんです。接客に付随するさまざまな業務経験も積めるし、これを機に自分の苦手を克服しようと思いました。お客さまの笑顔を近くで見られる仕事で、やりがいも感じていました。
―そこから、またはたらき方が変わったきっかけは何ですか
数年勤めた頃から、不規則な生活で体調を崩すことが徐々に増えていきました。体力的な不安も感じた頃から、接客以外に事務の仕事も始めたんです。その後ツアーコンダクターの仕事を辞め、事務の経験を少しずつ積みながら、以前から興味があったフィットネスのインストラクターと事務の仕事を兼務するようになりました。
―そのとき、派遣というはたらき方を選んだ理由は何だったのでしょうか
当時は正社員や契約社員で副業は一般的ではなかったことや、フルタイムが一般的とされている時代だったので、週3~4日ではたらくことができる派遣のはたらき方を選びました。
派遣という選択が広げた“自分らしさを磨くはたらき方”
―派遣の仕事は、具体的にどんな仕事を経験したんですか
最初は求人原稿の校正の仕事でした。誤字脱字や規定のルール通りに記載されているかをチェックする仕事です。その後は中規模の会社で総務や人事のサポートなど幅広い業務を経験し、現在は不動産業界で営業事務の仕事に就きました。宅建の資格も取得をし、今は無期雇用契約の派遣スタッフとしてはたらいています。
―はたらく上で特に気を付けていることはありますか
人によって大事にしているものや優先順位が違うのでまず知ること、そして近づきすぎると摩擦が起こるので距離感も意識しています。相手が大事にしているものはできるだけ大事にしたいと思っているので、価値観を否定することなく、どうやったらうまく付き合っていけるかを考えていますね。
―コミュニケーションで工夫していることはありますか
そうですね。全部自分で頑張りすぎないっていうことも大事だと思います。コミュニケーションにおける強みは人によって異なるので、強みを活かして同僚と役割分担をしたり、複数名でコミュニケーションを取ることで円滑に進むこともあるので、周りを巻き込んでいくイメージで柔軟に考えています。
―派遣というはたらき方ならではのよさはありますか
さまざまな仕事を経験し、異なる年代の人とかかわることで世代ごとの価値観に触れられることも、派遣ではたらいていてよかったなって思うことです。
これからの挑戦と、カラフルなはたらき方
周りの人の素敵な魅力を、自分の羽の色を増やしていくようにまとっていく
―山本さんが今後チャレンジしたいことは
これまでは「1年目に仕事に慣れて、2年目は軌道に乗って、3年目で次の準備をする」という3年計画で、刺激があって楽しいはたらき方でした。新しいことにチャレンジできるキャリアチェンジもしやすく、仕事の幅を広げやすかったです。ただ、無期雇用契約で派遣スタッフとしてはたらきはじめてからは、5年、10年の長いスパンで自分のキャリアを考えていけることが嬉しいです。今後は不動産業界での幅を広げるCADやファイナンシャルプランナーの勉強をしながら、1年に1つずつ目標をクリアしていきたいです。
―最後に、今後のはたらき方への考えをお聞かせください
一緒にはたらく人は私とは違うタイプだったりもします。派遣スタッフも含めて周りの人の素敵な部分を見つけて、自分にはなかった羽の色が1枚ずつ増えていくように取り入れていくことで、自分の世界が広がり、彩りが増え、成長をしていく感覚を楽しみたいです。
編集後記
取材中、終始楽しそうにお話しをしてくださいました。価値観が違う相手とのコミュニケーションに悩む方はきっと少なくないと思いますが、山本さんは「相手を否定せず、相手が大事にしたいものはできるだけ大事にしたい」と仰っていたのが印象的でした。
そのうえで、距離の取り方に気をつけるということや、時には他の人の力を借りてコミュニケーションを取る
というお話は自分も相手も大切にする素敵な関わり方だなと感じました。
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